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主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。 生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。 http://reverend.sessya.net/
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2014/07/15 (Tue)05:15

 先日、中古のゲームショップでX360版が2000円弱で転がっていたので確保。いちおう以前、無印版NVを全ルートでクリアしているので、今回はその経験を踏まえてのレビューとなります。
 セーブデータ及び実績は無印NVと共用できるらしく、以前のセーブデータがそのまま使えましたが折角なので今回は新規でプレイ。

 まずはNVを語るうえで避けては通れない、バグやシステム上の問題点について。
 UEでは最終パッチ(1.4)が当たった状態らしいが、残念ながら安全性やパフォーマンスにそれほどの向上は見られなかった(あくまで体感での話だが)。相変わらずフリーズは多発するし、プレイ時間が長くなってくると目に見えてパフォーマンスが低下し最終的にゲームがハングするという。起動毎のメモリキャッシュのクリアは必須だろうか。一度など、フリーズ後の再起動でオプション項目が書き換わっていたときなどは(HUDの色が変わっていた)、「いったいどんなプログラムを組んだらこんなバグが発生するんだ!?」と爆笑してしまった(実害は皆無に等しいが…)。まぁ、ノバックの建物が消えなくなったのは誉めていい。
 フラグ管理がずさんで、ちょっとしたことでクエストが詰まるのも相変わらずだ。RPGなのに積極的に周囲のNPCと会話を進めたら数多のクエストが進行不能になるのはさすがにまずいだろう。
 ゲームを進めるとアイテムのMisc欄がごちゃごちゃになりすぎるのも頂けない。最低でもガラクタ、リロード素材、クエストアイテムの三つに細分化しなければ、とてもではないが実用的なインターフェースとは言えない。これはPipboyを設計したロブコの技術者に言うべき文句だろうか?
 武器に関しては、相変わらずシングルアクション・リボルバーやレバーアクション・ライフル、ポンプアクション・ショットガンなどの挙動が軒並み不安定なのが直っていなくてガッカリだった。さすがに1.0よりはマシになっているが、もし続編が出るならシステムの根本的な見直しが必要になるだろう。他にNVで追加された諸要素についても言えることだが、安定性を省みないMODライクな要素の付け足しによって、NVはバニラの時点で相当に歪なフランケンシュタイン状態になっている。まあ、TESシリーズのSkyrimで開発エンジンをリファインしたので、続編に関するそのへんの心配は杞憂だろうけども。

 お次は、肝心の各DLCについての所見を。

  【 Dead Money 】
 ゴースト・ピープルうざすぎ問題。
 俺はひねくれ者なので、あまり大衆に沿った意見というのは書きたくないのだが、それでもこのDLCの評価が軒並み低い点については残念ながら同意せざるを得ない。
 おおざっぱに評価するなら、「3のMothership Zetaをもっと面倒臭く、且つ難しくしたようなコンテンツ」とでも言おうか。とにかく3のDLCから連綿と続く、魅力的な装備品(とステータス強化)をエサに苦痛でしかないゲームプレイを体験させるのはマジでやめてほしい。
 ゲームプレイ以外の点では、陰鬱でアンモラルなシエラ・マドレの妖しい魅力、個性的なサブキャラクター、本編では口頭でのみ存在が示唆されていたBoSの元エルダー・エリヤの野望の実体、そして「もう一人の運び屋」の存在が示唆されるなど見るべき点は多いのだが…

  【 Honest Hearts 】
 ホワイト・レッグスうざすぎ問題。
 これはバーンドマンことジョシュア・グラハムの雄姿に萌えるDLCである。そのボロい服は包帯込みじゃないとちょっと似合わないと思うんですよ…(DLC完了報酬が入ったStashを見つめながら)闇に輝く光はじつに厨二ちっくでカッコよろしいのでございますけどね。
 じつは今回UEを買ったきっかけというのが、本DLCでシカゴ・タイプライターが登場するからという話を聞いたからなのだが…これ、ドラムマガジンついてるけどベースはM1じゃねーか!どうしてこうなったObsidian!?まぁ、待望のM1911登場については素直に喜んでいい。やっぱりアメリカ人は.45口径じゃないとな。カスタム・スライドの蓄光サイトはちょっとやり過ぎな気もするけど。
 クエストに関しては、ホワイト・レッグスと協力してジョシュア・グラハムを抹殺するルートがあっても良かった気がする。仮にも(仮にもとか言っちゃいけないが)本編にリージョンのルートとかあるんだし…このあたり、やはりプレイヤー視点でのNCR対リージョンって構造が今一つ機能してないんだよなぁ。明らかにNCRに加担するよう仕向けてくるんだもの。ミスター・ハウスに至っては共倒れと漁夫の利を狙ってるだけなのでそもそも対立してないから影薄いし。
 あと、ジョシュア・グラハムなら「シーザー倒す旅してるから一緒にモハビまで行こうぜ!」って誘ったら喜んでコンパニオンとしてついてきそうな気がする。装備交換には応じないけどね。

  【 Old World Blues 】
 ロボトミーうざすぎ問題。
 これはステルススーツMkIIに萌えるDLCである。余計な真似をしでかすコンパニオンがイヤで一切連れ歩かないものの、たまに一人旅が寂しくなっちゃうめんどくさいコミュ障ハートの持ち主にとって、これ以上にない旅の伴侶はいないんである。個人的にはもっと会話のバリエーションが多くても良かったなぁ。それこそ、たまにウザいと感じるくらいにベラベラ喋ってほしかった。PC版ならそういうMODありそうだけどね。こいつを入手してからハートをキュンキュンさせながら萌えまくりでNVやってますよ。そりゃあもう。「私のこと好き?」「君は永遠の親友だよ」をはじめに、「君に死んでほしくないんだ」と言いながらスティムパックを自動投与してくれるところなんか、じつに健気じゃあありませぬか(Med-X中毒になりながら)。黒地にホワイトライン入っててジャージみたいな見た目がちょっとダサいけど。
 クエスト自体は一本道なんで特に語るようなところもないか。あーっと、Robotics ExpertのPerkを取得しとくと進行が断然ラクになるっぽいですぜ(巨大ロボスコルピオンを指先一つでダウンさせながら)。盛り上がりもクソもねぇ。
 ストーリー部分は、このあたりでエリヤの足跡やもう一人の運び屋についての情報がかなり出揃ってきましたね。まぁ正直、次回DLCへの布石以上のもんではないかな、という。肉体を捨てて思考が超人的になったマッドサイエンティストなんてのはSFとしちゃあありきたりに過ぎるし(といっても、基本的にFalloutというゲームは多作品へのリスペクトとオマージュで成り立っているので、新鮮味を期待するのは野暮ってもんだが。そしてそれが、俺がこのシリーズを今一つ評価できない理由でもある)。
 「う~mmnnn!!!メェンタアァァァス!!111!!!」のボイスはクセになる。

  【 Lonesome Load 】
 梱包爆薬うざすぎ問題。
 これは厨二病大炸裂なゆりしーのポエミィな語りを生温かい気持ちで楽しむDLCである。基本的にゆりしーはプレイヤーの胸一つで振り回される周囲の代弁者なんだけど、そもFalloutってゲームは「そういう形でしかプレイヤーが情報をインプットできない」構造になってるので、その点についてプレイヤーが責められても仕様がないんですけど…あとはゆりしーの言葉に対する運び屋の返答が悉く煮え切らないものばっかりなんで、「プレイヤーの手を離れた主人公の知られざる過去と因縁」という点を差っ引くにしろ、今一つ感情移入が難しいんであるな。
 一つの定まったストーリーとしてはそれなりによくできてるんだけど、主人公=プレイヤーというインタラクティヴ・アドベンチャーとしての側面から見た場合、シナリオとゲームプレイの間に齟齬が生じているというか、ちとまずい、あまり上手くいってないという印象がある。このへんは多分に開発期間の短さとか、おそらくObsidianも煮詰めきれてないのをわかっててお出ししてるとは思うんだけど、もちっとどうにかならんかったかなぁという気はする。ルートの分岐がゆりしーの語りと同じくらいわかりにくい点も。
 ラストでNCRとリージョンの領地いずれか(ないし両方)に核を落とした場合、それぞれロング15とドライウェルズという新マップが追加されるが、特にロング15はバランスブレイカーとも成り得る大量の武器弾薬(それもホローポイントやAP、オーバーチャージといった高級弾薬)が入手できるため、自分の行動の結末に罪悪感を覚える間もなくスカベンジに走りたくなる設計(いわゆるご褒美マップ)になってしまっているのはいいのかこれ。対してドライウェルズで入手できるアイテムは(敵がやたら強いわりには)ややしょっぱめ。ちなみにドライウェルズの爆心地に近づきすぎると即死するので要注意だ。
 評として…雰囲気的にはFallout3に近い荒廃都市という舞台、ゆりしーの個性的なキャラクター、深い思慮を持たず物事に介入する運び屋(=ゲームにインタラクトするプレイヤー)へのメタな警鐘など一部を切り取って見た場合には魅力的なのだが、それらの諸要素がうまく噛み合わず全体的にグダグダになってしまっている印象がある。
 あと、ここで手に入るショルダーマウント型マシンガンが肝心の現場で役立たずすぎる…

  【 Gun Runner's Arsenal 】
 これはDLCというかアドオン?だけど一応。
 武器が大量追加されている、という名目なのであるが、その多くはバニラで登場する銃火器の単なるバリエーションに過ぎないという肩透かし。しかもGRA仕様とノーマル仕様でMODパーツが共用できないという手落ち。どうしたObsidian!?GRA仕様の武器で敵を倒す新チャレンジが追加されるものの、武器の選定から標的の組み合わせまでいちいち中途半端なのが泣かせる。
 弾薬はかなりの種類が追加されていて、むしろこっちがメインじゃないかという。ただしあまり多く入荷しないので、けっきょくあまり撃つ機会がないというナントモな本末転倒ぶりよ。大口径炸裂弾やパルス弾など、撃っていて楽しい弾ではあるんだが…
 中でも目を惹くのが、12ゲージ用の弾薬ドラゴンブレス。アメリカ人が大好きな(←偏見)イカしたハンドロード弾の中でも愛称が固有名詞になる程度にはメジャーなショットシェルで、薬莢に散弾とマグネシウムのペレットを充填した弾だ。ゲーム中でも炎ダメージ付与のオプションがついており、盛大に燃え上がる敵を眺めてニヤニヤするのは楽しい。
 願わくば、こういういかにもイレギュラーな弾薬こそリロードベンチで製作できれば良かったのだが…このあたり、やはり肝心な部分でツメが甘いぜObsidian。

  【 Courier's Stash 】
 これは…別にいらないかなぁ……

 このあたりで総評を。
 今回通してプレイしていてふと思ったのだが、どうもObsidianは、NVにおけるレベルデザインやクエストの設計を2Dと同じ方法論で製作しているのではないか?ということ。やたら複雑でわかりにくい施設の構造も、とにかくあちこち走り回らされるクエストも、おそらく従来のクォータービューでプレイしたならばそれほど違和感を覚えずすんなりプレイできたはずだ。いまいちゲーム的に機能しているのか把握しづらい派閥要素にしてもそうだが、ObsidianはVan Burenの設定だけではなく、ゲームのデザインまで持ち込んだせいで3由来のFPSライクなシステムと齟齬をきたしてしまったような気がしてならない。
 とはいえ…本作は一般的に(この一般的、てのも随分と曖昧な表現ではあるが…)3と比べて駄作であると扱き下ろされがちであるが、個人的には、「本来のFalloutらしい」という意味で本作のほうが好みだったりする。
 しかしながら、Bethesdaが世に放った3が、ナンバリングタイトルであるとはいえ事実上のリブート・プロジェクトとして大成功を収めてしまった(大衆にアピールするビッグ・タイトルとして)のが結果としてNVの低評価に繋がってしまっているのは想像に難くない。
 しかし、本来Falloutというタイトルは一部に熱狂的なファンが存在するのみでそれほど売り上げが良かったわけでもない(事実、3が登場するまでは本国でも知名度が高いフランチャイズではなかった)、いわゆる「怪作」に類するタイトルである。そういった作品のオリジナル・スタッフが手がけるというのだから、そもそも「風変わりな題材をこれ以上にない王道展開でそつなく纏めた大作」と比べること自体が野暮な話なんである。
 それでもバグはもうちょっとどうにかならなかったのか、とは思うけど。






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