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主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。 生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。 http://reverend.sessya.net/
2024/11/24 (Sun)12:36
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2018/04/11 (Wed)05:37






脳筋騎士爆誕。誰が呼んだかミモヤト=モサシ



 どうも、グレアムです。現在Oblivionの新SSを絶賛執筆中なわけですが(そちらについての補足記事もそのうち書くつもりでいます)、このタイミングでなにを血迷ったのか一作目Arenaのほうに手を出してしまったので、今回はArenaのキャラメイクに関する基礎情報を、毎度のことながら自分用に書いていきたいと思います。
 たしか昔プレイしたときは、ラビリンシアン(Skyrimでも出てきたね!)でアイアンゴーレム相手に自慢のSilver Daikatana of Strengthがまったく通用せずボコられて殺されたという、非常に苦い思い出があります。
 まあ、そんなことはどうでもいいんだ。

 ゲーム開始時のキャラクリエイトに関してですが、最初の質問「How do you wish to select your class?」では、複数の質問に回答することで正確に見合ったビルドを提出してくれる「Generate」と、自分で各項目を設定できる「Select」のうちどちらかを選ぶことになります。
 ここま迷わずSelectを選びましょう。ゲーム的な有利不利以前に、ここでわざわざ英文の質問を読んで回答する奇矯な日本人プレイヤーなど居ないと思うので(勿論、「この程度の英文を読めずして何が洋ゲープレイヤーか!」というクソ根性の持ち主はこの限りではないです)。というかArenaとDaggerfallのフォントは滅茶苦茶読みにくいので、英語力をさておいても真面目に読むと頭痛が痛くなること間違いなし。







 Selectを選ぶと次にClassの選択になりますが、本作ではこのClassの選択がかなり重要で、ゲームプレイの基礎的方針を決定するものになる(特に注意すべきは装備制限)ので、慎重に選びましょう。
 ClassはおおまかにThief(盗賊)系、Warrior(戦士)系、Mage(魔術師)系に分類されます。



 【Acrobat】…軽業師
 Thief系Class。移動能力に特化しているが、重い武器を装備できず防具も革製のみ、盾装備不可と戦闘には不向き。初期Healthは25+1d12、全ての武器でクリティカルヒット率1%、解錠率50%。成長速度は普通。

 【Archer】…弓使い
 Warrior系Class。弓の扱いに特化しているが戦士系にしては少々打たれ弱い。全ての種類の武器を装備可能、防具は革製とチェイン製のみ、盾装備不可。初期Healthは25+1d16、遠隔武器でのクリティカルヒット率1%、解錠率25%、成長速度は少し遅い。

 【Assassin】…暗殺者
 Thief系Class。近接戦闘におけるクリティカルに特化しており、防具は革製のみで盾装備不可だが全種類の武器を装備可能。初期Healthは25+1d8、近接武器でのクリティカルヒット率3%、解錠率40%。成長速度は普通。

 【Barbarian】…蛮族
 Warrior系Class。全Class中最高の初期Healthを誇り、毒耐性を持つが、防具に制限があるのとクリティカルヒットが発生しない点に注意。全ての武器を装備可能、防具は革製とチェイン製のみ、盾は全種類装備可能。初期Healthは25+1d30、毒耐性、解錠率25%。成長速度は少し遅い。

 【Bard】…吟遊詩人
 Thief系Class。バランスが良く様々なシチュエーションに対応できる素質がある(器用貧乏?)。武器に一部制限がかかり、防具は革製とチェイン製のみ、盾はタワー系以外を装備可能。初期Healthは25+1d10、INTと同値のSpellポイント、全ての武器でクリティカルヒット率1%、解錠率50%。成長速度は普通。

 【Battlemage】…魔闘士
 Mage系Class。戦闘に特化した魔法使いで、攻撃系を含む一部呪文のコストが減少するが、そのかわり回復系Spellのコストが上昇する。全ての武器を装備可能、防具は革製のみ、盾はラウンドとバックラーが装備可能。初期Healthは25+1d10、INTx1.75のSpellポイント、解錠率25%。成長速度は遅い。

 【Burglar】…強盗
 Thief系Class。ロックピックに特化しており、武器は短剣や短弓のみで防具は革製のみ、盾は装備不可能。初期Healthは25+1d10、全ての武器でクリティカルヒット率1%、解錠率100%。成長速度は普通。

 【Healer】…治癒士
 Mage系Class。高いSpellポイントを持ち、回復系Spellのコストが減少するが、攻撃系Spellのコストが上昇するほか、武器選択に制限があるため戦闘で苦労する。ダガー以外の刃物や斧、弓系を装備不可、防具は革製とチェイン製のみ、盾はラウンドとバックラーを装備可。初期Healthは25+1d8、INTx2のSpellポイント、解錠率25%。成長速度は遅い。

 【Knight】…騎士
 Warrior系Class。装備制限の観点から最序盤だけ少し厳しいが、それ以外では極めて強力。ただしクリティカルヒットが発生しない。全ての武器を装備可能、革製以外の全ての防具を装備可能、全ての盾を装備可能。初期Healthは25+1d18、麻痺耐性、時間経過による装備の自動修復、解錠率25%。成長速度は少し遅い。

 【Mage】…魔術師
 Mage系Class。すべての呪文を同等に扱いMage系の中では成長が早いが、装備制限が非常に厳しい。ダガーと杖以外の武器が装備不可、全ての防具が装備不可、盾はバックラーのみ装備可能。初期Healthは25+1d6、INTx2のSpellポイント、解錠率25%。成長速度は普通。

 【Monk】…修行僧
 Warrior系Class。強力な呪文抵抗を持つが、防具を一切装備できないという致命的欠点がある。全ての武器を装備可能、全ての防具と盾が装備不可。初期Healthは25+1d14、近接武器でのクリティカルヒット率1.5%、呪文抵抗、解錠率25%。成長速度は少し遅い。

 【Nightblade】…ナイトブレード
 Mage系Class。盗賊系に近い資質を持っており、クリティカルヒットや解錠といった能力を持つが、装備制限があるため正面きっての戦闘には不向きか。重い武器は装備不可能、防具は革製のみ、盾はバックラーのみ。初期Healthは25+1d8、INTx1.5のSpellポイント、全ての武器でクリティカルヒット率1%、解錠率50%。成長速度は遅い。

 【Ranger】…斥候
 Warrior系Class。移動時間の短縮と、Lv.と同等のダメージボーナスが発生するという特異な能力を持つ。全ての武器と防具を装備可能、盾はタワー系以外を装備可能。初期Healthは25+1d18、解錠率25%。成長速度は少し遅い。

 【Rogue】…悪党
 Thief系Class。戦闘職に近い資質を持つ盗賊で、全ての武器を装備できる。防具は革製とチェイン製、盾はタワー系以外を装備可能。初期Healthは25+1d8、全ての武器でクリティカルヒット率1%、解錠率50%。成長速度は普通。

 【Sorceror】…妖術師
 Mage系Class。高いSpellポイントを持ち、Spellポイントが減少している場合に敵のSpellを吸収してSpellポイントを回復できるが、休息でSpellポイントが回復しないというトリッキーな能力を持つ。全ての武器を装備可能、防具は革製とチェイン製を装備可能、盾は装備不可。初期Healthは25+1d6、INTx3のSpellポイント、呪文吸収、解錠率25%。成長速度は遅い。

 【Spellsword】…魔法剣士
 Mage系Class。他のMage系に比べ多くの武具を装備でき、初期Healthも少し高いが、戦士系と同等に立ち回れるほどではない。全ての武器を装備可能、防具は革製とチェイン製を装備可能、盾はタワー系以外を装備可能。初期Healthは25+1d12、INTx1.5のSpellポイント、解錠率25%。成長速度は遅い。

 【Thief】…盗賊
 Thief系Class。他の盗賊系よりクリティカルヒット率と解錠率に若干優れる。重い武器は装備できず防具は革製のみだが盾はバックラーを装備可能。初期Healthは25+1d14、全ての武器でクリティカルヒット率2%、解錠率67%。成長速度が早い。

 【Warrior】…戦士
 Warrior系Class。成長速度が他のClassより早いほか、装備制限がないという利点を持つ。全ての武器・防具・盾を装備可能、初期Healthは25+1d20。解錠率25%。成長速度が少し早い。



*解錠率については原文でEffectiveness(有効性)と書かれており、厳密な成功確率ではない模様?要検証。
*各職業はLv.UPに必要な経験値量が異なり、Lv.が上昇する度に差が広がっていく。もっとも成長の早いThiefがLv.10到達に必要な経験値は122171、もっとも成長の遅いBattlemage以下五種類のClassがLv.10到達に必要な経験値は183251。
*クリティカルヒットは通常の3倍のダメージを与えることが可能。







 名前と性別を決定したあとは出身地(種族)を決定することになります。



 【ブレトン】
 ハイロック出身のヒューマン。Spellによるダメージを半減、ないし無効化する。

 【ノルド】
 スカイリム出身のヒューマン。Cold属性のダメージを半減、ないし無効化する。

 【レッドガード】
 ハンマーフェル出身のヒューマン。弓攻撃にLv./3ポイントのボーナスが乗る。

 【ハイエルフ】
 サマーセット島出身のエルフ。アルトマー。麻痺耐性を持つ。

 【ダークエルフ】
 モロウィンド出身のエルフ。ダンマー。武器攻撃にLv./4ポイントのボーナスが乗る。

 【ウッドエルフ】
 ヴァレンウッド出身のエルフ。ボズマー。近接攻撃にLv./3ポイントのボーナスが乗る。

 【カジート】
 エルスウェア出身の猫人間。ほぼ人間。登攀速度が速い。

 【アルゴニアン】
 ブラックマーシュ出身の蜥蜴人間。水中での移動速度が速い。



*おそらくレッドガードとウッドエルフの特質は本来想定されたものと逆にセットされている。所謂設定ミス。







 種族を決定したあとはパラメータにボーナスを振り分けます。というわけで、各能力値の詳細を見ていきましょう。



 【STR】…Strength
 近接攻撃のダメージ、最大Fatigue、ジャンプ距離、携行可能な総重量に影響。

 【INT】…Intelligence
 最大Spellポイント、買い物時の金額交渉、解錠成功率に影響。

 【WIL】…Willpower
 呪文抵抗率、買い物時の金額交渉に影響。

 【AGI】…Agility
 攻撃命中率、ダメージ抵抗、攻撃or呪文回避率、解錠率、窃盗率に影響。

 【SPD】…Speed
 移動速度、遠隔攻撃(弓)の攻撃速度に影響。

 【END】…Endurance
 最大Health、待機時のHealth回復速度、最大Fatigue、毒or病気抵抗に影響。

 【PER】…Personality
 買い物時の金額交渉に影響。

 【LUC】…Luck
 攻撃命中率、パリィ成功率、交渉成功率に影響。



 なんか後シリーズに比べて項目が微妙に多いような気もしますが。戦闘職にとってAgilityがかなり重要な数値になっているほか、PerがFalloutシリーズで見られるPersistenceではなく、Personalityである点に注意!(笑)それと、本作はLuckがそれほど重要なステータスではないようです。
 またEnduranceはLv.UPによる最大Health上昇の倍率にかかるため、早いうちに上げておいたほうが良いようです。







 というわけで、ここまでがキャラメイクにおけるだいたいの基礎情報になります。ぶっちゃけ、途中で面倒臭くなってかなり投げやり気味に書いてました。スイマセン。たぶん、不正確な部分や間違ってる箇所もあると思います。正確な情報が欲しい人が自分で英文サイトを検索してください。
 そうそう、本作はメモリリークを引き起こすらしく、長時間プレイでパフォーマンスが悪化するそうなので(特に弓使いプレイでは致命的らしい)、まめにセーブを取ってゲームを中断すると良いらしいです。


















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2018/04/08 (Sun)17:13





The Elder Scrolls IV: Oblivion
Fan Fiction "Crossing Over" #2

- エルダースクロールズ4:オブリビオン -

Side Story【クロッシングオーバー】

第二話 「監獄脱出」











「いった…」
 鋼鉄製の仮面の奥で苦痛に顔を歪めながら、娘は目を醒ました。






 彼女の名はアリシア・ストーンウェル。“ちびのノルド”の通り名を持つフリーランスの傭兵で、かつては大陸の北方スカイリムにて傭兵団”雪狼一座”に所属していた経歴を持つ。
 近年シロディールへと渡ってきた彼女は、異様な安値で物品を売り捌く店の背後関係を調査したり、商船を改装した宿を襲撃した賊を撃退するといった、傭兵というよりは何でも屋、厄介事請負業者として生計を立てていた。
 そして、今回の事件…帝都をぐるりと覆う外壁の影で禁制品を扱う闇商人、“サム”という名の胡散臭い男から“スクゥーマ”と呼ばれる麻薬を買おうとしたところ、サムを捕らえるため草場に身を伏せていた衛兵隊の待ち伏せを受け、そのときに動転したサムから短剣の一撃を腹に受けたのである。
『貴様、帝国の犬か!俺を嵌めたな!?』
 いまも、慌てふためくサムの声が耳に残っている。どうやら自分が衛兵たちを手引きしたと勘違いしたらしい…見当違いの災難に見舞われ、ちびのノルドはため息をついた。
 それにしても…ちびのノルドは独房をぐるりと見回し、自分が囚人服ではなく、愛用の装具を身につけたままでいることに若干の疑問を覚える。実際のところ、帝都衛兵隊にとってちびのノルドは未だ容疑者のままであり、実刑が決まったわけではないため、手続き上、囚人服を着せることはできなかったのだが、ちびのノルドにはそこまで理解が及ばなかった。
 サムに刺された腹の傷は癒えていたが、包帯の跡はなかった。おそらくは治癒師…魔術師の手によって治療されたのだろう。
 腕の装具から覗く古い包帯、その傷跡は以前のままだった。これは長年の古傷であり、治癒師も手をつけようとはしなかったのだとちびのノルドは考えた。
 そして独房を見回していたときに、つい先刻この場を通り過ぎた皇帝の一団が開放した隠し通路を発見し、なおいっそう首をかしげた。彼女はさきほどの皇帝たちのやりとりの一切を関知していなかった。
「目を醒ましたか。言っておくが、その抜け穴には近づくなよ。危険だからな」
 ちびのノルドの覚醒を察知した衛兵が、鉄格子越しに睨みをきかせてくる。
 とはいえ、隠し通路を指して「危険」と言ったのはハッタリであり、それはきょとんとした表情で見返すちびのノルドが何の事情も知らないであろうことを察しての言葉だったが、結果的にその一言が彼女の関心を隠し通路へ向けることになってしまった。
 古代遺跡へと続く抜け穴と、看守を…その間を阻む、鍵のかかった鉄格子の扉越しに…交互に見つめ、ちびのノルドはゆっくり起き上がると、そっと手を振って看守に背を向けた。






「…… …… …じゃっ!」
「あっ、コラ!おまえー!?」
 足早に隠し通路を抜けようとするちびのノルドの姿に、看守は慌てて扉の鍵を開けようとする。しかし、鍵穴に鍵を差し込んだあたりで看守の脳裏にふとした懸念がよぎった。
 いま自分がここを離れたら、誰が他の囚人を監視するというのか?
 ちびのノルドを追って秘密の地下通路へと飛び込むのは、あまり懸命な判断とはいえない…のみならず、皇帝の命を狙う暗殺集団と鉢合わせる可能性を考えると、この身に危険が及ぶことも充分に考えられた。
「…ええ、くそ」
 この微妙な状況のなかで、行動を急ぐのはまずい…そう判断した看守は、同僚にこの事態を伝えるべく地上階へと続く階段を駆け上がっていった。
 それに、ちびのノルドの存在についてはまだ、文書が作成されていない。なんとなれば、最初からそんな者はいなかった…と誤魔化すこともできるだろう、といった打算を踏まえての決断であった。







「ハァッ!!」
 ときの声をあげ、レノルトは失われしアカヴィリ由来の刀を振りぬいて暗殺者を真っ二つに両断する。真紅のローブが鮮血に染まり、石畳にごろりと音をたてて亡骸が転がり落ちた。






「グレンロイ、ボーラス、無事か!?」
「私と陛下は無事です、しかしグレンロイが…」
「…くそっ」
 通路の向こう側から発せられたボーラスの言葉に、レノルトは皇帝の前であることも忘れ、思わず罵り言葉を口にしてしまった。
 グレンロイは大太刀、ダイカタナの使い手だ。この狭く入り組んだ遺跡内部では、そのリーチの長さがかえって不利になる。そこを突かれて倒されたに違いない、そうでなければ、あの錬達の剣の使い手がカルトの暗殺者風情に遅れを取るはずがなかった。
 誤算はほかにもあった。
 皇帝とブレイズが、宮廷の極一部にしかその存在を知らされていない秘密の地下通路を使って脱出しようとした、その理由。暗殺者の目を遠ざけ、あまつさえ迷路のように入り組んだこの場所は逃走を容易なものにしてくれるはずだった。
 しかし、現実はどうだ?
 暗殺者たちはこの迷宮の複雑な構造を我が物とし、まるで待ち伏せをしていたかのように奇襲を仕掛けてきている。暗殺者たちが、この地下通路の存在を最初から知っていたことは明白だった。
 宮廷内部に内通者がいたのか、それとも、ブレイズでさえ感知できない方法で事前の調査を完了していたのか、それはわからない。それにいま、そのことに頭を悩ませたところで、事態が好転するわけではない。
 そこまで考えたとき、レノルトは暗殺者の集団が近づく気配を感じた。
「ボーラス、陛下を連れて先へゆけ。ここは私が喰い止める」
「しかし、隊長!?」
「おまえの役目は、第一に陛下の身の安全をお守りすることだ!自らの命にかえても!そして、もちろん…同胞の命にかえても。私に構わず行け、早くッ!」
 ほとんど狂気的と呼んでもいい形相で叫ぶレノルトをまえに、ボーラスは束の間躊躇したのち、皇帝とともにその場を離れた。
 間もなく通風孔などの、外界からの侵入路となり得る、あらゆる場所から真紅の暗殺者たちが姿を見せはじめた。それぞれが召喚術を使い、魔法の鎧を纏ってレノルトに狙いを定めている。






 そしてまた、この事態とは何の関係もない、もう一つの小さな姿も…







 レノルトを置き去りにしてから、どれだけの時間が経ったことだろう。
 エルフの古代遺跡から、ゴブリンの潜む自然窟を抜け、ふたたび入り組んだ遺跡へと足を踏み入れたとき、ボーラスは自分が用意された罠にまんまとかかったことを思い知らされた。
「なんということだ、扉に…鍵が!」
 それは脱出用通路という用途を考慮し、決して施錠されることはないはずの扉であった。しかしいま、鍵は逃亡者が外せないよう外側からかけられており、それが暗殺者たちの仕業であることは目に見えて明らかである。
「…もはや、これまでかもしれぬな」
「陛下、お気をたしかに!」
 気を落とした、というよりは、達観した様子で諦めの言葉を口にする皇帝を激励しつつ、ボーラスは脱出の手段を考えた。扉を破壊するか、あるいは別の脱出路を探すか…
 しかし結論が出るよりも早く、罠を張って待ち構えていた暗殺者たちがここぞとばかりに二人に向かって襲いかかる。
 ボーラスは施錠された扉を背に、皇帝を庇いながら暗殺者たちと剣を交える。






 彼にとって誤算だったのは…というより、彼の考えが及ばなかったことに、施錠された扉は“外からは開けられる”という一点が、皇帝ユリエル・セプティム七世の命を奪うことになった。
 扉の開く音と、ドン、グチャリ…という、鈍い殴打音がほぼ同時に響き、ボーラスが「まさか」という表情で振り返ったとき、すでに皇帝は陥没した頭部からおびただしい量の血を流し、床に倒れていた。
「お、おおおおおお!!」
 激情のままボーラスは皇帝を手にかけた暗殺者を切り伏せる。だが、自身もその背に別の暗殺者の刃を受け、激痛に顔を歪めた。
 ここで死ぬのか、皇帝を守るという使命を果たせず、自分の身すら守れないまま…
 そのとき、視界の奥で殴打音とともに暗殺者が吹き飛び、次々と倒されていく様子が目に写った。
 あれは、なんだ?






 予想だにしなかった闖入者の存在に誰しもが驚くなか、やがて暗殺者たちがすべて斃されたとき、傷ついたボーラスの前に立っていたのは、徒手のまま大量の返り血を浴びた小柄な女性の姿だった。
「えっと、あの…だ、大丈夫、ですか?」
「おまえは…?」
 修羅場を潜り抜けた者にしては、いやに自信のなさそうな声でつぶやく娘…ちびのノルドを見つめ、ボーラスはその正体を訝る。
 そうだ、たしか、この娘はあの独房で眠っていた、あの娘だ。と、そのことは混乱する頭を抱えたボーラスにもすぐに理解できたが、それが手練の暗殺者たちを悉く屠ったという事実に、いまひとつ現実感を抱けないでいた。
「あ、あのっ、そのう、ぶ、ぶれいず?のかた、ですよね?れー、の…レノルト、という人からだいたいの事情は聞いています。皇帝陛下をお守りしているとか」
「レノルトに?まさか、彼女は生きているのか!?」
「はい、ただ、暗殺者たちとの戦いで負傷したので、いまは安全な場所で休んでいますが…その、皇帝陛下は……?」
 ボーラスの影に隠れていた皇帝の姿を見て、ちびのノルドは思わず顔を伏せる。
 危機は脱したものの、皇帝陛下を守るという使命を果たせず…それをまっとうするためならば自らの命、同胞の命でさえ捨てよというレノルトの命令を果たせず…そのことにボーラスが愕然とした、まさにそのとき。
 すでに息絶えたと思われた皇帝ユリエル・セプティム七世が這い起き、血まみれの顔面を晒したままちびのノルドの手を取った。
「やはり…御主が来たか……」
「陛下!?」
 ボーラスが驚きの声をあげ、ちびのノルドが仰天するなかで、皇帝が言葉を続ける。






「このアミュレットを受け取り…我が息子へ託すのだ。ドラゴンファイアを灯し、オブリビオンの門を閉じろ」
 自身が首にかけていた、赤く輝く巨大な宝石が埋め込まれた首飾りをちびのノルドに渡そうとする手はいまにも止まりそうで、弱々しくかすれた声は聞き取るのも難しかったが、それでも、その言葉には確かな力強さがあった。
 それは提案ではなかった。頼んでいるわけでもなかった。
 それは命令だった。かつて大陸全土を支配下に収めた皇帝ユリエル・セプティム七世としての、最期の命令だった。
 それからなにごとかを呟き、力を使い果たした皇帝はその場に崩れ、こときれる。なにを呟いたのかは聞こえなかったが、ちびのノルドは、直感から彼が「すまない」と言ったように思えた。ただし、その謝罪の真意を汲むことはできなかった。
 皇帝の亡骸の傍らに跪きながら、ボーラスがちびのノルドに向かって言う。
「陛下は…お前に何らかの予感があったようだ。いまわの際に、王家に代々伝わるアミュレットを他ならぬお前に渡したのも、おそらくは理由があってのこと。あの」先刻まで施錠され、そして皇帝を亡き者とした暗殺者が開いた扉を指し、「通路から下水道を抜ければ、帝都の北側、ルマーレ湖のすぐ傍に出ることができるだろう。私は陛下と…同胞の亡骸を葬り、レノルトと合流しなければならぬため、しばらくはこの場に留まるつもりだ」
「あの…」
「陛下はアミュレットを息子に託せ、と言ったが、生憎と陛下の御子息はみな暗殺者の手にかかってしまった。正式な血統は…あるいは、隠し子の存在があるかもしれぬ。ここを脱出したら西のコロールへ向かい、ウェイノン修道院のジョフリーという僧に事の次第を話すのだ。きっと、力になってくれることだろう」
 そこまで言って、ボーラスは口をつぐんだ。
 ここに至り、ちびのノルドには、皇帝の遺志を継ぐ理由が何一つないことに思い当たったからである。しかしこの状況で、ボーラスが他に頼れる者はいなかった。
 戸惑いながら見つめてくるちびのノルドに、ボーラスは口を開く。
「…頼まれて、くれるだろうか?」
「…… …… …はい」










 実際のところ、ちびのノルドにも打算の一つや二つ、ないではなかった。
 いま現在、帝国から見れば、ちびのノルドは闇商人から禁制品を買おうとした容疑者であり、さらには看守の目の前で独房から逃亡した脱走犯である。
 しかし皇帝陛下の勅命を受け、特殊任務を遂行していた…となれば、これらの罪を帳消しにしてもらうことは、そう難しいことではないはずだ。ブレイズの力添えがあれば、尚のことだ。
 さらには任務の重要性がある。これは明らかに国家の存亡に関わるものと思われ、見事果たしたとなれば、傭兵としてこれ以上の宣伝はない。この降って湧いた厄介事を引き受けるに足る理由は、充分にあるわけだ。
 …とはいうものの、ちびのノルドがあの場で咄嗟にそれだけのことを考えたわけではなかった。ボーラスの頼みを引き受けた理由のほとんどは、実質、彼女の生来の善良さによるものである。

 ボーラスの助言に従い下水道を抜けたちびのノルドは、仮面の隙間越しに陽光を浴びて目を細めた。どうやら、いつの間にか夜が明けていたらしい。東のモロウウィンド国境に近いヴァラス山地の稜線から朝日が顔を覗かせていた。空はまだ薄暗く、星明りがわずかに見え隠れしている。
 さて、ここでゆっくりしている時間はない。
 帝国にとって自分は未だ脱獄犯扱いであり、いまごろはすでに手配が回っているに違いない。道中で衛兵に見つかるわけにはいかない、どうやって対岸へ渡ったものか…ちびのノルドがそう考えはじめたとき、真紅の影が排水溝のブロックを飛び越えてきた。






「あれは…暗殺者の一味!?」
「待てィ、そこの小娘!」
 驚きの声をあげるちびのノルドの目前に、ザシャアッと派手な音を立て着地する真紅の暗殺者。その姿は皇帝とブレイドたちを襲った者たちと同じもので、この輩が連中の仲間であることは疑いようがなかった。
「まだ仲間が残っていたんですか…!」
「貴様が首からかけているソレは、王家に代々伝わるアミュレットだな!?どうやって貴様のよォな小娘がそれを手に入れたのかはわからんが、そいつを組織のアジトへ持って帰れば、寝坊して襲撃計画に間に合わなかった失態の埋め合わせができる!のみならず、幹部待遇だって有り得るかもしれん!どうやら俺にも運(ツキ)が残っていたようだぜ!ナイス、ナイスだ俺!」
「…え?」
 早口でわけのわからないことをベラベラと捲くし立てる暗殺者に、ちびのノルドはしばし呆然となる。どうも、地下迷宮で戦った連中とは若干雰囲気が異なる気がするのだが…
 そんな彼女の戸惑いを余所に、暗殺者はやたらに威嚇的なフォルムのメイスを振りかぶると、ちびのノルドを指差して叫んだ。
「というわけだから、この俺の出世のために散るがいいッ!小娘、覚悟!!」
 そしてちびのノルドに飛びかかる暗殺者!






「えいやっ」
 ガギン、と、鈍く重い金属音があたりに響く。
 ちびのノルドは上空から迫り来る暗殺者の股間を爪先で鋭く蹴りあげたのだった。
 勢いを増して落下していた暗殺者の身体は、蹴られた衝撃で、ぴょこんと飛び上がっていた。たった一点に集中したダメージ、さらには自身の体重がそこへ乗り、暗殺者は仮面の下でぐるりと白目を剥いて悲鳴をあげた。
「イチニーサンダァァァァーーーーーー!!」
「!?」
「ちょっと出たぁぁぁーーーっ!!」
「…え、なにが?ねえ、なにが!?」
 不穏当な言葉を口走る暗殺者に尋ねるちびのノルド、しかし暗殺者はその質問にこたえることなくバターンと派手な音を立てて地面に倒れ、口から泡を吹いて失神した。
 …どうしよう。
 おそらく、とどめを刺すのは、簡単だ。
 そしてたぶん、そうすべきなのだろうが…ちびのノルドは逡巡する。どうにもこの、そそっかしいというか、おっちょこちょいというか、バカっぽいというか、要するにアホにしか見えないこの暗殺者の命を奪うことは、躊躇われた。
 しばらく悩んだすえ、ちびのノルドはある結論を出した。
「…よし。流そう」






 ザッパーン。
 大きな水音を立て、ルマーレ湖に投げこまれた暗殺者の身体はプカプカと水面を漂いながら、対岸へ向かってスィーッと流されていく。
 運が良ければ、命は助かるだろう。かなり、物凄く、運が良ければ。たぶん…
 枯葉のように静かに流されていく暗殺者の姿を見届けてから、ちびのノルドはウェイノン修道院へ向かうべく、その場をあとにした。





【 To be continued ... 】















2018/04/04 (Wed)18:41







 これは太陽系から遠く離れた、別の星系でのおはなし…
 マッサー、セクンダと呼ばれる二つの月を持つ惑星ニルン、そのなかで複雑な歴史と文明を持つ大陸タムリエル。生命の誕生から現在に至るまで数多くの戦乱を経験したこの地で、また、新たな争いが巻き起ころうとしていた。
 第三紀433年、収穫の月27の日。
 かつて大陸全土を支配していたセプティム王朝もいまやその影響力は衰え、大陸中央部のシロディールを帝国領として治めるに留まっていた。
 65年もの歳月を権力者として君臨してきた、ときの皇帝ユリエル・セプティム七世。数多くの苦難に直面しながらも支配者として辣腕を振るい続けた彼の生涯がいま、閉ざされようとしている。
 それは、決して逃れ得ぬ運命。
 姦計を用い邪悪なる神の召喚を目論む集団と、その計画に巻き込まれた者たち。それを望むと望まざるとに関わらず、彼らの運命もまた奔流に呑まれ、一つの時代の終焉と、新たなる激動の時代の訪れに直面しようとしていた…










 シロディール中央部、帝都北東部に位置する獄舎地区。
 普段ならば看守の足音と、ときおり聞こえる囚人の嘆きしか耳にすることのない監獄で、慌しく移動する一団の姿があった。それも、すっかり日が暮れたあとに、である。
 ときの皇帝ユリエル・セプティム七世を中心とし、その周りを囲む異様な兵装の集団。彼らが皇帝陛下の護衛であることは誰の目にも明らかであったが、おなじく明らかなこととして、帝国軍のものとは異なる軍装に身を包んだこの集団の正体を訝る者があったとしても、これは不思議なことではない。
 彼らは“ブレイズ”という…帝国軍ではなく皇帝直属の組織で、皇帝の護衛や諜報活動がその主な活動内容である。その存在を知る者は少なく、構成員や組織の性格については極めて慎重に秘匿されてきた。
 もとより獄舎の看守に命令をきかせるために素性を明かす必要などなく、ただ一般の兵士よりも皇帝に近しい存在であることを態度で示すだけで事は足りていた。






「おいっ!この独房は決して使わぬようにと言っておいたはずだ、なぜ囚人が眠っている?それも、囚人服すら着ることなく!」
 ブレイズの一人、それも隊長格であろうと目される者が凛とした、いささか耳に突き刺さる高音で声を張り上げる。驚きべきことに、皇帝の身の安全を任される部隊の長は女性であった。
 彼女は名をレノルトという、実力でブレイズの指揮官にまで上り詰めた女丈夫で、平素であれば見るものをはっとさせるような美貌の持ち主であるが、いまは顔を覆う兜の奥でひたすらに険しい表情を浮かべている。
 レノルトの剣幕に圧されてか、看守はいささか動揺した様子でしどろもどろに説明をはじめた。
「じつは今日の夕刻過ぎ、帝都外周にて、我々がずっと目をつけていた禁制品の密売人を相手に捕り物を演じまして。この娘はそのとき、密売人が咄嗟に放った凶刃を腹に受けて負傷したのです。そのため、怪我の手当てをしたのち独房に寝かしつけた次第で」
「たわけを申すな、なぜ怪我人を独房に入れるのだ!」
「…といいますのも、この娘、我々が捕らえた密売人の客だったのです。どうやら、密売人は娘が我々の雇った密偵だと早合点をしたらしく…それゆえ、娘の意識が戻ったのち、取調べをする予定であったのです。生憎と他の独房はすべて埋まっておりまして、よもやこのタイミングで独房の開放が必要であったなどとは考えてもみず…」
「わかった、わかった!もうよい、下がれ」
 うやうやしく一礼する看守を脇にどけ、レノルトは鉄格子の扉の鍵を開けて独房のなかへと足を踏み入れる。
 それにボーラス、グレンロイという名の部下がつづき、最後に皇帝ユリエル・セプティム七世が独房の鉄格子をくぐる。その様子を確認したのち看守がふたたび扉に鍵をかけ、そのときに大きな音がしたにも関わらず、先刻から続く喧騒もろとも意に介さぬ様子で床に伏せる娘が目を開く様子はない。
 やがてレノルトが壁に隠されていたスイッチを探り当て、独房の壁の一部が横にスライドする。
 それは古くから監獄に用意されていた隠し通路であり、かつては古代エルフ“アイレイド”の遺跡であった地下施設を利用したものだった。
「陛下、お急ぎください。追っ手が迫っています、ここで時間を無駄にはできません」
 レノルトに促され隠し通路へと向かう皇帝、しかし床に伏せる娘の傍らを通ったとき、何を思ったのか…彼はその場で足を止め、腰を落として娘のほうを見やった。






 鋼鉄製の面で隠れた表情を窺うかのように皇帝は娘を凝視し、やがて、口を開く。
「この者は、この者の存在は…わたしの予知にはなかった」
「陛下?」
「いや、この者の存在そのものを予期してはいた。だが、この者は本来ならば、この場所にはおらぬはず…この者からは、大きな運命のねじれを感じる。運命の変化を、いや、運命が変わるからこそ、“本来ならば変わるはずであった運命が元の流れへと戻る”…?」
「…陛下、お急ぎください」
「うむ」
 ボーラスに促され、皇帝は彼らとともに隠し通路へと向かう。
 その様子を独房の外から観察していた看守は、一つの懸念を抱いていた。…あの隠し通路の扉は、どうやって封鎖するのだろう?
 皇帝陛下とその護衛たちは、隠し通路の扉を戻すことなく行ってしまった。いまは眠っている娘があの通路を発見し、脱獄を試みたらどうなる?看守の目が光っているとはいっても、隙の生じる時間は存在する。
 とはいえ…看守は嘆息する…謎の暗殺集団に皇帝陛下が襲撃され、あまつさえ王家の血統を継ぐ者たちの命が奪われたいま、そのような問題は瑣末なことに思えた。







 一方、舞台は変わり…
 タムリエル大陸南部、アルゴニアンの国“ブラックマーシュ”。
 シロディール(帝国領)に近いロックガードの村にたった一つ、立派な屋敷が建っている。かつてアルゴニアンとともにブラックマーシュを開墾したダンマー(ダークエルフ)、その祖先である古代種“アイレイド”文明の研究家であり、また武道家、哲学者、経済学者としての側面を持つ村の名士の邸宅である。
 その功績と人柄の好さゆえ“センセイ”と呼ばれ慕われる初老の男とともに、ベランダに立つもう一人の男の姿があった。






 男の名は“ドレイク”。
 ロックガード東部の都市ヘルストロムにて五十名を数える門下生を持つ剣術道場の師範代であり、これもまた街の名士にして、地方豪族の末裔であった。
 キルティングが施された白い絹織物のローブという服装のセンセイと、黒い外套を纏い腰に大小を差したドレイクの対比は、端から見れば(また双方の年齢差からしても)親子のように見え、事実、この二人はドレイクが幼少の頃から付き合いの深い仲であり、ドレイクにとってセンセイは気性の激しく子育てに興味のない実父よりもよほど父親のかわりであった。
 そしていま、ドレイクは実の父よりも父のように慕っていた恩人に別れを告げるため、この場所に立ち寄っていたのだった。
「センセイ、突然こんな話をして、信じてもらえるかはわからないが…シレーヌが姿を消した。二人で森の中を歩いているとき、突如として開いた魔界の門に引き寄せられ、そのまま閉じ込められてしまったのだ。門は消え、俺はただ一人、取り残された」
 シレーヌとは狩猟家の娘で、ドレイクの幼馴染であり、また、長年連れ添った恋人同士でもある。結婚しなかったのは、ドレイクの父がそれを許さなかったからだ。
 思い詰めた表情で眼下の村落を見下ろすドレイクに、センセイが語りかける。
「おそらく、それはオブリビオンの門だろう。すぐに閉じてしまったのは、それが意図的に開かれたものではない、不安定な存在だったからだ。おそらくは、何らかの力の余波…」
「余波、とは?」
「近頃、帝国領でデイドラ公メエルーンズ・デイゴンの顕現を目論む動きがあるとか。破壊と変革をもたらし、天災を象徴する存在…その崇拝者である、深遠の暁と呼ばれる集団。その足跡を辿れば、あるいは娘の行方を追えるかもしれぬ」
「俺は…行かなければならない」
「婚姻を許されなかった娘のために、確たるあてもなく、シロディールへ?ドレイクよ、道場はどうなる?一族にはなんと申し開きをするつもりか?」
「俺は気づいたのです。一族の栄誉、自らに課せられた使命、それよりも大切なものがあるということを。彼女を失い、ようやく…それを取り戻すためなら、俺は他のすべてを捨てても構わない」
「…一族の誇りのため、実の弟でさえその手にかけた男が、いままで頑なに守り、自らの人生の指標としてきたものを捨てるというのか。たとえ娘を取り戻せたとしても、二度とこの国の土を踏むことはできまいぞ」
「もとより承知のうえ。貴方とも、二度と会うことはないでしょう。センセイ…貴方から受けたこれまでの御恩、決して忘れることはありません。今日は、それを伝えに来ました」






 背を向けて村から去っていくドレイクの姿を見つめ、センセイはため息を漏らす。
「…あまりにも。こうしてみると、あまりに。早い別れであった、若き獅子よ……」
 老人の心はいま、過ぎ去りし日々のなかにあった。
 厳しい伝統と鍛錬によって心を削られながらも、その瞳の奥に輝きを残す少年の姿。長きにわたり燻り続けていたその光はいま、自らの肉体をも焼き尽くす灼熱としてドレイクを包んでいた。
 おそらくドレイクは、自らの胸に抱く希望によって命を落とすことになるだろう。
 そう思うと、センセイは悲嘆せずにはおれなかった。










 また舞台は変わり、帝都港湾地区の一画。
 これは皇帝が独房を訪れるより前、密売人の凶刃を受けた娘がその原因である捕り物に直面するよりも前のことである。
 いままさに日が落ちようとしていたところ、ルマーレ湖に面した貧民街のあばら家にて目を醒ました一人の男がいた。






「モ…モンテスキュー!?」
 極めて奇ッ怪な単語を口にしつつ飛び起きる男、美男子というよりは三枚目と呼ぶにふさわしい容貌の青年は窓の外を見つめ、すっかり赤く染まったルマーレ湖を見るに至り、その慌てぶりはいっそう輪をかけたものになった。
「しまったー!寝過ごした!今日は皇帝暗殺の日なのに!!」

 …このうっかり者、彼こそは人類に死と破壊をもたらす邪悪なデイドラ公メエルーンズ・デイゴンをこの地に呼び寄せようと画策する密教団“深遠の暁”信者にして、皇帝ユリエル・セプティム七世とその血統を根絶やしにすべく集められた暗殺部隊の構成員。
 名を、エロール・ヴェスイウスという。帝国人(インペリアル)にして、かつてはメイジギルドに所属する魔術師であった。










The Elder Scrolls IV: Oblivion
Fan Fiction "Crossing Over" #1

- エルダースクロールズ4:オブリビオン -

Side Story【クロッシングオーバー】

第一話 「はじまりの刻」























【 To be continued ... 】















2018/03/31 (Sat)05:00








レミントンM1858と1ドル銀貨





 どうも、グレアムです。Day R Survivalをプレイする傍ら、Oblivionのほうもボチボチいじってます。
 まずはWezaleffちゃん風キャラクターを使ったウェスタン系アイテムの製作ですね。上の画面写真の1ドル銀貨はかなりよく出来てるんじゃあないかと思います。バニラのセプティム金貨の改造なんですが、Meshからいじってるので、ほぼほぼ別モノになっています。
 これでもTexture解像度はそんなに高くないんですよ。256Pixelで、せいぜいバニラのセプティム金貨の二倍です。MODによっては小物にまで1k Texture使ってたりするんで、ああいうのはさすがにマシンパワーの無駄食いという気がしないでもない…




スタイリッシュ・リロード!



 そしてレミントンM1858のシリンダーです。Mount and Blade: Warband用のMOD、1860s Old Americaから移植したレミントンM1858のMeshをBlenderで削ったりなんだりしてこしらえました。この銃は元のMeshの出来が良い(特にシリンダー)ので、弄くってて楽しいです。
 これだけには飽き足らず、さらにリアルなリロード・シーンの再現を目論み、ローディング・レバーを下げてシリンダーを外した状態の銃本体も作成。それぞれ(例によって)内部的には片手剣と盾装備扱いで、二挺拳銃が可能になっています。










 じつはシリンダーをStaticオブジェクトとアイテムの二種類用意したとき、ニアミスが原因でCollision作成に相当な時間がかかってしまったんですが、その話はさておく。
 …間違えて別の名前で延々と上書き保存してたことに気づかず、ゲーム画面を確認しながら「おっかしいなー不具合が改善されない…なぜだーなぜだー」と無駄に試行錯誤しながら半日過ごしただけだからな!








SF施設でゾンビと戦う



 あとはちびのノルドの新バージョンを作る傍ら、現代的オブジェの素材を探すためひさしぶりにDuke Cityを訪れたりしてました。これは現代的な都市を追加するMODで、ワープゲート(見た目がもろスターゲイト)を通って別ロケーションに飛ぶタイプとなっています。
 元ネタはいわずもがなDuke Nukemシリーズですが、他にも多くのパロディ要素が存在します。どうもアチラのmeme要素もけっこう混じってるらしくて、中には元ネタがわからないやつもけっこうあるんですが。




颯爽とノリス見参



 都市に到着したらしたでいきなりゴロツキに襲われ、いつの間にか近くにいたチャック・ノリスが助けてくれるというぶっ飛び展開が。そういえばここ、そういう場所だったな…
 最初の宇宙船?っぽいエリアがわりと動作軽かったんで油断してたんですが、さすがに都市の中はかなり重くてなかなか行動がままなりません。
 どうも現行環境だとTextureのメモリ消費量がネックになるらしくて、女性キャラをDisableで消すとガッツリ軽くなったりするんですよね。女性の場合は肌Textureとか装備品のTextureでガッツリメモリを喰ったりするんで。
 ただ、現行環境だと他MODの和風サムライショップ・武礼堂の建物内が信じられないくらい重くて、あれの原因がちょっとわからないんですよね。光源がアヤシイ感じもするんですが、確証がないです。




オマエどっから来た!



 あと、Duke City内で一般人を殺傷し、警察書の独房でお勤めしてたらルシエンさんから勧誘がありました。おまえ本当にどこにでも現れるな!吉田戦車の漫画の登場人物か何かか。




シロディールの明るい日差しのなかで



 まあそんなことをしつつ、シコシコとちびのノルドを改良しておりました。腕に巻いてある包帯のテクスチャを自作したりとか。包帯で巻かれてる部分はちびのノルド常用装備であるR18PN Armorの素体に使われているHGECの腕部分を切り取って作ったもの(つまり独立したMesh)なんですが、とにかくHGECのUVマップがクソ扱い辛くてかなり苦労しました。
 上の画面写真のうちDuke Cityにいるときはまだロープだかなんだか、バニラのTextureの流用なんですが。
 同じくちびのノルド常用装備であるBaron Armorのヘルメットのバイザー部分だけを独立させ、目が見えるように&髪が自然に見えるようにMeshをいじくり倒してます。







 今後、いままで執筆を続けていたSSシリーズとは別に、ストーリーを再構成という形で新しく話を書き直そうと思ってます。だいたい映画一本分の尺を想定し、全12回程度での更新を予定しており、今回のちびのノルド改良はその布石だったりします。
 いままでの話を捨てるわけじゃなく、あくまで別展開ということで、言うなれば平成ライダーのTVシリーズと劇場版のようなモノ(という例えで合ってるかどうか…)。なのでキャラの諸設定も意図的に変更しています、今回の画面写真でちびのノルドが負傷しているのは旧SS執筆前に構想してた古い設定を再利用したためです。
 …とはいえ、旧SSのほうも一旦設定をリセットしたい思いはあるんですけどね。とりあえず異世界出張組の三人(リア、ブラック17、ミレニア)をリストラしたい。前にも書いたけどあの三人は元々俺自身のオリジナルの創作とクロスオーバーさせる予定で、今もうそれをやる気はないので、だったらもう、たんにOblivionの世界観から浮いてるだけのキャラでしかないよね…ということになってしまうんで。
 あのへんはもう、やり直すとなるとそれはそれで面倒なので、何食わぬ顔していきなり別キャラをレギュラーに据えちゃおうとか考えてるんですが。異世界から召喚されたならされたで、今だったらそれこそ特定の世界観を持たない現代人とかそういう系のアプローチにしたいですし。
 とりあえず、今さらでも書きたいと思ってる話はちびのノルドとアルゴニアンのドレイクに集中してるんで、ぶっちゃけ、この二人さえいればいいというのは俺の中であります。
 まあ、そんなことを考えつつアレコレ用意しているわけです。




仮面を外すと、そこには醜怪な半面が…

















2018/03/29 (Thu)20:06






チキチキTVルーレット!



 どうも、グレアムです。Day R Survivalの更新を続けていきます。間もなく生存日数1000日を越えようかというところで、ロシア生活も間もなく三年に差し掛かります。現代(2018年…あと25年)まで生き残れるか!?
 といったところで、現在はようやくクラスノヤルスクにて製鋼炉の製作に成功し、ガッツリ鋼の製造に勤しんでいます。といっても一回の製造にスクラップ5000はまだしも、木炭が1000とガソリン25000を消費するので、そうそう延々と作り続けられるわけでもないんですが。
 現在は製鋼炉の製造に車輌建造用アイテムである発電機と溶接機が必要となっているので、これから製作を目指す方はその点にも注意が必要ですよ(特に溶接機は2チャージぶん必要となり、肝心の溶接棒がなかなか入手しづらいアイテムなので意識して収集する必要アリ)。
 ちなみに鋼は材料を突っ込んで三日で完成するんですが、入手量が1000~3000とかなりバラつきがあります。ちなみに入手量はセーブ&ロードで変化します。あとはわかるな?
 今後はノボシビルスクに置いてきたBRDM-2を回収し(装甲車を積んだまま走れるKAMAZってすげーな)、ついでに各地のトレーダーとアイテムを交換してからイルクーツクに向かう予定です。待ってろ愛娘!

 あとは現在プレイしているv.566-paに至るまでの変更点&気づいたこと等を書いていきます。




夜が暗いぞ!



 見た目が大きく変わった点としては、プレイヤーアイコンの変更と天候等によるエフェクトの追加ですね。昼は明るく、夜は暗くなるので現在のおおまかな時刻が直感的にわかるのは良いんですが、夜中は大幅に視界が狭まることになるので一長一短です。まあ、これもリアルさの表現と思い納得しましょう。
 なおダメージを負うと出血エフェクトが表示されます。熊に殴られて顔面(画面)が真っ赤になりました。
 それから探索済みの建物のモノクロ化ですね。これはオプションから切り替えられるんですが、探索してアイテムをすべて出現させたエリアの色をモノクロに変化させることができるようになりました。もともとモノトーン(というか彩度の低い)画作りなのでちょっとわかりづらいんですが、雰囲気を壊さない程度に機能性が向上してて、個人的にはかなり上手い調整なんじゃないかと思います。
 上の画面写真、建物の左半分がモノクロになっているのがわかるでしょうか?

 あとは広告表示まわりの変更ですね。
 有料版プレイヤーは時間経過による広告表示が強制的にOFFになり、そのかわりSHOPのメニューから無料広告を観ることで20Capの入手が可能になりました(クールタイムに30分必要)。
 そしてデイリー報酬の追加ですね。これは毎日ログインするたびに決まった報酬が得られるスマホゲーによくあるシステムで、スタンプが進むたびに景品が豪華になっていきます。個人的に、こういうプレイのモチベーションを上げてくれる(無償の)報酬システムはウェルカムです。世界観にはあまり合ってないような気もしますが。
 さらにはストレンヂTVというアイテムが追加され、これは探索で発見できる消費型アイテムでして、こいつを使って広告動画を視聴するとランダムでアイテムが入手できるルーレットが発生します(冒頭一枚目の画面写真がそれ)。
 景品の中には完成品の銃器や車輌など超レアなアイテムも含んでいるようなのですが、果たして本当に当たるんだろうか…というか、現在搭乗しているやつより機能の劣る車輌とか当たってもたぶんどうしていいかわからない。解体してエンジンだけ抜くとかか?
 このTVの景品もセーブ&ロードで当たる内容が変化するんですが、さすがにリロード・マニアックな俺もそこまでやる気はないなあ…




旅の軌跡



 あと、これはたぶん結構前から実装されてたような気もするんですが、Characterメニューに追加されたStatisticsタブから現在プレイしているデータの統計情報を閲覧することができます。
 とはいうもののシステムが実装されてからの統計?なので、たとえば負傷回数や討伐敵数なんかは今回使用しているデータでは実数よりもかなり目減りしてます。Ratなんか戦闘スキルを鍛えるために何千匹と狩りまくったはずなんだけど。
 おかげで動物よりBandit狩った数のほうが多いとかいうアレなことになってます(笑)

 とりあえず現況こんなところでしょうか。
 科学研究セットが全然見つからなくてヤバイ。あと3個しかないのに。

















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