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主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。 生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。 http://reverend.sessya.net/
2024/10/06 (Sun)21:40
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2014/07/15 (Tue)05:15

 先日、中古のゲームショップでX360版が2000円弱で転がっていたので確保。いちおう以前、無印版NVを全ルートでクリアしているので、今回はその経験を踏まえてのレビューとなります。
 セーブデータ及び実績は無印NVと共用できるらしく、以前のセーブデータがそのまま使えましたが折角なので今回は新規でプレイ。

 まずはNVを語るうえで避けては通れない、バグやシステム上の問題点について。
 UEでは最終パッチ(1.4)が当たった状態らしいが、残念ながら安全性やパフォーマンスにそれほどの向上は見られなかった(あくまで体感での話だが)。相変わらずフリーズは多発するし、プレイ時間が長くなってくると目に見えてパフォーマンスが低下し最終的にゲームがハングするという。起動毎のメモリキャッシュのクリアは必須だろうか。一度など、フリーズ後の再起動でオプション項目が書き換わっていたときなどは(HUDの色が変わっていた)、「いったいどんなプログラムを組んだらこんなバグが発生するんだ!?」と爆笑してしまった(実害は皆無に等しいが…)。まぁ、ノバックの建物が消えなくなったのは誉めていい。
 フラグ管理がずさんで、ちょっとしたことでクエストが詰まるのも相変わらずだ。RPGなのに積極的に周囲のNPCと会話を進めたら数多のクエストが進行不能になるのはさすがにまずいだろう。
 ゲームを進めるとアイテムのMisc欄がごちゃごちゃになりすぎるのも頂けない。最低でもガラクタ、リロード素材、クエストアイテムの三つに細分化しなければ、とてもではないが実用的なインターフェースとは言えない。これはPipboyを設計したロブコの技術者に言うべき文句だろうか?
 武器に関しては、相変わらずシングルアクション・リボルバーやレバーアクション・ライフル、ポンプアクション・ショットガンなどの挙動が軒並み不安定なのが直っていなくてガッカリだった。さすがに1.0よりはマシになっているが、もし続編が出るならシステムの根本的な見直しが必要になるだろう。他にNVで追加された諸要素についても言えることだが、安定性を省みないMODライクな要素の付け足しによって、NVはバニラの時点で相当に歪なフランケンシュタイン状態になっている。まあ、TESシリーズのSkyrimで開発エンジンをリファインしたので、続編に関するそのへんの心配は杞憂だろうけども。

 お次は、肝心の各DLCについての所見を。

  【 Dead Money 】
 ゴースト・ピープルうざすぎ問題。
 俺はひねくれ者なので、あまり大衆に沿った意見というのは書きたくないのだが、それでもこのDLCの評価が軒並み低い点については残念ながら同意せざるを得ない。
 おおざっぱに評価するなら、「3のMothership Zetaをもっと面倒臭く、且つ難しくしたようなコンテンツ」とでも言おうか。とにかく3のDLCから連綿と続く、魅力的な装備品(とステータス強化)をエサに苦痛でしかないゲームプレイを体験させるのはマジでやめてほしい。
 ゲームプレイ以外の点では、陰鬱でアンモラルなシエラ・マドレの妖しい魅力、個性的なサブキャラクター、本編では口頭でのみ存在が示唆されていたBoSの元エルダー・エリヤの野望の実体、そして「もう一人の運び屋」の存在が示唆されるなど見るべき点は多いのだが…

  【 Honest Hearts 】
 ホワイト・レッグスうざすぎ問題。
 これはバーンドマンことジョシュア・グラハムの雄姿に萌えるDLCである。そのボロい服は包帯込みじゃないとちょっと似合わないと思うんですよ…(DLC完了報酬が入ったStashを見つめながら)闇に輝く光はじつに厨二ちっくでカッコよろしいのでございますけどね。
 じつは今回UEを買ったきっかけというのが、本DLCでシカゴ・タイプライターが登場するからという話を聞いたからなのだが…これ、ドラムマガジンついてるけどベースはM1じゃねーか!どうしてこうなったObsidian!?まぁ、待望のM1911登場については素直に喜んでいい。やっぱりアメリカ人は.45口径じゃないとな。カスタム・スライドの蓄光サイトはちょっとやり過ぎな気もするけど。
 クエストに関しては、ホワイト・レッグスと協力してジョシュア・グラハムを抹殺するルートがあっても良かった気がする。仮にも(仮にもとか言っちゃいけないが)本編にリージョンのルートとかあるんだし…このあたり、やはりプレイヤー視点でのNCR対リージョンって構造が今一つ機能してないんだよなぁ。明らかにNCRに加担するよう仕向けてくるんだもの。ミスター・ハウスに至っては共倒れと漁夫の利を狙ってるだけなのでそもそも対立してないから影薄いし。
 あと、ジョシュア・グラハムなら「シーザー倒す旅してるから一緒にモハビまで行こうぜ!」って誘ったら喜んでコンパニオンとしてついてきそうな気がする。装備交換には応じないけどね。

  【 Old World Blues 】
 ロボトミーうざすぎ問題。
 これはステルススーツMkIIに萌えるDLCである。余計な真似をしでかすコンパニオンがイヤで一切連れ歩かないものの、たまに一人旅が寂しくなっちゃうめんどくさいコミュ障ハートの持ち主にとって、これ以上にない旅の伴侶はいないんである。個人的にはもっと会話のバリエーションが多くても良かったなぁ。それこそ、たまにウザいと感じるくらいにベラベラ喋ってほしかった。PC版ならそういうMODありそうだけどね。こいつを入手してからハートをキュンキュンさせながら萌えまくりでNVやってますよ。そりゃあもう。「私のこと好き?」「君は永遠の親友だよ」をはじめに、「君に死んでほしくないんだ」と言いながらスティムパックを自動投与してくれるところなんか、じつに健気じゃあありませぬか(Med-X中毒になりながら)。黒地にホワイトライン入っててジャージみたいな見た目がちょっとダサいけど。
 クエスト自体は一本道なんで特に語るようなところもないか。あーっと、Robotics ExpertのPerkを取得しとくと進行が断然ラクになるっぽいですぜ(巨大ロボスコルピオンを指先一つでダウンさせながら)。盛り上がりもクソもねぇ。
 ストーリー部分は、このあたりでエリヤの足跡やもう一人の運び屋についての情報がかなり出揃ってきましたね。まぁ正直、次回DLCへの布石以上のもんではないかな、という。肉体を捨てて思考が超人的になったマッドサイエンティストなんてのはSFとしちゃあありきたりに過ぎるし(といっても、基本的にFalloutというゲームは多作品へのリスペクトとオマージュで成り立っているので、新鮮味を期待するのは野暮ってもんだが。そしてそれが、俺がこのシリーズを今一つ評価できない理由でもある)。
 「う~mmnnn!!!メェンタアァァァス!!111!!!」のボイスはクセになる。

  【 Lonesome Load 】
 梱包爆薬うざすぎ問題。
 これは厨二病大炸裂なゆりしーのポエミィな語りを生温かい気持ちで楽しむDLCである。基本的にゆりしーはプレイヤーの胸一つで振り回される周囲の代弁者なんだけど、そもFalloutってゲームは「そういう形でしかプレイヤーが情報をインプットできない」構造になってるので、その点についてプレイヤーが責められても仕様がないんですけど…あとはゆりしーの言葉に対する運び屋の返答が悉く煮え切らないものばっかりなんで、「プレイヤーの手を離れた主人公の知られざる過去と因縁」という点を差っ引くにしろ、今一つ感情移入が難しいんであるな。
 一つの定まったストーリーとしてはそれなりによくできてるんだけど、主人公=プレイヤーというインタラクティヴ・アドベンチャーとしての側面から見た場合、シナリオとゲームプレイの間に齟齬が生じているというか、ちとまずい、あまり上手くいってないという印象がある。このへんは多分に開発期間の短さとか、おそらくObsidianも煮詰めきれてないのをわかっててお出ししてるとは思うんだけど、もちっとどうにかならんかったかなぁという気はする。ルートの分岐がゆりしーの語りと同じくらいわかりにくい点も。
 ラストでNCRとリージョンの領地いずれか(ないし両方)に核を落とした場合、それぞれロング15とドライウェルズという新マップが追加されるが、特にロング15はバランスブレイカーとも成り得る大量の武器弾薬(それもホローポイントやAP、オーバーチャージといった高級弾薬)が入手できるため、自分の行動の結末に罪悪感を覚える間もなくスカベンジに走りたくなる設計(いわゆるご褒美マップ)になってしまっているのはいいのかこれ。対してドライウェルズで入手できるアイテムは(敵がやたら強いわりには)ややしょっぱめ。ちなみにドライウェルズの爆心地に近づきすぎると即死するので要注意だ。
 評として…雰囲気的にはFallout3に近い荒廃都市という舞台、ゆりしーの個性的なキャラクター、深い思慮を持たず物事に介入する運び屋(=ゲームにインタラクトするプレイヤー)へのメタな警鐘など一部を切り取って見た場合には魅力的なのだが、それらの諸要素がうまく噛み合わず全体的にグダグダになってしまっている印象がある。
 あと、ここで手に入るショルダーマウント型マシンガンが肝心の現場で役立たずすぎる…

  【 Gun Runner's Arsenal 】
 これはDLCというかアドオン?だけど一応。
 武器が大量追加されている、という名目なのであるが、その多くはバニラで登場する銃火器の単なるバリエーションに過ぎないという肩透かし。しかもGRA仕様とノーマル仕様でMODパーツが共用できないという手落ち。どうしたObsidian!?GRA仕様の武器で敵を倒す新チャレンジが追加されるものの、武器の選定から標的の組み合わせまでいちいち中途半端なのが泣かせる。
 弾薬はかなりの種類が追加されていて、むしろこっちがメインじゃないかという。ただしあまり多く入荷しないので、けっきょくあまり撃つ機会がないというナントモな本末転倒ぶりよ。大口径炸裂弾やパルス弾など、撃っていて楽しい弾ではあるんだが…
 中でも目を惹くのが、12ゲージ用の弾薬ドラゴンブレス。アメリカ人が大好きな(←偏見)イカしたハンドロード弾の中でも愛称が固有名詞になる程度にはメジャーなショットシェルで、薬莢に散弾とマグネシウムのペレットを充填した弾だ。ゲーム中でも炎ダメージ付与のオプションがついており、盛大に燃え上がる敵を眺めてニヤニヤするのは楽しい。
 願わくば、こういういかにもイレギュラーな弾薬こそリロードベンチで製作できれば良かったのだが…このあたり、やはり肝心な部分でツメが甘いぜObsidian。

  【 Courier's Stash 】
 これは…別にいらないかなぁ……

 このあたりで総評を。
 今回通してプレイしていてふと思ったのだが、どうもObsidianは、NVにおけるレベルデザインやクエストの設計を2Dと同じ方法論で製作しているのではないか?ということ。やたら複雑でわかりにくい施設の構造も、とにかくあちこち走り回らされるクエストも、おそらく従来のクォータービューでプレイしたならばそれほど違和感を覚えずすんなりプレイできたはずだ。いまいちゲーム的に機能しているのか把握しづらい派閥要素にしてもそうだが、ObsidianはVan Burenの設定だけではなく、ゲームのデザインまで持ち込んだせいで3由来のFPSライクなシステムと齟齬をきたしてしまったような気がしてならない。
 とはいえ…本作は一般的に(この一般的、てのも随分と曖昧な表現ではあるが…)3と比べて駄作であると扱き下ろされがちであるが、個人的には、「本来のFalloutらしい」という意味で本作のほうが好みだったりする。
 しかしながら、Bethesdaが世に放った3が、ナンバリングタイトルであるとはいえ事実上のリブート・プロジェクトとして大成功を収めてしまった(大衆にアピールするビッグ・タイトルとして)のが結果としてNVの低評価に繋がってしまっているのは想像に難くない。
 しかし、本来Falloutというタイトルは一部に熱狂的なファンが存在するのみでそれほど売り上げが良かったわけでもない(事実、3が登場するまでは本国でも知名度が高いフランチャイズではなかった)、いわゆる「怪作」に類するタイトルである。そういった作品のオリジナル・スタッフが手がけるというのだから、そもそも「風変わりな題材をこれ以上にない王道展開でそつなく纏めた大作」と比べること自体が野暮な話なんである。
 それでもバグはもうちょっとどうにかならなかったのか、とは思うけど。






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2014/07/13 (Sun)16:52

 地球にいきなり宇宙人が攻めてきた!ボッコボコにやられて軍は壊滅状態、だけど主人公率いる部隊の活躍で敵の司令塔を一つ破壊!さあ俺たちの戦いはこれからだ!第一部完!

 …とまぁ、内容を要約すればめっちゃくちゃ頭の悪い作品なんであるが、アクションの水準は及第点であるので見れないこともない。
 目新しい要素なんか一個もないし、軍事関係の描写一つ取ってもシリアスに突っ込みを入れればキリがないんだが(核爆弾みたいな超威力の手榴弾の在庫はまだハリウッドに大量に残っているらしい)、たぶんこれはそういう映画じゃないんで、リアルさに関してはケチをつけるだけ野暮ってもんだろう。そういうわけだから、巷でよく言われる「宇宙人を敵に据えたブラックホークダウン」なんて評価ははっきり言ってBHDに失礼にも程があるとは言っておく。

 最近の映画のご他聞に漏れず、カメラは揺れまくりで見にくい。アクションシーンで何をやっているのかわからない、というほど酷くはないものの、あらゆるシーンで「とりあえず揺らしとけばリアルに見えるだろ」という単純思考が透けて見えるようだ。
 宇宙人の、身体に機械が埋め込まれているという設定は悪くないが造型はお世辞にも良いとは言えない(スタイリッシュではないがダサカッコイイというほどでもなく、非常に中途半端)。そして動きがあまりに人間的すぎる。これは第九地区のときも書いたが、俺は人間の代用品みたいな宇宙人は評価しないのだ。こういう部分こそ想像力の働かせどころだろうに…せっかく「宇宙人が有無を言わさず武力行使してきた!話も通じない!得体の知れない相手だ!コワイ!」ってシチュエーションなんだから、もっと得体の知れない恐怖、威圧感みたいなのを感じさせてほしい。戦い方や兵器の運用思想まで人間そっくりだし。ハンドサインまで出すし。こんなならDOOMの悪魔のほうが百億万倍はマシだぞ。

 ストーリーも…まぁ…ヒロイックな話だよなぁ。アメリカ的マッチョ主義万歳というか。なにもかもが予定調和で進むので、途中で展開が読めるとか、誰が死んで誰が生き残るのかとかが丸わかりだ(ファミリー向けの映画で子供が死ぬわけないだろうって?その通りさ!)。そのうえ映像に見所があるわけでも…ううん、この映画のVFXってなんか安っぽいんだよな。本当に低予算なのか、演出の問題かはわからないが…とにかく、悪い意味で予想通りの展開が続くんだ。
 登場人物の設定も日本のラノベばりにテンプレ設定を切り貼りしたような感じで、どこかで見たようなやり取り、どこかで見たような演出、展開を工夫もせずにくどくどと…こんなので愛国心やら戦友との絆なんてテーマを持ち出されても、ゲップしか出ないんだぜ。まったく薄味のアメリカン・コーヒーだ。
 アクションも軍人がマニュアル通りの動きをするだけで、「ここぞ!」という見せ場がないのはキツイ(銃剣ブッ刺してそのまま撃ちまくるのはちょっと良かった)。良いアクション映画の条件ってのは「観たあとに思わず真似したくなるような動作が最低一つあること」と個人的に定義しているので、そういう観点からもこの映画は弱い。
 あと、これは完全に個人的なわがままなんだが、戦争映画気取るなら政治的な話の一つは出してくれよな!大事な要素なんだぜ!(あれはエンタメとして楽しむ要素、だと俺は思ってるよ?)

 とにかく歯切れの悪い今回のレビュー、統括すると、あんまり面白くなかった!
 俺はいちおうB級映画大好きを自認してはいるが、見所がない映画っていうのは本当に評価に困る。クソ映画と違ってネタにもなりゃしない、せめて一つでも「この映画ならでは!」って要素があればいいんだけどね。
 難しいこと考えずに頭カラッポにして楽しむジャンクフード・ムービーだってのはわかってるんだが、そうだとしてもわざわざこの映画を選ぶ必要はない、な…うん。ひさびさに観て後悔した映画だった。アドレナリンのかわりにため息が出っぱなしだったZE。
 まぁあとアレだ、女性パイロットのキャラだけは悪くなかった。




2014/07/09 (Wed)09:21



 どうも、グレアムです。HPにてバイオハザード・リベレーションズに登場したレイチェルのイラストを公開しました。おまけとして、上に線画バージョンも載せておきます。

<< レイチェル最高。いやマジで >>

 そんなわけで、X360版のアンベールド・エディションを最近クリアしましたですよ。
 もちろん目当てはレイチェル、なんたってメカクレだもの。
 発売当時、店頭で見たPVではミステリアスな謎の女スパイ的な描かれかたをしていて、服装も峰不二子っぽいし(ただのダイバースーツだけどね)、すわエイダのライバル登場か!と思ってプレイはじめたら序盤で速攻で死んで吹いた。
 え…なんか新キャラの中ではかなり宣伝でプッシュされてた気がする(おぼろげな記憶しかないので実際にどうだったかは知らない)んだけど、どういうことなの…と思ってたら見事に復活しました。こえぇぇぇぇ!

 ゲーム自体は開発スタッフのやりたいことが非常に明確に伝わってきて、非常に宜しかったのではないかと。
 新キャラがわりと魅力のある連中ばっかりで、クリスやジルに負けず劣らずの活躍を見せてくれたのは良かったですね。それこそ「新キャラ作るよりあのキャラ出せや!」と言われがちなシリーズの中にあってこれは快挙ではないでしょうか。しかしクリスとジルって性格が安定しないよな、本当に。
 連続TVドラマ風の演出はキャンペーンの中枢を成す要素ではあるんですが、個人的にはちょっと今一つだった…デス。いや、他にやりようがないのはわかってるんですが。頻繁に操作キャラクター(&シチュエーション)が切り替わり一貫しないゲームプレイ、こいつを変えてしまうと狙いがハズれてしまうのは理解できるんですが、個人的には6のキャラクター選択制のほうが好みでした。というか、TVドラマ風の演出が、ゲームプレイの観点から見ると単に「ヤリタカッタダケー」にしかなってないのが…いや、いいんだけどね!?

 戦闘システムに関しては、6のバリバリ敵をちぎって投げれるハイスピード・アクションを体験したあとだと、やはり厳しい。これそういうゲームじゃねぇから!と言われればそれまでなんだけど、これはもう完全に個人の趣味の領域だわなぁ。どっちが良いとか悪いとかいうのではなく。個人的には6のが好きです。
 ジェネシスは面倒なだけだったなぁ…たぶんバイオショックあたりからのリスペクトなんだろうけど、俺、あのカメラ要素大っ嫌いだったから。この要素削ってなにか問題あるか、というか、この要素削ったら少しでもゲームがつまらなくなるか?と考えた場合に、自分的な回答は「NO」なのですよ。

 レイドモードは悪くないけど、だんだん稼ぎのためのプレイが辛くなってくる。俺はハンクが使いたいだけなんだ!と思っても、ハンク出せる頃にはもうレイドモードでやれることって残ってないので…最初からハンクが使えれば、ハンク使って全要素制覇までモチベーション維持できたと思いますが、実際の仕様はその逆で本末転倒なのであった。やめようよ、こういうの。

 で、レイチェルですよ。
 本編では光の速さで一足お先したため、そもそもどういう性格なのか?それがまったくわからなかったんであるが(ウーズ状態だと理性ぶっ飛んでて参考にならない)、レイドモードでわりと早い段階で解除できるので確認がてら使用してみた。
 いったいどんなクールビューティなお姉さまなんだ…と思ってた俺の脳天に突き刺さった一言。



「レイチェル、とーちゃくしましたぁっ!」



( ゚д゚) ・・・ 
  
(つд⊂)ゴシゴシ 
  _, ._ 
(;゚ Д゚) …!? 

 なに、この(頭が)残念な感じの娘は。



 いや。
 いやいや。
 ナナメ上すぎるだろ!?

 てっきり魔性の女的な性格だとばかり考えていた俺はめっちゃ困惑しましたとも。これアリなのか!?と。
 マジで前後不覚に陥ったというか、事前に抱いていたイメージとあまりに剥離してたので、実際なにが起こったのかしばらく把握できなかったですが。
 ただ事実を把握したあと、俺はすぐにこう思いました。
「いや…いや。これはひょっとして『アリ』じゃあないのか…ッ!?」
 ナイスバディな外見に似合わぬ子供っぽい明朗快活な性格、たぶん素で良い子なんじゃあないかと思う。
 そういう、「たまたま不運な場(職場)に居合わせた」だけの善良な女の子が、「不慮の事故(あるいは陰謀?)に巻き込まれ」、「何の救いもないまま無残に殺される」…これ、俺がめちゃくちゃ大好きなシチュエーションじゃねーか!
 しかも理性をなくし動物的本能(と僅かな自我)だけが残された怪物として蘇るとか、これはもうダブル…いや、トリプル役満級の大ヒットだね!

 カプコンさん…アンタ、とんでもないことしてくれよったのゥ…!
 レイチェルというキャラの実態(=リョナ要員)を知った俺は、思わずこう呟いていた。「イエローストーン!!」…じゃねぇ。「やるじゃない(ニコッ」と。
 そんなリビドーを思い切り叩きつけたのが、HPに載せたカラーイラストだったりします。

 つまりバイオハザード・リベレーションズUEはどんなゲームなのかと言うと、レイチェルかわいい!の一言に尽きるとゆーことだ。日本語ボイス最高(ウーズ含め)。






2014/07/07 (Mon)06:56

 ブルーマで思わぬ道草を食ってしまったが、ロッシェ夫妻からの依頼を終えたあと、ちびのノルドは当初の予定通りレーヤウィンへと向かっていた。
「ハァ…気が重いなぁ」
 スキングラッド支部長のバーズ・グロ=カシュによると、どうやらレーヤウィンの戦士ギルド会員が仕事をせず酒場で暴れているらしい。ちびのノルドに課せられたのはトラブルの回避と原因の究明ということだったが…
「やだなぁ、身内同士のいざこざに巻き込まれるなんて」
 ちびのノルドは、まるで気乗りしない様子でため息をついた。
 そもそも今回トラブルを起こした男たち…三人の戦士、インペリアルのヴァントゥス、レッドガードのレーリアン、オークのデュボクはちびのノルドよりも古参で、キャリアが上だ。
 それをわざわざ新人のちびのノルドに説得に向かわせたのは、このところ活躍の目覚しい新人に渇を入れさせることで、自分達がいかに恥ずべきことをしているかを自覚してもらい、今一度性根を真っ直ぐに伸ばしてもらおう、という魂胆らしいのだが。
「…マッチポンプにしかなりませんよね、どう考えても」
 もとより若干の対人恐怖症の気があるちびのノルドにとって、これ以上に気の進まない任務はなかった。

  **  **  **  **



「おーい、もっと酒持って来い、酒ェ!」
「なにが戦士ギルドだアホらしい、やってらんねぇーぜ!」
「ヒャッハァー!」
 レーヤウィンの門を潜ってすぐの場所にある小さな宿<ファイブ・クロウ旅館>。
 扉を開けた途端に屈強な男たちのばかでかい歓声が聞こえたとき、ちびのノルドはここに来たことを光の速さで後悔した。
「…うぅわー」
「あんた、戦士ギルドの人間かい!?あいつらをなんとかしとくれよ!」
 背を向けて立ち去ろうとしたちびのノルドの肩を、旅館の女主人ウィッセイドゥトセイがガッシリと掴む。
「飲んで暴れて好き勝手し放題、客は寄りつかないし、あいつら金も払わない!どうしてくれるんだい、この惨状を!」
「ゴメンナサイすいません本当に申し訳ないです許してくださいどうかお願いします」
 激怒するウィッセイドゥトセイに、ちびのノルドは泣きながら平謝りをする。
 …自分は何もやってないのに、なんでこんなに必死こいて謝らなきゃならないんだー!?
 そんな疑問を抱きながらも、しかし社会でそんな理屈は通用しないことを身に沁みて理解しているちびのノルドはひたすら頭を下げ続けるばかりである。
 その最中にも、現地の戦士ギルド会員たちはやりたい放題である。
「酒が切れたぞー!女将ッ、早く代わりを持ってきやがれェーッ!」
「もうあんたらに飲ませる酒なんかないよ、この穀潰しども!」
 怒鳴り散らす戦士たちに、ウィッセイドゥトセイは気丈にも怒鳴り返す。
 一方、はじめは下手に出てなんとか穏便に事を収めようと考えていたちびのノルドの感情も爆発寸前になっていた。
 肩を怒らせながら大股で戦士たちに近づくと、ちびのノルドは岩のように固く握った拳を震わせながら叫んだ。
「なにやってんですか!なにやってんですか!いったい、なに、やってんですかぁーっ!」
「なんだぁこのチビは?おい女将、ここはいつから女衒をやるようになったんだァ?」
「ぜ、ぜげっ…!?」
「こんな下の毛も生えてないようなガキをあてがわれたって嬉しくもなんともねえぜ俺たちはよォーッ!」
「生ーえーてーまーすー!剃ってるだけですぅーっ!」
 レッドガードのレーリアンとオークのデュボクにからかわれ、ちびのノルドはマスクの下で顔を真っ赤にして叫ぶ。
 その直後、どうやら三人の中ではリーダー格らしいインペリアルのヴァントゥスが二人の仲間を制すると、一歩前に出てちびのノルドと向かい合った。
「あーわかったわかった。ところで実際問題、おまえ、何者なんだ?」
「…戦士ギルドのアリシアといいます。レーヤウィン支部が問題を起こしてるからって、わざわざシェイディンハルから飛んできたんですよ」
「ハッ、ご苦労なこったな。仕事しろってか?いいさ、やってやるさ、仕事があるならな」
「…はい?」
 素っ頓狂な声を上げるちびのノルドに、ヴァントゥスが肩をすくめてみせた。
「いいか、俺は『戦士ギルドに行けば食うには困らない』って聞いたから会員になったんだぜ?ところがどうだ、最近はブラックウッド商会に仕事を奪われっぱなし、俺達はお飯の食い上げだ。これが酒でも飲まずにいられるかってんだ」
「…はあ」
 ブラックウッド商会、最近よく聞く名前だ。
 新興の組織で、かつて帝国に雇われた傭兵を中心に活動しているらしい。格安の料金で仕事を請け負うことで戦士ギルドの顧客を奪っている、とブルーマ支部で話を聞いたことをちびのノルドは思い出した。
 …そうだ、そのブラックウッド団の本部が、たしかこのレーヤウィンにあったのではなかったか?
「もっとも、ちびちゃん、おまえさんが仕事を探してきてくれるってんなら話は別だがね」
「それくらい自分でやってくださいよ!」
 途中まで納得しかけたものの、ヴァントゥスの最後の言葉にちびのノルドは思わずキレかけた。
 けっきょくこいつら、暇にかこつけて体よくサボッてるだけか!
「とにかくっ、仕事があろうとなかろうと、もうこの店で騒ぐのはやめてください。さもないと、どうなっても知りませんよ?」
「おうおうおう、随分と偉そうなクチをきくじゃねぇか、チビスケよぉ。オレたちは当分ここを動く気はねえぜ?なんとかしたけりゃ、実力でどかしてみるんだな。ま、無理だろうがな」
 ちびのノルドを馬鹿にするように、デュボグが巨体を揺らしながらぎろりと睨みつけた。
「わかったら、大人しくシェイディンハルにでも帰るんだな。ホラどうした、『私の力じゃ、あの三人をどうにもできませんでしたー』って言って、泣いて帰れよ!このガキ!」
 そう言って、デュボグがワインの入ったシロメのマグカップをちびのノルドに投げつける。
 それはちびのノルドの頭に命中し、ガゴン、音を立てて床に転がり落ちた。
 頭からワインをおっかぶったちびのノルドはしばらく硬直し、なにが起きたのか把握できないまま立ち尽くす。
 …いま、わたし、なにをされたんだろう?
 マスクの内側にまで入ったワインが顎の先で滴り、全身に葡萄のベタついた感触がまとわりつく。
「ガーッハッハッハッ、見ろよ!あれで戦士のつもりかよ、まるで悪戯されたいじめられっこだな!」
 ちびのノルドを指さして馬鹿笑いを上げる三人の戦士たち、一方で女将のウィッセイドゥトセイも「これはだめだ」と額を手で覆う。
 ああ。
 ちびのノルドは妙に冷静な気持ちで自分自身を見つめながら、いまの状況を理解した。
 いま、わたし、この場にいる全員に見下されてるんだ。
 ちびのノルドはさっき自分に投げつけられたマグカップを拾い上げ、それをじっと見つめる。
 そして。
 グシャリッ!
「…な」
 三人の戦士たちは、目の前の小さな少女が合金製のマグカップを片手で握り潰したのを見て絶句する。
 ちびのノルドはいま、たしかに「ぶちギレて」いた。
「痛い目見なきゃわからないなら…相手になりますよ」
「おいおいマジになるなって、ちびすけちゃん。ほんの冗談じゃねーか」
「黙れよ。このクソカスども」
「あ、いまキレた。オレもキレた。こいつ、潰す」
 はじめは笑顔でとりなそうとしたが、ちびのノルドの挑発を受けて三人の戦士たちが拳をかまえる。

  **  **  **  **



「…ちょっとは反省しました?」
「くくぅー…ちくしょう、わかった。参った、降参だ」
 一対三の大立ち回りは、ちびのノルドの圧勝に終わった。
 途中から劣勢と見た戦士たちが武器を抜き、あわや喧嘩が殺し合いに発展かとも思われたが、ちびのノルドはかまわず三人をぶちのめしたのであった。
 いちおう騒ぎは収まったものの、店はちびのノルドが来る前よりも酷い状態になり、ウィッセイドゥトセイが白目を剥いて叫ぶ。
「あんたまで暴れてどーすんだいっ!」

  **  **  **  **



「うひゃーっ、雨だ雨!はやく屋根の下に入らないと」
 ファイブ・クロウ旅館を出たちびのノルドは、土砂降りの中に肌を晒されて思わず身を縮こめた。
 雨が多い気候とはいえレーヤウィンはどちらかというと熱帯に近いので気温自体はそれほど低いわけではなく、またスカイリム出身のちびのノルドは寒さには慣れていたが、それでも衣服が濡れるのはあまり喜ばしいことではない。濡れた衣服は体温を奪い、体力を下げるからだ。
 ファイブ・クロウ旅館でのいざこざに一応の決着をつけたあと、ちびのノルドは三人の戦士とともに顧客探しに奔走することになった。
 本来ならば仕事探しは三人に任せてシェイディンハルに帰っても良かったのだが、あの三人をそこまで信用できるかどうかは疑わしかったし、もし顧客を得られずまた問題を起こすようなことがあれば、ちびのノルドの信用を大きく下げることになる。
 そんなわけでいま、ちびのノルドは方々を尋ね回って戦士ギルドの力を必要としている人間を探していた。
 といっても三人の戦士が言った通り、レーヤウィンのシェアはブラックウッド商会の独占状態にある。それに宿で騒ぎを起こした手前、そんな連中に仕事なんか頼めるかと門前払いを喰らうことも多々。
 諦めてまた酒に逃避しようとする戦士たちを張り倒しつつ、ようやく彼女は<三姉妹の宿>で依頼人となりそうな人間とコンタクトを取ることに成功したのだった。



「ブラックウッドの連中は仕事が手荒いし、どうも胡散臭いから、あまり頼む気になれなかったのよねぇ。といっても、戦士ギルドの能力も疑わしいものだけど」
「あ、それ、わかります」
「なんですって?」
「ナンデモアリマセン」
「…本当に大丈夫なのかしら」
 三姉妹の宿、通称「レーヤウィンの高級なほう」にてちびのノルドが接触したのはマルガルテという、普段は商取引のコンサルタントとして活動している女性だった。
 金と密に関わる仕事だから逆恨みでもされたのか、護衛でも必要としているのか…と思いきや、さにあらず。彼女の依頼は本業とは関係のないものだった。
「じつは私、趣味で錬金術の研究をしているのよ。でも、このあたりの店ってどこも品揃えがあまり良くないのよねぇ。そこで、戦士ギルドに錬金術の材料の調達を頼みたいのだけど」
「ハァー、錬金材料ですか」
 優雅というか、金のかかる趣味だなぁ、などと思いながら、ちびのノルドは適当に相槌を打つ。
「それで、どんなものを?」
「オーガの牙、ミノタウロスの角、といったところかしらね。新鮮であればあるほどいいわ、お金の心配ならしないで。こんなの、ブラックウッドの連中に頼んだら、どんな怪しいモノを掴まされるかわかったもんじゃないからね。その点、戦士ギルドは仕事に関しては実直というか、馬鹿正直だと聞いているから、安心できるわ」
「あ、あはは…」
 戦士ギルドの連中にせこい詐術を使う脳味噌などないだろう、という、遠回しに「あいつらはバカだ」という言葉を聞いて、ちびのノルドは苦笑いする。
 もっとも、バカだからこそ信頼できる、というのだから、ある意味では名誉なことなのだが…
 しかし、オーガやミノタウロスからトロフィーをもぎ取るのはけっこうな重労働だ。あの三人に務まるだろうか?と、そこまで考えて、ちびのノルドはかぶりを振った。
 こういう仕事こそ、むしろ戦士ギルドの本分だ。余計な心配をする必要はないだろう。
「それじゃあ、契約の細かい部分を詰め…」
「待って、慌てないで。いきなり本契約は結べないわ、せっかちさんね。えーと、私はブラックウッドの連中をあまり気に入ってないけど、戦士ギルドに対する信用もそれほど持ち合わせていないわ。残念だけど…状況を考えて、身内贔屓を抜きにすれば、それは理解できるわね?」
「え、ええ…」
「だから、まあ、試験というわけじゃないけど、手始めにエクトプラズムを一ポンドほど持ってきてくれないかしら?」
「え、エクトプラズムですかぁ~?」
「たしか、すぐ近くのゼニタール大聖堂の地下墓所でゴーストが出没して神官たちが困っていると聞いたわ。そのゴーストを退治してエクトプラズムを入手すれば、教会からも報奨金が貰えて一石二鳥じゃない?」
「えー、まあ、そう、なんですけど…」
「なにか問題でもある?」
「…いえ、ないです」
 どうにか仮契約を取りつけ、ちびのノルドはその場から辞退する。
 せっかく仕事を手に入れたとはいえ、彼女の顔はじつに浮かなかった。
「…ゴーストかぁ…」

  **  **  **  **



「こんなのしかないですか?」
「こんなのとか言うな。だいたい、拳で霊体を殴ろうってやつが珍しいんだから」
「う~ん…あんまりしっくりこないなぁ」
 レーヤウィンに一軒のみ存在する鍛冶屋<ディヴァイディング・ライン>にて。
 ゴーストを相手にするため銀製、またはエンチャントが付与されたガントレットを探しに来たちびのノルドは、店主のトゥン=ジィーウスが用意したものを一通り試着したあと、不満げにため息をついた。
 ちびのノルドはゴーストが苦手だ。
 幽霊が怖いから、という感情的な理由はさておき、通常の武器や拳撃では傷一つつけられない、というのが一番の理由だった。世の中には拳でゴーストをしばき倒す達人も存在するらしいが、生憎ちびのノルドはその方法を知らない。
 そのため今回、教会地下のゴーストを退治するための武器を用意することになったのだが…
「銀製の剣や斧ならあるがなぁ。小手やなんかの、本来防具に使う代物ってなると、やはり難しいぞ」
「わたし、刃物は苦手なんですよねー」
「メイスはどうだ?」
「や、そういう問題では…」
 積極的にあれこれ薦めてくるトゥン=ジィーウスに、ちびのノルドは煮え切らない返事をするばかり。
 付き合いきれん…そう思い、立ち去ろうとしたトゥン=ジーウスがふと顔を上げた。
「そういえば、お前さんに合いそうな武器があったな」
「武器、ですか?」
「本当は客に預けられた代物で、修理を頼まれたんだったかな、ところが何年経っても引き取りに来やがらないから、いまは倉庫で埃を被ってるはずだ」
 なんだったら売ってやってもいい、見てみるか?
 そうトゥン=ジィーウスに促されるまま、ちびのノルドは店内にある倉庫へと足を踏み入れた。

  **  **  **  **



「うわ、いるなぁー…」
 レーヤウィンのシンボルとも言える、ゼニタール大聖堂の地下霊安室にて。
 あちこちを漂っている複数のゴーストの姿を目撃したちびのノルドは、若干腰が引けながらも一歩足を踏み出した。
「やだなぁ。怖いなぁ。幽霊嫌いなのに…」
 そういえば、最近も幽霊絡みの事件に巻き込まれたような?
 そんなことを考えつつ、いや、躊躇しても仕方がない、ちびのノルドは覚悟を決め、新調した「武器」を手に、ゴーストの集団の中心へと踊り出た。



『ショォォオアアアアァァァァ』
「ふんっ!」
 ゴーストに、ちびのノルドの一撃が炸裂する!
 その両の手に握られていたのは、トンファー…シロディールでは滅多に見られない、異国の打撃武器である。
 エンチャントこそされていないが、末端の留め具に銀を使っているから、その部分で殴ればゴーストにダメージを与えることができるはずだ…という、トゥン=ジィーウスの言葉通り、初撃をまともに受けたゴーストは身体が真っ二つに切り裂かれ、塵のように崩れ落ちた。
「怖くない、怖くない、怖くないっ!」
 決死の形相でぶつぶつ呟きながら、ちびのノルドは無我夢中でトンファーを振り回す。
「人間とおなじ、人間とおなじ、人間とおなじ!」
 トンファーを握ったのは初めてだが、格闘技とおなじく護身用の棒術などを学んだ経験のあるちびのノルドの動きは決して素人のそれではない。



「イヤァァァァァッッ!!」
『クガゲハァァァァ!』
 演舞の型のような動きに翻弄されるゴーストに、白銀の軌跡を描く一撃が叩き込まれる!
 一方、ゴーストの攻撃方法は対象を凍りつかせる冷撃魔法に限定される。しかしよく観察してみれば、その発動の前後の瞬間は隙だらけなのである!
 おそらく生前はたいして武道や魔術に精通していない一般人だったせいもあるのだろうが、怨念だけで強くなれるなら誰しも苦労はしないのである。



「フンッ」
 ボサ、ドサドサッ!
 やがて教会の安全を脅かしていたゴーストはふたたびその魂の行き場を現世に失い、霊的な物質をその場に残して消滅した。
 あとは、この場に残された奇妙なもの…エクトプラズム、錬金術の材料として重宝されているらしいが、いったい何に使うんだか…それを回収すればひとまず依頼は完遂できる。
 しかしちびのノルドの表情はどこか浮かないまま、自らの手に握るトンファーを見つめ呟いた。
「…これ、悪くないけど。やっぱり、あんまり慣れないなぁ」
 ちびのノルドは、この異国の武器をけなしているわけではない。
 ただ、どうせ扱うならちゃんと指導を受けたい、あるいは関連書籍だけでも目を通して最低限の所作を身につけたい、というのが本音だった。きちんと扱えたなら、きっと、もっと強くなれる。
 しかしシロディールにいる限り、その願いはどちらも叶うことはないだろう。
「まぁ、気長に考えますか」
 いま考えても仕方のない悩みは脇によけておくとして、ちびのノルドはあらかじめ用意していた麻の袋を取り出してエクトプラズムの回収をはじめた。

  **  **  **  **



「こんなもので如何でしょうか?」
「あら、まあ!仕事が速いわね、戦士ギルドもそう見捨てたものではないわねぇ」
 依頼人であるマルガルテ夫人の邸宅にて。
 ちびのノルドが回収したエクトプラズムは規定量を満たしていたようで、無事に本契約を結ぶことができた。
「それでは翌日以降、別の担当者が改めて伺いに参りますので」
「あら、あなたが材料を集めてくれるんじゃないの?」
「や、私、本当は別の支部に所属しているので。そろそろ戻らないと」
「ああそう、そういえばこのあたりで見ない顔だものね。ここのギルドが起こした不祥事の調査に来たのだったかしら?残念だけど、仕方がないわね」
「恐れ入ります」
 マルガルテに見送られながら、ちびのノルドはうやうやしく一礼すると、その場を辞退した。

  **  **  **  **

「仕事、見つけてきましたよ」
「おおそうか、有り難ぇ!こっちもなんとかモノになりそうな案件を幾つか見つけたところだ」
 ファイブ・クロウ旅館にて。
 レーヤウィン支部所属の戦士ギルド会員たちと合流したちびのノルドは、早速成果を報告した。
 彼らとは成り行きで殴り合いにまで発展してしまったが、いまではそのことを水に流し、戦士ギルドに所属する同志として接している。わだかまりが残っていないわけではないが、この際、気にしないほうが得策だろう。
「よかったねぇ。これであたしもようやくツケが払ってもらえそうだよ」
「済まなかったな、女将さん。もう迷惑はかけねぇよ」
 さんざん戦士たちの横暴に悩まされてきたウィッセイドゥトセイも、いまではそれほど怒っていない様子で話に加わる。
「ところで、あたしからも仕事の依頼をしたいんだけどねぇ」
「なんだい?なんでも言ってくれよ、力になるぜ女将さん」
「そうかい嬉しいねぇ。それじゃあ…」



「まずは店を掃除しな!」
 ちなみに、宿つきの酒場は昨日ちびのノルドが屈強な戦士たちを相手に大立ち回りを演じてから一切手がつけられていない。乱雑に散らかったままだった。
「こんなの戦士の仕事じゃねぇ…金は出るのかい?」
「バカ言うんじゃないよ!あんたたちが散らかしたんだから!」
「なんで私まで…」
「つべこべ言わずにほら、さっさと手を動かす!でないと衛兵に通報するからね!」
 もちろん原因は自分たちにあるのだが、なんとなく釈然としない様子で掃除をする三人の戦士とちびのノルドに、ウィッセイドゥトセイが激を飛ばした。





2014/07/05 (Sat)13:19

 

 こゃーん。

 どうも、グレアムです。コンコレにて先日登場した40弾に俺が投稿した狐魂が採用されました、もし交流やらで引き当てましたらば可愛がって頂けると嬉しいです。☆4は戦力になるし強いぞー。
 とまぁ宣伝をしたところで、今日は前回採用されたシロッコ換毛バージョンの拡大画像をHPに掲載したのでその紹介を。新規弾採用分もそのうち作業します。

<< シロッコ換毛2 200Pixel拡大版 >>
<< シロッコ換毛2 60&40Pixel拡大版 >>

 これはもともと予定してなかったんだけど、ちょっと露出が多めの女の子が描きたくなったのと、義足部分をどうにかして補完したかったので急遽でっちあげました。本当は逆間接にしたかったんだけど、いろいろデザインに四苦八苦してたら普通の二足歩行になってしまった。これは今度やり直したいなぁ。換装可能なデザインなので、今度換毛描くときは四足歩行にでもしよう。
 シロッコは元々鳥に近い生態だったのですが、不慮の事故(というか、ベケット等と同じく地球に放逐されて死にかけた)で瀕死だったところを狐魂権利保護団体に救助され、改造手術を受け一命を取り留めたという背景があります(コンコレ内での公式設定ではないです、念のため)。
 それ以来彼女は狐魂権利保護団体のスポークスマンとして活動することになるのですが、そのあたりは次の怪文書でやりたいですね。実は彼女を改造した研究者も狐魂で、彼についてはいずれサチコの上司、そしてエラスティスのオリジンでちらっと登場した愛狐教会過激派のリーダー・セオと一緒に☆5枠(無謀な!)で投稿したいなーとか考えてます。
 もうビジュアルの設定は決まっているので、あとは描くだけなんですが、なかなか筆が進まない…






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