主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。
生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。
http://reverend.sessya.net/
2014/07/13 (Sun)16:52
地球にいきなり宇宙人が攻めてきた!ボッコボコにやられて軍は壊滅状態、だけど主人公率いる部隊の活躍で敵の司令塔を一つ破壊!さあ俺たちの戦いはこれからだ!第一部完!
…とまぁ、内容を要約すればめっちゃくちゃ頭の悪い作品なんであるが、アクションの水準は及第点であるので見れないこともない。
目新しい要素なんか一個もないし、軍事関係の描写一つ取ってもシリアスに突っ込みを入れればキリがないんだが(核爆弾みたいな超威力の手榴弾の在庫はまだハリウッドに大量に残っているらしい)、たぶんこれはそういう映画じゃないんで、リアルさに関してはケチをつけるだけ野暮ってもんだろう。そういうわけだから、巷でよく言われる「宇宙人を敵に据えたブラックホークダウン」なんて評価ははっきり言ってBHDに失礼にも程があるとは言っておく。
最近の映画のご他聞に漏れず、カメラは揺れまくりで見にくい。アクションシーンで何をやっているのかわからない、というほど酷くはないものの、あらゆるシーンで「とりあえず揺らしとけばリアルに見えるだろ」という単純思考が透けて見えるようだ。
宇宙人の、身体に機械が埋め込まれているという設定は悪くないが造型はお世辞にも良いとは言えない(スタイリッシュではないがダサカッコイイというほどでもなく、非常に中途半端)。そして動きがあまりに人間的すぎる。これは第九地区のときも書いたが、俺は人間の代用品みたいな宇宙人は評価しないのだ。こういう部分こそ想像力の働かせどころだろうに…せっかく「宇宙人が有無を言わさず武力行使してきた!話も通じない!得体の知れない相手だ!コワイ!」ってシチュエーションなんだから、もっと得体の知れない恐怖、威圧感みたいなのを感じさせてほしい。戦い方や兵器の運用思想まで人間そっくりだし。ハンドサインまで出すし。こんなならDOOMの悪魔のほうが百億万倍はマシだぞ。
ストーリーも…まぁ…ヒロイックな話だよなぁ。アメリカ的マッチョ主義万歳というか。なにもかもが予定調和で進むので、途中で展開が読めるとか、誰が死んで誰が生き残るのかとかが丸わかりだ(ファミリー向けの映画で子供が死ぬわけないだろうって?その通りさ!)。そのうえ映像に見所があるわけでも…ううん、この映画のVFXってなんか安っぽいんだよな。本当に低予算なのか、演出の問題かはわからないが…とにかく、悪い意味で予想通りの展開が続くんだ。
登場人物の設定も日本のラノベばりにテンプレ設定を切り貼りしたような感じで、どこかで見たようなやり取り、どこかで見たような演出、展開を工夫もせずにくどくどと…こんなので愛国心やら戦友との絆なんてテーマを持ち出されても、ゲップしか出ないんだぜ。まったく薄味のアメリカン・コーヒーだ。
アクションも軍人がマニュアル通りの動きをするだけで、「ここぞ!」という見せ場がないのはキツイ(銃剣ブッ刺してそのまま撃ちまくるのはちょっと良かった)。良いアクション映画の条件ってのは「観たあとに思わず真似したくなるような動作が最低一つあること」と個人的に定義しているので、そういう観点からもこの映画は弱い。
あと、これは完全に個人的なわがままなんだが、戦争映画気取るなら政治的な話の一つは出してくれよな!大事な要素なんだぜ!(あれはエンタメとして楽しむ要素、だと俺は思ってるよ?)
とにかく歯切れの悪い今回のレビュー、統括すると、あんまり面白くなかった!
俺はいちおうB級映画大好きを自認してはいるが、見所がない映画っていうのは本当に評価に困る。クソ映画と違ってネタにもなりゃしない、せめて一つでも「この映画ならでは!」って要素があればいいんだけどね。
難しいこと考えずに頭カラッポにして楽しむジャンクフード・ムービーだってのはわかってるんだが、そうだとしてもわざわざこの映画を選ぶ必要はない、な…うん。ひさびさに観て後悔した映画だった。アドレナリンのかわりにため息が出っぱなしだったZE。
まぁあとアレだ、女性パイロットのキャラだけは悪くなかった。
PR
Comment