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主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。 生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。 http://reverend.sessya.net/
2014/11/03 (Mon)14:48



 1971年公開の映画「黒いジャガー」のリメイク(原題はともに「Shaft」)。
 不動産王の息子ウォルター・ウェイドが黒人の若者を殺害した。それはウェイドの差別的発言に端を発するトラブルの結果によるもので、現場に乗り込んだNYPDの刑事ジョン・シャフトはウェイドを逮捕する。しかしウェイドは父の権力と財産を背景に保護観察つきの保釈を許され、さらに保護観察をも無視して国外逃亡してしまう。
 一方ウェイド逮捕の際の暴力行為がもとで麻薬課に転属させられていたシャフトは、地元ギャングのボスである売人ピープルズ・ヘルナンデスを挑発した末に公務執行妨害で逮捕。また秘密裏に帰国していたウェイドを飛行場で取り押さえ再逮捕したシャフトは今度こそ有罪判決が下ることを期待し、また検察官らも「差別的殺人」として大きな関心を集めていたこの事件に対し「今度無罪放免になったら暴動が起きる」と裁判長に進言するも、結局は保釈金による解決で終わってしまう。
 腐敗した体制に憤慨したシャフトはバッジと銃を返上し、独力でウェイドに裁きを下すことを決意。殺人事件があった夜に姿を消して以来、行方をくらませている目撃者の捜索をはじめる。一方ピープルズと接触していたウェイドは彼に目撃者の暗殺を依頼し、自らの有罪に繋がる糸口を断とうとしていた。



 この映画、悪役がひたすら酷い目に遭ってるだけなんですけど…なんというか、評価が難しい作品だ。
 黒人が白人と肩を並べて映画館に行くなんてことが考えられなかった時代に作られた、黒人のための映画(所謂ブラックムービー)のリメイク。そのせいか随所に黒人特有の被害者意識が垣間見えるのは気のせいだろうか。

 破天荒な主人公が型破りな捜査で悪を追い詰める、というプロットは典型的なダーティハリー・タイプなのだが、本作主人公のシャフトはあまりにも恵まれている。
 ふつう、このテの映画では主人公は同僚や上司から疎んじられ、敵役の卑劣な手段に苦しみ、時として味方であるはずの司法機関や法律でさえも障害となり、ボロボロに傷つきまくったところで最後の最後に逆転する…というのがセオリーなのだが、シャフトは基本的に同僚からは好かれているし、上司から妨害を受けることも、敵の策略に苦しめられることもなく、ただひたすらに好き勝手やりまくるのである。
 そもそも刑事が主役の映画で、端っからバッジを捨ててしまうのが、おかしいといえばおかいしいのだが…そして刑事を辞めたシャフトが不便を被るかといえば、まったくそんなことはない。法の楔から解き放たれたシャフトは仲間を使って敵を陥れ、チンピラをボコボコにしているところを元同僚に見られてもお咎めなし。銃だって自前のがあるし、閑静な住宅街で派手にドンパチやらかしても誰も文句を言わない。

 で、そうまでして主人公が目の敵にしているのが、たった一人殺しただけ(という言い方に語弊があるのはわかっているが…)の金持ちのボンボンだってのがなんというか、なんというか…なのだよな。
 これが巨大な犯罪の一端だとか、特別な背景があるとかならまだしも、これ、本当に突発的な犯行なんである。しかもウェイドは殺人癖があるとかそういうんではなく、本当にただの身の程知らずな若者ってだけ。それを「差別的発言の末に殺した」という理由から「差別的殺人」と大きく取り上げ、あまつさえ「法で裁けないなら俺が裁く!」とばかりに追い詰めるのは、ちょっと、かなりやり過ぎなんじゃあないかと思うのだ。

 金と権力にモノを言わせて無罪を勝ち取るなんで汚い!という論調でストーリーは進むのだが、そもそもこの、支払われた額ってのが尋常ではない。
 まず初回の裁判では20万ドル、本来なら必要なかったと思われる二回目の裁判では100万ドル(!)、そしてピープルズへの暗殺依頼の報酬に4万ドル相当の宝飾品、そしてこれはネタバレになるが、じつは目撃者にも5万ドルを渡しているのだ。しめて130万ドル近く、さらに有能な弁護士を雇って裁判官も買収していたとなればもう、幾らになるのかなぁ。
 たった一人殺してこの額だぜ!?むしろなんで示談にしねーんだよ!とか思ってしまうんだが、とにかくそんだけの大金を(対価として)出してるにも関わらず、一方的に悪者扱いなのはどうなんだろーなと思ってしまうのだが。
 そしてそれだけの大金を払ったウェイドの父親っていうのが、ストーリーにまったく絡んでこない。これが他の映画なら、殺し屋を雇ってシャフトを襲うなり、警察組織に圧力をかけてシャフトの動きを封じたりとかするだろうに。

 あとはもう、とにかくシャフトが一方的に敵役を翻弄し、運悪くシャフトに目をつけられたウェイドとピープルズはひたすら酷い目に遭わされるのだ。彼ら、登場時にはなかなかのゲスっぷりを見せつけてくれるおかげで最初だけ「やったぜざまぁみろ!」と思うのだが、だんだん、すっごく、可哀相になってくるのです。
 そして劇中でのシャフトの英雄扱いぶりも鼻につく。特典映像なんかを観ると製作者側は一貫して「シャフトはクールなヒーロー」と言っているのですが、その(原作ありきの)思い入れが強過ぎるのか、劇中では行動を正当化するだけの葛藤や正義の定義を描かず行動ばかり先行するため、俺の目からは法も規範も無視して無双するシャフトは単なる危険人物にしか写らなかったんですよね。少なくとも俺が住む界隈にこんな人間は居て欲しくない!

 で、俺が冒頭で「評価が難しい」と言ったのは…上の要素を「悪い部分」と言ってしまっていいのかどうか、ということです。
 たとえばダーティハリー・タイプの映画を観ていると、「なんでもっと主人公の好き勝手にさせてやらないんだ!」「悪党なんか法を無視してとっとと鉛弾ブチ込んじまえばいいだろ!」と思うことが多々あると思うんですよ。
 でも、いざ本当にそれをやられると、やっぱり「溜め」とか、「序盤のフラストレーションが終盤のカタルシスに変換される」ってセオリー通りの過程は大事なんだなぁと再認識させられる、これはそんな映画でした。






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2014/08/18 (Mon)08:12



 せっかくなので慣れないペンタブでルビー・ローズちゃんを描いてみた。さらりと。強くてカワイイけど授業中にハ○クソほじくったりする残念な娘。

 そんな感じでどうも、グレアムです。
 以前RWBYの感想記事を書いたりしたわけですが、今回はRWBYを初めて観たときの純粋な感想なんかを思い出しながら書きたいと思った次第で。なんとなく。

 いちおう、Red Trailer公開前に出てたシルエットのみの画像で存在だけは最初から知ってたんですよね。たしか「童話をモチーフにした、四人の少女が主人公のアニメ」っていうコンセプトも同時に発表されてて、そのときはどんなアニメになるのかがまったくわからなかった。
 でまあ、Red Trailerが公開される前にその存在をすっかり忘れてしまって、Episode1の終了直後あたり?にYouTubeでなんかまったく関係ない動画を観たとき、なぜか関連動画の候補にRWBYのTrailerが表示されてて存在を思い出したという。あればっかりはどういう巡り合わせだったのかまったくわからん。

 それで最初にRed Trailerを観ることにしたんですけども、俺はてっきり、観る前はアート系のアニメだと思ってたんですよ。ていうか、ルビーが銃をぶっ放す直前までそう思ってた。もっとも製作がRooster Teethで、最初にMonty Oumの名前がハッキリでかく出てた時点で、それこそRed VS Blueからのファンなんかは「そういうアニメだ」とわかってたと思いますけどね。
 で、Trailer公開前のキャラ情報はシルエットのみだったんで、女の子の造型についてはほとんど、まったく全然期待してなかった。「どうせケバイ顔の、オバサン声が出てくるんだろ。ハイハイワロスワロス」って感じだった。




↑この時点でも「どうせ素顔は残念なんだろうな…」とか思ってた。
 あるいは、最後まで顔出さないのかな、とか。




↑グリム初登場。「物語のモチーフはどう見ても赤頭巾だけど、狼多いな!」と思った。さっきから画面を横切ったり飛んでたりしてたのはこいつか、みたいな。
 まさかバトル物だとは思ってなかったから、この怪物から逃げる展開か、でなければ惨殺→場面転換って流れだと予想してたんですけどね。というかアレだ、赤頭巾モチーフの物語っていうと「The Path」の印象が強かったから、ああいう話だとばかり思い込んでた。




↑「えっ、避けた?」からの、まさかの素顔公開。
「え、うそメッチャ可愛いじゃん」と思いましたともさ、ええ。この憂いを帯びた表情なんか最高じゃないですか、まさか本編だと典型的な落ちこぼれ系主人公だとは思いませんでしたが。
もっとも、予想外のキャラ造型を目の当たりにした直後にその上を行く衝撃的な展開が待っているわけで。




↑このシーンを見たときの衝撃といったら、もう。唖然とするほかなかった。
脳の理解が追いつかなかったですもの、「…へ?」と、でまあ米製なので当然欠損表現もありますよと、エグイ破砕音とともにグリムの頭部が半壊するという。



 あとはもう、呆然としながらずっと眺めてましたね。いやまあ実際は途中から外人四コマみたくハッスルしましたけど。この後で銃が鎌に変形するとかいう超絶ギミックが炸裂して、さらに衝撃を受けたりはするんですが(本当はあのときが衝撃度MAXだったり)。
 初見の感想はもうとにかく、「オイオイオイオイちょっと待て。これってアリなのか!?」という、それに尽きます。いやもちろん、そういう作品だと最初からわかってて観たなら、また違った感想も出たかと思いますが、俺これ直前までずっとアート系の作品だと思って観てたからね!?そりゃ、「パリより愛をこめて」の日本版予告と本国版予告くらいの認識の差があるってもんです。ちなみにあの映画、日本版の予告では「ヒロインの夫(=リース・マイヤーズ)は見かけは一般人。しかしその正体は…彼は本当は何者なのか?」みたいな、ミステリーっぽいというかあからさまに女性客を意識したものになってるんですが、本国版ではトラボルタが無双してたっていう。日本版の予告はもうほとんど詐欺だなアレ。

 あとこれはYellow Trailerまで観たあとの感想なんですが、声がちゃんとアニメ声だ!と感動しました。
 この、「アニメ声」ってものに対する認識はアメリカは諸外国に比べて一歩先んじてますね。いやたとえばアジア圏の事情なんかはまったく知らないんで、ひょっとしたらそっちのほうが進んでるのかもしれませんが。

 そんな感じで、まあかなり得したというか、ほぼ理想的な形でエンジョイしまくったってことは理解して頂けたかと思います。これはRooster Teeth(というかRed VS Blue)の知名度が低い日本ならではの楽しみかたなのかもしれんなー、などと思いつつ。Haloidは公開当時日本でもそれなりに話題になった気はするんですが、それでも製作者の名前がクローズアップされることはなかったので(まあ、ふつうMAD動画の作者に興味は持たんわな)。
 そんなことを思い返しながら、以前書いた自分のレビュー読んでみると、けっこう偉そうというかヒデーこと書いてるな俺。なんかもう悪い癖が出まくってる。自重しなきゃ。

 賛否あるとは思いますが、やっぱりこの四本のTrailerはアクションがメインの短編としてはトップクラスに出来がいいなと俺は思いますね。商業作品と比べても。「やりたいことをやった結果」ってのが大きい。コンセプトがブレてないって意味でね。







2014/07/19 (Sat)16:05

 いたちごっこ、という言葉がある。
 スーパーヒーローの登場によって犯罪の指向がより過激化してしまったら?
 これはなにも、スクリーンの中の絵空事の話ではない。日本でも暴対法が制定されてからこっち、ヤクザや暴力団の犯罪はより巧妙になり、あるいは締めつけの強化による困窮で自棄的な凶悪犯罪が増加した。している。現在進行形である。
 ゴッサムシティでは「それでも俺は活動をやめられない!」とバットマンが日夜頑張っているわけであるが、さて現実世界に生きる我々はどう犯罪に立ち向かうべきだろうか?という、一考の価値ある疑問をこの映画は投げかけてくれる。所謂、社会派ドラマなんである。
 そういう大人なドラマであるから、アメコミ映画でありながらアメコミ的な不自然さが足を引っ張ってしまっているという本末転倒さは、これまたアメコミの宿命みたいなものなので仕方がないと割り切るしかない。もっともヒーローの存在の是非を問う内容であるから、ある意味ではアメコミでしかできない話なのだが。

 ユーモア欠乏症患者と化したジョーカーのキャラクター造型には原作ファンに賛否あると思う、綺麗に纏まってはいるが、綺麗に纏まりすぎているのだ。とはいえ、あまり狂気とコミカル成分が増えても収集がつかなくなるので、妥当な落としどころではある。
 ジョーカーの影に隠れていまいち存在感のないトゥーフェイスは俺のお気に入りヴィランだ。出番が今作限りなのは残念である。

 さていままでに「ヒーロー」という単語を何回か使ったが、じつのところ、バットマンにはヒーローという呼称はあまり相応しくないと思っている。
 バットマンの行動原理は性悪説であり、彼の目的は犯罪者との戦いだ。そして彼が犯罪抑止のために用いるのは、力と恐怖である。彼はヴィジランテであり、クライム・ファイターである。が、そこには「人を助ける」という根源的な欲求がどこか抜け落ちているため、ヒーローと呼ぶにはいささか不適格と考える次第である(といっても、これはエピソードによるけど)。
 そしてバットマンと対極の位置にいるヒーローというのが、何を隠そうDC二大看板のもう一方を担う鋼鉄の男、スーパーマンなのだな。
 スーパーマンについての考察は今後に譲るとして、ではバットマンをヒーロー不適格と呼ぶのであれば、何と呼ぶべきか?
 その疑問の答えがこの映画に集約されている。鋼鉄の男(マン・オブ・スティール)と対極を成す男、その名は暗黒の騎士(ダーク・ナイト)。




2014/07/13 (Sun)16:52

 地球にいきなり宇宙人が攻めてきた!ボッコボコにやられて軍は壊滅状態、だけど主人公率いる部隊の活躍で敵の司令塔を一つ破壊!さあ俺たちの戦いはこれからだ!第一部完!

 …とまぁ、内容を要約すればめっちゃくちゃ頭の悪い作品なんであるが、アクションの水準は及第点であるので見れないこともない。
 目新しい要素なんか一個もないし、軍事関係の描写一つ取ってもシリアスに突っ込みを入れればキリがないんだが(核爆弾みたいな超威力の手榴弾の在庫はまだハリウッドに大量に残っているらしい)、たぶんこれはそういう映画じゃないんで、リアルさに関してはケチをつけるだけ野暮ってもんだろう。そういうわけだから、巷でよく言われる「宇宙人を敵に据えたブラックホークダウン」なんて評価ははっきり言ってBHDに失礼にも程があるとは言っておく。

 最近の映画のご他聞に漏れず、カメラは揺れまくりで見にくい。アクションシーンで何をやっているのかわからない、というほど酷くはないものの、あらゆるシーンで「とりあえず揺らしとけばリアルに見えるだろ」という単純思考が透けて見えるようだ。
 宇宙人の、身体に機械が埋め込まれているという設定は悪くないが造型はお世辞にも良いとは言えない(スタイリッシュではないがダサカッコイイというほどでもなく、非常に中途半端)。そして動きがあまりに人間的すぎる。これは第九地区のときも書いたが、俺は人間の代用品みたいな宇宙人は評価しないのだ。こういう部分こそ想像力の働かせどころだろうに…せっかく「宇宙人が有無を言わさず武力行使してきた!話も通じない!得体の知れない相手だ!コワイ!」ってシチュエーションなんだから、もっと得体の知れない恐怖、威圧感みたいなのを感じさせてほしい。戦い方や兵器の運用思想まで人間そっくりだし。ハンドサインまで出すし。こんなならDOOMの悪魔のほうが百億万倍はマシだぞ。

 ストーリーも…まぁ…ヒロイックな話だよなぁ。アメリカ的マッチョ主義万歳というか。なにもかもが予定調和で進むので、途中で展開が読めるとか、誰が死んで誰が生き残るのかとかが丸わかりだ(ファミリー向けの映画で子供が死ぬわけないだろうって?その通りさ!)。そのうえ映像に見所があるわけでも…ううん、この映画のVFXってなんか安っぽいんだよな。本当に低予算なのか、演出の問題かはわからないが…とにかく、悪い意味で予想通りの展開が続くんだ。
 登場人物の設定も日本のラノベばりにテンプレ設定を切り貼りしたような感じで、どこかで見たようなやり取り、どこかで見たような演出、展開を工夫もせずにくどくどと…こんなので愛国心やら戦友との絆なんてテーマを持ち出されても、ゲップしか出ないんだぜ。まったく薄味のアメリカン・コーヒーだ。
 アクションも軍人がマニュアル通りの動きをするだけで、「ここぞ!」という見せ場がないのはキツイ(銃剣ブッ刺してそのまま撃ちまくるのはちょっと良かった)。良いアクション映画の条件ってのは「観たあとに思わず真似したくなるような動作が最低一つあること」と個人的に定義しているので、そういう観点からもこの映画は弱い。
 あと、これは完全に個人的なわがままなんだが、戦争映画気取るなら政治的な話の一つは出してくれよな!大事な要素なんだぜ!(あれはエンタメとして楽しむ要素、だと俺は思ってるよ?)

 とにかく歯切れの悪い今回のレビュー、統括すると、あんまり面白くなかった!
 俺はいちおうB級映画大好きを自認してはいるが、見所がない映画っていうのは本当に評価に困る。クソ映画と違ってネタにもなりゃしない、せめて一つでも「この映画ならでは!」って要素があればいいんだけどね。
 難しいこと考えずに頭カラッポにして楽しむジャンクフード・ムービーだってのはわかってるんだが、そうだとしてもわざわざこの映画を選ぶ必要はない、な…うん。ひさびさに観て後悔した映画だった。アドレナリンのかわりにため息が出っぱなしだったZE。
 まぁあとアレだ、女性パイロットのキャラだけは悪くなかった。




2014/04/24 (Thu)00:20

 どうも、グレアムです。RWBYの本編、Vol.1(Episode1~16)を視聴したので、その感想をば。




 うん、えーと…想像以上にキツかった(いい笑顔で)。少年少女の青臭いドラマがどうとかいう以前の問題で。おそらくCartoonではなくANIMEが作りたかったんだろうな、というのはTrailerの時点で伝わってはきたんですが、これほど凄いもんが出てくるとは思わなかった。
 この気まずさは、たとえばMonolithの昇剛やBungieのONIを見たときのようなあの感覚に似ている。ジャパニメーションやオタク文化に対する奇妙な憧憬が化学変化を起こして壮絶なモノが出来上がり、おそらく真面目に、そして素直に楽しんで作られたであろう作品に対し、当の日本人は笑い飛ばすことも憚られただ気まずい雰囲気に陥るという、あの感覚だ。
 これは欧米圏特有の現象で、たとえば中国や韓国などのアジア圏におけるジャパン・リスペクト(風)作品はあくまで技術の模倣に終始するので単なる劣化コピーに近い代物になるのだが、それが所謂「ガイジンさん」の手にかかるとそこに憧れや情熱といったスパイスが加味され、ちょっとすごいことになる。それ自体を悪いことと言うには、あまりに申し訳ない話だが…
 ともあれ、「そういう作品だ」という理解のもとに視聴すれば、これはこれで居心地が良かったりするのも確かである。失われた情熱、日本人がかつてどこかに置き忘れてしまった「何か」がこのRWBYに込められている気がするのだ。

 学園生活の描写については、ラノベ的というよりハリー・ポッターなんかに近い。欧米の学園ドラマ風とでも言おうか。こういう題材っていうのはむしろ向こうのほうがありふれている気がするのだが、そのへんは本国でどう評価されているのだろうか?
 Trailer時点では年齢層の高いオタク向けに作られたような印象があったが、本編はなかなかどうしてディズニー・チャンネルなんかでティーン向けに放送していても違和感のない内容だ。これが当初の予定通りだったのか、方向転換したのか、あるいはTrailerとは異なる方向性をあえて打ち出したのかは興味が尽きない…明らかに両者の客層に喰い違いがあるように思えるからだが。
 キャラクターの性格が等身大の少年少女として設定されている点については個人的に評価したい(たとえステレオ・タイプにしろ)。今の日本のアニメには「これ現実にいたら異常者だろ」という極端な性格のサイコパスしか出てこないため、ちゃんと血の通った人間として葛藤を描こうとしている点は概ね好意的に見ることができる。

 残念ながらアクションシーンは全編通してそれほど多くなく、Trailerを越えるような驚きもない。
 あくまでドラマを描きたいのか、世界観の見せ方にしろ何にしろ、ちょっと欲張りすぎて全体的に散漫な印象はある。ただ、好きなものを好きなように作ってこの出来であれば、けちをつけるのも野暮な話だ。スポンサーが満足していて、製作が続けられるのであれば良いのではないかな。
 日本のアニメに比べるとたしかに稚拙なところは多いが、個人的に日本のアニメはビジネスモデルとして洗練され過ぎていると感じるので(言っておくが、これは決して褒め言葉ではない)、これくらい荒削りなほうがかえってストレートに心に響くものがある気がする。俺は「作品」を見たいのであって、「商品」には興味がないのだ。

 Vol.1までの内容で気になったのは、ヤン姉だけ内面描写がほとんどなかったことだ。ルビーは見たまんまだし(武器マニアっぽいところは厨二少女っぽくていいね)、ワイスの過去や家柄にまつわる葛藤、ブレイクのトラウマ(メタヒューマン迫害ってのは鉄板設定だよなぁ)などはかなり丁寧に描かれていたのだが、常に一歩引いた視点で物事を見守っていたヤンだけ現時点では何を考えているのかわからない、ちょっとミステリアスな存在になっている。彼女一人だけ、本気で感情をぶつけるシーンが皆無なのだよ。
 もともと一人だけ浮いてるというか、明らかにメンタルの構成が他の三人と違うので、そのあたりの描写が続編で登場することを切に願う。Trailerで何に首を突っ込んでいたのかにもまだ説明がないしね。

 難アリな書き方はしたけど、これはこれで悪くない気もする。まあ人はかなり選ぶし、人に薦めるにはちょっとキビシイ作品ではあるけれども(笑)やっぱり、カートゥーン的な表現がボロボロ出てくるあたりはガイジンさんのセンスが滲み出るというか、隠し切れないバタ臭さが日本人的感覚とミスマッチだったりはするのですが。
 ひとまず今後の展開が気になりますね。





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