主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。
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2015/03/03 (Tue)18:33
とっくに終わったと思っていた物語がまだ続いていた。
ある医者の家で目覚めた女は、自分が生きていることに驚く。頭部に銃弾を受けたのだから無理もない、そう言う医者に女は首を激しく横に振った。
「あたしはもう、死んでいるはずなのに…」
さらに、ここはどこかと訊ねた女は医者の返答を聞いて驚愕する。
グッドスプリングス、ラスベガス近郊の小さな村落。
彼女にはラスベガスがニューベガスと名を変えていたことも、ましてや口部周辺を激しく損傷しまともに喋れなかったはずの自分がすらすらと言葉を操っていることも、驚きの対象にはなり得なかった。
「あたしは死んだはずなんだ。四年前に、ワシントンで」
愛する人に、顎下の喉から銃弾で脳を吹き飛ばされて。
それでよかったはずだった。
彼女の名はブレンダ・フォスター、元奴隷の用心棒。
かつてワシントンでユニオン・テンプルという脱走奴隷のコミュニティに所属していたが、奴隷商人たちとの戦いのさなか仲間の裏切りに遭い致命傷を負う。
すでに虫の息だった彼女は、蒼白した表情で駆けつけた恋人にとどめを懇願する。
銃声と暗転。それですべてが終わったはずだった。
なぜ彼女は生きていたのか?
医者に彼女を託した「キャリア・シックス」とは何者か?
傭兵クレイブ・マクギヴァンがエンクレイブに崩壊をもたらしてから四年。
舞台を変え、いま、新たな物語が始まろうとしている…
どうも、グレアムです。
なんとなくNew Vegasのエセプレイ日記の設定の算段がつきましたので、今回はプロローグ的なものを書いてみました。内容的には3で活躍した傭兵クレイブの物語の外伝的な続編といったところでしょうか。
今回の主人公は、3でクレイブが過去に失った恋人という設定でチラッと名前が出てきたブレンダという女性です。ちなみにクレイブよりも年上です。姐さん女房的な感じです。
3のときすでに死亡しており、クレイブが浄化装置を作動させて一時的に天に召されたときにあの世で彼を叱責し現世に叩き落したという凄い経歴を持っているわけですが、このたびなぜかニューベガスの世界で再生?転生?した模様です。その謎を追っていくという展開で。実はなにも考えてないっていうのはいつものことだ。
ブレンダinニューベガス新生バージョン。
コスチュームはT6M Combat UniformにWaster's Scarfを使用。頭部の暗視装置については後述。武器はPSG-1ですね。露出は減りましたがカッコ良さは上がってると思います。
頭部は前回も使用したLightning Raceのプチ改造版ですね。元のプリセットの出来が良いので、ちょっといじるだけでかなり見栄えの良い造顔が可能なのは素晴らしいです。
臨戦態勢仕様、Waster's Scarfの口元を覆ったバージョン。バックパックはBlackwolf Backpacksを使用しています。
このスカーフ、出来はかなり良いのですがボリュームが大きいためかカメラアングルによっては髪の毛と重なる部分が透過してしまう問題があったりします。まあ、撮り方を工夫すればいいだけなのですけれども。
本当はユニフォームのブーツを黒くしたかったんですが、どうもこの部分はバニラのテクスチャを流用しているようで手が出せませんでした。改造できなくもないけど超面倒臭いのでやりません。
おまけ、旧コスバージョン。Female Mysterious Strangerに含まれるビキニ&下半身装備とKikai's Equipmentの暗視ゴーグル、手袋で構成。ともに3のMODをNVにブチ込んだものです。ヘッダのマスターファイル指定先を変更して装備データ以外の記述を削除し、コンソールから入手というクソの鏡のような超雑仕様です。だってGECKとか使い方わからんですし…
首輪はDead Moneyの制御用首輪をコンソールから入手。3のときはKikai's Equipmentsに含まれていたものを装備していたんですが、どうもこいつだけバニラのデータを流用する仕様上の問題でNVだと<!>マーク出るので仕方なく(.nifの指定先が違ってるのかな、と思ったがNVの制御用首輪のデータと見比べても違いがよくわからん)。
ちなみに銃はTOZ-66。オプションのソウドオフストック&バレル仕様で。
おまけのおまけ、というか本編で出すかもしれないクレイブの装備。
最初はHigh Desert Tactical Gearってのを入れそうになったんですが、3で使っていたDragonskin Tactical OutfitにNV仕様が普通にあったのでそっちを導入。こっちのが軽いからね。導入後は各トレーダーが扱うようになる…らしいのだが他MODとの兼ね合いか店頭に姿を見せず。コンソールから出してもよかったけど、せっかくなので追加装備が全部収納されたコンテナにいつでもアクセスできるアイテムが自動入手できるBonus Packというアドオンを入れて解決。
テクスチャはもちろん3で使用した改造版をそのままブチ込みーの。といってもゴーグルはBonus Packにレンズの赤いバージョンが公式に入っているのでそちらを利用、素人が適当に弄ったものより出来は当然良いでしょうという判断。
さらに今回からProject Nevadaを外して結局FOOKを導入。共用パッチも公開されてはいるんだけど恐らく安定性は低下するだろうし、そもそもProject Nevadaの追加要素が個人的にちと微妙だったので。
いまさらコンシューマで何度もクリアしたNVに手をつけた理由に関しては、バランス調整でもっぺん本編を楽しもうとかいう主旨ではなかったし、追加要素も今一つ痒いところに手が届かない点があったので。
で、やっぱりFOOKの醍醐味といやぁ銃火器まわりのオーバーホールですよ!
3のFOOK2に諸手を挙げて歓迎した身としては(巷ではいまいち評価低いみたいだが、なぜなんだ?)、やはりガンマニアが気になる部分にきちんと手を加えたFOOKには絶大なる信頼を抱いているわけでして。
上のSSでもピントを合わせてますが、やはり薬莢のリプレイス!これは重要でしょうよ!ただ残念なことにFOOK2とは違い、薬莢は一定時間で消失してしまうみたいですが…
さらに言えば追加武器もそれほど多くないようです(まあNVはもとから種類けっこう多いしね)。しかしながら既存の銃火器はすべてリプレイスされているようで、内部的には同じであろうと使っていて楽しさが段違いなのですよ。
そういえば今回の画面写真撮影の際、試しにSet Timescaleを0に設定したら待機のときに時間が滅茶苦茶なことになってて驚いた。午後-2147483648時-2147483648分てなんやねん。
もちろん画面がマトモに見れない状態になったのでデータをロードし直しました。コンソールから時間設定を変えるときは最低でも1にしたほうがいいようです。
おまけ、新コスで横っ飛び撃ち。
今回なにが嬉しいかって顔がアップに耐えられるクオリティってのが。角度やライティングもそれほど気にしなくて良い風味だし(もちろん気を遣ってますが)、やっぱり女性キャラが口元隠さなくてもブサイクに見えないってのは素晴らしいことです。
最後は旧コスで。
これせっかく3のMODをマージしたんだけど今後使うかな…今はまだそれほど容量に気を遣わなくてもいいっぽいんで、しばらくは残しておきますけれども。
しかしNVはすごいね。ENBInjector動かすのを忘れてゲーム起動してもちゃんとENBが適用されてるし(普通タイトルで落ちないか)、FNV4gb動かすのを忘れててもたいしてパフォーマンスに影響しないし(現状では)、NVSEから起動しなくてもちゃんと日本語化されてるっていうね。もう俺にはこいつがどうやって動いてんのかわかんねーよ。
たぶん全部勘違いだろうけど。
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2015/03/01 (Sun)08:36
シエラ・マドレ…輝ける悪徳の都、有毒の聖杯。
財宝を求め集った欲深き者たちを屈服させ、精神性を破壊し細胞の一部とする捕食者。
この地に踏み入れた瞬間から、誰もがシエラ・マドレの一部となるのだ。いかに強固な精神を持っていても。自己を保つ術を知っていたとしても。
例外はない。いや、なかったと言うべきか。
そう、いままでは…
鉄格子の向こう側で煙草をくゆらせる少女の姿を見たとき、ゴッドと呼ばれるナイトキン…さっきまでは自らをドッグと名乗っていた…は眉をしかめた。
「よく私を目覚めさせたな。そこに立っているのが我が主でないことは残念だが」
「もしそうなら、どうするつもりだったの?」
「わざわざ聞くことでも、言うほどのことでもない。ただ鉄格子の隙間から腕を伸ばして、頭を捻じ切るだけだ。それとも、お前が身代わりになるというのか?私のささやかな気晴らしのために」
「それは困るわ。今は…私は仕事をするためにここにいて、それを成し遂げるには協力者が必要なの。それが終われば、あとは誰の首を玩具にしてくれても構わないわ。あなたの主だろうと、誰だろうと」
ミスター・プレイヤー…偉大なるエンターティナーにしてギャンブラーだったディーン・ドミノは、自らの精神が長い眠りから目覚めたことを知り、目前に現れたシエラ・マドレの新たな細胞を一瞥した。
「首輪をつけているということは…どうやら、ご同輩のようだな?」
「勘違いしないで。私は望んでここにいるし、このちっぽけな装置については何の不満も抱いてないわ」
「強がりはよすことだな。君が私に会いにきたのは、ここから出るためではないのかね?」
「私は仕事のためにここに来たの。依頼主は保険のために私にこの爆薬入りの首輪を嵌めたけど、そのことは気にしていないわ。私は仕事を成し遂げるつもりでいるし、仕事に多少の障害はつきものだから」
「多少かね…一言ですべてを片づけるのかい、ちょっとした電磁場の干渉で作動する爆殺首輪や、頭を吹き飛ばさない限り死なない亡霊の住民、街全体に充満した毒霧といった諸々すべてが?」
「ええ、そうよ」
クリスティーンがオートドクの殻の中から飛び出したとき、そこにいたのはセキュリティのユニフォームを着用した少女だった。まだ意識がはっきりしない中で警告を発しようとするが、声が出ないことに気づき慄然とする。
手にしていた銃の装弾を確認しながら、少女はゆっくりと口を開いた。
「その反応(リアクション)を見る限り、言葉がわからないわけではなさそうね。もちろん、望んでそこにいたわけではないでしょう?だったら、私たちの利害は一致するはずよ」
かくしてホログラム装置が備えつけられた巨大な噴水の前に集まった四人は、陰謀の黒幕を睨みつけながらもそれぞれの思惑を交錯させる。
「それじゃあ…次のステージ(舞台)を用意してちょうだい」
そう言って、少女は重いコンバット・ライフルの弾倉を「カチリ」と嵌めた。
クロエ・シャイバ、「仕事屋」。
若くしてあらゆる技術を身につけ、モハビ・ウェイストランドの地を放浪する冒険者。
いま新たなる物語の幕が明けようとしていた…
どうも、グレアムです。
前回の記事からまた色々とMODを入れまして、いちおうNVにもFOOKはあるそうなんですが、似たようなやつを入れても新味に欠けるので今回はProject Nevadaというのを入れてみました。メジャーダッタカラー!
といってもコレはシステムや難易度の調整がメインらしく、Fallout3のFOOK2のようにパッと見で新鮮さを感じるようなものではないので、いまのところこいつをメインで使っていくかどうかはまだ考え中なんですけども。
ただシステム関連の追加要素をゲーム中に簡単調整できるのはかなり便利で、これを入れておけば複数のespをゴチャゴチャ入れずに済むのは良いですね。
今回作ったキャラはFNVEditでLightning Raceの髪型と目を改造したものです。ついでに3で便利だったHair Packを移植。とても雑な工作なのでお余所様に公開できるような代物ではありませんがネー。GECKとかまだ全然わけわかめで触れないような状態ですし。
それとゲームプレイに新味がないことから「これもうENB入れていいや」ってんで、どうも3とNVのENBは共用みたいなので3に入れてたENBとプリセットをそのままブチ込みました。
今回の記事ではテスト的にシエラ・マドレで撮影しましたが、さすがにLv.1でDead Moneyはキツいなんてもんじゃない。あと毒霧の継続ダメージで画面撮影がマトモにできない(エフェクトかかるから)。
このまま話を進めるか、あとこのキャラ継続して使うかは未定です。このクロエってキャラはもともと別の小説に出すつもりで考えたんですが、基本的に完璧超人なんでゲームの二次創作に出すとなるとやっぱりクサさが鼻につく。せっかく美人に仕上げられたんで勿体無いんだけどネー。
2015/02/27 (Fri)23:50
どうも、グレアムです。
前回ひさしぶりにOblivionのSSを更新しました。ちょっとシロディールに戻りたくなったので。そろそろこっちもまた更新を続けたいですね。
でもってちょっとコルダイトの匂いが恋しくなったので、Skyrimと同時に購入したNew Vegasをちょっとだけ触りました。医者の家を出るあたりまで、動作確認を兼ねて。
とりあえずNVSEとFOMMの導入、日本語化、iniの設定あたりを。4GBパッチ当てたらNVSEから起動できないんですがこれどうすればいいんでしょうか…とりあえず純正のexeだと起動はできるんですが。
新生Falloutシリーズはもれなくコンシューマ機で遊び倒したのでこれはもう最初からオバホ系MOD入れて新鮮な気分で楽しみたいなーとか思ってるんですが、何があるんでしょう。個人的に3のFOOK2が超ハマリだったので似たようなのを探したいんですよね。
TTWは興味ないです。フツーに別々に遊べばいいんじゃねぇの。
でもってコンシューマのときからずっと気になってた、バーンドマンことジョシュア・グラハムの最強ヘッドラップ(包帯)を装備すべくFOMMでID調べてさっそくコンソールから入手しました。
装備できませんでした…どうもこれNPC用の装備らしく、入手メッセージは出てもインベントリに追加されてません(内部的にどう処理されてるのかは知らん)。
たとえばジョシュア・グラハムの服なんかはNPC用とプレイヤー用の二種類が存在してるんですが、ヘッドラップに関してはNPC用しか存在していないらしくコンソールを使っても無理無駄みたいです。
なんだよチクショウ、俺アレが装備したくてPC版買ったようなモンなのに!たぶん誰かがプレイヤー用に装備できるMOD作ってるはずなので探そう。あるよね?
しょーがないから腹いせにステルススーツMk2を着てみた。やっぱダセェこれ…リプレイス系MODからテクスチャだけ抜いて置き替えようかな。
カスタム種族におけるSkyrimの不自然な胸揺れをなんとかしたい問題についてですが、そもそも俺胸揺れに興味ない(HDTは物理演算で動くマントを試したくて導入した。実用段階じゃなかったので即行外しましたが)んでHDT消せばいいんじゃんと思ってHDT削除したら裸に剥いた途端に落ちるようになりました。
HDT入れなおしたら落ちないっていうね。どういうことよこれ…Meshにはノータッチなんで、セーブデータかSKSEの設定ファイルか何かに干渉してるのか?ぶえーめんどくせぇ…ShowRaceMenuで別種族から切り替えても落ちるんでキャラ(のセーブデータ&設定)依存ではないらしい。
とりあえず現行プレイではボディMesh入れてるカスタム種族は使ってないのでいいんですが、一周後にMODマシマシでプレイするときは一度環境を再構築したほうがよさそうだな…
2015/02/25 (Wed)22:01
レーヤウィンで巻き込まれた騒動のあと、ブルーマからの召喚状を受け取ったドレイクは北方スカイリムとの国境沿いにある街へ向けて旅を続けていた。
「女王直々の呼び出しというがなぁ…俺は寒いのは苦手なんだが」
あまり気乗りしない様子でそんなことをつぶやきつつ、やがて日の傾きを察したドレイクは周囲を見渡す。
「まいったな、このへんに宿はないのか?野宿はあまり気乗りがせんしなー、どこか適当に民家でも探して泊めてもらおうか」
あたりを警戒しつつ、木々の稜線をじっと眺めていたドレイクはやがて煙突の煙らしきものを発見し、住人が悪党や山賊、あるいは化物でないことを祈って移動をはじめた。
** ** ** **
民家…農場だろうか?
極力物音を立てないように、しかし過度の警戒を抱かせないよう自然な物腰で建物に近づいたドレイクは、墓前で祈りを捧げる一人の男を見つけた。
ブレトン、まだ三十代前後といったところだろうか。働き盛りにしては、身のこなしが妙に落ち着いている。というより、落ち込んでいるというべきか。まるで死の秒読みをはじめた老輩のような寂しさがその肩に重く乗っているように見えた。
「あー…失礼?」
ドレイクが静かに声をかける、てっきり驚かれるかと思ったが、男はゆっくり立ち上がると、やや咎めるような口調で言った。
「死者の冥福を祈る邪魔をしないでください。いまとなっては、これが私の只一つの生き甲斐なのです」
「いや、すまなかった。そんなつもりはなかったんだ、ただ…」
「…旅のかた、ですか?」
「ああ。近くに宿が見当たらなかったものでね、よければ泊めてもらえないかと思ったんだが。もちろん、タダとは言わない」
いままで望むと望まざるとに関わらず面倒ごとに巻き込まれてきたドレイクは、それなりの額の旅費を常に持ち歩いていた。
それはもちろん、時として一市民に一晩軒下を貸す気にさせるためであり、実際にそれを実行に移すことは造作もなく、なんであれば嫌がる相手の口を閉じさせることだってできる程度の持ち合わせは充分にあった。
もっとも無駄遣いを避けるべきであるのはドレイクとて変わらず、できるなら双方合意のうえで安くすませたい、というのが実情ではあったのだが。
ブレトンの男…コリック・ノースワードと名乗った…彼はしばらくドレイクを値踏みするように観察してから、やがて口を開いた。
「戦士ですか?」
「なんというかな。戦士じゃあない、俺は戦士ギルドの人間じゃない。さらに言えば傭兵でも殺し屋でもない。ただの旅人さ」
「もし私の言う条件を受け容れてもらえるなら、一晩と言わず好きなときに家を使ってもらって構いません」
そういう話をしたいんじゃあないんだが…
どうにも面倒なコリックの態度を見て、ドレイクはこめかみを掻く。
いまひとつ気乗りしないドレイクを余所に、コリックは勝手に説明をはじめた。
「一年前…私が帝都へ月に一度の買い出しへ向かったとき、ゴブリンの一団が家を襲いました。そこにはたった一人残された妻がいて、ゴブリンたちは妻を誘拐していったのです。連中が根城にしているのは、ここから南西へ向かった場所にある鉱山です」
「……それで?」
「事実を知った私はすぐに剣を手に鉱山へ向かいましたが、ゴブリンの数は予想外に多く、返り討ちに遭ってしまったのです」
「奥さんの無事は確認したのか?」
「できませんでした…しかし、ゴブリンに捕まった人間が生きていたという話を聞いたことがありません。もう死んだものと思い、あれから墓前で祈りを捧げ続けてきましたが、それでもやはり、事実が気になるのです」
そう言うと、コリックはドレイクの手を掴み、懇願するように頭を下げた。
「どうか、妻の生死を確認しては頂けませんか?そして、できるなら妻が身につけていたものを、なんでもいいのです、遺品として持ち帰ってきてほしいのです」
「いきなりな提案だな。さっきも言ったが、俺は戦士じゃあない」
「ギルドの人間でなくとも構いません。あなたのその物腰、立ち居振る舞い、間違いなく手練の戦士とお見受けしました。お願いします、帝都の衛兵からは断られ、戦士ギルドも頼れぬ今のこの国の状況では、あなたのような人にしか頼めないのです!」
「…俺は面倒を引き受けに立ち寄ったんじゃあないんだがな。最初に言ったように、一晩泊めてほしいってだけなんだが。先を急ぐ旅の途中なんだ、金ならある。幾ら欲しい?」
「お金などいりません。どうか、私の頼みを…」
「他を当たれっていうなら、そうするさ」
そう言うと、ドレイクはコリックの手を振り払い、農場に背を向けた。
立ち去ろうとするドレイクの背に、コリックが大声で叫ぶ。
「あなたはきっと引き受けてくださる、あなたはそういうお方だ!私は信じていますよ!」
** ** ** **
「まったく、勝手なことを言いやがる」
すっかり暗くなった森の中で、ドレイクはぶつくさと文句を言いながら歩き続けていた。
俺がお人好しや善人に見えるっていうのか?
とはいえ他に泊まれる宛てがない以上、コリックの頼みを聞き入れるのも選択肢の一つには入るのだが…
「ゴブリン退治なんぞ悠長にやってたら、それこそ夜が明けちまうぜ」
そうなれば夜を凌ぐための宿探しの結果としては本末転倒だ。
しかし…
「南西の鉱山、と言ったか」
ゴブリンの溜まり場と化している鉱山、およその見当はつく。
そしていま、まさに、ドレイクの足は無意識のうちにその鉱山へと向かっているのだった。
『あなたのような人にしか頼めないのです!』
脳裏にコリックの必死の言葉がリフレインし、ドレイクは苦々しい笑みを浮かべた。
「ああ、畜生。俺ってやつはまったく…」
** ** ** **
やがて鉱山のすぐ近くまでやってきたドレイクは、見張りだろうか、二人のゴブリンが周辺をうろついているのを目撃する。
「…他に人影はなし、残りは鉱山の中だな」
そうつぶやくと、カチリ、ドレイクはアカヴィリ刀の鍔を親指で持ち上げ、背の高い草の間を滑るように駆け出した!
そして、一閃!
「醒走奇梓薙陀一刀流奥義、飛蜥蜴(トビカゲ)!」
ザンッ、一瞬の閃撃でゴブリンたちは悲鳴を上げる間もなく息絶え、手にしていたロングソードがドサッという音を立てて地面に転がる。
抜刀、斬撃、そして納刀までを陶磁器のようになめらかなワンアクションで行なったドレイクは、無残に斃れたゴブリンたちの死骸に目をくれることもなく(彼にとって相対者の生死は太刀を浴びせた瞬間に判断できるため、わざわざ目視で確認する必要はない)、そのまま鉱山の内部へと足を踏み入れた。
** ** ** **
ザンッ、ドッ、ドサッ、ザグッ!
鉱山内部に巣食っていたゴブリンたちは、不意の闖入者…ドレイクの手によって、瞬く間に物言わぬ屍へと姿を変えていた。
「一般人や、まあ…並の戦士なら、確かに苦戦するだろうな」
そのドレイクの言葉は、他者への蔑みから出たものではない。
多くの人間にとってゴブリンという存在は強敵に変わりなく、彼らを相手に命を落とした戦士は数知れない。苦戦したからといって、それを笑うのは命知らずか生粋の殺し屋のどちらかだ。
ドレイクはどちらでもなかった、少なくとも本人はそう思っていた。自分はただ剣に長けていたがゆえに悲運に巻き込まれただけなのだ、と。
やがて鉱山(どうやら銀の産出地であるらしかった)を捜索していたドレイクは、あるものを発見する。
「惨いな、こいつは…」
そこにあったのは、薪木のかわりに燃やされた家財道具。そして炭化している「人間だったもの」。
ゴブリンが人間を誘拐する理由については、有力な説はこれといって存在していなかった。餌として食べることはなかったし、労働力として使役することも、他の何かに役立てることもない。もちろん仲間に迎え入れることもない。ただ巣穴へ連れ込み、殺し、放置するのだ。
たんなる余興、気晴らし、ちょっとしたお楽しみのためであると多くの者には信じられているが、真実は誰にもわからない。
あるいは人間が身につけている金品を狙ったものという説もあったが、そうであれば金品だけを奪ってその場で殺せばいい話であり、わざわざ誘拐する必要はない。もっとも、そう判断するだけの知能がないからこそ「とりあえず誘拐するのだ」と論ずる学者もいたが。
とにかく…ゴブリンの目的はどうあれ、事実は一つだ。
ドレイクの目前の死体は、女物のドレスを着ていた。おそらくは標準的なヒューマノイド、ブレトンかインペリアル…ノルドではないだろう、それほどの立端はない。
思えばコリックの妻の特徴については何一つ話を聞いていなかったが、おそらくこの死体がそうであろうということはなんとなく直感で理解できた。
そっと手を伸ばし、ドレイクは彼女の死体の首から下がっているペンダントを取り上げる。焼けて潰れた、翡翠の埋め込まれた銀のアミュレットだ。
コリックの妻は家にいたときに襲われたと言っていた。もし普段からこれを身につけていたとするなら、この死体がコリックの妻であるならこのアミュレットを見せればそれとわかるはずだ。
さて、役目は終わった。
ゴブリンもすべて片づけたところだし、農場へ戻るか…そうドレイクが思った矢先、すぐ近くで荒い吐息を立てる音が耳に飛び込んできた。
『ギェシシイイィィャャァァァァアアアアッッッ!!!』
「なにっ!?」
ギイッッッィィィンン!
突然の不意討ちに驚きながらも、ドレイクはその「一撃」をかわす。
たったいま棍棒を振り下ろしたその動きは、明らかにいままで戦ったゴブリンと一線を画すもの。
「ほう…どうやら、おまえが親玉ってわけかい」
『クァッッッ、キシイイイィィィィ!』
ドレイクと相対したゴブリンの親玉は鋭い牙を剥き出しにして威嚇し、ふたたびドレイクへ襲いかかる!
一撃、二撃、三撃…
相手の攻撃の一つ一つ、武器の振りのモーションを見極めながら、やがてドレイクのアカヴィリ刀が一閃する!
ズジギャアッ!
『ア゛ア゛ッ…!?ガ、グガボガガアァ……』
多彩な動きで撹乱し、いままさにドレイクを背後から叩きのめそうと飛びかかったゴブリンの親玉は、鼻上から顎下に向かって一直線に刺し貫かれていた。さらに、その鋭い切っ先は心の臓を捉えている。
そのままドレイクはアカヴィリ刀を振り抜き、ザンッ、身体の上半分がべろりと裂かれたゴブリンの親玉の死体が無残に地面へ転がった。
「手向けだ。顔も名も知らん女のために…貴様は地獄へ落ちるがいい」
そう言うと、ドレイクはゆっくりとアカヴィリ刀を鞘に戻し、鉱山を後にした。
** ** ** **
外に出たときには既に日が昇りはじめており、あたり一帯は雪景色に変わっていた。
「おいおい、こんな場所に雪だと?ブルーマまではまだ距離があったと思うがな」
焼け潰れた翡翠のアミュレットを手にぶら下げ、ドレイクは忌々しげにつぶやく。
「けっきょく夜が明けてるじゃねーか…このまま旅を続けたら身がもたんな。せめて昼過ぎまでベッドを貸してもらうか」
ため息をつきながら、ドレイクはコリックが待つハルムズ・ファーリー農場へと向かった。
農場へ戻ったとき、当然ながらコリックの姿は外にはなかった。
「早朝だし、雪だしな。中にいるか」
そう言い、ドン、ドン、ドン、ドレイクはコリックが眠っている可能性を考え、やや強めに扉をノックする。しかし返事どころか、まるで反応がない。
まさかここで待ちぼうけを喰らわせようってんじゃあないよな?
うんざりしながらドレイクが扉の取っ手を掴んだとき、意外にも鍵はかかっていなかった。
ギィ…
「コリック…」
彼は眠っていた。
胸の上下もなく。微動だにせず。ただ安らかな表情で。
外傷はない、薬品を使ったのだろうか。ドレイクにわかっているのは、もう彼の目が醒めることはないだろうという、その確信だけだ。
箪笥の上には金貨が詰まった袋と、そして一通の手紙が置かれていた。手紙は明らかに最近書かれたもの、おそらくは一日と経っていないだろうことがインクの乾き具合からわかる。
ドレイクにはわかっていた。その手紙と、そして金貨の意味が。
ドレイクは翡翠のアミュレットをコリックの胸の上に置き、手紙には手をつけず、金貨の詰まった袋を掴んだ。
そして…
ドレイクは右手で掴めるだけの金貨…戦士ギルドがゴブリン退治を請け負う標準的な報酬額…をポケットに入れると、残りを箪笥の上に残したまま、家の外へ出た。
ブルーマへ向かう旅を続けるために。
2015/02/23 (Mon)11:29
「黒檀の鎖帷子、ねぇー…コーデ的には悪くないんだけどさ。重装じゃなあ」
ナイフポイント・リッジにて、かつてのボエシアの勇者が着用していた鎧を拝借。というか俺は基本的にかっ剥ぎのような品のない真似はしないんだが、ボエシアが「その鎧が報酬だから!持っていくがよいわ!じゃ!」て感じで勧めてくるんで持っていかざるを得なかったというか。デイドラ公の好意を無碍にするほど命知らずじゃないよ俺。
俺の名はアーケイド、アルゴニアンの商人だ。
ドラゴン復活の脅威を知らせるべくリバーウッドを発ちホワイトランへ向かった俺だったが、ホワイトラン到着の夜に宿で酔っ払いの酒に付き合ったらなぜかマルカルスで目を覚ましていた。
その後はマルカルスでフォースウォーンやシルバーブラッド家にまつわるトラブルへ巻き込まれ、投獄されたりなんだり散々な目に遭いつつも、オークの要塞モル・カズグールにて「鋼の心臓のボルガク」という名の女性と出会い、彼女をボディガードとして雇ったあとホワイトラン…ではなく盗賊ギルドがあるというリフテンへ向かう。
無事に盗賊ギルドの一員となった俺はその後も旅を続け、ウィンドヘルム、ソリチュードを経由してマルカルスへと凱旋。今度こそホワイトランを目指すべく行動をはじめた。
「押しボタン式の鉄格子とはハイ・テックだねぇー。ドゥーマーの仕掛けかな?そしてこれは…これは、なんだ?」
クラックスタスクキープという山賊の拠点にて、「メエルーンズのカミソリの刃の破片」なるものを発見。以前にもこいつの部品の一部であろう柄頭石を入手したが、未だに用途は掴めない。
過去にオブリビオン動乱を引き起こした張本人メエルーンズ・デイゴンの名を冠するアイテムなので、どうせロクでもない代物には違いないんだが…
マルカルス・ホワイトラン間の通り道に闇の一党の隠れ家があったので立ち寄ることにした。ちなみにボルガクさんは入れてもらえなかったがまあいいだろう。以前も言ったが彼女を連れているのはあくまでボディガードとして必要だからであって、汚れ仕事の片棒を担がせるつもりは最初からない。
どうやら闇の一党は凋落久しく苦境に立たされているらしい、どっかで見たぞこのパターン。
かつては厳しい戒律のもとで活動していたが、その戒律のせいで組織が滅びかけたそうなので今は純粋にアットホームな殺し屋一家としてゆるふわ暗殺ライフを送っているようだ。
「随分と頼りなさそうな男がきたな。線が細すぎる」
「いやぁーコレ、ちょっとピッチピチすぎゃしませんこと?いっそうマスクも欲しくなるな」
仲間に迎え入れられた祝いに暗殺装束一式を賜ったのだが、これがまたなんというか、着合わせが難しいデザインであったりして。
闇の一党のメンバーは脳筋に魔術師になどテンプレが一通り揃っている感じだったが、一人だけ明らかに場違いな幼女がいたので話を聞いてみることに。
「あのー。キミ、見た目通りの少女?」
「…?どういうことかしら」
「こんな場所に馴染んでるくらいだから、(「こんな小さな子まで殺し屋を…?」みたいなね、)野暮を言う気はないよ。めっちゃ強い幼女なのか、それとも幼女の皮を被った別の何かかと思ってね…あーっと、失礼な質問ではないよな?俺が一人目っていうんだったら謝るけど」
「あなたみたいに無礼な新人は初めて見たわ」
そう言うと、幼女…バベットは愉快そうに笑った。
案の定というか、彼女はただの少女ではなかった。その正体は吸血鬼、このテの組織にはつきものだが幼少のまま成長が止まった女吸血鬼なんぞというどストレートなものはイマドキ逆に珍しいので、妙な感慨を覚えたりする。
また、同郷の男ヴィーザラとも話をしてみる。
「あんた、ひょっとして噂の…影座生まれ?」
「その通り、私はかつてシャドウスケイルだった。アルゴニア王国に仕える誉れ高き暗殺者、しかしそれも昔の話だ。シャドウスケイルは解体され、私は闇の一党の一員になった」
「…!?シャドウスケイルって、今はもうないのか!?」
「ああ。周知の通り、影座生まれの者はみな闇の一党のもとで訓練を受け、一流の暗殺者として教育されたのち広い世界へ渡るか、あるいは国のために仕えるかを選ぶ。しかし、もうそんな時代ではなくなったのだ」
彼の言葉は俺にとってショックが大きいものだった。
貧民街で育った俺は大抵の悪事に手を染めてきたが、それでも闇の一党やシャドウスケイルとはまったく関わらなかった。互いに避けていたわけじゃあない、線が交わらなかった…というヤツだ。彼らは俺のようなケチな犯罪者とは住む世界が違っていた、そういう実感があった。
金ではなく名誉のために暗殺の腕を磨くシャドウスケイルの存在は俺にとって一種の憧れのような存在であり(なりたい、と思ったわけじゃあないが)、故郷に古くから連綿と継がれてきた伝統が消えてしまったことを、こうもあっさりと口頭で伝えられたことは、あまり気分の良いものではなかった。
闇の一党のアジト「聖域」を出たあと、ハルディールの石塚という洞窟へ潜入。
「なんかすげーぞこれ!絶対ヤバイって」
「わざとらしいやつ。引き返すつもりは最初からないくせに」
「わかる?」
なにやら祭壇らしきものから伸びる魔法のビーヌ、周囲には死体とか白骨死体とか死体ですとか。なんか赤かったり生々しかったりヌメヌメしかったりするものが散乱している。
まあ、こういうオブジェはスカイリムではまったく珍しくなかったりするんだけども。
ひとまず先へ進む。
「こういうのはネ、絶ッ対にヤバイ敵が潜んでるんだけど、そのぶんすげーお宝が眠ってたりするのよさ」
「おまえみたいなのを、世間一般では墓荒らしと呼ぶんだぞ」
「トゥームレイダーと呼んで。あぁ~…ララちゃんの衣装が似合うわけだわ。宝漁って東奔西走、こっちは恐竜じゃなくてドラゴンが出るけど」
その後、洞窟の深部にて待ち構えていたドラウグル「ハルディール」と対面、隠密弓の一撃であっさりと始末する。
「…あんな仰々しいオブジェがあるんだから相当厄ネタかと思ったけど、こいつただのドラウグルか?ドラゴン・プリーストくらいは出るかと思ってたんだが…あんまり、珍しいモノも持ってないみたいだしなー。おっと」
部屋を捜索しているとき、すこし変わった太鼓を見つける。
「こいつぁひょっとして吟遊詩人大学で探してたやつかな?とりあえず持っていくか」
「で、あとは帰り道へ繋がるシュートを落ちるだけで終了っと。簡単すぎて欠伸が出るぜ」
「ホイ着地ー!ウィー」
メシャッ!
死~~~ん。
「どうした相b…アッアッ、アイボッ!」
メシシャアッ!
「ちょっと高かったね。高さがあったね」
「うん、うむ…」
着地?成功しましたがなにか?
三回目で。
山頂の山小屋に一人で住むアンジーという名の女性と出会い、少しの間厄介になる。
弓の達人であり、狩りで生計を立てる彼女はかつて帝国軍の兵士に家族を殺された過去があるのだという。それも戦争ではなく、ひどく一方的なやりかたで。
「そいつら、どんな連中だい?ヘルゲンと言ったか、あそこはもう瓦礫の山だが、もし生きてるとしたら、ひょっとすれば…」
「あら、なにを言いたいのかしら?やめて頂戴、いまあなたを弓の訓練に付き合わせているのは殺しの腕を見るためじゃあないのよ?それに私は、自分の面倒は自分で見れる。自分が望むことを他人任せになんかできないわ。もう…終わったことよ」
瞬く間に四つの的を射る彼女の腕は、なるほど二人の人間を、周囲にそれと気づかせないうちに地獄へ送るにはまったく充分なものだと思わせるに足る。
続けて、「十秒以内に四つの的を撃って」という彼女の言葉に促され、俺は練習用の矢を弦に番える。
「はじめの三つは至近距離、矢は上方に向かうため標的よりやや下を狙って射る。四つ目は…視界が悪くて視認し辛いが…弧を描く矢の軌跡がドロップする、狙った位置にちょうど当たる…つまり、あの距離がこの弓の零点!」
冷静に、ゆっくりと、確実に。確実にできる動作を、素早く。
すべての標的を一発で命中させた俺の耳に、アンジーの賛辞の声が届いた。
「見事ね、私と同じくらいに…いや、それ以上かもしれない。私があなたに教えれることなんてないわね」
「まだまださ。あんたも動物を相手にしてるなら、これが大した練習にならんってことはわかるだろう?動かぬ的は鴨より易し、さ」
「褒めたんだから、少しは嬉しそうにしなさい」
「電気設備課!」
「…電設と言いたいのか」
「電気設備課の木下!」
「いや誰だよ。というか無視されなかったからって嬉しそうにするんじゃあない!」
ボルガクから突っ込みを入れられつつ…ここは先人の湿地と呼ばれる洞窟の中である。
「まさかスカイリムに桜の樹があるとはねー。いやはや、ワフーでミャービざんすなあ」
ホワイトランへ向かう旅は順調に進み、ファルクリースへ到着。ゲートに近づくなり衛兵から「おい貴様、犬を見なかったか」と訊かれる。なんのこっちゃ。
どうも鍛冶屋の親父が立派な猟犬を探しているらしい、当人に直に会って適当に交渉したら前金を頂いたので余裕があったら探してみることにする。
「ま、ここはあくまで通過点なんでね。他に面倒を背負う気はないよ」
またこいつは余計なトラブルに首突っ込んでるな、と喉の先まで出かかっているボルガクを制し、宿を取ってから犬探しをはじめることに。
すぐに見つからなかったら放置する予定だったが…
夕刻過ぎ、おそらく鍛冶屋の親父が言っていた犬はこいつだろうと目星をつけたそのとき、犬に人間の言葉で話しかけられてさすがの俺もビビッた。
『おいおい、まさかネコやトカゲが喋るこの世界で、イヌが喋ったからって驚きはせんだろう?』
「うるっさいなーおまえ!余計なお世話だよ!」
なにかと言動の端々が気に入らないこのイヌ、バルバスという名前らしいが、どうも主人と喧嘩したらしく、仲直りしたいので協力してくれないかと相談を持ちかけられる。
「主人…主人ねぇ。さすがに俺も、見るだに金にならん犬の依頼なんか受けるつもりはなかったけどねぇー…その主人ってのが、デイドラ公クラヴィカス・ヴァイルでなけりゃあな!」
なんだって俺はこうデイドラに縁があるんだ?
「しまったなー犬とはぐれたぞ。で、ここはいったい何なんだ」
俺をクラヴィカスのもとへ案内するというバルバス、しかし道中でクマに襲われるわ山賊に襲われるわ散々で、そういう外敵への対処に専念してたら姿を見失ってしまった。
途中で発見したパインウォッチという小屋に山賊が潜んでいたので成敗し、ついでに金目の物品を漁っていたらなんと隠し扉を発見。地下の洞窟へと繋がっていた。
洞窟内でくすぶっている山賊どもを討伐しながら先へと進む。
「どうやらここの山賊、部下がボスの宝を狙ってるらしいな。ま、最終的に全部俺が頂くんだがね」
ちなみにボルガクは入り口に置いてきている、こういう閉鎖空間での隠密殺傷はやはり単独のほうがやりやすい。
ベッドで横になっていた山賊の女ボスをサクッと始末し、お宝を拝見。
「こいつぁ…金型、だな。銀で成型した完成品もちょっとばかり転がってるが、これは何かの貴重品なのかね?一応取っておくかな…」
金貨や宝石に混じって異彩を放つモールドを拾い、俺は洞窟を出た。
そろそろあのワンちゃんを探しに行かないと。
幸いにもクラヴィカス・ヴァイルの祠はそれほど遠くない場所にあり、洞窟内に巣食う吸血鬼どもを退治しながら後を追う。
「しっかし鍛治をマスターして装備が超強化されたからか、最近は弓や薬に頼らなくてもけっこう真っ当に戦えるようになってきたな」
やがてクラヴィカス・ヴァイルと対面、どうやらさっきブッピガンした吸血鬼どもは彼の信者だったようだ。もっとも自ら望んで吸血症を患ったわけではないらしく、救いを求めてきたところに俺がまとめてステアウェイトゥヘヴンを登らせちまったらしい。最近こういう横文字の老人ホーム多いよね。ヘヴンとかエデンとかその名前で本当にいいのかって思いますが。
なぜか虐殺行為を感謝され、望むままの報酬をくれてやるというので「犬と仲直りしてやりんさい」と言ったらめっちゃ拒否された。えぇー…
しばらく討議したのち、なんか斧探しに行くことになった。ホワイトランと逆方向である。う~ん、さすがに後回しかな、これは。
ひさしぶりのリバーウッド到着。ところであそこにいる、丸太を機械にかけるようなポーズでパントマイムしてるのはアレなんでしょーね…シロディールにも空中で鋤を振るって宙を耕す老婆とかいたけど…あと上半身が回転する騎乗衛兵。
しかし帰郷を懐かしんでいる場合ではない、なにせ俺はホワイトランへリバーウッドの危機を伝えるべくここを出たのだ。それが何の手違いかスカイリムをほぼ一周した挙句役目を果たしてないと知れたらえらいことになる。
ちなみに犬ははじめ連れ歩くつもりだったが、あまりに鬱陶しいので置いてきた。鳴き声はともかく、隠密弓を構えてるときに荒い息吐きながらゴリゴリ押してくるのがうざすぎる…あれ絶対わざとだろ。世紀末荒野の犬はもっとストレスフリーな存在だった気がしたんだが…
「ホワイトラン到着!ホワイトラン到着!」
リバーウッドからホワイトランまで大した距離じゃないのに、なんでこんなに苦労したんだ…ともあれ、いよいよ当初の目的を果たせそうである。あと到着した途端に大勢の衛兵が出てきて何事かと思った。
首長に会いに行く前に街の人々から話を聞いておく。
「ホウホウ、息子さんが行方不明に…軍は戦闘中死亡(KIA)と言ってるけど奥さんは違うと確信してるわけですね?って、あそこで斧振りかぶってるこわいおっさんは誰ですか」
どうやらホワイトランにはグレイメーン家とバトルボーン家という古くからある名家が存在しており、彼らは互いに嫌悪し合っているらしい。ちなみにバトルボーンは帝国派、俺に息子の捜索を依頼してきたおばさんはストームクローク派のグレイメーン家らしい。
「俺、こういう家柄がどうのこうのって正直苦手なんだよねー。自分の行動以外に自分の価値を求める人種ってどうも好かんのよ」
バトルボーン家を漁って証拠を探したところ、どうもグレイメーン家の息子はサルモールに捕らえられているらしい。
…ひょっとして以前押し込み同然に虐殺して回ったとき見かけた捕虜のうちの一人だろうか?
俺も加勢する、というさっきの斧男を制し、単独で解決することに。このテの特殊作戦は気心知れない手数がいても面倒なだけだ。
ラウンドワーン、ファイッ!エイッエイッエイッハーッハーッホアーッ
酒場でくすぶっている女戦士とガチバトル。ウィンドヘルムで差別主義者の酔っ払いをぶちのめして以来、じつは殴り合いもけっこう強いんじゃ俺と自惚れてるので今回もちょっとした力試しである。
さすがに楽勝とはいかないものの、拳の打撃程度ではまったくダメージを感じないことが幸いし勝利を収めることに成功。
「ひさしぶりに好敵手と出会えたわ。さあ、ゴールドを受け取って頂戴」
賭け試合だったため、不滅のウスガルドと名乗るこの女戦士から100Gを受け取る。
初見で傲岸不遜な態度を取ってくれたため「なんだこの女は」と思ったのだが、どうも純粋に戦うことが好きなだけのようで、それ以外の配慮には欠けるものの嫌味や嫌がらせをするタイプの人間ではないらしい。まあ、典型的なノルドっぽいというか。
あとバトル中、吟遊詩人が「演奏曲の紹介→最初の一節だけ披露→すぐ別の曲を紹介→以下ループ」という極めて挙動不審な態度を取っていたのが妙に気になった。怖がるくらいなら逃げろよ。
「見てよボルガクさん、街中で堂々とタロス崇拝を演じてるオッサンがいるよ。サルモールの兵隊ここに連れてきてぇ~。衛兵なんかみんな無視してるしな。すげー街だなホワイトラン」
さて、ようやくホワイトラン首長バルグルーフとの謁見と相成ったわけであるが。
「やけに遅かったな。オブリビオンの次空にでも飲み込まれたかと思っていたぞ」
「えー、あー、まぁ。だいたいそんなカンジで」
そもそも「ウィンドヘルムで会おう」とか言ってたレイロフがまだリバーウッドにいたあたり、真のスカイリムの民はけっこう気が長いのかもしれない。
「ヘルゲンにドラゴンが現れたという話はもうスカイリム中に知れ渡っているし、私もとっっっっっっっっくに知っていたのだがな。それでも、その場にいた人間から直接情報を聞きたいと思っていたので、とりあえず歓迎するぞ爬虫類」
「やべえ俺いま頭と背中と脇と股間から変な汗出てる」
なんたってヘルゲンでドラゴンに遭遇してから124日も経っているのだ。とっくに言い訳できるようなレベルではない。
とりあえず当時起きた出来事の概要を伝え、このままではリバーウッドが危ないので兵を派遣してもらえないかと提案してみる。この微妙な状況下で迂闊な兵の派遣は帝国軍を刺激しかねないという意見もあったが、最終的には合意を得られそうだった。
「ウフーン、どうにか間に合ったようだね。よかったよかった」
とりあえず役目を果たしたことで一安心する俺。
その後、宮廷魔術師のファレンガーからドラゴンの所在地に関する古代の石板の回収を依頼される。どうやらブリークフォール墓地の最奥に眠っているらしいのだが…
「それって、ひょっとしてコレかね」
いつぞやリバーウッドの雑貨屋の店主に依頼された黄金の爪の回収で、ついでに拾った石板を差し出すと、どうやらそれが当たりのようだった。
「いやなに、俺も独自にドラゴンについて調べていてね。石板の回収はその成果さ、報告が遅れたのもこいつのせいだよ」
せっかくなので、ここいらでもっともらしい嘘をつき予定の遅れを誤魔化す。
次の動きについて検討していたとき、ふたたびドラゴンが出現したとの報が入る。
「いまのところ、君はここにいる誰よりもドラゴンに関する経験がある。イリレスとともに対処に当たってもらえないだろうか」
「あ!?あー、は、はい。もちろんですとも」
まさか「ヘルゲンでは逃げてただけで、助かったのは運が良かっただけ」と言えるはずもなく、俺は内心ひどく動揺しながらもダンマーの女戦士とともにホワイトランを出発した。
「あっ、あいつら!」
ホワイトラン正門前、俺は見慣れたレッドガードの一団を目にした。
「何者だ、あいつら」
「エナメルだっけ?セラミック?プラスチック…いや、アクリルといったかな。レッドガードの女を捜してるらしい、あちこちで女を連れ出そうとしちゃ断られてるモテないナンパ男みたいな連中さ」
疑問を口にするボルガクに、俺はものすごーく適当に答える。
これもいずれ解決しなければならない問題だろうが、いまはドラゴンの対処が最優先事項だ。
→To Be Continue?
どうも、グレアムです。
プレイ時間150時間にしてようやくマトモにドラゴンと戦えそうです。いや、長かった…といってもその150時間すべてを純粋なプレイに費やしたわけではないので、これは若干盛った表現ではあるのですが…MODの機能を確認して残したり外したり、あとはたまに思い出したように美少女キャラ作成に挑戦してみたりだとか。
ちびのノルドinSkyrim暫定版ver.2。
MeshとかTextureとかSkeltonとか一つの種族でいろいろとっかえひっかえやってたら裸の状態だと胸がエグれるようになって最終的に表示されなくなったでござる。うへぇ。明らかにHDT関係の不具合です。矢筒の位置変えるやつに入ってたSkeltonが怪しいか?まぁ裸に剥かなければいいだけなんで問題ないというか、MOD装備使う前提だったらぶっちゃけ体型は装備依存になるのでいいかなーなんて。いまから治すのめんどくさい…
今回から、上でちょっと触れたBelt-Fastened Quiversと、出血表現を拡張するEnhanced Blood Texturesを導入してます。EBTのほうはMCM対応で、被ダメージ時のスクリーン・エフェクトを切ることもできるスグレモノ。あれバニラ状態でもiniいじるだけじゃ駄目で、いままではDisable Blood Splatter on Screenってやつを別途導入してたんですが、EBT入れたら必要なくなりますね。被ダメージ部位に応じてどんどんキャラが血濡れになっていくのが面白いんですが、顔に傷がつかないのと、どうも顔面を攻撃されると目のテクスチャがおかしくなるっぽい(仕様?)。直したい場合は出血エフェクトが消えるまで待つか、これ装備変えると対応部位の出血エフェクト消えるんで兜被っても消せるかも。あとは乱暴だけどShowRaceMenu使えば強制的に全部消える。
ライティングまわりの環境系は現時点ではパス。将来的にENB入れたいんで統合性をいまから考えたらハゲるってのと、環境系は一部バランスがおかしかったり調整不足だったりするものが多いっぽいので。
ENBはいちおう最新版と良さげなプリセット落としたんですが導入見送りです。何度も言いますがあれ純粋にゲーム部分だけ楽しみたい人が入れるものじゃないので。SS単体で見るとどうしても物足りなさがあるので度々入れたい誘惑に駆られるのですが、ゲームプレイしているときは普通に楽しめてるので、最低でも一回全部クリアしてからだなーという修道者モード。
テスト的に作ってみた赤毛の女戦士。
けっこう上手くできたような気がしないでもない。もちろん角度は限定される。
女性が血まみれになりながら戦うってのは、なんていうかこう、嗜虐心を掻き立てられますよね。EBT入れるとDragon Ageっぽくなるなぁ。あれも新作は評判良いらしいですね。