主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。
生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。
http://reverend.sessya.net/
2016/05/28 (Sat)00:24
どうも、グレアムです。今回は前回に引き続きFallout: New Vegas小説Dead Money編のこぼれ話をダラダラと書いていきます。
傭兵クレイブの物語において、エリヤは最後にシエラ・マドレの金庫室に閉じ込められます。実績「Safety Deposit Box」解除のシナリオ(通称:エリヤ閉じ込めエンド)ですね。あれゲーム中だと条件がすげーわかりづらいですよね。あれで閉じ込めたことになんのか?という。なので小説では視覚的にわかりやすく、話の内容もわりと改変してあります。
ちなみにエピローグ時の金庫室はエリヤの内心を表現するかのようにめっちゃ散らかってます(笑)メンタスが大量に転がってる(&机の上にも置いてある)のがわかるでしょうか。たしかOld World Bruesで入手できる情報で、エリヤも若干メンタス中毒っぽい描写があったと思うので、こういった小ネタを仕込んでみた次第。ドッグ&ゴッドとディーンの画像の悲惨さに比べてギャグっぽくなってしまうので、極力雰囲気を壊さないよう控え目にはしたつもりですが(なのでインパクトの強い正面アップ顔は没になった)。
ベンダーマシンでメンタス買いまくりながら日々コンソールに向かう地獄のよォな日々を送るエリヤに未来はあるのかッ!
ちなみにFOOKではエリヤの外観がリプレイスされています。
バニラでは種族Caucasian Old(HispanicOldAged)で作成されているエリヤですが、FOOKではFather Elijah(FookFatherElijahRACE)という専用種族で作成されており、ホログラム等で見られる肖像画により近い外観になっております。
なんでこんなところに力入ってるんだよ!
ぶっちゃけオリジナル版は肖像画と全然似てなくて「誰このジジイ」状態だったのですが、どうもそう考えたのは俺だけじゃなかったらしい。わざわざModで作り直されるって相当ですよ。女性NPC美化とかいうんならまだしもジジイですからね。
ちなみに小説でクリスティーンをBOSナイトと書きましたが、Fallout Wikiによると、どうも彼女は元スクライブで後からナイトに転向したという珍しい遍歴の持ち主であるようです。
恋人のヴェロニカがスクライブなので、おそらくはエリヤがヴェロニカと引き離すため無理矢理クリスティーンをスクライブからナイトへ転向させたのではないかと思います。かなり無茶な配置転換ですが…
おそらくクリスティーンがエリヤを憎んでいるのは、そうした環境の変化によるストレスもあったのでしょう(珍しい事例なので、当然仲間から変わった扱いを受けるようになるでしょうし)。もっともナイトに転向したおかげで卓越した戦闘能力を得、自らエリヤ抹殺を任ぜられるというチャンスをものにするわけですけども。
ここからはかなり私見と偏見に満ちた考察をお送りします。
ディーンとヴェラは共謀してシンクレアを陥れようとしますが、そもそもこの二人はどんな関係だったのでしょうか?そこでまず、ヴェラ・キーズという人物について考えてみましょう。
戦前の若きスターだったヴェラですが、ゲーム中で入手できるホロテープやディーンの評価を聞く限り、ヴェラは決して歌や演技に絶大な才能があったわけではないことがわかります。しかし才能があれば大成できるわけではないのが芸能界の怖いところ、逆もまた然りです。
おそらくヴェラには「彼女の才能を買っていた」パトロンのような存在がついていて、その人物のコネで仕事を紹介してもらっていたのではないでしょうか。業界に広く顔を持ち、強い影響力を持つ人物…たとえば、そう、ディーンのような。
当のディーンは純粋にヴェラに心酔していたというよりも、邪魔者を陥れるための駒として彼女を「飼っていた」可能性が高いと思います。シエラ・マドレ各所で知ることができるディーンの戦前の暗躍ぶりを見るに、彼はシンクレアと出会う前から、ああいった謀略は自家薬籠中のものであったと推察できます。
俺はディーンはヴェラを「愛していなかった」と考えています。
というのも実際のところ、作中でディーンがヴェラについて「愛している」あるいは「個人的に特別な感情を持っていた」という趣旨の発言をしたことは無く、むしろシンクレアを嵌めるためいかにヴェラを利用したか、事の成り行きが計画通りに進んでいったかということばかり得々と語る様子から、ヴェラに恋愛感情を持っていたと考えるのは少々難しいです。
おそらくディーンにとって、ヴェラは利用価値のある数多くの駒の一つ、程度の存在でしかなかったのではないでしょうか。ゲーム中、クリスティーンの声についてディーンが口にする「代わりのヴェラ・キーズは幾らでもいる」という台詞が示唆的だというのは考え過ぎでしょうか?
わりと誤解されやすいですが、ディーンとシンクレアはヴェラを巡って争っていたわけではありません。ディーンはシンクレアへの復讐を誓ったあと、シンクレアを陥れるため彼にヴェラを紹介し、そこではじめてシンクレアとヴェラは知り合います。
なので順序的に、ディーンの復讐の原因が恋愛絡みの嫉妬というのは有り得ないことなのです。むしろシンクレアがヴェラに夢中になるほどディーンにとっては都合が良かったと言えます。
シエラ・マドレ強奪計画が着々と進むなか、ディーンはヴェラがシンクレアに情を移し、自分を裏切る可能性があることについては気づいていたと思います。ヴェラを薬漬けにし、自分との関係を匂わせるホロテープを脅迫材料として持っていたのは、「裏切ったら俺だけではなくお前も身の破滅だぞ」と自覚させるためのものだったのでしょう(大スターと関係を持ち、深刻な薬物中毒を患った若手女優の醜聞なんてものが世間に知れたら即人生終了のお知らせです)。
要は「成功するも失敗するも一蓮托生だぞ」、と釘を刺していたわけですね。それに、愛していなくても女を抱くことはできますし(ディーンのような人間にとっては尚更でしょう)。まして相手がヴェラのような美人ならば。
ディーンにとって予想外だったのは「それでもヴェラがシンクレアに密告した」こと、そして最終的にシンクレアが「ヴェラを許した」こと、だったのではないでしょうか。
ディーン生存エンドにて、彼はシンクレアがヴェラに宛てたメッセージを読み、彼の心情は「奇妙な悲しみを覚えたが、理由は分からなかった」と描写されます。
あくまで他人は利用するための存在であり、「対人コミュニケーション=利得絡みの駆け引き」としか認識していなかったディーンにとって、自身の身の破滅を予測したうえで罪を打ち明けること、そして一度は恨んだ相手を損得勘定抜きで許すというのは、まったく理解できない感情だったのではないでしょうか。
おそらくディーンは「自分以外の人間を愛せない(愛することを知らない)人間」だったのではないかと思います。
一見完璧に思える彼の計画に穴があったとすれば、損得だけでは動かない人間の感情を軽視した点だと言えるでしょう。
ちなみにヴェラはデータ内に未使用NPCとして存在しており、「Starlet」という名前がついています。これは将来有望な若手スターを意味する単語のようですね。
PR
Comment