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主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。 生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。 http://reverend.sessya.net/
2024/10/08 (Tue)09:29
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2010/10/21 (Thu)18:11
 劇場でチケット渡したときに、やけに暑苦しいティッシュを渡されたときは何事かと思った。

 そんなわけで、エクスペンダブルズです。配給は前作ランボーと同じく安心のライオンズゲートなので、暴力描写は任せとけです。といってもランボーのときほど直接的にエグイ描写は少ないので、スプラッター好きにはちょっと物足りないかもですが。
 基本はスタローンとジェイソン・ステイサムのコンビが活躍して、あとのメンバーは脇を固めるというスタイルですか。個性的な面子が揃った人数分、個々の見せ場が薄くなってしまっているのは仕方のないことでしょう。この問題を上手く解決できる脚本屋がいたら見てみたいもんだ。
 個人的にジェット・リーのキャラがいまいちよくわからなかったのと、ドルフ・ラングレンの役回りがアレだったのがちょっと残念だった。ていうかドルフ・ラングレンって(アクション・スターにこんなことを言うべきではないけれど)主役張るよりも、脇役でいるほうが魅力を最大限に発揮できるんではないだろうかと今回思った。
 話題のシュワルツネッガーとウィリスとの三者面談シーンですが、ウィリスはともかくシュワちゃんとのツーショットでは、かつて犬猿の仲で、そのことを世間もよく理解しているのをスタローン自身よくわかっていたらしく、そのへんをギャグにしていたのは凄かった。シュワちゃんの出番は本当に少ない、というかチョイ役もいいところだったんだけど、作中屈指の笑えるシーンだった。
 実際に作品を観て一番のサプライズだったのは、敵の黒幕の右腕役でストーンコールドが出ていたこと。それもリングの上そのままの悪役キャラで。黙って立ってるだけで、他の連中とは違う物凄いオーラを放っていたぜ!さすがに銃は使わなかったけど、まさかスタローンとストーンコールドの格闘シーンがスクリーンで観られるとは思わなかったなあ。ザ・ロックことドゥエイン・ジョンソンが出ていないのが残念なほどだ。自作があるなら是非……

 アクションシーンに関しては、これはランボーのときも思ったんだけど、50口径で人体粉砕とか、ピストルの素早い抜き撃ちとか、現実に即していながらスクリーン映えのする、それでいて誰もがやりそうでやらなかったものを積極的に取り入れているのは凄いと思った。今回もスタローン自身がピストルでIPSCばりの素早いタクティカル・リロードを披露したり、ジェイソン・ステイサムがパワフルなナイフ捌きを披露したりと見どころは満点だ。
 特にスタローンはサイドアームにカスタムした45口径の2挺吊りと、奥の手でSAAを下げているという見事なまでのロートル装備。SAAでのファニングもあるよ。さすがにサミングからファニングでの、銃声が一つに聞こえるような抜き撃ち超連射まではやらないけど、あれはスクリーンでやってもわけわかめだからなあ。
 ただアクションシーンに難点があるとすれば、常にカメラが揺れているため、何をやっているのかイマイチよくわからないこと。せっかく凄いアクションをやっているんだから、ちゃんと見せるべき部分は見えるように映してほしかったなあと思った。

 ともあれアクション映画好きなら観て損はない、というか観る義務があるだろこの面子のこの内容の映画だったらよォ!という、処刑人2に続く奇跡の産物シリーズ。機会があるなら是非。
 え、レビューなら他に紹介する部分があるだろうって?ストーリー?なにそれ美味しいの?
 そういやラストシーンで、ヒロインの顔が別人なんじゃないかってくらいブサイクになってたのは吹いた。
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2010/10/01 (Fri)00:55
  プロローグ『勇者出現!悪党どもに明日はない』


 ようこそ、覚醒世界へ。
 ここは、みんなが住んでいる世界とは、ちょっとばかり勝手が違う。
 この世界では誰もが、生まれたときから魔法を使うことができるんだ。
 才能があって、技術を磨ける環境にいれば、自分の意志で隕石を…それも、狙った場所に落とすことだって、そう難しいことじゃない。
 しかし才能に恵まれず、また研鑚を積む機会も意志もないやつは、せいぜいコップを遠隔操作して、一センチ動かすくらいが関の山だ。
 そんな魔法に価値があるのかは、わからないが。
 ケチな魔法しか使えなくても、魔法が全然使えないやつ(マンデイン)よりはずっとマシだ…なぜって、誰だって差別されるより、差別する側にいたいだろう?
 ともかく、魔法は人間の生活に影響を与え、少なからず暮らしを豊かなものにしてきた。
 ただしその反面、科学はそれほど発達していない。
 魔法があるから必要ないとも言えるが、この世界に自動車は走っていないし、高層ビルなんか一軒も建っていないし、電気炊飯器すら存在しない。
 軍人は剣と鎧で武装し、戦闘魔術師(コンバット・メイジ)の放つ炎の玉や氷の矢といった、魔法が戦場で乱れ飛ぶさまは圧巻だ。
 それはまさに、夢のような世界。
 「だが」と、オレサマはここで問う。
 正統派のヒーローは、もう売り物にならないのか?
 たとえそれが、剣と魔法の支配するファンタジーな世界であったとしても?
 オレサマの答えは、ずばり「イエス」だ。
 権力を得るため、名声を得るため、金持ちになるため、あるいは一時の快楽のため。
 自分だけが利益を得るために、たいていの人間が他者を踏みにじってのし上がろうとするのは、この世界でもそう変わらない。
 それゆえに、善意ある行動を「偽善」と罵る人の、なんと数多きことか。
 だからといって、悪党に襲われて困っている人を颯爽と助けるヤツがいたって、いったいなんの不都合がある?
 この物語は、そんな…少年時代の憧憬を、大きくなってから実現させようとした、一人の青年の話である。

《ジャジャジャジャーン、デーン!》
「そこまでだ、悪党ども!」
 その青年は、ステレオ・スピーカーの騒音とともにやってきた。
 それだけならまだしも、まるで粗大ゴミ(スクラップ)置き場から拾ってきたような、デカくて小汚いスポットライトに照らされて、青年はまぶしく光っている。
 おまけに(本人は気づいていないのか)、チャックが全開だった。
「な、なんだテメェはっ!?」
 五人がかりで一人の少女を囲っていた野盗たちの視線が、いっせいに青年へと向く。
 木の上に立っていた青年が「トウッ」というかけ声とともに、勢いよく地面に飛び降りる。
《グシャアッ!》
 着地に失敗した青年は、顔面から地面にダイブしていた。
 この場合、「飛び降りた」というよりも、「飛び落ちた」という表現が正しいのだろうか。
 ともかく、いきなり現れた青年が、木から落ちたまま立ち上がらないというのは、かなり異様な光景であった。
 たとえこの世界に、魔法が普遍的に存在していたとしても、だ。
「なんなんだ、コイツは?」
「芸人か?」
 まったくもってわけがわからん、という表情を交わして、野盗たちは青年に懐疑的な視線を向ける。
 その一方で、ついさっきまで野盗たちに襲われていた赤頭巾の少女も、この状況をただ呆然と見つめていた。
 …助けが来たと思ったら、変な青年が木から落ちた。
 すぐそばにいる野党たちに「こういうとき、どういう顔をすればいいか、わからないの」と問いたい気分だった。
 そうすればたぶん、「笑うしかないと思うよ」と返されただろう。
 実際には、そういうやり取りは一切行われなかったが。
 呆然とするあまり、とにかく事の成り行きを見守るしか、なかったのである。
 やがて青年が、くぐもった声を上げながら、ゆっくりと立ち上がった。
 土くれのついた髪をかき上げると、青年はなにごともなかったかのようにポーズを取り、口を開く。
「オレサマの名前はクレイド・マクドゥーガル、正義の勇者だ。これから、貴様ら悪党を成敗する!」
《ドンドンドンドンドンドンドン、デデーン!》
 青年…クレイドの言葉にシンクロするかのように、ステレオ・スピーカーから、謎の怪音が鳴り響いた。
 野盗たちは、ポーズを取ったまま恍惚の表情を浮かべるクレイドを見て、後ずさりする。
 恐怖を感じた…といっても、相手が勇者を名乗ったからではない。
 クレイドが、あまりにも得体の知れない存在だったからだ。
 子供向けの絵本が広く流通しているせいか、この世界でも勇者という存在(というより概念)そのものは、わりと知られている。
 しかし実際に勇者の肩書きを持つ者や、ましてや勇者を自称する者の存在を、野盗たちはついぞ見かけたことはなかった。
 たとえばクレイドが、いかにも歴戦の勇士たる風貌をしていれば、野盗たちも「おいお前ら、こいつをやっちまえ!」といった、悪党にとって定番の台詞を吐くことができたはずだ。
 しかし黒いシャツにはだけたOD色のコート、裾を折ったジーンズという出で立ちは、どう考えても勇者には見えない。
 おまけに帯刀もしていない、となれば、なおさらだった。
 野盗たちがたいした反応を見せなかったからか、クレイドはポーズを取った状態で、無言のまま立ち尽くしている。
「へっくしゅん!」
 赤頭巾の少女が、くしゃみをした。
 シーーーン。
 静寂。
 どことなく気まずい空気が、その場に流れはじめていた。

 ことの発端は、街外れの森の中の小屋で一人暮らしをしているおばあちゃんに、若干十二歳の赤頭巾の少女が、薬を届けようとしたことからはじまった。
 魔法が普遍的に存在し、また発達しているこの世界では、医療のほとんどを魔法に依存している。
 名医の魔法にかかれば、それこそ不治の病から、致命傷になりかねない刀の斬り傷まで、たちどころに治してしまうという。
 一方で、運悪く藪医者にかかってしまうと、間違った魔法を使われたばかりに、鼻風邪が脳梗塞に悪化するというような有様だった。
 なにより、石を投げれば魔法使いに当たるような世界でも、医療関係の魔法のエキスパートとなると、そうどこにでもいるわけではない。
 すぐに代用がきくわけでもなく、また魔法は使用者に多大な肉体的・精神的負担をかけるため、一人の魔法医が一日のうちに診察できる患者の数は限られている。
 そうした事情からか、腕の良い魔法医にかかるには、相応の治療費を支払わなければならない。
 まして、それが往診となれば莫大な費用がかかり、そんな大金を用意できる患者は王侯貴族か成り金か、という具合であった。
 そこで登場するのが、錬金術師だ。
 錬金術師は別名「薬師」とも呼ばれ、さまざまな材料を使って、魔法的効果を持ったポーションの精製を生業とする、風変わりな魔術師の総称だ。
 たとえ近所に診療所がなくてもポーションを使えば大丈夫、旅先でも魔法医いらずというのが、錬金術師の得意な謳い文句だった。
 おたがいに客を奪い合う関係である、魔法医と錬金術師の仲は非常に悪い。
 赤頭巾の少女は、両親が大枚はたいて買った錬金術師の薬(ポーション)をおばあちゃんに渡すため、人気のない森の中を歩いている途中だった。
 そう、野盗に見つかるまでは。
 野盗たちの狙いは、ずばりポーションだった。
 ポーションは闇市場でも人気の高い、価値のある商品だ。
 たとえ出自や効能の怪しいシロモノでも、正規ルートで手に入れるより安価となれば、売り手は引く手数多(あまた)だ。
 おまけに、持ち主が可憐な美少女ともなれば一石二鳥。
 さあこれからどうしてくれようか、と野盗たちが怪しい相談をはじめるのも、当然の成り行きだった。
 その背後でステレオ・スピーカーを用意し、スポットライトを設置し、それらの機器を小型の発電機に接続して、登場の機会を窺っていた怪しい影が存在していたとも知らず。

 それで、いまココ、である。
 自分の用意した盛大なパフォーマンスに対して、まるでリアクションがないのを確認すると、クレイドはおもむろに赤頭巾の少女の手を取って、その場から立ち去ろうとした。
「異論がないようなら、この娘はオレサマがもらっていきますよ」
「お、おい、ちょっと待て!」
 冷凍食品を瞬時に解凍したかのように、野盗たちがクレイドの行動を見咎める。
 おのおのがナイフやブロード・ソード、手斧や弓といった商売道具(エモノ)を取り出し、クレイドを取り囲んだ。
「おい兄ちゃんよぉ、こっちは相手がガキだからって容赦しねえぞ」
「さっさとその娘を放すんだな。さもないと、痛い目見ることになるぜ?」
 ずずずい、と迫る野盗たち。
 当のクレイドは特に危機感を抱いた様子もなく、不敵な笑みを浮かべている。
「いーねえ、そういう台詞。それでこそって感じだぜ?」
 その生意気な態度を見て、野盗たちの額に青スジが立った。
 トゲつき棍棒を持った野盗が、クレイドに向かって叫ぶ。
「ふざけんじゃねーぞ、くぉのクソガキャアーーーッ!」
 勢いよく振り下ろされたトゲつき棍棒が、クレイドの頭に直撃する。
《ガッ!》
「うそっ!?」
 きっと避けるだろうと思って見ていた赤頭巾の少女が、小さな悲鳴を上げた。
 頭頂部から血をどくどくと流しながら、クレイドが地面に倒れる。
 クレイドをぶん殴った野盗も、まさか避けようともしないとは思わなかったのか、トゲつき棍棒の先でクレイドの身体をつついた。
「お、おーい。大丈夫か…わっ」
 野盗がそう言った矢先に、クレイドがガバッと身体を起こす。
 頭から大量に血を流しながら立ち上がったクレイドは、なにごともなかったかのように言う。
「いや~悪い悪い、ボーッとしてた」
 その言葉を聞いた野盗たちは、眉をひそめる。
 …こいつ、アホなんじゃないのか?
 それが、血だらけのクレイドを見たときの、野盗たちの感想だった。
 そんなふうに思われているとは予想もしていないのか、クレイドは野盗たちに、自信満々な笑顔で話しかける。
「どうした、もうおしまいか?」
「なんだと!?」
 頭から血をダラダラと流しているヤツからこんなことを言われたら、誰だって当惑するに決まっている。
 もしかするとクレイドは、殴られたショックで頭がおかしくなったのかもしれなかった。
「ちくしょう、つきあいきれねぇや!さっさと殺しちまおうぜ、こんなヤツ!」
 野盗の一人が、至極もっともな意見を口にする。
「勇者だかなんだか知らねぇが、くたばりやがれ!」
「死んで英雄になれや!」
 口々にそう叫びながら、野党たちがクレイドに襲いかかった。
 ニヤリ。
 クレイドは、これまでにない凶悪な笑みを浮かべると、両手をコートの内側に差し入れる。
 クレイドの両脇にいた野盗二人が、凶器を振り下ろした。
「「くたばれえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」」
《ドカッ、ドカンッ!》
 ほぼ同時に、二つの爆音が森全体に鳴り響く。
 いままさにクレイドを殺そうとしていた野盗二人が、あお向けに吹っ飛んだ。
「なにぃっ!?」
 ほかの野盗たちが、目の前の光景に狼狽する。
 腕を交差させたクレイドの手には、二挺のピストルが握られていた。
 残った三人の野盗たちが、いっせいに武器をかまえる。
「まさか、武器を隠し持っていたとはな」
「それもピストルとは」
 さっきは取り乱したものの、クレイドの手の内を見た野盗たちの表情に、恐怖の色はない。
 銃火器は、この世界では珍しい武器だが、存在そのものは知られている。
 この世界の銃はすべて旧態依然の単発式で、弾の装填に時間がかかり、湿気の多い気候では火薬が湿気(しけ)って不発を起こす。
 威力、連射速度、射程距離、あらゆる面において弓に劣る。
 おまけに魔法とも相性が悪く、この世界で銃を使うのは武芸とも魔法とも縁のないマンデインくらいだった。
「どうせいまの一発で終わりだ、相手を間違えたな小僧!」
「仲間を殺したツケを払ってもらうぜぇ!」
 残った三人の野盗たちが、クレイドに向かって飛びかかる。
「この銃に装填されてる弾は一発だけ、そう思ってるんだな?」
 襲いかかってくる野盗たちに、クレイドはそのまま銃口を向けて言った。
「ハンッ、クズはなにをやってもクズだぜ!」
 クレイドが、両手に握ったピストルのトリガーを引く。
《ズガガガガガガンッ!》
「ぐおぅあっ!?」
「おぼあ!」
 先頭を切ってクレイドに突進してきた二人の野盗に、無数の銃弾が撃ちこまれる。
 血を吹きながらぶっ倒れた仲間の亡骸を見て、最後に残った野盗の一人が、驚愕の声を上げる。
「な、なんだとおぉぉぉぉぉ!?」
「残ったのはキサマ、一人きりだ!」
 クレイドは、野盗に向かって「ビシイッ!」と指をさす。
 戦闘の様子を窺っていた赤頭巾の少女が、ずっと成り行きを見守っている。
 後がなくなったと知った野盗は、引きつった笑みを浮かべた。
「キ、キヒヒッ。まさか、連発式とはな。新型か…?」
「だとしたら、どうする?」
「こっちも奥の手を見せるしかないようだな」
 そう言うと、野盗は妙なかまえでナイフを握った。
「ハァァァァ……ヒート・ブレード!」
 かけ声とともに、ナイフの刃から炎がほとばしる。
 魔法だった。
 銃口を野盗に向けたまま、クレイドはつぶやく。
「妙な小ネタを使いますな、オタク」
「ほざけぇ!ヒート・カッター!」
「ムッ!?」
 クレイドが警戒した矢先に、野党が振ったナイフから、炎をまとった衝撃波が発生した。
 炎の衝撃波は、火花を散らしながらクレイドの左肩を切り裂く。
《シュバッ!》
「ぐおっ!?」
 苦悶の表情とともに、クレイドは左手のピストルを落とした。
「キヒヒッ、狙いを外したか。だが、次で終わりだ!」
 歪んだ笑みを浮かべながら、野盗はナイフを振り回し、次々と炎の衝撃波をクレイドに飛ばしてくる。
《シュババババババンッッッ!》
「フッ!」
 クレイドは素早く横転して炎の衝撃波をかわすと、木っ端とともに火を噴き出す大木を背にしながら、手首にスナップをきかせてピストルを横振りした。
 グリップからマガジンが抜け落ち、野盗に向かって回転しながら飛んでいく。
 マガジンが抜けたピストルをかまえると、クレイドはチャンバーに残っていた最後の一発を、先刻飛ばしたマガジンに叩きこむ。
「いくぞ、必殺!ヒーロー・エクスペンダブル・ブラストファイアー!」
《ドカンッ!》
 かけ声とともに発射された銃弾はマガジンに命中し、マガジンに装填されていた弾薬が誘爆を引き起こした。
《バッガアアアァァァァァンンッッッッッ!!》
 撃ち抜かれたマガジンは、まるで手榴弾のような爆発を起こし、破砕された金属片が野盗の肉体をめちゃくちゃに引き裂く。
「おがっ、ばっ、べえぇぇぇぇぇぇ…」
 おびただしい量の血飛沫を上げながら、野盗は妙な悲鳴を上げて地面に倒れた。
 クレイドはコートのポケットから、新しいマガジンを取り出してピストルに装填すると、そのまま倒れた野盗のところまで歩いていく。
 爆発の直撃を受けたにもかかわらず、野盗にはまだ息があった。
「や、た、助けて、くれ…」
「う~ん」
 いまにも死にそうな悪党に命乞いをされる、というのは、妙な気分だ。
「もう悪いことはしない。真面目に働く。酒場の用心棒でもやって暮らすよ。だから、なあ…命だけは取らないでくれ。頼むよ」
「う~ん」
 どうしようかな。
 クレイドは、大雨の日にかぎって食料が底をついたときのことを、思い出していた。
 買い物に行くべきか、行かざるべきか。
 一日食事を我慢するか、ずぶ濡れになるのを覚悟で買い物に行くか。
 たしかそのときは、食料どころか金も底をついていたので、雨水で飢えをしのいだのだった。
 選択肢は、なかった。
「正義と善意は、似ているようで全然違う。オレサマのことは、神様が裁けばいい。ただし、オタクのことは、オレサマが裁く」
 ピストルのスライドを引いて、弾をチャンバーに装填すると、クレイドは銃口を死にかけの野盗に向けた。
「オタクを助ける気はない。だめだね」
「…かみさま、たすけてください」
《ズドン》
 銃声が森にこだますのと同時に、野盗が口を閉じる。
 銃口から漂う硝煙を一息で吹き飛ばし、クレイドはピストルをホルスターに戻した。
 赤頭巾の少女がよろよろと立ち上がる。
「あ、あの。助けていただいて、どうもありがとうございました」
 クレイドに向かって、うやうやしく頭を下げる。
「お礼とか、なにもできないですけど…」
「いや、いいんだよ。そういうのを期待して、助けたわけじゃないから」
 温厚な笑みを浮かべて、クレイドが言った。
「ちょっとした感謝の気持ちと、あついキッスさえあれば」
「思いきり下心まるだしじゃないですか!」
 さらりと無茶な要求をするクレイドに、赤頭巾の少女がツッコミを入れる。
 えー、うそ、心外だなあ、というクレイドの表情が、じつに腹立たしい。
 やがてショーケースの楽器を羨望の眼差しで見つめる子供のような顔で、クレイドが言った。
「危ないところを助けたじゃんかさー。キスくらい、してくれてもバチは当たらんと思うんだけどナー」
「いやです」
「いやですか」
「いやです」
「オレサマは、キミくらいの年齢でも、じゅうぶん守備範囲内なんだけどね?」
「なおさら、いやです」
「先っちょだけでいいからさー」
「それはキスの話ですよね!?」
 急に、赤頭巾の少女が声を荒げた。
 顔がリンゴのように真っ赤になっている。
 一方のクレイドはといえば、さして態度を変えることもなく。
「あたりまえじゃないか。他に思い当たることでも?」
「う~…な、なんでもありません」
 赤頭巾の少女は、パタパタと手を振って、火照った顔を冷やそうとした。
「と、とにかくっ!キスなんて、絶対にしません!」
「どうしてもかぁ…」
「あーっ、もう!」
 このままでは埒があかない。
 振り上げた両手を下ろすと、赤頭巾の少女はクレイドに重大な指摘をした。
「あなた、チャック開いてるっ!」
「え、ウソぉ!?」
 素直に、自分の股間を見下ろすクレイド。
 本当に開いていたのだから、世話はなかった。
 その隙に、赤頭巾の少女は野盗の一人が持っていたトゲつき棍棒を拾い上げると、チャックを閉めようとしていたクレイドの股間を、思いきり殴りつけた。
「死ねえええぇぇぇぇぇぇっっっ!」
《メシャアッ!》
「おぼばびゃーっ!」
 クレイドは、股間にトゲつき棍棒をめりこませたまま、バターンと音を立てて倒れる。
 ビクビクと痙攣を繰り返すクレイドを尻目に、赤頭巾の少女はポーションと食料が入ったバスケットを拾い上げると、さっさと森の奥に姿を消してしまった。
 これが、今回の事件の二ヶ月前の出来事である。
2010/10/01 (Fri)00:53
  プロローグ『勇者出現!悪党どもに明日はない』


「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ……」
 森のなかを疾駆する、小さな影が一つ。
 赤い頭巾をかぶった少女が、おおきなバスケットを抱えて一生懸命に走っている。
 それは急いでいるというより、『なにか』から必死に逃げているという様相だった。
 小さな歩幅でせわしく駆けているものの、やがてそのテンポも遅くなっていく。
 その様子を、木々に止まっている鳥たちはじっと見守っていた。
 やがて赤頭巾の少女のうしろから数人の男たちがドカドカと押し寄せてきたのを見て、鳥たちは一斉に飛び立った。
 ガサガサ、バタバタバタ。
 その音を聞きつけた赤頭巾の少女は、ハッとうしろをふり向いた。
「ま、まさか…」
「そんな小さな足で、よくもまぁこれだけの距離を逃げられたもんだな?」
 人数にして五人。
 ちいさい頃から勉強が得意で、都市学校を卒業したインテリ集団…という風体には、ちょっと見えない輩たちだ。
 勉強よりも運動を、知識を追い求めるより肉体の鍛錬を追求してきた男たち。
 とまあ、そういう表現をすれば多少は聞こえが良くなるのだろうか。
「なんでわたしを追ってくるんですかっ!?」
「こちとらだって追いたくて追ってるわけじゃねえ。おまえさんが逃げるのをやめればいいだけの話だ」
 赤頭巾の少女を追ってきたこいつらは要するに、山賊野盗のたぐいだ。
 本当に肉体の鍛錬を追及していれば、理由もなしにここまで落ちぶれるほど国は不景気ではない。王国軍兵士、傭兵、剣闘士、なんなら飲み屋の用心棒だっていい。
 どうにも勤労意欲というものをカケラも持つことのできない連中のなれの果てが、山賊や強盗といったやくざな職業だ。というか、正確に言えばそれは職業とすら呼べるものでもない。はやい話がニートだ。
 そして、そういう連中が肉体の鍛錬にのみ努力を欠かさないなどということは、まず有り得ない。
 現に赤頭巾の少女を追ってきた五人の男たちも、その身体つきはまばらなうえに中途半端だ。
「わ、わたしのことは放っておいてください。わたしはただ、おばあちゃんに薬を届けにきただけなんです」
「その薬が目当てなんだよ。錬金術師謹製の、高価な薬がなあ」
「そんな…」
 男たちの言葉に、赤頭巾の少女は思わず手にしていたバスケットをぎゅっと抱きかかえた。大木を背に、尻もちをついてしまう。
 バスケットのなかには病弱な祖母のための食料と、そして病状を和らげるために錬金術師から買った高価な薬が入っていた。
 この世界では、怪我や病気の治療は魔術師の専売特許となっている。
 さまざまな材料から薬剤を調合する錬金術師は魔術師から嫌われており、またこの世界では魔術師のほうが圧倒的多数派なため、錬金術を学ぶ者は本当に数がすくない。
 しかし錬金術師によって作られた薬は、魔術の心得がなくても扱うことができるという利点がある。
 圧倒的多数派とはいえ、街を歩けば必ずぶつかるほど、世界に魔術師がありふれて(・・・・・)いる(・・)わけではない。
 まして治癒の魔法を専門に扱う魔術師となれば、その数はさらに限定される。
 魔術師に頼むか、錬金術師から薬を買うか。
 どちらも子供の小遣い銭程度ですむわけではない。どちらを選ぶかは、環境によるだろう。
 ただ、薬はどこの国でも高く売れる。
「こ、このお薬がないと、おばあちゃんが…」
「老い先短いババアのことなんか知るか。それより未来ある若者に生活費を恵んでやるほうが建設的だと思わんかね」
「なんの役にも立たない社会不適合者を生かしておくぐらいなら、年寄りを延命させたほうがマシですっ!」
「な、なんだとぅっ!?」
 雪のように白い肌の、華奢な身体つきの赤頭巾の少女から、抜き身のナイフよりも鋭い言葉が飛び出したため絶句する野盗たち。
「こ、こんなちいさい子供までっ…!」
「国家だけじゃねえ、こんなガキにすら生きる価値がないと思われてんのか、俺たちは…!」
 野盗たちはあまりのショックに動揺し、口々につぶやきを交わす。
「働きたくないわけじゃねえ、でも落ちこぼれに仕事をくれるやつなんかいねぇし、やりたい仕事も見つからなかった。ただそれだけなんだよ…!」
 無職にお決まりの台詞が、涙とともに口からこぼれる。
 その隙を逃さず、赤頭巾の少女は逃げだそうとした。
「いまだっ!」
 ダッシュ。
 尻もちをついた体勢から、さっと身を起こして駆け出そうとした、そのとき。
 ドテッ。
「んきゃっ!?」
 まるで人間の足を引っかけるためだけに存在しているような木の根につまづいて、赤頭巾の少女は顔面から草地にダイブ・インした。
「なにやってんだ、こいつは」
 赤頭巾の少女が逃げ出そうとしたことにも気がついていない野盗たちは、地面に顔を突っ込んだままうめいている姿を見て首をかしげる。
「なんにせよ、このガキは俺たちの心をズタズタに傷つけた。こりゃあ荷物をぶん取るだけじゃあ気が晴れねーな」
「おうともよ。たっぷりエッチなおしおきをしたあとで、奴隷商人に売り飛ばしてやる」
「そ、そんなぁ!」
 野党の一人が赤頭巾のフードを掴み、少女を持ち上げて宙吊りにする。
 赤頭巾の少女はなんとか男の手から逃れようと必死に抵抗し、叫び声を上げる。
「このロリコン、変態、ペドフィリア、童貞、無職!」
「無職は関係ねぇだろ無職はあ!」
「童貞もな」
 ほかの男たちも群がり、赤頭巾の少女の服を脱がせようとする。
 少女の貞操に危機が迫る。クライシス(危険)がクライマックス(最高潮)に迫ったとき、どこからか声が聞こえてきた。
「悪党でょも、そこまだだ!」
 悪党ども、そこまでだ…そう言いたかったのだろう。おもいっきり台詞をかんでいる。
 それにやや早口で、おまけにちょっと声が裏返っていた。
「誰だぁ?なぁにがまだだってぇ?」
 さりげなくツッコミを入れつつ、野盗の一人が周囲を見渡す。
 やがて一人の青年が、近くの木の上から飛び降りてきた。
 右手に拳銃、左手に拡声器を持った状態で、見事に着地を決める。さっきの恥ずかしい失敗を、これで取り戻したかたちだ。
 栗色の髪の青年が着ている緑色のコートは、この国では大変に珍しいファッションだ。コートとズボンの裾を全部まくっているのが、微妙なダサさを醸し出している。
「純粋無垢な少女に乱暴狼藉を働こうとするその悪行、この勇者クレイド・マクドゥーガル様が容赦せん!」
 勇者を自称した青年…クレイドは立ち上がると、野盗集団に見栄を切った。
「なんだぁこの野郎!」
「このガキは純粋無垢なんかじゃねぇ、俺たちを無職童貞呼ばわりしやがったんだ!」
 突然の出来事にいくらか面喰らいつつ、野盗たちはそれぞれ武器(ナイフ、斧、弓、トゲつき棍棒など)を取り出しながら、クレイドに向かって口々に叫ぶ。
 野盗たちが、クレイドの持つ拳銃を見て怯む様子はない。
 それはそうだ。この世界では、銃は武芸の才能のカケラもない人間が最後にすがりつく武器だと認識されているからだ。
 銃口から火薬と銃弾を装填し、一度に一発しか撃てない銃は不意を突く一撃としてしか利用価値がない。弓より射程が短く威力も劣り、再装填にも異様に時間がかかる。
「銃か。ガキのオモチャにはピッタリだな」
 野盗の一人がナイフに舌を這わせる。
「女のガキには利用価値があるが、男のガキに用はねえ。ぶっ殺す!」
 迫り来る野盗たち。
「死ぬのは貴様だ、喰らえッ!」
 クレイドは雄叫びを上げると、容赦なく引き金をひいた。

 キイィィィィイイイイイィィィィィィンンンン。

 とてつもない異音が、周囲を覆いつくした。
 拡声器から発せられたノイズに、野盗と、赤頭巾の少女が耳を塞ぐ。
「あーやばい、こっちじゃなかった」
 そう言いながら、クレイドは拡声器を投げ捨てる。
「てっ…めえ、ナメてんのかこのクソガキャアァァ!」
 迫り来る野盗たちに、クレイドは今度こそ拳銃をぶっ放した。
 ドゴンッ!
「ぐあっ!」
 胸板に銃弾を喰らった野盗の一人が、あおむけにのけぞってぶっ倒れる。
「ひるむんじゃねえ、銃なんざ一発撃てばそれっきりだ。バラバラに切り刻んでやれ!」
 どうやらリーダー格らしい、斧を抱えて横歩きをしている野盗がそう叫んだ。
「うおおおおおお!!」
「バカめ、オレサマの勇者流最強銃術は無敵だッ!」
 ドカン、ドカン、ドカンッ!
 連続して銃弾が野盗たちの身体にぶち込まれる。
 拳銃の排莢口から飛び出す空薬莢、そのメカニズムは野盗たちがついぞ見たことのない代物だ。
 なす術もなく倒れる部下を前に、リーダー格の男は動揺を隠せない。
「ば、バカな、連射できる銃だと!?それも、拳銃サイズでこの威力とは…!」
「いくぞ、必殺!ヒーロー・ブレイク・エクスプロージョン!」
 残った相手がリーダー格の男一人になったのを確認したクレイドは、拳銃に装填されていた弾倉をおもむろに抜き、リーダー格の男に向かって投げつける。
 そして薬室に一発だけ残った銃弾を、宙を切る弾倉にぶち込んだ。
 バカアァンッッッ!!
 弾倉に装填されていた弾が連鎖爆発を起こし、撃ち抜かれた弾倉はさながら手榴弾のように金属片を撒き散らして野盗のリーダー格の男の身体をズタズタに引き裂いた。
「おが、ばっ、べえぇぇぇぇ…」
 妙な悲鳴をあげ、リーダー格の男は地面にぶっ倒れた。
 拳銃に新しい弾倉を装填し、クレイドは拳銃を腰のホルスターにおさめる。
「これで、また…一つの悪が消え去り、正義は成された…」
 皆殺しの森のなかでクレイドは一人、格好をつける。
 しかしその光景は赤頭巾の少女が見るに、クレイドのズボンのチャックが開いていたせいでわりと雰囲気台無しだった。
「さて、お嬢さん」
「ひっ」
 くるりと振り返るクレイドを見て、思わず悲鳴に近い声を出してしまう赤頭巾の少女。
「なに、もう恐れることはない。悪は滅んだのだ…さ、お嬢さん。手を貸そう」
 完全に自分の世界に入っているクレイドは、外見のガキッぽさに似合わない台詞を口にしながら、赤頭巾の少女に右手を差し伸べる。
 だが赤頭巾の少女が、ほかならぬ自分を警戒していることを認識したクレイドは、驚いたような表情を見せた。
「このオレサマが、謝礼を求めてこのような行動を取ったと思っているなら、それは無粋な誤解だと言っておこう。オレサマは、成されて当然の正義を下したまで」
「そ、そう、ですか」
「あえて求めるとするならそう、ちょっとした感謝の気持ちとキスだ」
「思いっきり謝礼を求めてるじゃないのよぉっ!」
「なにが?」
「あんたはさりげなく言ったつもりかもしれないけどっ!キスなんかぜーったいにしないんだからぁっ!」
「いやか」
「いやです」
「安心しろ、きみはまだ全然オレサマの守備範囲内だ」
「そういう問題じゃなくってですね!」
「先っちょだけでいいから。先っちょだけで」
「それはキスの話ですよね!?」
「当然だ。ほかに思い当たることでもあるのか?」
「あーん、もう!あなたチャック開いてるっ!」
「え、うそ」
 赤頭巾の少女の指摘に、クレイドは思わず自分の股間を見つめる。
 いままで本当に社会の窓が全開だったのだから、世話はなかった。
 チャックを上げようとするクレイドに、赤頭巾の少女は野盗の一人が持っていたトゲつき棍棒を叩きつける。
「死ねえぇぇぇぇぇっっっ!」
「おぼばびゃーっ!」
 グメシャアッ!
 股間をトゲつき棍棒で殴られたクレイドは、バターンと音を立てて倒れると、ビクビクと痙攣しながら気をうしなった。
 慌ててバスケットを抱え、森の奥へと姿を消す赤頭巾の少女。
 昏倒したまま、クレイドは悲しみの涙を流す。
「オレサマはただ、ほっぺにチューしてほしかっただけなのに…」
2010/10/01 (Fri)00:51
 たったいま原稿出してきましたです。「どうしても30日の消印じゃないとダメなんですお願いします~ッ!」って窓口で超頭下げました。ハゲのオッサンに。はっさんとタメを張れる腰の低さ。

 ていうか今回スケジュールきつすぎました。いかに自分がダメ人間かわかるというもの。今回校正もマトモに出来てないんでヘタすりゃ予選落ちですが、得るものはあったんで良しとする。いいのか。
 まず九月半ばで、いままで書いてたやつを捨てて別のを書くことに。
 前回「世界観を活かすのが難しい」って書きましたが、そこらへんの調整で「あ、今回この話を書くには時間が足りなさ過ぎるな」と感じて。「たぶん、このまま中途半端に完成させても絶対賞なんか取れないな」と。
 だったら意味ないっちゅーことで、でも時間ないときに書ける話ってどんなの?となると、それは「ギャグ」しかない。

 で、勇者屋の話を書きました。
 それがまたヒドい話で、9月25日かな、もう60%くらい完成してたんですが(それでも遅過ぎますけど)、このままじゃダメだ、というか、もっと面白く書けるな、と気づいて、でもいまさら別のなんか書けないな、と思ったから書き直すことに。
 それで、そんときは「いままで書いた原稿をちょっと手直しして、あと足りない分を付け足せばいいな」と思ってたんです。
 でもそれじゃダメだ、それじゃ足りない、一心不乱の大改稿を、ってことで、全部書き直し。
 たぶん今回の原稿、3日か4日で書いてます。プロでもこんなペースで書かねーよ。週1で本出せたら、どんなに売り上げの低い作家でも年収500万近く行くじゃんかよ。バカ過ぎる。
 そんなわけで、本当の意味で「読者の立場でものを見る」というのが理解できかけてきた9月末。みなさま如何お過ごしでしょうか。

 スイマセン原稿書いてた3~4日間、ほとんど寝てません食ってません。体重も減りました。もう減るとこないのに。職場に行くたびに「痩せたね」って言われるガリ男ってどうなの。身長168で(もともと169あって、あと1cm欲しいなと思ってたら1cm減ってやんの。クソッ!)いま46kgくらいしかないですよ。
 参考までに、あとで没バージョンのプロローグと、投稿バージョンのプロローグを載せます。さすがに本文全部は載せないよ。
 それでもたぶん明日後悔するだろうけど、いまは眠いから、いいや。

 郵便局まで全力疾走したら死にかけた9月末、みなさま如何お過ごしでしょうか。
 ていうか今回のはなんだ、アレだな、職場で面子を保つための捨て原稿だな。手直ししてから別のとこに送ろう。
 …↑みたいな文章は物書き目指してる人の反感買うのわかってるんで(ていうか、他所で見かけたら俺でも激怒する)普段は書かないんですけど、いまはすげー眠いんで本音ダダ漏れ状態です。
 あれですよ、それだけ現状に満足せず、「面白い作品」ってのを追求し続けてるってことで勘弁してくれませんか。ダメですか。死ぬべきですか。

 つーか俺は一回世界観からキチンと構築して書くべきなんですよ。
 というわけで現在、オリジナルのTRPGを作ろうと画策しております。自分用のシナリオ・キットとも言う。基本的に俺の書く作品は全部時間軸が繋がってるんで、まったく別種のガジェットが登場する、年代の異なる話はサプリメントって形で補間していこうかと。ベースはアルファ・ステータスで。

 とりとめのないこと書いてると終わりそうにないので、ここいらで終了。みなさん、おやすみなさいですニャー。
2010/09/13 (Mon)13:32
 ヤバイ全然進んでない。まあ毎年こんな感じなんですけどーって先日バイト先の店長の息子に言ったら「それって今年もいままでと同じことしてるって意味だよね?」と突っ込まれましたです。
 それは今年も二次予選落ちというオチかうがあああああ!指摘が的確すぎて私は「スイマセンゴメンナサイ」と言うしかなかったです。いちおー一ヶ月休みもらってる立場だしにゃー。
 でもまだキャラたちが自分で動いてくれないんだよ。私にまだその気がないんで仕方ないですが。っつっても私のキャラは自立して動くようになると皆例外なく暴走するから、そこがなー。

 ストーリー的には、田舎育ちの地味な女の子が、とあるきっかけで幼馴染の元気娘&不良少年と一緒に軍隊に入ることになったというもの。
 世界観としてはファンタジーに近代文明をいきなりぶち込んでカオスになったとかそういう。ファンタジー寄りのシャドウラン的な。サイバーパンクと言えるほど文明は発達してないんですけどね。

 物語の開始前にまず人間同士の戦争があって、そのときは剣、槍、弓、そして魔法で戦っていた。んで、戦争で人類が疲弊した隙を狙って悪魔が地上に侵攻してきたと。もう訓練された兵士は人間同士の戦争でほとんど死んじゃってるんで、このままだと人類滅亡は確定かと思われたそのとき。
 5人の考古学者が、古代文明の技術を発見して復元した…その古代文明というのが、じつは核戦争で滅んだ今の私たちの文明。
 剣や魔法ほど鍛錬を必要としない銃火器を量産して、5人の考古学者は1000人の志願兵を募ります。全身を覆うフルメタル・アーマーに身を包み、ハイパワー・ライフルで悪魔を打ち倒す彼ら星屑騎士団の活躍によって悪魔の軍勢は壊滅し、人類にふたたび平和がもたらされた。

 そして物語開始時には、5人の考古学者がそれぞれ設立した企業によって世界中に近代文明の恩恵がもたらされた一方、それにともなう弊害も現れ始めたという感じで。
 さらに5つの企業は復元したロストテクノロジーの商品化によって莫大な財産を得たものの、政府と癒着して政治的な権力までも獲得した時点でそれぞれが対立をはじめるありさま。またぞろ人間同士の戦争がはじまりそうな、不穏な空気が流れ始めているものの一般市民はそんなことは露知らず享楽的な日々を送る…

 とまあこういった感じなんですが、現状ではいかんせん世界観が活かしきれていない。このまま裏設定の資料本みたいな内容にしたら間違いなく落選確定だよなあ…キャラ設定もいまいち固まってないし、どないしよ。
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