主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。
生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。
http://reverend.sessya.net/
2012/12/07 (Fri)07:28
今日も無事にPCの電源が入りました。どうも朝は大丈夫のようだが気圧か何かの問題か?
まぁ~いかなる環境下であっても頻繁に電源が入らなくなる、なんてのは本来あっちゃならんことなので、早期のニューマスィーンの購入を検討しなければならんのですがね。
そんでもって。
最近PS版のBAROQUEを購入しまして、なんとなく始めたらめっちゃハマッてしまったのでラフなど描いてみました。そのうち色とか塗るかもしれない。
いや今やってもフツーに面白いよコレ。思い出補正とかそんなんじゃなく、サターン版の発売から14年経ったいまでも遜色なくプレイできます(PS版の発売はその1年後、基本的な内容は変わらない)。マスターピースと言って差し支えないのだろうね、こういうのは。
プレイ自体も、以前PS2版をプレイしていたときのことを手癖で憶えているのか、わりとスムーズに進んでます。まあスムーズ過ぎて上級天使の叱責を受けられないのは残念ですが。現在はイライザに自分のイデアセフィロスを渡す手前でわざと進行を止めている状況です。なんか進めるの勿体無くて。
ただし事前に攻略サイトを見なかったせいで、開始後即物の者をパンチしてたり、角女と袋の者が即効で埋まってたりと、いろいろやらかしちゃってたりはするんですけどね。
そんなわけでイラストは旧SS・PS版準拠です。PS2版も嫌いじゃないんですけどね、やっぱり主人公が青年→少年になってるのだけは頂けない。そのせいでダァバール融合の描写とかなんかウヤムヤな感じになってますし。
しかし基本的な内容はそのままでビジュアルを変えるだけで、ああもラノベ臭くなるとは思わなんだ。まあ「バロック屋が出てくるのはPS2版だけ!」とか、角女の「はふはふーん、うへへぇ」がめっちゃ萌え萌えだったりはするんですけども。
そういやバッドステータス「欲情」になると、モンスターからアイテムから全部パツキンの浴衣美女に見えるようになるんですが、角女の萌えボイス(PS版だとテキストだけだ、チクショウ)を聞いたあとで上級天使に話しかけたら、天使銃をくれる場面で「こいつを使え」とか言ってパツキン浴衣美女を目の前に出してきて腹筋が崩壊しそうになった。した。
まあ天使銃もアイテムなんでね!そりゃあ想定できそうな気もせんではなかったけどね!ああ「こいつを使え」ってそういう…(天使銃の銃口にナニを突っ込んで前後しつつ)
そんなド変態に未来を託す上級天使の心情は察するに余りある。あとパツキン浴衣美女をクルクル回す呪葬天使とかギャグでしかない。つーか米光サンて元コンパイルの人だったのね…コンクラの編集者とかそれだけでもうなんかアレだ。もう一度読みたいなアレ。オクとかで出てないかしら。
[オマケの動画紹介]
*旧SS・PS版オープニング
*新PS2版オープニング
どちらもイイ。内容はほとんど変わらないんだけどね…雰囲気全然違うや。
まぁ~いかなる環境下であっても頻繁に電源が入らなくなる、なんてのは本来あっちゃならんことなので、早期のニューマスィーンの購入を検討しなければならんのですがね。
そんでもって。
最近PS版のBAROQUEを購入しまして、なんとなく始めたらめっちゃハマッてしまったのでラフなど描いてみました。そのうち色とか塗るかもしれない。
いや今やってもフツーに面白いよコレ。思い出補正とかそんなんじゃなく、サターン版の発売から14年経ったいまでも遜色なくプレイできます(PS版の発売はその1年後、基本的な内容は変わらない)。マスターピースと言って差し支えないのだろうね、こういうのは。
プレイ自体も、以前PS2版をプレイしていたときのことを手癖で憶えているのか、わりとスムーズに進んでます。まあスムーズ過ぎて上級天使の叱責を受けられないのは残念ですが。現在はイライザに自分のイデアセフィロスを渡す手前でわざと進行を止めている状況です。なんか進めるの勿体無くて。
ただし事前に攻略サイトを見なかったせいで、開始後即物の者をパンチしてたり、角女と袋の者が即効で埋まってたりと、いろいろやらかしちゃってたりはするんですけどね。
そんなわけでイラストは旧SS・PS版準拠です。PS2版も嫌いじゃないんですけどね、やっぱり主人公が青年→少年になってるのだけは頂けない。そのせいでダァバール融合の描写とかなんかウヤムヤな感じになってますし。
しかし基本的な内容はそのままでビジュアルを変えるだけで、ああもラノベ臭くなるとは思わなんだ。まあ「バロック屋が出てくるのはPS2版だけ!」とか、角女の「はふはふーん、うへへぇ」がめっちゃ萌え萌えだったりはするんですけども。
そういやバッドステータス「欲情」になると、モンスターからアイテムから全部パツキンの浴衣美女に見えるようになるんですが、角女の萌えボイス(PS版だとテキストだけだ、チクショウ)を聞いたあとで上級天使に話しかけたら、天使銃をくれる場面で「こいつを使え」とか言ってパツキン浴衣美女を目の前に出してきて腹筋が崩壊しそうになった。した。
まあ天使銃もアイテムなんでね!そりゃあ想定できそうな気もせんではなかったけどね!ああ「こいつを使え」ってそういう…(天使銃の銃口にナニを突っ込んで前後しつつ)
そんなド変態に未来を託す上級天使の心情は察するに余りある。あとパツキン浴衣美女をクルクル回す呪葬天使とかギャグでしかない。つーか米光サンて元コンパイルの人だったのね…コンクラの編集者とかそれだけでもうなんかアレだ。もう一度読みたいなアレ。オクとかで出てないかしら。
[オマケの動画紹介]
*旧SS・PS版オープニング
*新PS2版オープニング
どちらもイイ。内容はほとんど変わらないんだけどね…雰囲気全然違うや。
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2012/12/05 (Wed)07:40
「ハックダートでは大変だったそうだな」
コロールからの出立を決意した翌日、ドレイクは戦士ギルドからの出頭要請を受けて事務所へと来ていた。
未だドレイクはシロディールの慣習に聡いわけではないので、もし無意識に何らかの不都合を犯していた場合、戦士ギルドからの出頭要請を断ることは反逆行為と見做されかねない。
そう思っての行動だったが、それはどうやら杞憂だったようで。
「まったく、耳が早いな…オーレイン」
「何を言ってる、いまやコロールでおまえを知らんやつはいないぞ?若き姫君が吹聴してるのを知らんか、『私の英雄』の冒険譚を」
「…迂闊だったな。考えたこともなかった」
コロールの戦士ギルド長ヴィレーナ・ドントンの右腕であるモドリン・オーレインは、ドレイクに親しみのある笑みを向けた。
常に厳しい態度で仕事に向かうことから、部下に「暴言オヤジ」などと揶揄されることもあるモドリンだが、ドレイクとはブラックマーシュの<センセイ>を通じて知り合った旧知の仲なので、態度が軟化していた。
もっとも、モドリンの笑顔ほど不気味なものもそうないので、ドレイクは内心居心地の悪さを感じていたが。
「それ、で…シロディールに来たのなら、挨拶の一つくらい、くれても罰は当たらないんじゃないか?」
「今回は野暮用でな、ゆっくりする予定はなかったんだが。すまなかった」
本当は、あまり顔馴染みと接触したくなかったのだが…ドレイクは自戒した。今後はあまり目立つような行動を取るべきではない。
そんなドレイクの心中を知ってか知らずか、モドリンはおもむろに言った。
「じつはな…」
「ほらな」
「なんだ?」
「いや、なんでも?」
最早テンプレと化した会話の切り口にドレイクは閉口しながらも、先を促した。
「なにか俺に頼みでもあるのか」
「ああ。じつは、ちょっとした困り事があってな。ガルトゥス・フレヴィアというギルド員が、活動中に行方不明になってな」
「そいつを探してこいって?戦士ギルドは人手不足かなにかか」
ちなみに、ドレイク自身は戦士ギルドの会員ではない。モドリンとは個人的な知人というだけで、戦士ギルドのために働く義理などないのだが。
「いや、たんに行方不明者の捜索ならおまえに頼んだりはしない。じつは、この話にはオプションがつくんだ」
「そんなことだろうと思ったよ。…厄介ごとだな?」
「まぁ、な。このところ、ギルドマスターが表に姿を見せないのは知っているか?」
「ヴィレーナ女史?そういえば、ここでも姿を見ないな」
「じつは最近、ヴィレーナの長男が任務中に命を落としてな。そのことを気に病んで、ヴィレーナは近頃自宅から外に出ようとしない」
「キナ臭い展開になってきたな?」
「そう警戒するな。それで、亡くなった息子…ヴィテルスには弟がいて、それもまたギルド会員なんだが、先の不幸があってか、ヴィレーナは彼をまともに任務につけようとしなくなった」
「まあ、そりゃあな。心情は察するに余りあるが」
「しかしヴィラヌス…弟のほうだ…彼にはやる気があって、現状を快く思っていない。俺もそうだ」
「つまり、行方不明者の捜索にギルドマスターの愛息子を同行させろ、と?」
「そういうわけだ」
「断る。ままごとなら余所に頼みな…どんな些細な任務にも命の危険はつきものだと、おまえはよく知っているだろうに」
「だが、このままヴィラヌスが腐っていくのを黙殺するわけにはいかん」
決して意見を曲げそうにないモドリンを、ドレイクは爬虫類特有の冷たい目つきでじろりと睨みつける。
しばらく睨み合っていた2人だが、やがてドレイクはため息をつくと、妥協点を探ろうとした。
「で、その頼みごとを受けて、俺が得るものは?」
「おまえ、なにか目的があってシロディールに滞在しているらしいな。もし今回の仕事を滞りなくこなしてくれれば。戦士ギルドは可能な限りおまえをバックアップする。どうだ?」
「…フン」
ドレイクは不快そうに鼻を鳴らすと、吐き捨てるように言った。
「これは友人への義理立てだ」
「貴方が、オーレインの言っていた剣士ですか。…想像していたのとは、ちょっと違いますね」
「どんなのを想像していた?」
「剣を自在に操るというので、大剣を軽々と振るう筋骨隆々の大男、オークでも連れてくるのかと」
「ちょっとどころか、それが」
ギルドマスターの息子ヴィラヌス・ドントンの物怖じしない台詞に、ドレイクは脱力して言葉を返した。
ヴィレーナ・ドントン邸の客間にて。いい加減に待ちくたびれた、とでも言うかのように、銀製のマグを傾けるヴィラヌスをドレイクは見咎める。
「それ、アルコールか」
「まさか。ミルクですよ、貴方も如何です?」
「遠慮しておくよ。乳糖不耐症なんでね」
「おや、珍しい」
「そうかね?」
「少なくとも、僕の周りにはいませんね」
戦士ギルドの会員にしては珍しいことだが、ヴィラヌスの立ち居振る舞いや言動からは、確かな知性と教養が感じられた。
これが親の教育の賜物なのか、あるいは本人の素質なのかは、ドレイクには判断がつかなかった。
「モドリンから話を聞いている、ということは、これからどうすべきかはわかっているという前提で話を進めてもいいんだな?」
「もちろん。危険を覚悟で承諾してくれた貴方には感謝していますよ」
「危険、ね…洞窟に潜む化け物とか?」
「その他諸々、です」
たとえば、万が一僕が死んだときにモドリンやヴィレーナにどう言い訳をするのか、など…もちろん口には出さなかったが、ヴィラヌスの言葉にはそういう意味が含まれていることをドレイクは感じ取った。
つまり、この青年は現状を正確に把握している、ということだ。
「それじゃあ、行くか。任務中は細心の注意を払うことだ」
「安心してください。貴方を困らせるために死ぬつもりはありませんから」
「こいつめ…」
ヴィラヌスの台詞にドレイクは苦笑し、コロールを出立した。
間もなく日が完全に沈もうとしている。
ノンウィル洞窟の前まで来たドレイクたちは、各々装備を確認した。
「準備はいいか?」
「そちらのペースでどうぞ」
「…口の減らんやつだ」
ドレイクは言い返したが、出会った当初ほどヴィラヌスに嫌悪感は抱いていなかった。
こいつは頼りになりそうだ、少なくとも足を引っ張ることはない、そう直感が告げていたのだ。
申し訳程度に取りつけられた、立てつけの悪い戸を開け、2人は洞窟へと侵入する。間もなく、こちらの存在に気がついた巨大ネズミとインプ(いずれもシロディール各地でよく見られる)が襲いかかってきた。
ドレイクが口を開くよりも早く、ヴィラヌスが剣を抜いて素早く目前の巨大ネズミに斬りかかる。
「イヤーーーッ!!」
飛びかかってきた巨大ネズミをヴィラヌスは両断、しかし真っ二つに割れたネズミの背後から、インプの放った冷撃スペルが飛来する!
だがヴィラヌスは慌てることなく盾でそれを防ぐと、足を止めることなくその場で一回転し、横薙ぎにインプを叩き斬った。
「フウ」
一息ついたヴィラヌスだったが、すぐに警戒を解くには早すぎたと悟る。死角にいた巨大ネズミの残党が牙を剥いて襲いかかってくる、避けられない…!
鋭利な前歯をヴィラヌスに突き立てようとしたネズミはしかし、目的を果たすことはなかった。
滞空したまま宙に浮くネズミを、ヴィラヌスは訝しげに見つめる。やがてネズミの背後にドレイクの姿が見え、ネズミの喉元にアカヴィリ刀の刃先がちらりと覗いているのが確認できた。
巨大ネズミの尻に突き刺したアカヴィリ刀を引っ込めると、ドレイクはヴィラヌスを咎めるように言う。
「功を急くな。俺はバーズやモドリンと違って、気は長いほうなんだ」
「それを聞いて安心しました。いやなに、戦士ギルドの面子っていうのは気が短いやつしかいないもので」
「命の恩人に礼の言葉は?」
「バックアップがあることは期待してましたよ?貴方はモドリンが望んでいた通りの働きをしたということです」
「おまえねー。そのうち背中から斬られるぞ、マジで」
「ご冗談を。誰に対してもこんなに歯に衣を着せず物を言うわけではありません、ご心配なく」
「俺に斬られるとは思わんのか」
「まさか。そんなことはしないでしょう?」
ヴィラヌスの、若き戦士には不相応ともいえる不適な笑みを見て、ドレイクは肩をすくめる。
しかし、奥に進んでいくにつれてヴィラヌスの軽口も数が少なくなっていった。
巨大ネズミやインプ、あるいはゴブリンであれば、この2人にとってさほどの脅威にはならなかったに違いない。階層を下りてしばらく歩を進めたとき、突然魔物の集団に囲まれたドレイクは、思わず舌打ちをした。
「インプの集団に、亜種もいるな、スプリガンとハイイログマ?まったく野生の王国もいいところだよ、こいつは!」
「貴方も服を脱いで混ざればいい、案外仲間だと思われるかも」
「おまえな!インペリアルでも言っていいことと悪いことがあるぞ」
「アルゴニアンは毒沼で寒中水泳するって聞きましたよ?ところで、ウォーヒン・ジャースの<アルゴニアン・リポート>に書かれているブラック・マーシュの描写はどこまで正しいんですかね」
「くだらんゴシップ本ばかり読むんじゃない!」
ほとんどヤケクソになりながら、ドレイクは返事をする。
もちろん、延々と漫談をしていられるほど余裕をかましていられるような状況ではない。さらに悪いことに、モンスターどもは攻撃をヴィラヌスに集中させていた。
『グオオォォォォォォォッッッ!!』
ドレイクの目前に立ちはだかるハイイログマが咆哮し、巨大な拳を叩きつけようとする。
「チッ、ウドの大木に関わってるヒマはないんだよ…!」
ドレイクは舌打ちすると、ハイイログマが拳を振り下ろすよりも早く、アカヴィリ刀を剛毛で覆われた首に突き刺した。しかしハイイログマはこたえた様子を見せず、ドレイクを凄まじい形相で見下ろす。
クマは丈夫な皮膚と体毛、そして銃弾ですらはじく防御性能を誇る脂肪と筋肉の積層体である。
剣など突き刺そうものなら(突き刺せるだけでも大したものだが)、ちょっとやそっと力を入れたくらいでは抜くことができないだろう。
刀を引き抜くのに手こずっている隙に、このちびのトカゲを叩き潰す…!
どす黒い殺気を放ちながらハイイログマが拳を振りかぶった瞬間、ドレイクはアカヴィリ刀から手を離したかと思うと、素早く姿勢を変えて両手でグリップを握りなおし、アカヴィリ刀を振り抜いた!
「醒走奇梓薙陀一刀流奥技、憂鬼把菜(ユキハナ)!」
ゴシャアッ!!
西瓜が爆ぜたような破砕音とともに、ハイイログマの頭部がはじけ飛ぶ!
「ウオオオーーーッ!」
一方では、ヴィラヌスがドレイクに劣らず果敢な奮闘を見せていた。
あらかたインプの群れを片付けると、魔法による攻撃を試みようとしたスプリガンに向かって盾を投げつけ、よろめくスプリガンを盾ごと刺し貫く。
「見かけによらず荒っぽい剣を使いやがるなぁ。しかし、いいのか?盾に穴を空けちまって」
「ギルドマスターの息子が、多少の小遣い銭を持っていないとでも?」
ヴィラヌスの自虐交じりのジョークに、ドレイクは苦笑する。
「それ、仲間の前では言わないほうがいいぞ。それに、いつもそんな戦い方をしてたら商売にならん」
「心得ておきますよ」
どうやら、洞窟内の魔物は一掃されたらしかった。
「しかし、気になるな…あのモンスターども、最近この洞窟に居ついたようだが」
そんなことをつぶやきながら、ドレイクは先へと進む。
やがて洞窟の最奥で、2人は男の死体を見つけた。
「こいつは…」
「行方不明になっていたガルトゥス・フレヴィアです、間違いありません」
ドレイクは火を灯した松明を片手に屈みこむと、死体を検分する。
「どうやら、この洞窟は一度物取りに荒らされているらしいな。戦士ギルドの会員が、こんな洞窟の奥地で普段着のまま死に様を晒すはずがない」
「ええ。ですが、物取りも戦闘中に破壊された盾には興味を示さなかったようですね」
そう言うと、ヴィラヌスはガルトゥスの傍らに無造作に放置されていた盾を手に取る。
「これは持ち帰るべきでしょう。遺族にとって形見の品となるはずです」
「果敢に戦い、命を落とした戦士の象徴か。こいつを見るたびに涙を流す家族の姿なんぞ想像したくもないが、何もないよりはマシなんだろうな」
「そうですよ」
2人はボロボロになった盾を手に取り、ノンウィル洞窟を後にする。
コロールへと帰る道すがら、ヴィラヌスはだしぬけに口を開いた。
「貴方と一緒に戦えて光栄でした」
「どうした、いきなり」
「じつは、ずっと心配だったんです。実戦経験は少なかったので、そのことで足を引っ張るんじゃないか、とね。母は過保護なので、僕に万一のことがあれば容赦なく貴方を追及するでしょう。そんなことには、なってほしくなかった」
「ならなかったじゃないか」
「そうですね」
ヴィラヌスは笑みをこぼした。
ドレイクはヴィラヌスの肩を叩くと、元気づけるように言った。
「心配するな、おまえさんは自分で考えてるよりも優秀だ。それに、母上のことも理解はできる。いずれ…時が解決するさ」
「そうですね」
ヴィラヌスは、今度は笑わなかった。
煌々と点るコロールの灯を遠目に見つめながら、ヴィラヌスは複雑な表情で、もう一度だけ、つぶやいた。
「そうですね…」
[ to be continued... ]
コロールからの出立を決意した翌日、ドレイクは戦士ギルドからの出頭要請を受けて事務所へと来ていた。
未だドレイクはシロディールの慣習に聡いわけではないので、もし無意識に何らかの不都合を犯していた場合、戦士ギルドからの出頭要請を断ることは反逆行為と見做されかねない。
そう思っての行動だったが、それはどうやら杞憂だったようで。
「まったく、耳が早いな…オーレイン」
「何を言ってる、いまやコロールでおまえを知らんやつはいないぞ?若き姫君が吹聴してるのを知らんか、『私の英雄』の冒険譚を」
「…迂闊だったな。考えたこともなかった」
コロールの戦士ギルド長ヴィレーナ・ドントンの右腕であるモドリン・オーレインは、ドレイクに親しみのある笑みを向けた。
常に厳しい態度で仕事に向かうことから、部下に「暴言オヤジ」などと揶揄されることもあるモドリンだが、ドレイクとはブラックマーシュの<センセイ>を通じて知り合った旧知の仲なので、態度が軟化していた。
もっとも、モドリンの笑顔ほど不気味なものもそうないので、ドレイクは内心居心地の悪さを感じていたが。
「それ、で…シロディールに来たのなら、挨拶の一つくらい、くれても罰は当たらないんじゃないか?」
「今回は野暮用でな、ゆっくりする予定はなかったんだが。すまなかった」
本当は、あまり顔馴染みと接触したくなかったのだが…ドレイクは自戒した。今後はあまり目立つような行動を取るべきではない。
そんなドレイクの心中を知ってか知らずか、モドリンはおもむろに言った。
「じつはな…」
「ほらな」
「なんだ?」
「いや、なんでも?」
最早テンプレと化した会話の切り口にドレイクは閉口しながらも、先を促した。
「なにか俺に頼みでもあるのか」
「ああ。じつは、ちょっとした困り事があってな。ガルトゥス・フレヴィアというギルド員が、活動中に行方不明になってな」
「そいつを探してこいって?戦士ギルドは人手不足かなにかか」
ちなみに、ドレイク自身は戦士ギルドの会員ではない。モドリンとは個人的な知人というだけで、戦士ギルドのために働く義理などないのだが。
「いや、たんに行方不明者の捜索ならおまえに頼んだりはしない。じつは、この話にはオプションがつくんだ」
「そんなことだろうと思ったよ。…厄介ごとだな?」
「まぁ、な。このところ、ギルドマスターが表に姿を見せないのは知っているか?」
「ヴィレーナ女史?そういえば、ここでも姿を見ないな」
「じつは最近、ヴィレーナの長男が任務中に命を落としてな。そのことを気に病んで、ヴィレーナは近頃自宅から外に出ようとしない」
「キナ臭い展開になってきたな?」
「そう警戒するな。それで、亡くなった息子…ヴィテルスには弟がいて、それもまたギルド会員なんだが、先の不幸があってか、ヴィレーナは彼をまともに任務につけようとしなくなった」
「まあ、そりゃあな。心情は察するに余りあるが」
「しかしヴィラヌス…弟のほうだ…彼にはやる気があって、現状を快く思っていない。俺もそうだ」
「つまり、行方不明者の捜索にギルドマスターの愛息子を同行させろ、と?」
「そういうわけだ」
「断る。ままごとなら余所に頼みな…どんな些細な任務にも命の危険はつきものだと、おまえはよく知っているだろうに」
「だが、このままヴィラヌスが腐っていくのを黙殺するわけにはいかん」
決して意見を曲げそうにないモドリンを、ドレイクは爬虫類特有の冷たい目つきでじろりと睨みつける。
しばらく睨み合っていた2人だが、やがてドレイクはため息をつくと、妥協点を探ろうとした。
「で、その頼みごとを受けて、俺が得るものは?」
「おまえ、なにか目的があってシロディールに滞在しているらしいな。もし今回の仕事を滞りなくこなしてくれれば。戦士ギルドは可能な限りおまえをバックアップする。どうだ?」
「…フン」
ドレイクは不快そうに鼻を鳴らすと、吐き捨てるように言った。
「これは友人への義理立てだ」
「貴方が、オーレインの言っていた剣士ですか。…想像していたのとは、ちょっと違いますね」
「どんなのを想像していた?」
「剣を自在に操るというので、大剣を軽々と振るう筋骨隆々の大男、オークでも連れてくるのかと」
「ちょっとどころか、それが」
ギルドマスターの息子ヴィラヌス・ドントンの物怖じしない台詞に、ドレイクは脱力して言葉を返した。
ヴィレーナ・ドントン邸の客間にて。いい加減に待ちくたびれた、とでも言うかのように、銀製のマグを傾けるヴィラヌスをドレイクは見咎める。
「それ、アルコールか」
「まさか。ミルクですよ、貴方も如何です?」
「遠慮しておくよ。乳糖不耐症なんでね」
「おや、珍しい」
「そうかね?」
「少なくとも、僕の周りにはいませんね」
戦士ギルドの会員にしては珍しいことだが、ヴィラヌスの立ち居振る舞いや言動からは、確かな知性と教養が感じられた。
これが親の教育の賜物なのか、あるいは本人の素質なのかは、ドレイクには判断がつかなかった。
「モドリンから話を聞いている、ということは、これからどうすべきかはわかっているという前提で話を進めてもいいんだな?」
「もちろん。危険を覚悟で承諾してくれた貴方には感謝していますよ」
「危険、ね…洞窟に潜む化け物とか?」
「その他諸々、です」
たとえば、万が一僕が死んだときにモドリンやヴィレーナにどう言い訳をするのか、など…もちろん口には出さなかったが、ヴィラヌスの言葉にはそういう意味が含まれていることをドレイクは感じ取った。
つまり、この青年は現状を正確に把握している、ということだ。
「それじゃあ、行くか。任務中は細心の注意を払うことだ」
「安心してください。貴方を困らせるために死ぬつもりはありませんから」
「こいつめ…」
ヴィラヌスの台詞にドレイクは苦笑し、コロールを出立した。
間もなく日が完全に沈もうとしている。
ノンウィル洞窟の前まで来たドレイクたちは、各々装備を確認した。
「準備はいいか?」
「そちらのペースでどうぞ」
「…口の減らんやつだ」
ドレイクは言い返したが、出会った当初ほどヴィラヌスに嫌悪感は抱いていなかった。
こいつは頼りになりそうだ、少なくとも足を引っ張ることはない、そう直感が告げていたのだ。
申し訳程度に取りつけられた、立てつけの悪い戸を開け、2人は洞窟へと侵入する。間もなく、こちらの存在に気がついた巨大ネズミとインプ(いずれもシロディール各地でよく見られる)が襲いかかってきた。
ドレイクが口を開くよりも早く、ヴィラヌスが剣を抜いて素早く目前の巨大ネズミに斬りかかる。
「イヤーーーッ!!」
飛びかかってきた巨大ネズミをヴィラヌスは両断、しかし真っ二つに割れたネズミの背後から、インプの放った冷撃スペルが飛来する!
だがヴィラヌスは慌てることなく盾でそれを防ぐと、足を止めることなくその場で一回転し、横薙ぎにインプを叩き斬った。
「フウ」
一息ついたヴィラヌスだったが、すぐに警戒を解くには早すぎたと悟る。死角にいた巨大ネズミの残党が牙を剥いて襲いかかってくる、避けられない…!
鋭利な前歯をヴィラヌスに突き立てようとしたネズミはしかし、目的を果たすことはなかった。
滞空したまま宙に浮くネズミを、ヴィラヌスは訝しげに見つめる。やがてネズミの背後にドレイクの姿が見え、ネズミの喉元にアカヴィリ刀の刃先がちらりと覗いているのが確認できた。
巨大ネズミの尻に突き刺したアカヴィリ刀を引っ込めると、ドレイクはヴィラヌスを咎めるように言う。
「功を急くな。俺はバーズやモドリンと違って、気は長いほうなんだ」
「それを聞いて安心しました。いやなに、戦士ギルドの面子っていうのは気が短いやつしかいないもので」
「命の恩人に礼の言葉は?」
「バックアップがあることは期待してましたよ?貴方はモドリンが望んでいた通りの働きをしたということです」
「おまえねー。そのうち背中から斬られるぞ、マジで」
「ご冗談を。誰に対してもこんなに歯に衣を着せず物を言うわけではありません、ご心配なく」
「俺に斬られるとは思わんのか」
「まさか。そんなことはしないでしょう?」
ヴィラヌスの、若き戦士には不相応ともいえる不適な笑みを見て、ドレイクは肩をすくめる。
しかし、奥に進んでいくにつれてヴィラヌスの軽口も数が少なくなっていった。
巨大ネズミやインプ、あるいはゴブリンであれば、この2人にとってさほどの脅威にはならなかったに違いない。階層を下りてしばらく歩を進めたとき、突然魔物の集団に囲まれたドレイクは、思わず舌打ちをした。
「インプの集団に、亜種もいるな、スプリガンとハイイログマ?まったく野生の王国もいいところだよ、こいつは!」
「貴方も服を脱いで混ざればいい、案外仲間だと思われるかも」
「おまえな!インペリアルでも言っていいことと悪いことがあるぞ」
「アルゴニアンは毒沼で寒中水泳するって聞きましたよ?ところで、ウォーヒン・ジャースの<アルゴニアン・リポート>に書かれているブラック・マーシュの描写はどこまで正しいんですかね」
「くだらんゴシップ本ばかり読むんじゃない!」
ほとんどヤケクソになりながら、ドレイクは返事をする。
もちろん、延々と漫談をしていられるほど余裕をかましていられるような状況ではない。さらに悪いことに、モンスターどもは攻撃をヴィラヌスに集中させていた。
『グオオォォォォォォォッッッ!!』
ドレイクの目前に立ちはだかるハイイログマが咆哮し、巨大な拳を叩きつけようとする。
「チッ、ウドの大木に関わってるヒマはないんだよ…!」
ドレイクは舌打ちすると、ハイイログマが拳を振り下ろすよりも早く、アカヴィリ刀を剛毛で覆われた首に突き刺した。しかしハイイログマはこたえた様子を見せず、ドレイクを凄まじい形相で見下ろす。
クマは丈夫な皮膚と体毛、そして銃弾ですらはじく防御性能を誇る脂肪と筋肉の積層体である。
剣など突き刺そうものなら(突き刺せるだけでも大したものだが)、ちょっとやそっと力を入れたくらいでは抜くことができないだろう。
刀を引き抜くのに手こずっている隙に、このちびのトカゲを叩き潰す…!
どす黒い殺気を放ちながらハイイログマが拳を振りかぶった瞬間、ドレイクはアカヴィリ刀から手を離したかと思うと、素早く姿勢を変えて両手でグリップを握りなおし、アカヴィリ刀を振り抜いた!
「醒走奇梓薙陀一刀流奥技、憂鬼把菜(ユキハナ)!」
ゴシャアッ!!
西瓜が爆ぜたような破砕音とともに、ハイイログマの頭部がはじけ飛ぶ!
「ウオオオーーーッ!」
一方では、ヴィラヌスがドレイクに劣らず果敢な奮闘を見せていた。
あらかたインプの群れを片付けると、魔法による攻撃を試みようとしたスプリガンに向かって盾を投げつけ、よろめくスプリガンを盾ごと刺し貫く。
「見かけによらず荒っぽい剣を使いやがるなぁ。しかし、いいのか?盾に穴を空けちまって」
「ギルドマスターの息子が、多少の小遣い銭を持っていないとでも?」
ヴィラヌスの自虐交じりのジョークに、ドレイクは苦笑する。
「それ、仲間の前では言わないほうがいいぞ。それに、いつもそんな戦い方をしてたら商売にならん」
「心得ておきますよ」
どうやら、洞窟内の魔物は一掃されたらしかった。
「しかし、気になるな…あのモンスターども、最近この洞窟に居ついたようだが」
そんなことをつぶやきながら、ドレイクは先へと進む。
やがて洞窟の最奥で、2人は男の死体を見つけた。
「こいつは…」
「行方不明になっていたガルトゥス・フレヴィアです、間違いありません」
ドレイクは火を灯した松明を片手に屈みこむと、死体を検分する。
「どうやら、この洞窟は一度物取りに荒らされているらしいな。戦士ギルドの会員が、こんな洞窟の奥地で普段着のまま死に様を晒すはずがない」
「ええ。ですが、物取りも戦闘中に破壊された盾には興味を示さなかったようですね」
そう言うと、ヴィラヌスはガルトゥスの傍らに無造作に放置されていた盾を手に取る。
「これは持ち帰るべきでしょう。遺族にとって形見の品となるはずです」
「果敢に戦い、命を落とした戦士の象徴か。こいつを見るたびに涙を流す家族の姿なんぞ想像したくもないが、何もないよりはマシなんだろうな」
「そうですよ」
2人はボロボロになった盾を手に取り、ノンウィル洞窟を後にする。
コロールへと帰る道すがら、ヴィラヌスはだしぬけに口を開いた。
「貴方と一緒に戦えて光栄でした」
「どうした、いきなり」
「じつは、ずっと心配だったんです。実戦経験は少なかったので、そのことで足を引っ張るんじゃないか、とね。母は過保護なので、僕に万一のことがあれば容赦なく貴方を追及するでしょう。そんなことには、なってほしくなかった」
「ならなかったじゃないか」
「そうですね」
ヴィラヌスは笑みをこぼした。
ドレイクはヴィラヌスの肩を叩くと、元気づけるように言った。
「心配するな、おまえさんは自分で考えてるよりも優秀だ。それに、母上のことも理解はできる。いずれ…時が解決するさ」
「そうですね」
ヴィラヌスは、今度は笑わなかった。
煌々と点るコロールの灯を遠目に見つめながら、ヴィラヌスは複雑な表情で、もう一度だけ、つぶやいた。
「そうですね…」
[ to be continued... ]
2012/12/04 (Tue)15:26
どうもグレアムです、珍しく携帯からの更新ですハイ。しかしめんどくさいなコレ。
というのも最近、ネットに繋いでるほうのPCが電源入らなくなっちまいまして。どうも症状が以前俺が所持してたやつと同じっぽいんで、おそらく電源ボックスの寿命ではないかと。BTOは電源ケチるからな…
んでまあ、さっさと電源ボックスの寸法測って買い替えちまってもいいんですが、PC本体ももう5~6年くらい使ってるんで、マシンごと買い替えちまってもいいんですよねぇ。
そんなわけで暫くは更新が滞ると思いますが、何卒よろしくお願いします。
年内にはなんとかしたいなあ…
というのも最近、ネットに繋いでるほうのPCが電源入らなくなっちまいまして。どうも症状が以前俺が所持してたやつと同じっぽいんで、おそらく電源ボックスの寿命ではないかと。BTOは電源ケチるからな…
んでまあ、さっさと電源ボックスの寸法測って買い替えちまってもいいんですが、PC本体ももう5~6年くらい使ってるんで、マシンごと買い替えちまってもいいんですよねぇ。
そんなわけで暫くは更新が滞ると思いますが、何卒よろしくお願いします。
年内にはなんとかしたいなあ…
2012/12/01 (Sat)15:04
前回更新したTES4SSの舞台裏についてちょっと書いてみよう。
クロップスフォードのキャンプの様子を撮影しようとしたところ、オッサンが怪死を遂げていた。
↑テントを突き破って死んでいる。ナニコレ
これじゃマトモな画面写真が撮れない、どうすんべ、と少しだけ悩み、冷静に「resurrect」を入力。ことなきを得た。
ちなみに前回の2枚目の写真にあたるこのクロップスフォードの撮影では、ちびのノルドは岩陰に隠れていました。
そうそう、たまに洞窟内で画面が暗すぎたりすることがありますよね。
普段は明るさとコントラストの調整で済ませてるんですが、照明になるようなアイテムをそのへんに転がして写真撮影することもありまして。
んで、ただ転がすだけだとイマイチ光源が弱かったりするので、そういう場合はキャラにアイテムを持たせたりするんですね。こんな感じで。
↑Franの追加アイテムの照明用杖はホント便利ダワー。
照明係ちびのノルド。写真に映ってないときも頑張って働いてます。
じつはナイトスレイヤーのときにもっと良い写真が撮れてたんだけど、間違えて消しちゃったんだよねぇ…
そっちは、写真に映ってるちびのノルドは「createfullactorcopy」で複製したやつで、オリジナルは離れた場所から照明構えてるとかそんなんでした。
で、たまには日記らしいことも書こうかと。
ひさしぶりに本屋に行きました。3Dグラフィクス関連の書籍コーナーにアーマードコアの設定資料集があってビックリした。全篇に渡ってラフデザインと3Dモデルの写真がビッシリ載ってんの。一瞬手を出しかけたけど、6000円という値段に正気を取り戻す。
ゲーム自体にはあまり思い入れないというかぶっちゃけ肌に合わなかったってーのもあるし。どうもね。
それと美術書関連のコーナーにスチームパンクの本は幾つかあったんだけど、サイバーパンクってないですねー。置いてないのか、そもそも存在しないのか。ファンタジーと相性が良いのはスチームパンクのほうなんだけど、俺はあんまり蒸気機関に魅力を感じないんだよね。あの、乗り物に縁のない人生送ってきたせいもあるけど。
でまあ結局買ったのがニンジャスレイヤー2巻とブラム学園。ブラム学園はどこ探してもなかったんで即買いですね。再販でもされたんかな?でまあ、ただの青年コミックだと思ってたんで、レジに持ってったときに姉さんから「980円です」と言われたときは耳を疑った。
え、なに、固定客がいるマイナー作品だからって足元見すぎじゃね?と思ったんだが、帰って開いてみたらフルカラーだった。逆に安いよ。 内容はまあ割愛ということで。他のレビュアーが口を揃えて言うように「二瓶先生どうしちゃったの」としか言いようがないし。ただまあ学園3話のあとシリアスな短編が続いて、イキナリ沼の精はズルイよ!酷っいなアレ。画力の無駄遣いすぎる…(もちろん褒め言葉
忍殺はヤモトサンカワイイヤッターということで。ヤモト=サンはほんと良い娘すぎて泣ける。忍殺はそのうちレビュー書きたいデスネー。あとシルバーカラス=サンがカッコ良すぎ。忍殺はOVAとか出ないですかね。個人的にはキャッチーなメロディでラブメンテナンス重点のシングルCD化とか期待してるんですがダメですか。単発でいいからデンチモチ結成しちゃおうぜ!
そういや、ビッグカメラのフィギュアコーナーにジョジョのフィギュアがズラリと並んでたんだけど、フィギュアの隣にひっそりとアラーキーがジャケ絵描いた石川さゆりのCDが置かれてて吹いた。それは販促だよ!(←反則と販促をかけたジョーk(ry
クロップスフォードのキャンプの様子を撮影しようとしたところ、オッサンが怪死を遂げていた。
↑テントを突き破って死んでいる。ナニコレ
これじゃマトモな画面写真が撮れない、どうすんべ、と少しだけ悩み、冷静に「resurrect」を入力。ことなきを得た。
ちなみに前回の2枚目の写真にあたるこのクロップスフォードの撮影では、ちびのノルドは岩陰に隠れていました。
そうそう、たまに洞窟内で画面が暗すぎたりすることがありますよね。
普段は明るさとコントラストの調整で済ませてるんですが、照明になるようなアイテムをそのへんに転がして写真撮影することもありまして。
んで、ただ転がすだけだとイマイチ光源が弱かったりするので、そういう場合はキャラにアイテムを持たせたりするんですね。こんな感じで。
↑Franの追加アイテムの照明用杖はホント便利ダワー。
照明係ちびのノルド。写真に映ってないときも頑張って働いてます。
じつはナイトスレイヤーのときにもっと良い写真が撮れてたんだけど、間違えて消しちゃったんだよねぇ…
そっちは、写真に映ってるちびのノルドは「createfullactorcopy」で複製したやつで、オリジナルは離れた場所から照明構えてるとかそんなんでした。
で、たまには日記らしいことも書こうかと。
ひさしぶりに本屋に行きました。3Dグラフィクス関連の書籍コーナーにアーマードコアの設定資料集があってビックリした。全篇に渡ってラフデザインと3Dモデルの写真がビッシリ載ってんの。一瞬手を出しかけたけど、6000円という値段に正気を取り戻す。
ゲーム自体にはあまり思い入れないというかぶっちゃけ肌に合わなかったってーのもあるし。どうもね。
それと美術書関連のコーナーにスチームパンクの本は幾つかあったんだけど、サイバーパンクってないですねー。置いてないのか、そもそも存在しないのか。ファンタジーと相性が良いのはスチームパンクのほうなんだけど、俺はあんまり蒸気機関に魅力を感じないんだよね。あの、乗り物に縁のない人生送ってきたせいもあるけど。
でまあ結局買ったのがニンジャスレイヤー2巻とブラム学園。ブラム学園はどこ探してもなかったんで即買いですね。再販でもされたんかな?でまあ、ただの青年コミックだと思ってたんで、レジに持ってったときに姉さんから「980円です」と言われたときは耳を疑った。
え、なに、固定客がいるマイナー作品だからって足元見すぎじゃね?と思ったんだが、帰って開いてみたらフルカラーだった。逆に安いよ。 内容はまあ割愛ということで。他のレビュアーが口を揃えて言うように「二瓶先生どうしちゃったの」としか言いようがないし。ただまあ学園3話のあとシリアスな短編が続いて、イキナリ沼の精はズルイよ!酷っいなアレ。画力の無駄遣いすぎる…(もちろん褒め言葉
忍殺はヤモトサンカワイイヤッターということで。ヤモト=サンはほんと良い娘すぎて泣ける。忍殺はそのうちレビュー書きたいデスネー。あとシルバーカラス=サンがカッコ良すぎ。忍殺はOVAとか出ないですかね。個人的にはキャッチーなメロディでラブメンテナンス重点のシングルCD化とか期待してるんですがダメですか。単発でいいからデンチモチ結成しちゃおうぜ!
そういや、ビッグカメラのフィギュアコーナーにジョジョのフィギュアがズラリと並んでたんだけど、フィギュアの隣にひっそりとアラーキーがジャケ絵描いた石川さゆりのCDが置かれてて吹いた。それは販促だよ!(←反則と販促をかけたジョーk(ry
2012/11/30 (Fri)07:28
パチ、パチンッ。
火のはぜる音にぼんやりと耳を傾けながら、3人組の兵士…戦士ギルドの闘士たちはうろんな時間を過ごしていた。
表情は疲れきり、鎧は傷だらけで酸化し、腰に下がっているはずの武器はない。
戦士の1人であるオークのブラグ・グロ=バルグは、憔悴しきった表情でつぶやいた。
「まさか、こんなことになるとは…」
その声につられて、他の2人がいっせいにため息をついた、そのとき。
ガラガラガラガラガラ。
洞窟の中にあって、車輪が回転するやかましい音が反響した。あまりの異音にコウモリが騒ぎ、ネズミたちが右往左往している。
やがて音が止まると、3人組の戦士たちの目の前に、積荷を満載した荷車を引いてやって来たちびのノルドが、肩を上下させながら登場した。
「…っ、ぜぇ、はぁっ、はぁっ、はぁあーーー……」
小柄な女性が、ゆうに3桁キロはあろうかという巨大な荷物を引いてきたというあまりに異様な光景に、3人組の戦士たちは思わず立ち上がり、呆気に取られた表情で彼女を見つめる。
「ど、どうも…シェイディンハルから来ました、アリシアです。皆さんに、その、救援物資を届けるよう任務を仰せつかりまして。けほっ、えー、その…間に合った感じですか?」
「驚いたね…」
息を切らせながらも、必死に状況を説明するちびのノルドを見つめながら、ブラグは感嘆の声を上げた。
ゴブリン戦争。
シロディールのゴブリンには無数の部族が存在しており、それぞれがシャーマンのミイラ化した頭部を加工して作った儀礼杖<ゴブリン・トーテム>を崇拝している。
ゴブリン・トーテムは権威の象徴であり、他の部族のトーテムを手に入れることは、すなわち相手のすべてを手に入れることに他ならない。多少の知性がありながらも原始的な欲求から行動するゴブリンたちは、つねに、敵対部族のトーテムを奪い取ろうと諍いを続けているのだ。
この、トーテムの奪い合いを俗に<ゴブリン戦争>と呼ぶ。
そしてゴブリン戦争は人間たちから非常に恐れられ、忌避されている。
たいていの場合、ゴブリンの部族同士の縄張りは一定の距離を保ちながら存続していることが多い。
しかし、ひとたび戦争が起きれば、部族の縄張りと縄張りを結ぶ直線上の土地はすべて灰燼に帰し、ゴブリンは目についたものすべてを破壊しながら目標まで直進していく。そして、その進行ルート上に人間の生活圏があることもまた、珍しいことではないのだ。
哀れゴブリン戦争に巻き込まれた人間はただ破壊と殺戮の饗宴を見守るしかなく、住処を破壊され、あらゆるものを奪われ、そして殺される。
殺されることなく逃げ出せたら僥倖だ。もっとも以後は、難民としてキャンプでの不自由な生活を強いられることになるだろうが。
「そんなわけで、ゴブリン戦争を集結させる方法は2つ。1つはトーテムを奪い去り、そもそもの争いの原因を取り除いてやること。そしてもう1つは…」
「すべてのゴブリンを根絶やしにすること。単純明快だけど、口で言うほど単純じゃないわよねぇ」
ちびのノルドから補給品を受け取り、新品の鎧と武器を手にした戦士たちは、口々に話し合った。
最初に口を開いたのが、ボズマー(ウッドエルフ)の剣士エリドア。そして2つ目の物騒な解決法を口にしたのが、レッドガードの弓使いリェンナ。
巨躯を活かしたハンマー使いのブラグは、補給品の一部である肉料理を一気にたいらげると、満面の笑みを浮かべた。
「ただまあ、ウチのボスはやる気みたいだがな。なんせギルド会員を総動員でゴブリンの巣窟を一層しようってんだ、よっぽどゴブリンどもの暴走が腹に据えかねたらしいな」
もともと、ゴブリン狩りは「戦士ギルドの稼業の一つ」と言ってしまえるくらい、活動内容としてはメジャーだ。ただし、これほどの大規模な総力戦となると、そうそうあることではない。
現在シェイディンハル周辺では4つのゴブリン部族が抗争を繰り広げており、それに伴う人間の生活圏への被害も尋常ではない。トーテムさえ奪えば戦争は終結するが、ゴブリン関係のトラブルの解決役を請け負う戦士ギルドに、トーテムだけ持ち去るなどという賢しい真似ができるはずもない。そういうのは盗賊ギルドの仕事だが、盗賊ギルドは端からゴブリンに関わることを拒否していた。
となれば、あとはもう、全面戦争しかない。
「さーてまあ、装備も新調した。久方ぶりの温かい食事も腹にたっぷり詰め込んだ。となりゃあ、あとは食後の運動ってのがセオリーだな?」
「ええ、そうね。いい加減に、この馬鹿騒ぎも終わらせなきゃ」
ギルドの戦士たちが、さっきまでとは比べ物にならないほど活き活きした表情で立ち上がる。
もとより彼らが困窮していたのは、戦闘が予想外に長引き(当初予想されていたよりも遥かに多くのゴブリンが潜伏していた)、物資が底をついたためである。酷使された武器は破損し、食料はなくなり、どうしようもなくなっていたところへちびのノルドが登場したわけだ。
「さてと、わたしも一暴れしたい気分です。行きましょうか」
3人の兵士が完全武装できるだけの装備と大量の雑貨を運んできたちびのノルドも、どこにそんな元気が隠れていたのか、ピンピンした様子でストレッチをはじめた。
「…ところで、アンタの分の武器は?まともな鎧も装備してないみたいだけど」
「あ、わたしには必要ないんです。ご心配なく」
「そ、そう?」
丸腰のまま戦場に向かおうとするちびのノルドにリェンナは遠慮がちに声をかけるが、当のちびのノルドはまったく意に介さない。
まるで自殺行為としか言いようがない脆弱な装備を見て、リェンナとエリドアは互いに顔を見合わせた。
「…アイツ、大丈夫なのかねぇ?」
「僕に聞かないでくれよ」
そこから先の展開は、まさに乱戦だった。
ゴブリン戦争に巻き込まれ、犠牲になった作業員の遺体が放置されたまま破棄された鉱山で、剣が、鎚が、矢が、そして拳が飛び交う!
「ヤァーーーッ!!」
叫び声とともに繰り出された拳が、ゴブリンの肉体を、骨格ごと破壊する。
ゴブリンとて雑魚ではない。常に争いを求める彼らの獰猛さ、闘争本能は恐るべきもので、連達を剣士でさえ油断をすれば命を危険に晒すこともある。
そういう相手の大群に身一つで立ち向かうちびのノルドの姿を見て、ギルドの戦士たちは言葉を失った。
彼女の一撃は剣のように鋭く、戦鎚のようにすべてを叩き潰し、矢のように装甲を貫く。
その技を繰り出す肉体はまさに全身凶器と呼ぶに相応しく、有象無象をちぎっては投げる無双ぶりは戦神タロスもかくやといった有り様である。
「クソッ、このままじゃ埒が明かんな!」
いくら倒しても沸くように出てくるゴブリンの軍団に辟易しながら、ハンマーの一薙ぎで周囲を一掃すると、ブラグはちびのノルドに向かって叫んだ。
「ここは俺たちが喰い止める、おまえは先に進んでトーテムを奪うんだ!」
「わ、わかりました!」
いきなり重要な仕事を任されたちびのノルドは多少狼狽しながらも、襲いかかってきたゴブリンの戦士の両腕を付け根から破壊し、鉱山の最奥へと続く道を急いだ。
『ムェーイ、グルルルルル…』
ようやく奥地まで辿り着くかと思われた矢先、意味不明な奇声とともに、装飾が施された司祭服に身を包んだゴブリンがちびのノルドの目前に立ち塞がった。
「ご、ゴブリン・シャーマン!?」
『ウルルルゥゥゥゥァァァアアア…!』
ドワーフ製の高級斧(いったいどこから略奪してきたのやら)を天に掲げたゴブリン・シャーマンの傍らに、首のない腐敗死体が出現する。もちろんただの死体ではない、強力な魔力によって支配された生きる屍、ゾンビだ。
恐れも、容赦も知らぬ地獄の尖兵がちびのノルドに襲いかかる!
見た目よりも遥かに力強く、素早く振るわれる爪はたいていのものを切り裂き、その爪によって傷をつけられた者に猛毒を感染させる。
しかし、そのことを知っていてもなおちびのノルドは冷静さを失わず、相手の動きを見極めようとする。
やがて大振りの一撃をすかして無防備になったゾンビの両膝を素早く踵で踏み抜き、ちびのノルドは相手の脚を破壊する!
身体を支えられなくなり、膝をついたゾンビの背後に素早く回ると、ちびのノルドは続けざまに強烈な肘を叩き込んだ!あえなくゾンビの背骨は砕かれ、腐った内臓が肋骨とともに胸の、腹の皮膚をつきやぶって飛び出し、地面に撒き散らかされる!
いかにゾンビといえど、ここまで酷く損壊してはもう戦うことはできない。
『グググ……ッ!』
悔しさと怒りで斧を握る手に白い筋を浮き立たせながら、ゴブリン・シャーマンは間髪いれずにちびのノルドに襲いかかる。
ゾンビを倒した直後、寸分の猶予も許さぬまさに直後ならば、斧の一撃で首を叩き切ることもできるはず。息を整える暇も、ターゲットを切り替える余裕も与えずに殺せる、そのゴブリン・シャーマンの思惑は、残念ながら外れた。
ビシュンッ!
弾丸が空気を切り裂いたような擦過音とともに強烈なハイキックが繰り出され、ゴブリン・シャーマンの握っていた斧がはじき飛ばされる!
『ビエッ!?』
予想外の一撃に狼狽するゴブリン・シャーマンの心臓目がけて、ちびのノルドはすかさず拳を突き出した!
フィニッシュ・ヒム!
心臓を完全破壊し、ゴブリン・シャーマンの息の根を完全に止めるちびのノルド。
しばらく痙攣したのちにゆっくりと倒れたゴブリン・シャーマンを一瞥し、ちびのノルドはふたたび先を急ぐことにした。
祭壇へと辿り着いたちびのノルドは、地面に突き立てられた趣味の悪い杖を手に取る。過去に命を落としたシャーマンの頭部を加工して造られた、多大な魔力を秘めた杖<ゴブリン・トーテム>。
「こんなものがあるから、争いがなくならないんだ…!」
ちびのノルドは嫌悪の感情を隠そうともせずにつぶやくと、杖の両端を握り、力を込めた。
バラバラに砕けるゴブリン・トーテムを見つめながら、ちびのノルドは「これでいいんだ」と思い……
「なにぃ、ぶっ壊しただと!?このバカッタレが!」
ズゴンッ!!
「~~~っぁ~~~~~…!」
すべてが終わり、シェイディンハルの戦士ギルドへと引き返したちびのノルドを待っていたのは、シェイディンハル支部長バーズ・グロ=カシュの罵声と、容赦のない拳骨だった。
「あれは魔術師ギルドが、喉から手が出るほど欲しがる貴重なマジック・アイテムなんだぞ、この馬鹿が!そもそも『奪うだけでいい』とブリーフィングで言った意味を少しでも考えなかったのか、テメェはよ!?」
「…ぅ、ぁう…ごめんなさぃ……」
どうやら、良かれと思ってやったことが裏目に出たようで、叱責を受けるちびのノルドは泣きながら謝るばかりである。
しかしバーズ・グロ=カシュの怒りは収まらないようで、なおも罵声を上げ続ける。
「まったく、元傭兵だからっつって雇ってみれば、とんだ役立たずだ!ノルドってのはみんな、お前みたいな筋肉だけが取り得の脳足りんなのか?それとも身体の小さいお前だけが特別に脳の容量が少ないのか?今回だけは特別に許してやるが、次に同じような間違いを仕出かしやがったら、木人に縛りつけて剣術の稽古台にしてやるからな、この短小め!」
そこまで一気にまくし立てると、バーズはぷいと背を向けてしまった。
しかしちびのノルドはどうしていいかわからず、しばらく床にぺたんと座ったままおろおろしていると、すぐに振り返ったバーズがちびのノルドを蹴り飛ばして事務所から叩き出してしまった。
「まだいたのか、このゴキブリ野郎!さっさと出て行け!」
廊下に突っ伏すちびのノルドを見下ろしながら、近くにいた戦士ギルドの兵士は「やれやれ」と肩をすくめた。
「アレも、けっこう気難しい性格だからなあ。ま、ご愁傷様」
誰も手を貸してくれないので、仕方なく自力で立ち上がったちびのノルドは、故郷スカイリムでの傭兵生活を思い出していた。そこでもちびのノルドは厄介者扱いされ、どれだけ戦果を上げても褒められず、些細なミス一つで激しく罵声を浴びせられたものだ。
元傭兵なら戦士ギルドが適職だ、というアドバイスを受け、はるばるシェイディンハル支部まで足を運んだちびのノルドだったが、いまではそのことを後悔しはじめていた。
[ to be continued... ]
火のはぜる音にぼんやりと耳を傾けながら、3人組の兵士…戦士ギルドの闘士たちはうろんな時間を過ごしていた。
表情は疲れきり、鎧は傷だらけで酸化し、腰に下がっているはずの武器はない。
戦士の1人であるオークのブラグ・グロ=バルグは、憔悴しきった表情でつぶやいた。
「まさか、こんなことになるとは…」
その声につられて、他の2人がいっせいにため息をついた、そのとき。
ガラガラガラガラガラ。
洞窟の中にあって、車輪が回転するやかましい音が反響した。あまりの異音にコウモリが騒ぎ、ネズミたちが右往左往している。
やがて音が止まると、3人組の戦士たちの目の前に、積荷を満載した荷車を引いてやって来たちびのノルドが、肩を上下させながら登場した。
「…っ、ぜぇ、はぁっ、はぁっ、はぁあーーー……」
小柄な女性が、ゆうに3桁キロはあろうかという巨大な荷物を引いてきたというあまりに異様な光景に、3人組の戦士たちは思わず立ち上がり、呆気に取られた表情で彼女を見つめる。
「ど、どうも…シェイディンハルから来ました、アリシアです。皆さんに、その、救援物資を届けるよう任務を仰せつかりまして。けほっ、えー、その…間に合った感じですか?」
「驚いたね…」
息を切らせながらも、必死に状況を説明するちびのノルドを見つめながら、ブラグは感嘆の声を上げた。
ゴブリン戦争。
シロディールのゴブリンには無数の部族が存在しており、それぞれがシャーマンのミイラ化した頭部を加工して作った儀礼杖<ゴブリン・トーテム>を崇拝している。
ゴブリン・トーテムは権威の象徴であり、他の部族のトーテムを手に入れることは、すなわち相手のすべてを手に入れることに他ならない。多少の知性がありながらも原始的な欲求から行動するゴブリンたちは、つねに、敵対部族のトーテムを奪い取ろうと諍いを続けているのだ。
この、トーテムの奪い合いを俗に<ゴブリン戦争>と呼ぶ。
そしてゴブリン戦争は人間たちから非常に恐れられ、忌避されている。
たいていの場合、ゴブリンの部族同士の縄張りは一定の距離を保ちながら存続していることが多い。
しかし、ひとたび戦争が起きれば、部族の縄張りと縄張りを結ぶ直線上の土地はすべて灰燼に帰し、ゴブリンは目についたものすべてを破壊しながら目標まで直進していく。そして、その進行ルート上に人間の生活圏があることもまた、珍しいことではないのだ。
哀れゴブリン戦争に巻き込まれた人間はただ破壊と殺戮の饗宴を見守るしかなく、住処を破壊され、あらゆるものを奪われ、そして殺される。
殺されることなく逃げ出せたら僥倖だ。もっとも以後は、難民としてキャンプでの不自由な生活を強いられることになるだろうが。
「そんなわけで、ゴブリン戦争を集結させる方法は2つ。1つはトーテムを奪い去り、そもそもの争いの原因を取り除いてやること。そしてもう1つは…」
「すべてのゴブリンを根絶やしにすること。単純明快だけど、口で言うほど単純じゃないわよねぇ」
ちびのノルドから補給品を受け取り、新品の鎧と武器を手にした戦士たちは、口々に話し合った。
最初に口を開いたのが、ボズマー(ウッドエルフ)の剣士エリドア。そして2つ目の物騒な解決法を口にしたのが、レッドガードの弓使いリェンナ。
巨躯を活かしたハンマー使いのブラグは、補給品の一部である肉料理を一気にたいらげると、満面の笑みを浮かべた。
「ただまあ、ウチのボスはやる気みたいだがな。なんせギルド会員を総動員でゴブリンの巣窟を一層しようってんだ、よっぽどゴブリンどもの暴走が腹に据えかねたらしいな」
もともと、ゴブリン狩りは「戦士ギルドの稼業の一つ」と言ってしまえるくらい、活動内容としてはメジャーだ。ただし、これほどの大規模な総力戦となると、そうそうあることではない。
現在シェイディンハル周辺では4つのゴブリン部族が抗争を繰り広げており、それに伴う人間の生活圏への被害も尋常ではない。トーテムさえ奪えば戦争は終結するが、ゴブリン関係のトラブルの解決役を請け負う戦士ギルドに、トーテムだけ持ち去るなどという賢しい真似ができるはずもない。そういうのは盗賊ギルドの仕事だが、盗賊ギルドは端からゴブリンに関わることを拒否していた。
となれば、あとはもう、全面戦争しかない。
「さーてまあ、装備も新調した。久方ぶりの温かい食事も腹にたっぷり詰め込んだ。となりゃあ、あとは食後の運動ってのがセオリーだな?」
「ええ、そうね。いい加減に、この馬鹿騒ぎも終わらせなきゃ」
ギルドの戦士たちが、さっきまでとは比べ物にならないほど活き活きした表情で立ち上がる。
もとより彼らが困窮していたのは、戦闘が予想外に長引き(当初予想されていたよりも遥かに多くのゴブリンが潜伏していた)、物資が底をついたためである。酷使された武器は破損し、食料はなくなり、どうしようもなくなっていたところへちびのノルドが登場したわけだ。
「さてと、わたしも一暴れしたい気分です。行きましょうか」
3人の兵士が完全武装できるだけの装備と大量の雑貨を運んできたちびのノルドも、どこにそんな元気が隠れていたのか、ピンピンした様子でストレッチをはじめた。
「…ところで、アンタの分の武器は?まともな鎧も装備してないみたいだけど」
「あ、わたしには必要ないんです。ご心配なく」
「そ、そう?」
丸腰のまま戦場に向かおうとするちびのノルドにリェンナは遠慮がちに声をかけるが、当のちびのノルドはまったく意に介さない。
まるで自殺行為としか言いようがない脆弱な装備を見て、リェンナとエリドアは互いに顔を見合わせた。
「…アイツ、大丈夫なのかねぇ?」
「僕に聞かないでくれよ」
そこから先の展開は、まさに乱戦だった。
ゴブリン戦争に巻き込まれ、犠牲になった作業員の遺体が放置されたまま破棄された鉱山で、剣が、鎚が、矢が、そして拳が飛び交う!
「ヤァーーーッ!!」
叫び声とともに繰り出された拳が、ゴブリンの肉体を、骨格ごと破壊する。
ゴブリンとて雑魚ではない。常に争いを求める彼らの獰猛さ、闘争本能は恐るべきもので、連達を剣士でさえ油断をすれば命を危険に晒すこともある。
そういう相手の大群に身一つで立ち向かうちびのノルドの姿を見て、ギルドの戦士たちは言葉を失った。
彼女の一撃は剣のように鋭く、戦鎚のようにすべてを叩き潰し、矢のように装甲を貫く。
その技を繰り出す肉体はまさに全身凶器と呼ぶに相応しく、有象無象をちぎっては投げる無双ぶりは戦神タロスもかくやといった有り様である。
「クソッ、このままじゃ埒が明かんな!」
いくら倒しても沸くように出てくるゴブリンの軍団に辟易しながら、ハンマーの一薙ぎで周囲を一掃すると、ブラグはちびのノルドに向かって叫んだ。
「ここは俺たちが喰い止める、おまえは先に進んでトーテムを奪うんだ!」
「わ、わかりました!」
いきなり重要な仕事を任されたちびのノルドは多少狼狽しながらも、襲いかかってきたゴブリンの戦士の両腕を付け根から破壊し、鉱山の最奥へと続く道を急いだ。
『ムェーイ、グルルルルル…』
ようやく奥地まで辿り着くかと思われた矢先、意味不明な奇声とともに、装飾が施された司祭服に身を包んだゴブリンがちびのノルドの目前に立ち塞がった。
「ご、ゴブリン・シャーマン!?」
『ウルルルゥゥゥゥァァァアアア…!』
ドワーフ製の高級斧(いったいどこから略奪してきたのやら)を天に掲げたゴブリン・シャーマンの傍らに、首のない腐敗死体が出現する。もちろんただの死体ではない、強力な魔力によって支配された生きる屍、ゾンビだ。
恐れも、容赦も知らぬ地獄の尖兵がちびのノルドに襲いかかる!
見た目よりも遥かに力強く、素早く振るわれる爪はたいていのものを切り裂き、その爪によって傷をつけられた者に猛毒を感染させる。
しかし、そのことを知っていてもなおちびのノルドは冷静さを失わず、相手の動きを見極めようとする。
やがて大振りの一撃をすかして無防備になったゾンビの両膝を素早く踵で踏み抜き、ちびのノルドは相手の脚を破壊する!
身体を支えられなくなり、膝をついたゾンビの背後に素早く回ると、ちびのノルドは続けざまに強烈な肘を叩き込んだ!あえなくゾンビの背骨は砕かれ、腐った内臓が肋骨とともに胸の、腹の皮膚をつきやぶって飛び出し、地面に撒き散らかされる!
いかにゾンビといえど、ここまで酷く損壊してはもう戦うことはできない。
『グググ……ッ!』
悔しさと怒りで斧を握る手に白い筋を浮き立たせながら、ゴブリン・シャーマンは間髪いれずにちびのノルドに襲いかかる。
ゾンビを倒した直後、寸分の猶予も許さぬまさに直後ならば、斧の一撃で首を叩き切ることもできるはず。息を整える暇も、ターゲットを切り替える余裕も与えずに殺せる、そのゴブリン・シャーマンの思惑は、残念ながら外れた。
ビシュンッ!
弾丸が空気を切り裂いたような擦過音とともに強烈なハイキックが繰り出され、ゴブリン・シャーマンの握っていた斧がはじき飛ばされる!
『ビエッ!?』
予想外の一撃に狼狽するゴブリン・シャーマンの心臓目がけて、ちびのノルドはすかさず拳を突き出した!
フィニッシュ・ヒム!
心臓を完全破壊し、ゴブリン・シャーマンの息の根を完全に止めるちびのノルド。
しばらく痙攣したのちにゆっくりと倒れたゴブリン・シャーマンを一瞥し、ちびのノルドはふたたび先を急ぐことにした。
祭壇へと辿り着いたちびのノルドは、地面に突き立てられた趣味の悪い杖を手に取る。過去に命を落としたシャーマンの頭部を加工して造られた、多大な魔力を秘めた杖<ゴブリン・トーテム>。
「こんなものがあるから、争いがなくならないんだ…!」
ちびのノルドは嫌悪の感情を隠そうともせずにつぶやくと、杖の両端を握り、力を込めた。
バラバラに砕けるゴブリン・トーテムを見つめながら、ちびのノルドは「これでいいんだ」と思い……
「なにぃ、ぶっ壊しただと!?このバカッタレが!」
ズゴンッ!!
「~~~っぁ~~~~~…!」
すべてが終わり、シェイディンハルの戦士ギルドへと引き返したちびのノルドを待っていたのは、シェイディンハル支部長バーズ・グロ=カシュの罵声と、容赦のない拳骨だった。
「あれは魔術師ギルドが、喉から手が出るほど欲しがる貴重なマジック・アイテムなんだぞ、この馬鹿が!そもそも『奪うだけでいい』とブリーフィングで言った意味を少しでも考えなかったのか、テメェはよ!?」
「…ぅ、ぁう…ごめんなさぃ……」
どうやら、良かれと思ってやったことが裏目に出たようで、叱責を受けるちびのノルドは泣きながら謝るばかりである。
しかしバーズ・グロ=カシュの怒りは収まらないようで、なおも罵声を上げ続ける。
「まったく、元傭兵だからっつって雇ってみれば、とんだ役立たずだ!ノルドってのはみんな、お前みたいな筋肉だけが取り得の脳足りんなのか?それとも身体の小さいお前だけが特別に脳の容量が少ないのか?今回だけは特別に許してやるが、次に同じような間違いを仕出かしやがったら、木人に縛りつけて剣術の稽古台にしてやるからな、この短小め!」
そこまで一気にまくし立てると、バーズはぷいと背を向けてしまった。
しかしちびのノルドはどうしていいかわからず、しばらく床にぺたんと座ったままおろおろしていると、すぐに振り返ったバーズがちびのノルドを蹴り飛ばして事務所から叩き出してしまった。
「まだいたのか、このゴキブリ野郎!さっさと出て行け!」
廊下に突っ伏すちびのノルドを見下ろしながら、近くにいた戦士ギルドの兵士は「やれやれ」と肩をすくめた。
「アレも、けっこう気難しい性格だからなあ。ま、ご愁傷様」
誰も手を貸してくれないので、仕方なく自力で立ち上がったちびのノルドは、故郷スカイリムでの傭兵生活を思い出していた。そこでもちびのノルドは厄介者扱いされ、どれだけ戦果を上げても褒められず、些細なミス一つで激しく罵声を浴びせられたものだ。
元傭兵なら戦士ギルドが適職だ、というアドバイスを受け、はるばるシェイディンハル支部まで足を運んだちびのノルドだったが、いまではそのことを後悔しはじめていた。
[ to be continued... ]