主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。
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2015/04/10 (Fri)22:47
前作よりもカッコ良い立ち回りが可能になったと思うのよ。
どうも、グレアムです。最近ちょっと微妙に忙しいっぽいです。
がっつりゲームに時間取れないので、ちょっと空いた時間にHotline Miami2のDeath Wish(The Fans壊滅編)とTake Over(若頭カチコミ最終章)ばっかりやってます。この2つはマジで楽しい。
ただ、いかんせん敵の行動アルゴリズムにランダム指向が強い(あとなんか初期配置微妙にズレてることあるよね?)ためパターン構築しても攻略が安定しないのがオールドスクール・ゲーマーにとって辛いところ。ぶっちゃけ、このゲームデザインだったら敵の動きを完全に固定化したほうが面白かったんではないか?とは常々思う。
敵の動きが完全にパターン化されていれば、むしろ魅せプレイの開発なんかも捗るのだが。毎回敵が同じ動きしかしないのはつまらない、「などということはない」というのは、アーケードゲーマーであれば頷いて頂けることと思う。最近だったら音ゲーなんかこの嗜好に近いのかな(いつの最近だ)。
Take Overは序盤がけっこう苦しいのでダブルサブマシンガンが有利かも。初期位置(建物の外)から銃声でデブを誘き寄せて始末すれば先の展開がかなり楽になる。ただMarkもそうだがこのタイプは弾を使い切るまで武器交換ができないので、武器交換が可能になるまではポン刀野郎には近づかないこと。銃弾無効のこいつは配置固定でパトロールもしないため、どこにいるかさえ把握できれいれば対処は難しくない。
ドッジアクションは銃を手に入れる前にデブに見つかるとアウトで、しかも銃持ちがマップの真ん中より上にいるため初手の難易度が高い。逆に言えば、そこさえ抜ければ後はどうとでもなる。なんとなくだがムラマサブレード(笑)は他の近接武器に比べ当たり判定は広いが出がかりに隙がある…というか、振ってから攻撃判定の発生までが若干遅い気がする。特に犬相手だと振ってから噛み殺される事案が多発したので、追われてるときは置くように振りつつ後退するのが安全な気がした。
アイアンフィスト(とでも呼ぼうか)は若頭にとってけっこう辛いタイプで、視界が開けた先に銃持ちが待ち構えているステージ構造が多いため、銃が使えない点が相当にネックとなる。こいつで能動的な戦闘ってできるのかしら…
二番目のシーンへは左右どちらかの階段を使うことになるが、難易度は左の階段のほうが圧倒的に簡単だと思う。というか右の階段は初期位置で銃声を立てると銃持ちと近接とデブと犬が一気に押し寄せてくるので、どの武器持ってても対処が難しいのだよな。
そしてこのステージラストのアレは格好良すぎる。あのカタルシスは「ファッキンジャップくらいわかるよバカヤロー」に近いものがあると思う。あのシーンのおかげでステージ中のあらゆる苦労が報われた気になる(少なくとも俺は)。
最後のステージは、解法さえ知ってれば一番ラクかもわからん。でもせめてクレジットは飛ばせるようにして~。いや、どうせ評価つかないしEjectすればいいんですけども。
ぼちぼちHardも進めてますが、新たな敵の出現によってマー君が産廃になってしまった(涙)銃声立てたら死ぬしかないってオマエ…おかげでトニー・タイガー(毎朝シリアルを二杯食べてるからあんなに体格が立派なんだろう)の地位がグンと向上した感じ。
基本的には近接でデブも殺せるし銃も撃てるAlex&Ashが上位互換なんですが、デブ相手に近接使うと長いモーション入るのでそこがネック。Ashの銃でフォローできなくもないが、それが意外と難しい。
まあTonyも飛びかかってきた犬を掴んでしまうと長いモーション入るので、やはり一長一短なんですけどもね。ちなみにDeath WishはTonyが一番簡単です。
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2015/04/04 (Sat)19:45
ちょっと待って…
どうも、グレアムです。
けっきょくCataclysm:DDAに戻ってきちゃいました。やっぱり楽しいよこれ。リプレイ中断してからも開発版触りつつ0.Bまでは追っかけてたんですが、そこからちょっと離れてたんですよね。
現在は安定版の0.Cをプレイしてるんですが、今回もけっこうダイナミックに色々変わってますね。アイテムの追加はもちろん、銃使いにとってはエイムの概念追加が大きなファクターでしょうか。いままでと同じ感覚で撃ってたらゾンビが全然死ななくてビビッたぜ。
職業もボチボチ追加されてまして、おそらく新規に追加されたであろうSWAT隊員ってのが気になったので今回はそいつを選んでプレイしてます。
で、このSWAT隊員の初期装備ってのがけっこう強力なんですよ。以下箇条書き。
・ボクサーパンツ
・靴下
・SWATアーマー
・肩用ホルスター
・タクティカルフルヘルメット
・コンバットブーツ
・タクティカルグローブ
・SWAT身分証明バッヂ
・USP
・H&K MP5
・負い紐
・9mm弾
・9mmFMJ
・閃光手榴弾
最初からサブマシンガンと拳銃装備で初手の立ち回りが楽(射撃スキルもついてるし)で、レア装備のSWATアーマーは大抵のダメージをブロックしてくれる優れものなんですが、実はそんなことはどうでもいいんですよ。
たぶん勘の良い人はもう気づいてると思うんですが、この職業の装備、欠陥があるんですよ。
このSWAT隊員、下半身にボクサーパンツしか履いてねえんだよ。
イヤだよこんな法執行機関員!どこの探偵物語だよ!しかもニューイングランドは春スタートでも頻繁に雪降るから、フツーにゲームプレイで困るんだよ!仕方ないからゾンビから奪ったボロボロのコンプレッションパンツを履いたよ!なんてポストアポカリプスだ…!
そんなこんなで、まぁ、けっこう楽しんでます。
2015/04/02 (Thu)21:29
どうも、グレアムです。
なんとなく銃を細かくいじれるゲームをやりたくなったので、セールでもないのに7.62 High Calibreを衝動買い。予想されていたことではあるが、ウォレットに残額残しとくとロクなことに使わんな俺は。
とりあえず設定画面のランチャー開いたら盛大に文字化けしてて涎が出た。ついでにマニュアルのpdf開いたらロシア語で途方に暮れる。が、ちょっと冷静になりSteamのプロパティから言語を英語に変更、ゲームキャッシュの統合性を確認で解決。
Steamのシステムはよく知らんけどこれ、このゲームのグローバル設定がロシア語になってたって解釈でいいのかね。いいのかそれで…
キャラは無難なコーカソイド顔のKurtさんを選択。
手始めに近くの民間人を射殺したら女性警官がワッと押し寄せてきてGTAみたいになった。武器は拳銃だけっぽいので、こちらの装備が充実すれば一方的に狩れるかもしれない。これそういうゲームじゃねーから。
街に配置されているアイテムや店売りの品のバリエーションはランダムらしく、何度かやり直したときにアサルトベストが買えなくて難儀した記憶が。とりあえずインベントリ拡張系の装備は無理してでも買っておいたほうがいいです。まず敵は落とさないので。
初期段階だと検問によってフィールドの移動が制限され、ランダムクエストの処理すらままならないので(「手紙を届けてくれ」⇒届け先が検問の先にある街とか)、まずは北のArtrigoへ行き通行証を貰いに行きましょう。
なんか偉い人に会いに行くと「Santa-Mariaにいるチンピラを殺して証拠のドッグタグを持って来い」みたいなことを言われるのでその通りに。もちろんドンパチで解決することもできますが、会話によっては説得して無血で譲ってもらうことも可能なようだ(たぶん)。
このゲームは会話のウェイトが非常に大きく、クエストによっては一切の戦闘なしに終了するケースも多い。またウェイポイントのような便利機能は存在せず、クエストログもFPSみたく「○○で○○をしろ」といった簡潔な文章はなく「○○に○○をしろと言われたので○○に行き○○をしろ」といった文章をきちんと読んで把握しないといけません。
別に難しい単語を使っているわけではないのですが、なにせ地名や人物の固有名詞がラテン系なので頭に入らない。そのせいかは知らないが、なんとなくRTS版Boiling Pointという言葉が頭をよぎる。
戦闘に関しては、現状でピストルが破格の強さを誇る。
いちおうSMGも使ってみたんだが、伏射で狙いをつけてもかなり弾がバラけるのと攻撃にかかる時間が長すぎてどうしようもない。というか、SMG使うような距離なら案外拳銃でカバーできてしまうのだよな。
長物の攻撃にかかる時間の長さは角の多い街中だったりすると顕著で、こちらが既に狙いをつけて待ち伏せしていても拳銃持った相手の速射で頭をブチ抜かれたりするので、他のゲームと同じような感覚での運用はできそうにない。
あとは敵の攻撃が一方的に壁を貫通してこちらに通る不具合?が気になる。
はじめは利き手の問題かとも思ったが、こちらが壁を左手にしていても相手の攻撃だけ一方的に通るケースが目立ち、また使用火器(そのときは両者ともに9パラだった)を見ても壁抜きの再現とはまた別の問題であるように思える。
銃の挙動はかなり細かく(ちゃんと弾倉に手詰めしなければならない点など)、そこは本当に楽しいのだが、肝心のゲーム部分がちょっと…今一つ乗り切れない感じだ。素直に新作のMarauderにしとけばよかったかもしれん。
弾頭がMaxpayneばりにきちんとモデリングされていたり、意外と薬莢の作り込みが細かかったりと、RTSにしては細部の描写はかなり頑張っている印象。
2015/03/31 (Tue)20:56
どうも、グレアムです。Hotline Miami2に登場するThe Fansの一人、ドッジのつもりが追い討ち暴発して背後から撲殺されるCoreyさんのイラストを描きました。いちおうHPに申し訳程度のカラー版を掲載しましたので、そのついでにモノクロ版もこっちに上げるといういつものスタイル。
⇒<< なんとなくマイアミっぽい色にしておけばいいよね >>
他のキャラに比べてあまり喋ってる印象ないんで勝手にクール属性付与しましたがたぶん間違ってると思うので参考にはしないでください。
このゲームでこういうイラスト描く人はいないと思うんで先にやっちゃえ的思考で描きました。相変わらず発想が下衆いですが仕様です。マスクの下は美少女なんていかにも自分に都合の良い妄想ばかりするオタク的指向でありきたりすぎるというかなんというかどうしようもない感じですが、いいんだよ俺はこういうのが好きなんだから!
ファッションに関してはゲーム中の小さいドットしか参考にするものがないという現状なのでかなり勝手にやってます。改めてゲームやり直したら膝パッドみたいなのつけてるな…失敗した。
カタナ要素はデジコミ版から。といっても今回描いたのは日本刀ではなく、ロブ・クリスウェルというカスタムナイフメーカーが製作した刀っぽい何かなんですが。A2工具鋼製で斬れ味は抜群らしいです。ギャングに毛が生えたような零細ヴィジランテ的にはこういうのの方が似合うと思ったんですが、当時これが存在してたかどうかは…うん。
あと下乳が描きたかった。
シナリオに関しては賛否両論というか、どっちかっていうと否のほうが多い気がする現状ですが、個人的には前作よりも評価してます。
これは完全に個人的な好みの問題で、俺はゲームにメタ的思考や内省的なテーマを持ち込まれるのが好きではないので、一定のテーマや問題提起を盛り込みつつ「架空の歴史を歩んだ世界」という舞台を用意することでエンターテイメントとして完結した本作を評価したいわけです。
オチに関しては、ああいう無常さというかドライな描写はカタストロフの存在が倫理観の根幹としてある西欧人らしいなと思わなくもない。方舟に乗れない人間のほうが圧倒的大多数であって、選ばれた人間の話ではなく、「あれこれ悩みや葛藤を抱えつつ、そんなこととはまったく無関係に銃弾一発でくたばってしまう」普通の人間を描いたらああなるよな、というか。
あくまで決着を「つけてしまった」のは、Dennaton Gamesの二人がHotline Miamiというブランド名に縛りつけられたくなかったのでは、と個人的に邪推する。
アーティストのDennis Wedinについては海外のサイトを調べてもあまり情報が出ないため語れることは少ないが、プログラマーのCactus(Jonatan Söderström)はフリーゲーム出身の多作家として知られており、Hotline Miamiがヒットするまでは野心的な作品を短時間で制作しリリースするスタイルを取ってきた。
それはCactusが元来飽きっぽい性分であり、常に新しいものを作り続けるクリエイター的姿勢を持っていたからに他ならない。そういった意味で、彼の来歴やスタイルはMinecraftで一躍有名になったMojangのNotch(Markus Persson)と被る部分が多い。
Notchはモンスター化したMinecraftに関してかなりネガティヴなコメントを過去に発しており、自ら創設したMojangを退社する際に「もしまた自分の製作したゲームがヒットしそうになったら直ちに破棄する」と言うまでになっている。
あくまでビッグタイトルのシンボルではなく一個人のゲーム製作者としてユーザーとの関わりを持ちたい、とする彼の姿は、同様にインディーゲーム畑のCactusにとっても他人事ではないはずだ。
もちろんCactusが一連の出来事を知らない可能性はあるが、だとしても、成功者のモデルケースとして同様の出来事が自分の身に降りかかるリスクについては考えていたはずだ。
その対策として用意したのが、「2がヒットしようと酷評されようと、いずれにせよHotline Miamiのストーリーはここで終わらせる」という結末だったのではないかと思う。
そう考えれば、最後の虹色ワンダーランドステージは製作者である自分たちを喰い殺しかねないユーザー(自分の好みを口に出すことしか考えないお客様思考のユーザーの罵詈雑言ってどの国のフォーラム見てもすごいもんだぜ、マジで)を獣に見立て、自らの身を守るために彼らを殺し、最後は栄光の道=虹の架け橋を渡ろうとして転落死する若頭を自分たち製作者の姿として自虐的に描いた…と解釈できないこともない。
いや与太だけどね、これは。信用するなよ!
2015/03/29 (Sun)19:13
*相変わらずネタバレあるかもしれません。気になる人は注意。
戦場の思い出。運命は捻じれ破滅へと直進する…
あまり評判が良くなかったのでセールまで待とうと思ってたんですが、誘惑に抗えず購入してしまいました。
一作目では語られなかった登場人物たちの過去とマイアミのその後を描いた本作はストーリーこそ興味深いものの、ゲーム性自体は決して誉められたものではない…というレビューを、俺も書くつもりだった。プレイするまでは。なぜなら批判の多くは、前作既体験者であればどれも納得のいくものだったからだ。
だが、ノーマル難易度をノンストップで駆けたあとに俺の本作に対する印象はまるで変わっていた。
「ちくしょうふざけんな、ゲームそのものもちゃんと面白いじゃねーかよ!」
少なくとも、よく言われるような製作側の悪意などといったものは感じられなかったし、むしろ「ゲームはクリアできるのが当たり前」という認識が生まれる以前のゲームはこうだったよな…という感慨というか、奇妙な感動を覚えたのは確かだ。そしてそれは「思い出補正」だとか「当時はそういうゲームしかなかったから、それでも楽しめたんだ」とかいう戯言ではなく、この2015年という現在においてさえ、確かに俺はこの「何度も死んでパターンを構築しながら難関を突破する」というゲーム性を心から楽しみ、半ばヤケクソ気味にリトライしながらもチャレンジを敢行していたのだ。
そのときの感情は、たとえばカプコンの「戦場の狼」を延々周回していたときや、「ガンスモーク」でウルフチーフに勝てず幾度も挑戦したこと、あるいはナムコの「ローリングサンダー」で二週目の地底溶岩ステージがどうしてもクリアできず辛酸を舐めさせられたときのような、あの感覚に近かった。
「ゲームって、本来こういうものだったよな」…
高難易度ながら、(事前の武器持ち込み等による条件から)どれだけ不利な状況だろうと、きちんとステージ構造を観察すれば必ず解法が見つかる「ちゃんと考えられたステージデザイン」を見ながら、俺は確かにそう思った。最近のゲームにはない「挑戦する楽しさ」があることを発見した。
もちろんそれらの感想は、優れた世界観、過剰なゴア表現、疾走感のあるBGM、多種多様な武器やステージギミックに支えられたものであることは言うまでもない。俺は所謂「死にゲー(理不尽な死でプレイヤーの膝を折らせるゲーム)」と呼ばれるヤツは苦手でプレイしたいとも思わないし、ただ難易度が高いだけのゲームに挑戦したいと考えるマゾゲーマーではない。
それでも本作のゲーム性を評価するのは、本作がただの高難易度死にゲーではなく、ただの「往年のアーケード・シューティングを現代的な表現で蘇らせた作品だから」という、それだけの理由なのだ。本作は、それ自身が内包するどの要素が欠けても隙を埋めることのできない総合芸術なのだ。
たしかにプレイ感覚は前作から大きく変わっている。外見は似ているが、ほとんど別ゲーと言っても差し支えないだろう。各種武器の果たす役割も大きく変わり、前作とは違った戦術を求められることは確かだ。
しかし、だからといって一方的に批判するのはどうか?なんとなく右に倣えで便乗して叩いてるだけじゃないのか?いや、止そう…批判もまた、作品を評価する正当な意見には違いない。同じゲームをプレイしても、誰もが同じ感想を抱くものではない。それはわかっている。
ただ、俺はDennation Gamesがちゃんと「ゲーム」を作ってくれたこと、久しく忘れていた感情を呼び覚ましてくれたことを純粋に感謝したいと思っている。
ゲーム性や演出に至る全体のテイストから、Dennation Gamesが前作とは違うモノを作ろうとしていることは明らかだ。おそらくそれは「自作の模倣品を作っても仕方がない」という至極真っ当なクリエイター的思考によるものだろう。
もちろん前作と同じ路線を継承することを望んでいたユーザーにとっては残念なことかもしれないが、だからといってそれに対し、後ろ足で砂をかけられたとか、悪意があるとか、そんな流言飛語を軽々しく口にしていいものだろうか…と、俺は思ってしまう。
まあ、後出しの愚痴はこのへんにしておこうか。クソッ、New Vegasで毎レベルPerk獲得&強武器MOD入れて俺ツエーしてるヌルゲーマーが書く文章か、これが…
ストーリーはしばしば時系列が錯綜するものの、示唆的表現に頼っていた前作とは違って多くの場合具体的な事実関係を描いているため、前作よりも内容の把握は難しくないはずだ(これも好みの分かれるところか)。
そして前作主人公Jacketが元軍人、しかも特殊部隊の出身だったことが明かされ、おそらく多くのプレイヤーが抱いていた「平凡な青年が血と殺人の因果に巻き込まれるストーリーであろう」と思っていた前作のプロットがまったく別モノであったことが判明するわけだが、俺はこの設定を知っていたく感銘を受けた。
というのも、もしJacketが軍人だったのなら、前作において腑に落ちる描写があまりに多かったからだ。俺にとって前作は「一般人が殺戮を止められない話にしては、快楽殺人というより仕事のように淡々とマフィアを処理していく印象に違和感がある」というイメージがあったのだが、彼が元軍人であったならその機械的殺戮描写にも納得がいく。
固有武器しか使えないBikerに比べ、現地調達であらゆる武器を即興で使いこなすという設定もその裏づけであるかのようだ(2のことは考えるな!)。ホームレスを殺したあとの嘔吐は「ひさしぶりの殺人だったので、あくまで生理的反応から」か、あるいは「相手がただの一般人だったから」か。Biker相手に不覚を取ったのは、たんにBikerが強かったからか、あるいは投げナイフで不意を突かれたのかもしれない。
Hookerを助けたのは、おそらく戦地で敵対勢力の人質となっていた捕虜を助けるのと同じ感覚だったのだろう…Jacketは「指令=任務」、「殺戮=軍事行動」と置き換えて行動していたのかもしれない。事件の記事をスクラップしていたのは、たんなる自己満足ではなく、作戦終了後の事実確認…つまり、「デブリーフィング」のつもりだったのでは?
ショップ店員の顔がかつての戦友に見えたのは、PTSD…戦後後遺症の影響で見た白昼夢であったのだろう。繰り返し過去を反芻するのは、どうにかして違う結果をもたらしたいと考えるからだ…こういったフラッシュバックは、PTSD患者の典型的症例である。そして、その「違う結果を求める」無駄なあがきを登場人物が見せるのは、2のテーマにも通ずるところがあるだろう。
2ではクリア後のニューゲームで新たなイントロが追加されるが、そこで一堂に会した主人公達に向けて鶏頭は「もう結果はわかっているはずなのに(変えることはできないとわかっているはずなのに)なぜここへ来た」と言い放つ。
多くの者は自分の身になにが起きたかすら把握できず、鶏頭の皮肉に満ちた非難の言葉とともに屍へ還る。だが、そうでない者…すでに自分の運命を受け入れている者に対して、鶏頭の向ける言葉、その眼差しはどこか悲しく見える。
そして屍に囲まれ、ただ一人孤独に映写機を回す鶏頭は何者なのか。あるいは、彼こそがもっとも過去を変えたがっているのかもしれない…
本作はストーリー、演出ともに素晴らしいものであるが、個々のエピソード間の繋がりが希薄で、そこだけが残念である。「やがて全てが一本の糸で繋がる」というならまだしも、時系列が入り混じるにも関わらず、それぞれが完全に独立しているのだ。従って、出オチのような主人公キャラも多い。
BGMはどれも素晴らしく、恐ろしいことに捨て曲が一つもない。
実際にプレイするまでは「曲の個性が強すぎて肝心のゲーム部分を喰ってしまうのではないか」という懸念があったが、上述のように俺にとって本作は非常に楽しめたので、その心配は杞憂であったことを嬉しく思う。
総評…『定価で買う価値アリ!かつてゲームを愛好した者ならば遊んでおけ!』
たとえば、そう…本作の舞台である90年代初頭にアーケードゲームに熱狂し、ノーコンティニュー目指してコインを費やした経験があるならば、きっと本作は「やりがいのあるチャレンジ」としてあなたを楽しませてくれるはずだ。
あーいや、かくいう俺はもうちょっと後の世代だけどね。レトロゲーム好きだったから古い台ばかり遊んでたのさ。昨今溢れるライトユーザー向けのぼんやりした難易度も悪くないけど、たまにはこういうのもいい。