主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。
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2016/06/01 (Wed)15:16
どうも、グレアムです。
先日なんとなくYouTubeを見ていたらDoom3のアルファ版のプレイ動画を発見。製品版との違いがいろいろと興味深かったので、ソースなしの個人的な感想/推察をブチ上げたいと思います。
Doom 3 Alpha - Full Gameplay
開発途中版といえば技術的に未熟な部分や不完全な箇所が多かったりするのが常ですが、このDoom3の場合はエンジンの基礎部分や美術関係はすでに完成されており、製品版との主だった違いはゲームプレイ部分そのものにあることがわかります。
ゲーム開始直後から揺れる電灯で動的なライティング表現を見せつけてることからもわかるように、Doom3は当初からライティング関係に力を入れていたことが窺えます。Doom3の技術的な目玉は動的なライティング(影生成)、ノーマルマッピング、物理エンジンあたりに集約されていることが上のデモ動画から窺えますね。このあたりは製品版と比べてもブレがありません。
製品版とのもっとも大きな違いは、アノ悪名高いフラッシュライトの不在でしょう。アルファ版の時点ではフラッシュライトの存在は影も形もなく、またこのアルファ版をもとに製作された2002年のE3 Trailerでもその存在は確認できません。
おそらくフラッシュライトはホラー表現をより際立たせるため、開発の途中から組み込まれた要素だったのではないでしょうか。フラッシュライトの存在はDoom3を語るうえで外せない重要なファクターであり、もし最初から構想にあったのなら早い段階でアピールしていたはず(たぶん…)。
しかし実際はゲームをプレイして初めてフラッシュライトの存在を知ったプレイヤーが多く、またその評判はお世辞にも芳しいものではありませんでした。のちに発売されたBFG Editionでid自身がその存在を否定してしまったことからも、この要素の微妙な立ち位置が窺えるような気がします(BFG Editionは発売当初、オリジナル版に比べ幾つかの描画が簡略化されていると聞きました。俺はプレイしていないので何とも言えないですが、おそらくエンジンをアルファ版に近い仕様に戻したのでは?と推察します)。
個人的にオリジナル版はフラッシュライトに関連する部分(OptionでBrightnessを上げても、光で照らさないと黒く塗りつぶされて描画されるなど)の表現がかなり無理をしている、いまさら言ってしまえば突貫工事で組み込まれたような印象を覚えていたので、尚更そう感じてしまうのかもしれません。
とはいえ「フラッシュライトがなければDoom3はもっと評価されたのか?」と問われると、それもまた難しいところです。良くも悪くもフラッシュライトを使った探索と、意図的に不便さを強いることでホラー演出を強調する手法は他のFPSにはなかった要素なので、やはりDoom3はフラッシュライトがあってこそ、という気もします。
他に気になった部分といえば、カットシーンが多用されている点でしょうか。
アルファ版のプレイ動画ではプレイヤーが介入できないムービーシーンが幾つか存在していますが、これらの演出は製品版ではすべて削除されています。これはおそらくジョン・カーマックの意向では?と思います。
初代Doomにて、idの創設者の一人であり当初Doomのリード・デザイナーであったトム・ホールはDoom用の緻密なストーリーを「Doom Bible」として書き上げますが、「ゲームに複雑なストーリーは必要ない」としてカーマックがその案を蹴ったという経緯があります。それはプレイヤーをよりゲームプレイに集中させるための措置で、押しつけのストーリーや冗長なムービーシーンを廃するというカーマックのポリシーでした。
Doom3のAlpha Demoではカーマック以外のスタッフが先行してしまったのか、あるいはカーマック自身がムービーによる演出効果を確認したかったのかどうかはわかりませんが、当初はコンソール・ライクなムービーによる演出が試行されていたというのは興味深い事実です。
デモはヘルナイトに首をもがれて死ぬという衝撃的な結末で終わっていますが、このあたりはDoom4(Doom 2016)のTrailerでも受け継がれている演出ですね。Doom4のモンスターによるKill演出は一般にBrutal Doomの影響と言われていますが、その源流はこのデモにあったのかもしれません。
あるいはSergeant Mark IV自身がこのデモから着想をを得ていたのかも?というのもDoomのWadは過去作のAlpha Buildからネタを拾っていることも多く、たとえばBrutal Doom v20bのBulletのCripは初代Doomのアルファ版のスプライトを使用しています。
未使用データや破棄された構想をWad(Mod)に利用する、という思考はStalkerのModコミュニティとも共通する部分がありますね。
細かい部分ですが、アルファ版ではインプがより素早くアグレッシヴに攻めてきているような気がします。さすがにフラッシュライトの使用を前提にスローなゲームプレイが予想される製品版ではもう少し動きが遅かった記憶が。
あと火球の軌道がかなり山なりですね。製品版では真っ直ぐ飛んだ…気がする。
なにぶんプレイしたのが数年前なので、かなり記憶があやふやになっているのです…
Doom 3 E3 Trailer (HD)
参考までに、アルファ版をベースに製作されたE3 2002のTrailerも貼っておきます。
兵士がゾンビ化する過程、壁を突き破って襲撃してくるデーモンなどは製品版では見られない演出なので、オリジナル版のゲームプレイ当時は「あの演出はどこへいったの!?」と思っていたのですが、開発途中で破棄されていたのですね。
またDoom3の発表当初に出回っていた、便所で倒れているデブゾンビとデーモンのツーショット画像はアルファ版のデモからとられていたのですね。あれが記憶に残っていたので、俺は便所に入るたびに「いつデーモンに襲われるか…」とヒヤヒヤしていたのですが。
アルファ版ではデーモンがデブゾンビのハラワタを喰らうという衝撃的な展開がムービーを通して流れますが、こういう凝った演出は製品版ではすべてオミットされてしまったようです。
今だから言えることかもしれませんが、個人的にはけっこう「廃棄するには惜しい」アイデアが多く感じましたね。いっそこの路線のまま完成させても良かったのでは?というのは、まあ、凡人の発想かもしれません。
おそらく演出やムービーを盛り込み、フラッシュライトの存在しないDoom3をあの当時に出したところで「凡庸なFPS」の烙印を押されていただけと予想されます。
Doom3は各種3D技術の黎明期にあたる作品とあって、現在の感覚ではいささか厳しい目で見られることが多いのですが、それでも当時は革新的なFPSとして評価されていたという事実は忘れてはならないでしょう。
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2016/05/30 (Mon)02:30
どうも、グレアムです。このところまたDOOMをプレイしていました。Wadの組み合わせ次第で可能性は無限大さ!新作はSnapMapに注力するかわり、Modのサポート(SDK配布等)はしないらしいですね…残念。Rageはどうでしたっけ?
最近ちょっとProject MSXに飽きてきたので、以前ちょっとだけいじったMechatronを改造してました。Health&Armor&Ammo最大値増加、武器威力&rpm&命中精度増加、移動速度&ジャンプ力増加、耐久性増加という超Noob向けの無双設定。高難度Wadもドンとこいやあ!できるようになりました。ただし謎解きが異様に面倒難しいのは勘弁な。
それとBrutal Doom v20に合わせて競合する部分を削除、ドロップアイテムの再設定などを。Brutal Doomと組み合わせるならDecorateやDoomdefsのEnemies関連部分は削除してもいいと思う(というか、消さないと爆発時等の死亡時の描画がおかしくなる)。
あと薬莢のサイズをちょっと大きくし、永続的に残るように。
どんなもんかと思ったが、とりあえず2000発くらいならパフォーマンスに影響はないようだ。まあMAPによるんですが。あとデフォルトでは落下後の薬莢の向きが一種類だけだったので、記述をちょっといじって六種類に。DecorateのACTOR MinigunCasing、Deathの項。
*デフォルト
Death:
TNT1 A 0
TNT1 A 0 A_jump(96,"death1")
TNT1 A 0 A_jump(96,"death2")
TNT1 A 0 A_jump(96,"death3")
TNT1 A 0 A_jump(96,"death4")
TNT1 A 0 A_jump(96,"death5")
goto death6
*改造
Death:
TNT1 A 0
TNT1 A 0 A_jump(96,"death1","death2","death3","death4","death5","death6")
NULL A 0
これで大丈夫なはず。
薬莢を永続的に残るようにするには、
*デフォルト
Death1:
CAS3 I 1 A_Fadeout(0.0005)
loop
これを、
*改造
Death1:
CAS3 I 400
loop
このようにすればいい。同じ要領でDeath1からDeath6まですべての記述を書き変える。当然ながらパフォーマンスに影響があるので自己責任で。フレーム数の最適な数値は俺も知らないので、上のはあくまでシステムをよく理解していない人間の突貫工事的改造と理解して鵜呑みにしないように。
いちおう上記設定で幾つかのWadをクリアまでプレイしたので、普通に遊ぶ分には問題はないはず。
ただ薬莢の落下位置に関してはトライ&エラーを繰り返したが設定方法がよくわからなかった。いろいろ適当に数値をいじってはみたのだが、左右方向はともかく奥行きをランダムにする方法がわからない。個人的にはもっと派手に散らばって欲しいのだが…いろいろなWadを参考に見てみるも、どうしても奥行きだけは一定の距離に集まってしまう。う~ん…疲れたので保留案件行き。
余裕があったら薬莢だけでなくベルトリンクも落下するよう改造したいと思う。で、Doom用のパレットを使った画像ってどうやって描けばいいんだ?
以下、改造したMechatronを使ってプレイしたWadを適当に紹介。
まずはお約束というか、近未来装備でメディーバルな世界に殴りこみ。というわけで何度もプレイしたThe Inquisitor 2です。
このテのファンタジー(メディーバル)系のWadって意外と少ないんですよね。そういうのはみんなHereticやHexenベースで作っちゃうんだろうか。それだとDoom用のWadと組み合わせられない、無理矢理使えないこともないが、なにが致命的かって違うパレットを使っているので絵的に非常に不味いモノが出来上がるのだ。スプライトにPngを使ったWadならなんとかならんこともないが…
いや、無理があるな。
次はFemale Doom、女だらけのアマゾネスな島から脱出するというエロゲーのシナリオのようなWad。デフォルトではイヤな笑みを浮かべる如何にもオタク的風貌の青年が主人公だが、俺がプレイすると秒間30連発のチェーンガンで無双するMechatron兄貴が降誕する。
プレイしている間中、そこかしこから女の艶めかしい声が聞こえるのでヘンな気分になってしまうが、残念ながらこれはHDoomではないので、俺にできることは殺戮だけであった。
ネタ色濃厚なWadだが普通にゲームとして出来は良い。というか普通に出来の良いWad。残念な方向に才能を傾けてしまった例と言えるだろう。いや俺は好きですけど。
あとWad界広しといえど巨女に蹴り殺されるWadは当作くらいだと思われるので、巨女好きは是非プレイするといいよ。
最後はHeroes' Tales、ロシアとウクライナのMap職人が参加するRussian Community ProjectがWhitemare以前に製作したメガWad。初っ端から吊り天井トラップが出てきてビビッた。
いろいろ荒削りな部分が多く、Whitemare(1&2)に比べると完成度が落ちる。しかし東欧的センスが光るユニークなコンセプトはこの頃から健在で、個人的には優等生的な作りのMapよりも遊んでいて楽しいと感じた。
敵の出現数が500体前後のマップが複数あり、さすがにBrutal Doomとの組み合わせでFPSがガッタガタに落ちる場面が幾つか存在。
最後に、個人的に気に入っているWadを備忘録的に書いておこうと思う。五十音。
*TC系
Legacy of Suffering
Pirate Doom!
The City of the Damned 2
The Inquisitor 2
ZBlood+
Zen Dynamics
ZPinochestein
*Map Wad
Pardition's Gate
Unloved
Whitemare 2
*Weapons Wad
Brutal Doom
Doom 'R'adys Class
Mechatron
Project MSX
Russian Overkill
*Misc Wad
Brother in Arms
分類については諸説あるかと思われますが、あくまで個人的な定義で書いたのでツッコミはご容赦を。
2016/05/28 (Sat)00:24
どうも、グレアムです。今回は前回に引き続きFallout: New Vegas小説Dead Money編のこぼれ話をダラダラと書いていきます。
傭兵クレイブの物語において、エリヤは最後にシエラ・マドレの金庫室に閉じ込められます。実績「Safety Deposit Box」解除のシナリオ(通称:エリヤ閉じ込めエンド)ですね。あれゲーム中だと条件がすげーわかりづらいですよね。あれで閉じ込めたことになんのか?という。なので小説では視覚的にわかりやすく、話の内容もわりと改変してあります。
ちなみにエピローグ時の金庫室はエリヤの内心を表現するかのようにめっちゃ散らかってます(笑)メンタスが大量に転がってる(&机の上にも置いてある)のがわかるでしょうか。たしかOld World Bruesで入手できる情報で、エリヤも若干メンタス中毒っぽい描写があったと思うので、こういった小ネタを仕込んでみた次第。ドッグ&ゴッドとディーンの画像の悲惨さに比べてギャグっぽくなってしまうので、極力雰囲気を壊さないよう控え目にはしたつもりですが(なのでインパクトの強い正面アップ顔は没になった)。
ベンダーマシンでメンタス買いまくりながら日々コンソールに向かう地獄のよォな日々を送るエリヤに未来はあるのかッ!
ちなみにFOOKではエリヤの外観がリプレイスされています。
バニラでは種族Caucasian Old(HispanicOldAged)で作成されているエリヤですが、FOOKではFather Elijah(FookFatherElijahRACE)という専用種族で作成されており、ホログラム等で見られる肖像画により近い外観になっております。
なんでこんなところに力入ってるんだよ!
ぶっちゃけオリジナル版は肖像画と全然似てなくて「誰このジジイ」状態だったのですが、どうもそう考えたのは俺だけじゃなかったらしい。わざわざModで作り直されるって相当ですよ。女性NPC美化とかいうんならまだしもジジイですからね。
ちなみに小説でクリスティーンをBOSナイトと書きましたが、Fallout Wikiによると、どうも彼女は元スクライブで後からナイトに転向したという珍しい遍歴の持ち主であるようです。
恋人のヴェロニカがスクライブなので、おそらくはエリヤがヴェロニカと引き離すため無理矢理クリスティーンをスクライブからナイトへ転向させたのではないかと思います。かなり無茶な配置転換ですが…
おそらくクリスティーンがエリヤを憎んでいるのは、そうした環境の変化によるストレスもあったのでしょう(珍しい事例なので、当然仲間から変わった扱いを受けるようになるでしょうし)。もっともナイトに転向したおかげで卓越した戦闘能力を得、自らエリヤ抹殺を任ぜられるというチャンスをものにするわけですけども。
ここからはかなり私見と偏見に満ちた考察をお送りします。
ディーンとヴェラは共謀してシンクレアを陥れようとしますが、そもそもこの二人はどんな関係だったのでしょうか?そこでまず、ヴェラ・キーズという人物について考えてみましょう。
戦前の若きスターだったヴェラですが、ゲーム中で入手できるホロテープやディーンの評価を聞く限り、ヴェラは決して歌や演技に絶大な才能があったわけではないことがわかります。しかし才能があれば大成できるわけではないのが芸能界の怖いところ、逆もまた然りです。
おそらくヴェラには「彼女の才能を買っていた」パトロンのような存在がついていて、その人物のコネで仕事を紹介してもらっていたのではないでしょうか。業界に広く顔を持ち、強い影響力を持つ人物…たとえば、そう、ディーンのような。
当のディーンは純粋にヴェラに心酔していたというよりも、邪魔者を陥れるための駒として彼女を「飼っていた」可能性が高いと思います。シエラ・マドレ各所で知ることができるディーンの戦前の暗躍ぶりを見るに、彼はシンクレアと出会う前から、ああいった謀略は自家薬籠中のものであったと推察できます。
俺はディーンはヴェラを「愛していなかった」と考えています。
というのも実際のところ、作中でディーンがヴェラについて「愛している」あるいは「個人的に特別な感情を持っていた」という趣旨の発言をしたことは無く、むしろシンクレアを嵌めるためいかにヴェラを利用したか、事の成り行きが計画通りに進んでいったかということばかり得々と語る様子から、ヴェラに恋愛感情を持っていたと考えるのは少々難しいです。
おそらくディーンにとって、ヴェラは利用価値のある数多くの駒の一つ、程度の存在でしかなかったのではないでしょうか。ゲーム中、クリスティーンの声についてディーンが口にする「代わりのヴェラ・キーズは幾らでもいる」という台詞が示唆的だというのは考え過ぎでしょうか?
わりと誤解されやすいですが、ディーンとシンクレアはヴェラを巡って争っていたわけではありません。ディーンはシンクレアへの復讐を誓ったあと、シンクレアを陥れるため彼にヴェラを紹介し、そこではじめてシンクレアとヴェラは知り合います。
なので順序的に、ディーンの復讐の原因が恋愛絡みの嫉妬というのは有り得ないことなのです。むしろシンクレアがヴェラに夢中になるほどディーンにとっては都合が良かったと言えます。
シエラ・マドレ強奪計画が着々と進むなか、ディーンはヴェラがシンクレアに情を移し、自分を裏切る可能性があることについては気づいていたと思います。ヴェラを薬漬けにし、自分との関係を匂わせるホロテープを脅迫材料として持っていたのは、「裏切ったら俺だけではなくお前も身の破滅だぞ」と自覚させるためのものだったのでしょう(大スターと関係を持ち、深刻な薬物中毒を患った若手女優の醜聞なんてものが世間に知れたら即人生終了のお知らせです)。
要は「成功するも失敗するも一蓮托生だぞ」、と釘を刺していたわけですね。それに、愛していなくても女を抱くことはできますし(ディーンのような人間にとっては尚更でしょう)。まして相手がヴェラのような美人ならば。
ディーンにとって予想外だったのは「それでもヴェラがシンクレアに密告した」こと、そして最終的にシンクレアが「ヴェラを許した」こと、だったのではないでしょうか。
ディーン生存エンドにて、彼はシンクレアがヴェラに宛てたメッセージを読み、彼の心情は「奇妙な悲しみを覚えたが、理由は分からなかった」と描写されます。
あくまで他人は利用するための存在であり、「対人コミュニケーション=利得絡みの駆け引き」としか認識していなかったディーンにとって、自身の身の破滅を予測したうえで罪を打ち明けること、そして一度は恨んだ相手を損得勘定抜きで許すというのは、まったく理解できない感情だったのではないでしょうか。
おそらくディーンは「自分以外の人間を愛せない(愛することを知らない)人間」だったのではないかと思います。
一見完璧に思える彼の計画に穴があったとすれば、損得だけでは動かない人間の感情を軽視した点だと言えるでしょう。
ちなみにヴェラはデータ内に未使用NPCとして存在しており、「Starlet」という名前がついています。これは将来有望な若手スターを意味する単語のようですね。
2016/05/26 (Thu)00:15
どうも、グレアムです。Fallout: New VegasのSSつき小説Dead Money編が終了したので、今回はアクションシーンの撮影についてチラッと説明します。
ご自身でも画面写真の撮影を行っている方は気づかれるかもしれませんが、今回は主にアクションシーンで通常は撮影できない画像が幾つか存在します。個性的なポーズからの発砲、同じ画面内にマズルフラッシュが複数存在する、トレーサーの数が多い、V.A.T.S.でもないのに弾頭が目視できる等々…
先に断っておきますが、これは合成ではありません。すべてゲーム内で処理しています。
では、どうやったのか。
非常に単純です。強引です。力技です。
薬莢・マズルフラッシュ・トレーサー・弾頭、
これらをコンソールからクリックで指定できるよう、
Meshにコリジョンを仕込んで別名で保存し、
Miscアイテムとして登録しました。
そう、今回の作中の画面内に登場するこれらのエフェクトの大部分は、じつは内部的にはアイテムだったのです!画面撮影時はTFC1で時間を止めたあと、Miscアイテムとして新たに作ったそれらをコンソールから呼び出して位置と角度を調整してます。
キャラクターのポーズはその前に固定していることが多く、実際に敵を攻撃しているのは画面外にいるプレイヤーだったりします。そのため主人公クレイブも実は同じ外観のNPCを立たせていることが多いです。
また画像撮影時には一枚の絵としてのインパクトを重視するため、マズルフラッシュやトレーサーが実際は銃身の向きからズレていたり、薬莢や弾頭のサイズが二倍だったりすることも珍しくありません。
エリヤと決着後の首輪を投げるシーンでは首輪のサイズがそれぞれ1.3~1.4倍になっており、実際は同じ距離に置かれていながら遠近感を出すという手法を試みたりもしています(これはENBの持つDoFのピント調整を誤魔化すためでもある)。
最終戦でのV.A.T.S.を使ったタレット破壊シーンはかなり気合入ってます。
こう、トライガンみたいな感じでですね。ああいうのをFalloutの画面上で再現してみたかったんです。今回、その気になればやれるということがわかりました。
以下は撮影方法を確立する前にテスト的に撮影したサンプルです。
狙撃シーンのサンプル
マックスペインというか、スナイパーエリート的な
トリックショットのサンプル
どんなポーズの射撃だって自由自在
実際に敵を攻撃しているのは画面外のプレイヤー
ダブルサブマシンガンのサンプル、Vault3にて
俺はずっとこういうのがやりたかったんだよ!
10mmサブマシンガン二挺でフィーンド殲滅
Hotline Miami 2のマークの如く
エイイッ殲滅殲滅ゥ!!
まあ…なんでいまさらNew Vegasの撮影でこんなに気合入れようと思ったかっていうと、Fallout4で二挺拳銃が実装されなかったことを知ったからなんですが。なんでだよ!Skyrimで二刀流実装したじゃねーか!チクショウ!
2016/05/24 (Tue)18:39
Fallout New Vegas : Twin Aces
Dead Money - Epilogue -
傭兵が去ってから、長い時間が過ぎた。
ヴィラ中央広場の噴水に置かれたラジオからはヴェラ・キーズの歌が流れ、そして噴水に腰掛けるクリスティーン・ロイスの口からヴェラ・キーズとまったくおなじ声が発せられる。ラジオにあわせて歌うクリスティーンの前には、ゴースト・ピープルたちがまるで聴衆のように大人しく、攻撃的な態度を見せることなく静かに佇んでいる。
いつからかゴースト・ピープルはクリスティーンに危害を加えなくなり、まるでそこに誰もいないか、あるいは彼女がホログラムであるかのように振る舞うようになった。その理由はクリスティーンにもわからなかったが、彼らが敵ではないとわかると、彼女自身もゴースト・ピープルの存在を意識することがなくなった。
ときおりシエラ・マドレの伝説を聞いて無謀な挑戦に訪れる冒険者を丁寧に、しかし強硬的な態度で追い返しつつ、クリスティーンは時間の概念を失ったかのように、今日も歌い続ける。
ヴェラ・キーズの代表曲、「再出発( Begin Again )」を。
はじまりは夜に訪れるもの
今夜すべてをやり直しましょう
あなたの腕でわたしを抱きしめて
頬をそっと寄せてほしい
どこへだって行ける
望みのものが見つかるはずよ
もう行く時間だわ
だから今夜、今夜すべてをやり直しましょう
一方…モハビ・ウェイストランド東部、188交易所。
俺の名はクレイブ、傭兵だ。
シエラ・マドレでの任務を完了しヒドゥン・バレーに潜伏しているモハビBoSに報告を終えた俺は、主要道路の交差点であり、NCR軍やキャラバン隊の通過点として栄えるこの市場に、知人を訪ねてやってきていた。
「よおーアレキサンダー!商売は順調かね?」
「まずまずってところだ。おまえは相変わらず疫病神を演じてるのか、ン?」
「そっちこそ相変わらず初見の客をいびってるんだろ?」
「「アッハッハッハッ!」」
小洒落たコバルトブルーの傭兵服を着ているのはアレクサンダーという男で、ガンランナーという銃器製造会社の出張販売員だ。質の良い武器を数多く揃えているが、素人客には決して売ろうとしない。ポリシーがあるのだという。
ウェイストランドで銃を新規に製造できる技術を持つグループは稀で、さらに質の良い銃を作れるというのは滅多にない才気だ。大半がオーバーホールした戦前の銃を扱うウェイストランダーにとって、新造の高性能銃というのは喉から手が出るほど欲しい高嶺の花であり、それが生き馬の目を抜くウェイストランドで売り手市場が成り立つ理由だった。
なにを隠そう、いま俺が腰にぶら下げている拳銃もガンランナー製だ。それは俺がガンランナーを信頼していることを意味し、そして、ガンランナーも俺を認めていることを意味していた。
なんたって、こいつは特注品なのだ。専用のシリアルナンバーと刻印が打たれ、俺好みに調整されている。贅沢とは無縁の俺が、いつも財布に穴が空いたようにからっけつなのは、こういうところでの金遣いが荒いからだった。タレットの強化装甲を薄いアルミ缶のように引き裂いた特殊弾然り。
仕事の道具を選ばずとも戦えるのは傭兵として必須のスキルだが、選べる状況でそれをしないのはただのアホだ。
なにより…最高の装備で戦いに挑む瞬間ほど、人生で楽しいものはない。
俺はアレクサンダーと肩を抱き合い、拳を合わせてから、彼の周囲で暇そうに煙草をふかしている護衛を一瞥し、口を開く。
「今日はもう客なんか来ないだろう?カンバンにして、上の店で飲もうぜ。奢るよ」
「奢り?おまえがか?また悪いことをやらかしたな、こいつめ。それじゃあ、不幸を被った誰かのために乾杯するとしよう」
「ちょっとは嬉しそうにしろよ!」
それから俺たちはサミュエルとミッシェルのケール父娘が経営する188スロップ&ショップへ行き、それぞれウィスキーとビールを注文してスツールに腰かけた。
空瓶が何本か転がり、灰皿が吸殻で溢れそうになったころ(煙草を吸うのは俺だけでアレクサンダーはあまり良い顔をしなかったが)、俺はバックパックから「あるもの」を取り出し、アレクサンダーに見せた。
ずっしりと重い金のインゴットを手に取り、しばらくそいつを眺めてから、アレクサンダーは酔いで赤くなった鼻を鳴らし、神妙な面持ちになった。
「色を塗った合金…てわけじゃなさそうだな。カジノでも襲ったのか?」
「まあ、そんなもんかな」
「おまえ、いつから強盗にジョブチェンジしたんだ?やめろよ、ヤバイ話は御免だぜ。なにを敵に回したんだ?まさかストリップ地区の三大ファミリーじゃないだろうな」
「そういうんじゃないよ。もう閉鎖されたカジノさ、戦前の。強盗じゃない、スカベンジ(ゴミ漁り)さ」
「そりゃあ、また。たいした宝を掘り当てたもんだな」
「なあ、そいつを捌けるアテはないか?」
「…おまえな。俺が何に見える、金物屋か?そりゃあ商売柄、ガンランナーは金属に関する知識はあるがな。こういう物(ブツ)の取引は専門外だ」
「上客には金持ちも多いんだろ?そういうツテで欲しがる客を探せないか?」
「簡単に言ってくれるなよ。客にはなんて説明するんだ?『じつは先日、知り合いがこの出所の怪しい金を持ってきまして、できれば買っていただきたいのですが』って言うのかよ?ふざけてんのか…それに今日び、金に絶対的な資産価値があるわけでもないしな」
「そうなのか?」
「というより、適正な価格で扱える人間が少ないのさ。こんな時代じゃあな。それに適正な価格を知ってるからといって、適切な価格で買ってくれるとは限らない。難しい商品なんだよ、こいつは」
「それじゃあガンランナーはどうだ?」
「ハァ?なんでうちが金なんか買わなきゃならないんだ?資産価値として期待は持てないと言ったろう」
「そうじゃなくてさ。金持ちの客を相手に、金そのものが売れないなら、金でできた銃を作って売るっていうのはどうかなと思って」
「金の銃!?なんて悪趣味な発想だ!うちは実用性第一で売ってるんだぞ、宝石屋を気取っておチャラいファンシー・アイテムなんぞ売れるか!」
「需要はあると思うがなぁ…」
おそらくポリシーに触れたのだろう、癇癪を起こすアレクサンダーに、俺は力なくつぶやいた。
そう…この金塊はシエラ・マドレの金庫から持ち出したものだ。
エリヤから連絡を受けターミナルから離れる直前、数本をバックパックに忍ばせておいたのである。大量に盗まなかったのは怪しまれないためというより、単純に重く嵩張るためである。
退職金を欲しがる歳ではないと言ったが、金に頓着しないわけじゃない。ないよりはあったほうがいい。当たり前の話だ。俺は善人でも聖人君子でもない。役得は有り難く頂戴する、それが俺の流儀ィィッ!
…なんだが、そう、このウェイストランドじゃあ金のインゴットなんて売り先に困るんだよな。
そんなわけで、とりあえず顔の広い、特殊な顧客のネットワークを持つアレクサンダーに話を持ってきたのだが…
それからしばらくは金塊を酒の肴に他愛のない話を繰り返し、夜が更けてから俺は席を立ち上がった。
「もう行くぜ、今日はボルダーシティに宿をとってある。じゃあな」
「ちょっと待て」
去ろうとする俺を、アレクサンダーが呼び止める。
テーブルに残したまま忘れていた金塊を手に取り、彼は言った。
「こいつだが…しばらく、俺に預けちゃもらえないか?さっきの話だが、提案そのものは悪くない。俺の一存じゃ決められないが、今度ニューベガスの支社に戻ったときに上と話をしてみるよ。金塊はこの一本だけなのか?」
「あと二本ある。なにせ一本で機関銃より重いからな、その程度が限界だった。預けてもいいが、盗むなよ」
「そんなことするか。こっちは信用商売だからな」
その後、ガンランナーは特別な顧客向けに金を使った銃の製造を開始。
金を預けた俺は売り上げの一割を受け取る、という契約で話が纏まった(もっともこの部分のやり取りに関してはだいぶ揉めたのだが)。
その後、完成した銃を仕入れたアレクサンダーは188交易所で限られた客のみをターゲットに販売をはじめた。
黄金に輝く銃を観察しながら質問する客に、アレクサンダーは饒舌に説明を加える。
「純金か?」
「いえ、合金です。金は熱と衝撃に弱いので、そのままでは実用に向きません。インテリア用の飾りでなら問題ありませんが、我がガンランナーでは見た目と実用を兼ねた銃器製造をモットーにしておりますもので」
全体に彫刻(エングレーヴ)が施されたブローニング・ハイパワーを手に、「選ばれた客」に対してだけ向ける愛想の良さを振りまきながら、アレクサンダーは言葉を続けた。
「見た目が派手なだけじゃありません、内部パーツもすべて吟味された精度の高い部品を選りすぐって使用しています。トリガーは引きと戻しが最小になるよう調整され、バレルは内側にクロムめっき処理が成されています。汚れに強く、寿命が飛躍的に延びます。精度はわずかに落ちますが、拳銃の有効射程内では問題になりません。リコイル・スプリングはコイル型の二重式を採用しておりまして、プリンキング用のアモからホット・ロードまで弾の種類を選びませんよ。サイトはオールドなスタイルですが、緑に発光するトリチウム・カプセルが埋め込まれ暗所でのサイティングを容易にします」
「本物の白蝶貝を使ったパールグリップには、聖母マリアを象ったレリーフが嵌め込まれています。格調高く、気品漂う逸品に仕上がっておりますよ」
「すこし隙間が目立つな?」
「ええ、モハビは砂が吹きますもので。マッチ用ならタイトに仕上げるんですが、コンバット・シューティングを想定した場合、砂を噛んで動作不良を起こさないよう、あえてクリアランスを設けてあるんです。精度に致命的な影響を与えないギリギリのスペースを、我がガンランナーの腕利きの職人が見極めて調整しています。安心してお使い頂けることでしょう」
「なるほど、実戦的なカスタムというわけか。気に入ったぞ」
客の男…白いチェック柄の派手なスーツを着た伊達男は、アレクサンダーから銃を受け取ると、しばらく眺め、遊底を引き、アクションを確認したのち、満足げなため息をついた。
「こいつをもらおう。一括払い、キャップでだ」
「ありがとうございます。
ベニーの旦那」
このときのアレクサンダーには知る由もなかった。目の前の男、ザ・トップス・カジノを経営するニューベガス・ストリップ地区の三大ファミリー「チェアメン」のボスが、間もなく知人の傭兵と因縁を築くことになるなどとは…
< Wait For The Next Deal... >
どうも、グレアムです。Fallout: New Vegas、Dead Money最終回です。
ヴェラ・キーズのBegin Again、作中のはかなり適当な和訳です。ディーン・ドミノの回でちょっとだけ出てきた、Saw Her Yesterday(というかSomething's Gotta Give)もそうなんですが。
因果はどんなふうに巡るかわからない、ということで、ベニーの愛銃マリアの出自をでっちあげてみました。本来はマリアのカラーは金ではなく銀(クロムめっき?)なのですが、せっかくなのでテクスチャを改造。FOOKはバニラに登場する銃のほとんどをMeshから差し替えるのですが、なんと新Textureはグリップのマリアの肖像が消されてて参った。Textureの配置が違ってるかもわからないので、この部分だけバニラのTextureを抜き出して移植しました。面倒臭かった…
ていうかベニーがカッコ良く撮れねェよ!なんでゲーム中のグラフィックはこんなに冴えない顔なんだよコイツ!ハの字眉で垂れ目で若干下膨れ気味とかどうすんだこれ。ベニーだけリプレイス系のMod入れたいなぁ本当に…あるかな?