いきなり関係ない話で申し訳ないけども、私は映画館で物を喰う客が嫌いだ。ストローでジュースをすする音、ポップコーンをむしゃむしゃかじる音、最後に残ったポップコーンをざらざらと流し込む音、ポップコーンの香ばしい匂い。それらのすべてを私は嫌悪する。なぜって、それらはすべて映画への没入感を阻害する悪しき要素だからだ。
映画館で見る限り多少は仕方が無い、という向きもあるだろうが、普段私が観ているような洋画ではあからさまに音を立てても周囲を気にしないような客は見たことがなかった。
たとえば、クレジット画面だ。私にとって、スタッフクレジットが流れている間も映画は終わっていない。がしかし、今回この映画を観たときにはスタッフクレジットが始まった途端に携帯を開いて明るいライトを目立たせたり、やかましいおしゃべりをはじめたりといった客が実に多かった。これも、初めての体験だった。
基本的に、洋画を観るようなのは物好き、というか映画好き、映画マニアが殆どだ。だから、映画の没入間を阻害するようなことはしない。私も、しない。飲み食いはせず、呼吸音も極力立てないようにする。最高の映画を、最高の環境で観たいから。私なりの、作り手に対する配慮というか敬意の示し方である。
と、ここまで書いて気づいたことがある。
それは、私がいままで観てきた映画っていうのは映画マニアしか観に行かないようなマイナーな作品ばっかりじゃなかったろうかということだ。そういえば客の絶対数も少なかったような…
さて、そんな条件反射的に邦画を毛嫌いする私が、唯一劇場にまで足を運んで観に行く邦画…それがタケシ作品である。
ぶっちゃけた話、冒頭でこんなつまらない(たぶん、大多数の人にとって不快な)文章を書いたのは、映画そのものに関して書くことが多くない、というか少ないからだ。
この映画を一言で片付けるなら、「フツーのヤクザ映画」だ。
この映画に新鮮な驚きや、新しい発見、得られるかもしれない人生の教訓などといったものは一切存在しない。この映画を観るに的確だと思う人間は以下の2種類。
・タケシ映画が好きなヒト
・ヤクザ映画が好きなヒト
これらに当てはまらなければ、特に観に行く必要はないと思う。あぁあと、関東ヤクザが好きなヒト。
とにかく登場人物がバカスカ死ぬ映画ではあるが、アクションシーンと呼べるようなものは本当に少ない。
んでまあ、この映画を観て気づいたのだが、タケシ映画というのは「銃撃戦」と呼べるシーンが実に少ない、というか、ほとんど存在しない。ブラザーでもそうだったが、銃を使うシーンというのはどちらかが一方的に相手を殺す場合であって、互いに銃を撃ちまくってドンパチ…というようなケースは極一部を除いて存在しない。
これはタケシの「従来のアクション映画の銃撃戦はウソくさい」という理念に基づくものなんだろうと思う。そしてそれは、おそらく正しい。まして舞台が日本ではなおさらだ。
あとタケシはベテラン俳優の使い方が上手いなあ、と思った。他の邦画じゃ宣伝目的にしか使えないような、「とりあえず豪華キャスト集めてみたよ」なんてテキトーな作りじゃなくて、きっちり持ち味を活かせている(あるいは、隠れた才能を引き出せている)と感じる。
…これくらいかなあ。なんか取り留めないけど。
それからタケシの演技が下手だと言う人がいるけども、私はタケシの演技、好きだけどなあ…いいじゃん、あーいう個性の人なんだからさ。個人的にはタケシ無双が観れなかったのが残念なくらいで。
そうそう、強いて難点を挙げるとすれば、チンピラがのし上がるために同期の有望株を消そうとするのはわかるけど、組織のボスがああも部下をボコスカ謀殺した理由がわからなかった。不穏分子を消したかったという狙いもわからんじゃないけど、けっこう有能そうな部下も構わず消しにかかってたような…そこいらへん、意外性の追及も大事だけど脚本を練り込んで欲しかったなあとは思う。もうトシだし、ボケてたんだろうか。
前作を知っていると思わず「ニヤリ(人によっては爆笑)」としてしまうシーンが全編に散りばめられていて、前作を知らなくてもそこそこ楽しめるのだけれど、前作を観ていたほうが楽しめるという造りになっている。
それと気になる新キャラクターだが、意外にも違和感なく作品の世界観に溶け込んでいてグッドだった。ポストロッコのコリンズJrは他のキャストに負けず強烈な個性を放っていたし、デフォーの後釜ベンツもなかなかの変人ぶりを発揮。「この映画に出す以上、フツーの人間なわけないじゃん」という、監督の嘲笑が聞こえるようだ。
主役の兄弟2人も10年のブランクを感じさせず全開で飛ばしていきます。なにより、兄貴の計画性のなさが前作より酷くなっている(笑)「完璧だ!」じゃねえよ!と、たぶん観ていた誰もが心の中でツッコミを入れたんじゃないかと思う。「どーせまた映画の真似なんだろ!?」とか言われてるし。ビリーおじいちゃんも70近いというのに前作と劣らず二挺拳銃をぶっ放してくれます。
今作はお祭り的な要素が強く、前作に輪をかけて「細かいことは考えちゃいけない」度が高くなっている。私は基本的にそういうのは気にしないが、唯一酒場での銃撃シーンの後の隠蔽工作は「ちょっとこれは…」と思った。
あんなものはすぐに使用した銃器から犯人が特定できるし(ベンツが指揮権を剥奪されたのはこの適当な仕事ぶりが露見したから?)、なにより死者を弔うために銀貨を置いていた兄弟のポリシーに反する。これが一番痛い。あくまで信念をもって悪党狩りをしていたという点に隙ができてしまうのは良い印象を残さない。
あとはマフィアの本拠地に殴りこみに行くシーンで「ベンツは本当にあの格好で銃撃戦に参加したのか?っていうかそもそもどうやって誰にも気づかれずあの場に立っていられたのか?」とか、肝心の銃撃シーンが毎回「兄弟が二挺拳銃撃ちまくり⇒敵が全滅でイナフ」と単調だったりとか色々あるが、そこはまあ不問に処すということで。あと、監督の心情を脈絡なく登場キャラクターに喋らせるのは芸がない。あそこだけ出来の悪い邦画みたいだった。
それにしてもこの映画、前作のファン以外に観に行く人っているんだろうか。私が劇場で観たときはそれほど人数は入ってなかったんですが、あれ多分全員熱心な前作ファンだったと思う。だってクレジット画面になっても一人も席を立たなかった光景なんて初めて見ましたもん。年齢層はバラバラだったけど。
なんにせよ、思わず「おかえり!」と言いたくなるような数少ない(唯一の?)続編映画でした。
最後に、この映画を観てわかることを箇条書きにしておきます。
・兄弟は間違いなくドゥーチェの実の息子(髪とヒゲ的な意味で)
・ノアはヒストリー・オブ・バイオレンス
・装飾つき拳銃を使うやつはホモ
・刑務所に収監されている犯罪者は欲求不満のホモ
・健康マニアはホモ
まるで成長していない…(安西先生風に)
エート、基本的にはTVシリーズとやっていることはそう大差ないです。キャラ設定がTV版準拠っていうのもそうなんですが、まわりに出てくるキャラが全員「ただの人間」なんで、ヴァッシュやウルフウッドも相対的に戦闘力が「人間並」になっています。
つまり、ヴァッシュ達に降りかかるピンチも「まあ人間ならピンチになるかもね」という程度のもので、原作知らない人にとっても「どうせ復活するんでしょ」としか思えないし、原作ファンからすれば「人間ごときにヴァッシュやウルフウッドが殺せるわけないじゃんYO」となってしまうので、緊張感がまったくないんですよね。なので、あの定番な「こいつのおかげで助かったゼ!」というギミックも、原作知ってる人間から見れば「いや、アンタはそれすらいらないでしょ」みたいな今更感ばかりが漂ってしまうわけで。
そしてシナリオ上なにより問題なのが、ヴァッシュの「不殺」が場当たり的過ぎることだ。すくなくとも原作では「何も考えず、ただ死ななければそれでいい」みたいなテキトーはぶっこいてなかったと思うが。おかげで「不殺」に対する是非もただの結果論となってしまい、原作の領域にまでまったく踏み込めていない。
総評として。
アニメーションそのものの出来はいいが、いかんせんシナリオがどっちつかず(ヴァッシュの「不殺」に関する信念が本作では「幼稚な正義」と大差ないのは問題だ。そこに命を賭ける、賭けないはたいした問題ではない)なので、原作を知らない人にも、原作ファンにもいまいち勧めづらい作品となってしまった感はある。
そういうのをすべて承知したうえで「いや、エンターテイメントだから」と寛大な気分で見れる人にのみ勧められる映画。あと、超画質でパニッシャーが動くところを見たい人向け。あと、ヴァッシュの超速リロード。
アワーズで「原作終了後だからこそ作れた」という記事を鵜呑みにして期待してしまったのだが、この程度なら無印トライガンの終了後でも充分作れたと思う。最初の「(TVシリーズから)まるで成長していない…」というのはそういった心情から出た、素直な感想です。
ということで、最後にこの映画を一言で体言するならば…「マキシマムな要素は一切なし」。
だって、ねえ…期待しちゃうでしょ?
一言で言うと、心臓に悪い映画だった。演出的にも映像的にも。以上終わり。
ってんじゃあ、あんまりなんで、せっかくだから感じたことをグダグダと書いてみる。
なんというか、地味…と書くと齟齬があるかもしれないけれど、コアというか、マニアックな作品だなとは思った。悪い映画ではないんだけれど、それほどスゴイ賞をバンバン取るほど希求力のある作品だとは思えなかったなあ。よっぽど他にロクな作品がなかったのか。
いきなりボロクソにけなしてるように見えますが、それは誤解です。個人的にはこの作品を高く評価しています。にも関わらず上のような台詞が出るのは、この作品が「コア」で「マニアック」だからです。
たぶん、「なんだかスゴイ賞をたくさん取ってるみたいだし、とりあえず観ておこうか」という客層には一番不向きな映画なんじゃないかなと思う。イラク戦争(というか、戦争という事象そのもの)に興味があるならまだしも、そうでない一般ピーポーにはまったくもって観る必要性も必然性もない映画です。
ていうか日本人ウケする要素がまったく見当たらないですこの映画。盲目的に「戦争は良くない!」とか言いつつ、なぜ戦争が良くないか、そもそもなぜ戦争が起きるのかをまったく考えようともしないスットボケた国民性を持つ日本人にとっては、この映画で語られるすべてがワケワカメなんじゃなかろうか。というより、ヴェトナム戦争時にホー・チ・ミンを英雄視した米国の一般ピーポーにすらウケるかどうか怪しい。
内容的にはドキュメンタリーっぽい色が強く、ただ単に「こういうことがあったんですよ」という事実を淡々と描いていたように思う。そこに脚色や個人のエゴが入る余地はない。
この映画は一般ウケしないと思った(そして、この映画が「コア」で「マニアック」だと思った)最大の理由は、この映画は正義や悪といった抽象的な概念を超越した作品であり、作り手のポロパガンダでも、反米でも、ましてや反戦映画ですらないからだ(すくなくとも私にはそう感じられた)。
とある爆弾処理兵の日常。この映画の内容は、それ以上でも、以下でもない。そういうのに興味がある人は是非。興味がないならスルーしてもまったくOKな作品です。
あーあと、一箇所だけ疑問点が。
砂漠のド真ん中で出会った賞金稼ぎの正体って、なんだったんでしょう?米軍じゃなさそうだし…SASか、それともPMC?SOPMOD・AKなんか使ってる時点で、そこいらのゲリラじゃなさそうだってのはわかったんですが、所属に関しては作中で名言されてませんでしたよね。デルタかグリーンベレーって可能性も…う~む。
結果、ノーミスで530万点…ちなみに、いままで叩き出した中での最高得点は550万点です。でもそのときは別にハイスコア狙いじゃなかったんで、どうやってそんな点数を取ったのかは自分でもブラックボックス状態…筐体の劣化を考慮に入れても20万点の差を覆すようなもんじゃないしなあ。
クリアタイム?命中率ボーナス?いかにヒット数を持続させるか?あるいは弾の命中箇所によって入るスコアの差か?それともまだ気づいていないボーナス得点スポットがあるのか?ニコニコでハイスコア動画を探そうにも「~してみた」系ばっかりでうんがー。