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主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。 生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。 http://reverend.sessya.net/
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2012/01/06 (Fri)19:51
 あけおめことよろ。どうも、グレさんです。クリスマスからいきなり更新が飛んで申し訳ございませぬ。
 いや本当は年末年始と更新したかったんですけども、どうにも多忙の合間に更新のタイミングを縫うことができず。というわけで今回はちょっと長めに駄文を垂れ流しますわよ。

 今年はどうにか1月1日にみんなに年賀状を届けたいと思い、ゲームと睡眠を我慢して年賀状を描いたら、肝心のネット注文していたプリンタがめっちゃ届くの遅れて結局投函するのが遅れたよやったねたえちゃん!せっかく即日配送のオプションつきを注文したというのに。まあショップは即日配送したらしいでござるがねSA●AWAしね!

 そんなんこんなんで、今年描いた年賀状のイラストはHPのトップ画像に収まってます。

http://reverend.sessya.net/

 気合入れて描いたおかげか、方々から「凄いけど年賀状じゃないよねこれ」「正月からめでたくないすぎる…」などと絶賛の嵐です。ちなみに実際の年賀状にはきちんと「あけましておめでとうございます」の文字が入ってますよ。キリル文字で。
 ちなみにHPのほうに背景なし(&背景に馴染ませるための色彩調整なし)バージョンも置いてあります。

http://reverend.sessya.net/stk.html

 んで、せっかくなので、モノクロバージョンをここに置いておこうかと。



 カラーだといささか目立ちにくいですが、こうモノクロで見ると見事なまでにアメコミっぽい影が入ってますね。頑張ったよほめて。いささか処理の雑さが目立ちますがまあそこはそれ。
 ただまあ女の子の顔にまで影を入れると本当にアメコミになってしまうので、そこは自重。河本。どっちがどっちだったっけあれは。まあいいや。カワイイは正義。ちなみにクリスマス絵の少女と同一人物です。

 登場する銃火器についてちょっとだけ解説。ガンマニアとしてここは外せない譲れない。
 まずガスマスク男の持っているライフルはGP25グレネード・ランチャー装備のAK74です。木製部分に見えるのは実は耐熱プラスチック製なので、色はマガジンと同一です。本当はもっと安っぽい色でも良かったんでしょうけど。個人的にはOD色のストックが好きなんですが、ガスマスク男のコートの色と被るので今回は茶色で。
 ベストに装着しているピストルはブローニング・ハイパワー。ランヤード・リングは外してます、これは個人的な趣味。邪魔じゃんあれ。状態はコック&ロックで。個人的にはM1911に勝るとも劣らぬジョン・ブローニングの傑作だと思ってます。ただしフルサイズで12発というキャパは、現在の基準だとやや苦しいか。それにしても、SASはまだこれ使ってんのかなあ。いま特殊部隊のトレンドはロンマグ装備のSIG226と聞いたけど、どうなんだろう。ファイブ・セブンが正式採用されたとは思わんし(試験採用はしていたはず)。
 女の子の銃はケダール(KEDR)、ロシア製の特殊部隊用サブマシンガンです。ただ使用弾は9mmマカロフということで、いまひとつパワー不足な感が否めない。調べたところによると、9mmマカロフ弾は抗弾ベストに対してまったく無力らしく、もっとも軽量なベストでも弾がストップしてしまうとか。連続して叩き込めば運動エネルギーで気絶くらいさせられるのかね。まあ威力不足だからPMM弾などの強装弾(PMMはただのAP弾だっけ?)が作られたりするわけですけども。
 ちなみにノーマルのPM弾用に設計された銃にはPMM弾は使用不可らしく(逆が可能かどうかは不明)、ケダールもPMM弾仕様のクリン(KRIN)というものが存在します。スケールアップ以外の変更点があるかどうかはわからないですが。
 んで、太腿のホルスターに収められているピストルはベレッタM8040ミニクーガー、40口径弾が8発装填可能な小型拳銃です。ミニクーガーはグリップが極端に短く切り詰められているのが特徴で、マグ・バンパーがグリップ延長の役割を果たしています。グロックでいうところのサブコンパクト的な扱いになるんでしょうか。ベレッタのバリエーションにしてはマイナーな部類だと思います。

 さてさて、そして!
 なんとセブンさんが俺のキャラクターであるクレイドを描いてくれましたよ!描いてくださいましたよ!(紹介が遅れてしまってスイマセン…)

http://reverend.sessya.net/kr.html


 カッコイイ。カッコ良過ぎる。まるで別人だ(引っ張るなあこのネタ)。いや別にこれは駄目出しとかいうんではなくて、むしろ気に入ってる部分でもあるんですが。
 服飾デザインや背景が思いっきりセブンさんしている中、勇者銃だけきっちり元のデザインを踏襲しているのが泣かせます。これがガンマニアの性というものか。
 そのうちペン入れして下さるそうなので、そのときはまたHPで公開しているほうの画像を差し替えたいと思います。今回もいちおう明るさの調整はしてますが。というかHPの、勝手に「頂きモノ」に分類しちゃったけど良かったんだろーか。
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2011/12/24 (Sat)19:17
 はいはいどうも、年末なぜか異常にシフトを入れられたグレさんです。死ねばいいのに…
 今月だけだから、という台詞を信じて我慢するかなあ。まあ年末年始は何かと物入りなので、ちょいと気張って稼ぐとしますか…本当は年中行事はネットで楽しく過ごしたいんだけどなあ。

「えっ、クリスマスと正月でもネット!?」とか思ったアナタ。甘い。甘すぎる。
 ネットの掲示板はこう、季節行事のときが一番盛り上がって面白いんだよ!なんせネットは不特定多数とのふれあい場、そのときしか楽しめない感動があるんだ!いつでも会えるリアルの友人知人とケーキなんか食ってる場合じゃないぜ!ぶっちゃけ、そんなのはやろうと思えばいつでもできるんだからな!
 たとえばそう、もう何年前になるか、ザビビで年末カウントダウンしながらオリキャラ忘年会漫画を描いた端からリアルタイムでアップロードし、年明けまでに完成させるという壮絶なチキンレースはあのとき、あの年のあの瞬間でしか楽しめなかった!逐次コメントがつくのも励みになったし、あの感動はそうそう味わえるもんじゃないぜグフフ。

 ただまあ今年はあと2日しか休みがないってのと、クリスマスや年末年始は家族サービスに従事しなきゃならなそうってのがイタイ。大掃除とか別にいいじゃん、なんで年末の大掃除のことになるとやたら気が強くなるんだよウチのカーチャン…
 しかも年賀状もまだ描けてないし、ていうかここでこうして書いてる時点でもう25日投函なんて夢また夢なんでゴザルがね!

 このままだとグレさん的に灰色の正月になりそうだったので、急遽クリスマスっぽいイラストをラフで仕上げて着色しました。見て。



 いやー実は最近、PCゲーム「S.T.A.L.K.E.R.」を元ネタにした小説(ぶっちゃけ就寝前の妄想を具現化したもの)を書いてるんですが、このイラストのキャラはその書き途中の小説の登場人物(主人公のパートナー)です。小説自体は第一話を1月中にアップロードできるんじゃないかと。
 ていうかクリスマスのイラストなら素直にサンタ服着せれば良かったのになにやってんだおれ…なぜかMerc装備のロシア少女。ちなみに背景は合成です。画面写真をパパッと加工してヌルッと合成。絵描きにあるまじき行為。

 つーわけでなにがしたかったのかというと、クリスマスを一人さびしく過ごすやつがいたら俺の嫁を1日貸してやるぜ!!っていうところで。もれなく放射能のオマケつき。
2011/12/21 (Wed)12:46


 僕と契約してモビルスーツになってよ。



 “魔法少女”を“ナメ”るんじゃねーゾ…“拓”ゥ…

 そんなわけで、figmaまどかさんのいじられ具合が半端ないわけで。
 もともと付属の顔パーツ「怯えた表情」が何故か「メンチ切ってる顔」と誤認され、さらにガンダムAGEのプラモデルのパーツ(の一部)が無加工で取り付け可能ということが判明して以来、なぜかこのような惨状に。

 このへんは、もともとふたばの模型裏でfigmaほむらの発売日に頭のおかしい(←褒め言葉)名無しが公開した写真が発端だったと思うのだが、なぜか妙にメジャーになってしまった。
 基本的にふたばネタは外部への持ち出しが快く思われない風潮があり、実際、グレさんもあんまり素直に喜べない状況ではある。
 ただまあ、ネタはネタとして数多くの人間に楽しんでもらうべきなのであろうなぁと、そういうふうに思うのが一番健全なのではないかと。たぶん。

 ちなみに上の写真のまどかはグレさんの私物です。ビッグカメラで買いました。タイタスのプラモと一緒に。



 おまけの黒岩さんwithパニッシャー。まどかタイタス(通称まどタス)の前ではあまりにも普通過ぎる。
2011/12/18 (Sun)12:09


「これが行方不明者の末路、ですか」
 古代アイレイドの遺跡の一つヴィルバーリンの奥地へと足を踏み入れたちびのノルド。彼女が目にしたのは、祭壇の上で命を絶たれた野盗構成員の姿だった。
 頭領の手記に「逃げ出した」と断じられた構成員に間違いはないだろう。
 これが霊的な力によって成されたものなのか、それとも人為的な所業なのか?現時点ではあまりに判断材料に乏しい。

 カキッ。
「…… …… ……?」
 そのとき、ちびのノルドの耳に乾いた音が飛び込んできた。振り向くと、そこにはぼろぼろに擦り切れた盾とひび割れた斧で武装した骸骨の姿があった。
 それを目にしたときのちびのノルドの反応は、恐怖ではなく安堵だった。
「ああ、貴方で良かったです。わたし、ユーレイは苦手なので」
 遺跡にアンデッド・モンスターが徘徊している、という話は小耳に挟んだことがある。その中でも魔術的な力を行使し、物理攻撃では一切の手傷を負わせることができないゴーストは冒険者にとって脅威の存在だ。
 一方スケルトンは恐怖も動揺もせず無感情に襲い掛かってくるという点では恐怖の対象だが、その攻撃はあくまで物質的なものだ。そしてスケルトンは、物質的な攻撃での破壊が可能である。



「シャアアアァァァァァッ!」
 声帯もなしにどうやって発声しているのかわからない、奇妙な声を立てながら斧を振りかぶるスケルトン。その動きに合わせるように、ちびのノルドは飛び蹴りを叩き込んだ。
 スケルトンの身体が四散し、ボールのように吹っ飛んだ頭蓋骨が壁に激突して砕ける。
「…ん。あまり上位のガイコツさんじゃありませんね。ちょっと拍子抜けです」
 着地と同時に、余裕の態度を見せるちびのノルド。
 しかし落下した斧が立てた「ガラン」という甲高い音に呼応するかのように、周囲から続々と新手のスケルトンが集結しつつあった。



「犯罪者よりも後腐れのない相手に手加減なんかしませんよ?」
 ちびのノルドは屈んだ姿勢から、素早い跳躍と同時にスケルトンの軍団を蹂躙していく。
 集団相手の組み手に慣れたちびのノルドにとって、単調な攻撃しか仕掛けてこないスケルトンなど何体いようが同じことだった。まして閉鎖空間での戦闘となれば、ちびのノルドの独壇場である。

 鍵のかかった扉の錠前を破壊し、前進する。



 壁に奇妙な裂け目のできた通路を抜けると、そこには奇妙な彫像を祀っている祭壇があった。
「…なんでしょうか?これ……」
 ちびのノルドが彫像に手を伸ばした、そのとき。



 キイィッン!
 身を引くつい一瞬前までちびのノルドの腕があった空間を、白刃が斬り裂く。
「!?なっ…?」
「その彫像は、お前さんには価値のない代物だ。大人しく渡してもらおうか」
 いままで一体どこにいたのか、欠片も相手の気配が読めなかったことにちびのノルドは焦りを感じる。爬虫類の冷たい瞳が、ちびのノルドを見据えた…アルゴニアン、シロディールの南方ブラックマーシュを故郷とする蜥蜴人間だ。
「いきなり斬りかかることはないじゃないですか」
「性分ってやつだ。生殺与奪に逡巡はしない主義でね」
「じゃあ、わたしが貴方を殺しても文句はない…ですよね?」
 仮面の奥のちびのノルドの瞳が、きゅっときつく絞られる。
 いきなり剣を振るわれ、あまつさえ殺す気だったことを平然と告白されて気分を害さないほどちびのノルドはお人好しではない。



「ふんっ!」
「シャッ!」
 互いの拳と剣が交錯し、火花を散らす。
 おまけに祭壇に続く通路にはアイレイドの仕掛け罠が作動しており、裂け目のように走った壁面の隙間から巨大な刃物が振り子のように揺れていた。迂闊に逃げようものなら、刃物に真っ二つにされかねない。
 ちびのノルドが相手にしているアルゴニアンは明らかに手練だった。
 この狭い空間で、刀身の長い刃物を平然と振り回している。まるで壁がないかのように、その動きが鈍ることはない。もちろん、剣を壁にぶつけるといったミスは犯さない。
 おまけにこの剣、古代アカヴィリで用いられていた「カタナ」なる代物は、恐ろしく切れ味が鋭かった。斬撃を受け流していたガントレットの装飾部分が、飴細工のように削り取られていく。

 互いに譲ることなく続いていた戦闘を中断させたのは、以外にもアルゴニアンの剣士からの一言だった。
「オーケイ、お前さんの実力はよくわかった。これ以上はどう転んでも殺し合いにしかならなそうだな、それは俺にとっても面白くねぇ。適当なところで手打ちにしないか?」
「いまさらな提案ですね」
「いまだからこそ、さ。俺にとっちゃ、この仕事はたんなる小遣い稼ぎだ。もちろん義理立てもあるが、命を賭けるほどじゃねえ。お前さんはどうだい?」
「…まぁ、死んでまでやるようなことじゃないですね」
「だろ?だったら馬鹿げてる、こんな死合いはな」



 アルゴニアンの剣士はカタナを納めると、いつの間にか手にしていた彫像を見せて言った。
「俺はとある学者先生に頼まれてこいつを探してる、なんでも価値のある古代アイレイドの遺物だそうだ。で、お前さんは?なんでこんなところにいる?」
「…この遺跡を根城にしている野盗集団を殲滅しに。ついでに、この遺跡にまつわる怪談話の解明を」
「そんな理由でこんな奥地まで来たのか?ただまあ、あんたの目的についちゃあ俺が協力できそうだな」
「と、言いますと」
「わかると思うが、俺はお前さんとは別のルートからここまで来た。野盗連中と揉め事を起こす気はなかったんでね…俺が来た道を辿るといい。途中に昔からこの遺跡に居ついてたらしい大馬鹿野郎の死体がある、そいつを調べるといいだろう。きっと、お前さんの探してた答えが見つかるはずだ」

 そこまで言うと、アルゴニアンの剣士は踵を返した。
「これでイーブン、てことにしないか?それが懸命な判断ってやつだぜ」
「どうでもいいですけど、ここまで来て別行動を取ることもないんじゃないですか」
「馬鹿言え、仮にも一度剣を交えた身だぞ。そうそうすぐに仲良く帰るまでが遠足、てぇワケにはいかんだろ。お前さんは俺の来た道を、俺はお前さんの来た道を辿る、そうすりゃ別々にこの遺跡から出られる、後腐れなく。まぁ名前くらいは聞いてやらんでもないが」
「…アリシアです。アリシア・ストーンウェル」
 ちびの、と言いかけ、ここで不名誉な渾名を教えることもないだろうとちびのノルドは本名を名乗る。傭兵であるからにはそれはそれでまずかったが、こと名前に関連する事項となるとちびのノルドは途端に頭が回らなくなるのだった。
 そんなちびのノルドの葛藤など知るはずもないアルゴニアンの剣士は、彼女の名乗りをごく素直に受け取ると、自らも名を明かした。
「俺はドレイクだ。縁がありゃあまた会えるだろ、もちろん敵同士でないことを望みたいもんだが」
「同感です」

 まったく感慨を見せずアイレイドの仕掛け罠を避けていくドレイクの背中を見送ってから、ちびのノルドも先へ進むことにした。



 ドレイクが来た道を辿ると、そこには漆黒のローブを着た男の死体があった。祭壇の上で、両断された肉体が照明に晒されている。
 まだ肉体が温かいところを見ると、この死体はドレイクがこさえたものに間違いなさそうだった。どういった経緯で交戦に至ったのかは定かではないが…それにしても鮮やかな手並みだ。杖を抜く間もなく両断されている。傷の入り具合からいって、不意打ちをかけたわけでもなさそうである。
 男のローブに刺繍された骸骨の紋様は、着用者が死霊術師であることを意味するものだ。
 現在タムリエルにおいて死霊術は外法として扱われ、死霊術師は魔術師ギルドから追放処分を受けている。もちろんギルド以外のあらゆる組織からも追求を受けており、その信奉者や研究は地下に潜っているというのが内情だった。
 どうやらこの男、ジャルバートというらしい、名前などどうでもいいが…彼はレッドガードの故郷であるハンマーフェルから死霊術師という生業ゆえの訴追を免れるためこの地まで逃亡してきたらしい。
 ジャルバートの手記には、故郷の友人に向けたらしいメッセージが読み取れる。
「…死人の自分語りなど、見たくもない」
 ちびのノルドは嫌悪感を顕わにしながらも、ジャルバートの手記を手にする。これがあれば遺跡のオカルト騒ぎの原因が何か、野盗を生け贄にスケルトンを使役していたのが誰かが白日のもとに晒されるはずだ。
 遠来の旅人の亡骸を一瞥すると、ちびのノルドは出口に向かって歩きはじめた。
2011/12/16 (Fri)15:28
「フンッ!」
 ゴシャアッ!



「初手はこんなもんですか」
 白昼にも関わらず無意味に焚かれている火の傍らに突っ伏した弓兵を見下ろしながら、ちびのノルドは「フゥッ」と息をついた。

 今回ちびのノルドが受けた依頼は帝国直々のもので、帝国刑務所下水口から川を挟んで向かいにある古代アイレイドの遺跡を拠点にしている野盗集団の壊滅だった。
 本来なら、そこまで情報が得られているならば傭兵に依頼せずとも帝都兵を動員して壊滅を図るところなのだろうが、帝都兵は現在盗賊ギルドの一斉検挙に全力を傾けており、他の任務に人員を割ける状況ではないらしい。
 帝都の外には辛うじてパトロール隊を少数派遣する程度が限界らしく、それもあまり練度の高い連中ではないという。

「治安維持のための犯罪者掃討、こういう仕事ってわかりやすくていいですよね」
 シロディールに数多く存在しているアイレイド遺跡の一つヴィルバーリンに足を踏み入れながら、ちびのノルドはそんな一言を漏らした。
 傭兵となれば戦争絡みの仕事も少なくはない。そして戦場では人間的な善悪など意味を成さず、そこには「殺すか、殺されるか」の二択しかない。兵士の素性や信条や目的など、なにも関係ないのだ。

 高台から、野盗の集会所を見下ろす。
 自前で用意したのか、元から遺跡にあったのかはわからないが、雑多な調度品を寄せ集めて作られたスペースはさながら簡易食堂といったところか。
 それぞれ武器を磨いたり、食事をしていたりする野盗たちはリラックスしきっており、そこに警戒の二文字はない。



「ふんッ!」
 ちびのノルドは足元を通りかかった弓兵の頭上に飛び込み、後頭部に肘を叩き込む。
 頭蓋骨がひしゃげる音を聞きながら、ちびのノルドは周囲を見回した。どうやら誰にも気づかれていないようだ。
 弓兵の担いでいた矢筒から数本の矢を抜き、テーブルについて食事をしている男に近づく。ちびのノルドは男の頭を掴んでテーブルに叩きつけると、手にした矢をまとめて耳に突き立てた。



 けたたましい悲鳴とともに、それまで無警戒だった野盗たちが一斉に振り向く。
 いまでこそ敵の正体が認識できずに狼狽しているが、やがて体制を持ち直すはず…それまでが勝負だった。そして、ちびのノルドにとってはその一瞬の時間さえあれば充分だった。
 5、6人いた野盗たちは、わずか20秒と経たずに全滅していた。



「さて…」
 容赦なく振るったせいか若干痺れのきた拳を揉みほぐしながら、ちびのノルドは周囲を見回した。
 野盗の頭領らしき男の死体も確認し、帝都からの依頼は完遂した。これからはボーナスタイムだ。適当に野盗の財産を物色しながら、ちびのノルドは一通の手記に目を留めた。

 どうやら手記は野盗の頭領が書いたものらしく、それによると野盗集団がこの場所を拠点として使いはじめた頃から、構成員の数名が行方不明になっているとのことだった。
 手記は「この稼業に嫌気が差して抜け出したのだろう」と断じている一方、「ときどき妙な呻き声が聞こえる」「アイレイドの亡霊を見た者がいる」といったオカルト話も併記されており、また、この遺跡にまつわる怪談はちびのノルドも帝都で幾度か耳にしている。

「どうも気になりますね…」
 あの遺跡には妙な噂もある、気をつけろよ…任務受領時にそんな声をかけられたことを思い出しながら、ちびのノルドは一考した。
「うまくこの一件を解明できれば、ボーナスが出るかもしれないですね。個人的な興味もありますし」
 野盗の財産漁りを中断すると、ちびのノルドは遺跡の構造を調べはじめた。



 やがて発見した、奇妙な紋様。
「これ、扉…でしょうか?」
 現在のどの文明でも見られない様式の扉を前に、ちびのノルドは驚きを隠せない。
「とりあえず、この奥に何らかの手がかりがある可能性はありますね」
 そう言って、ちびのノルドは扉の向こう側へと足を踏み入れた。
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