主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。
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2016/03/25 (Fri)23:28
どうも、グレアムです。現在Mount and Blade : WarbandのMod「Morrowind : House Wars」を継続プレイ中です。
基本的にはMorrowindを舞台にダンマーの五大家のいずれかに与して戦うことになる当作ですが、勢力は五つではなく六つ存在します。Dres家、Hlaalu家、Indoril家、Redoran家、Telvanni家がそれぞれシノギを削る中、ダークエルフ同士の抗争に敢然と横殴りをする勢力、それはBlack Marshッ!!
そう、どいつもこいつもダンマー尽くしな当作において(なんせ村の住民もダンマーだらけだ)、他のあらゆる勢力を差し置いて登場するのがアルゴニアンなのであるッ!!
肝心のTES3をほとんどプレイしていないので何とも言えないのだが、Brack MarshはMorrowindのすぐ南だし、TES4の後に発生したレッドマウンテンの噴火直後にサルモールに焚きつけられたアルゴニアンの軍勢がMorrowindに侵略してたりするので、そのへんが関係あるのかなと思う。
ていうか当作のBlack Marshの拠点であるStormholdとかThornって思いっきりBlack Marsh領(国境の向こう側)じゃねーか。どうやら当作のMapはMorrowindだけではなくBlack Marshもちょっぴり含まれているようだ。
最初はSkyrimの新プレイ日記に引きずられてアルトマーでプレイしていたのだが、アルゴニアン愛好家の俺としては夏のトカゲがエルフどもを吊るさざるを得ない。そんなわけで最初からやり直し、現在アルゴニアンの戦士としてMorrowind征服に向けて活動しています。
アルゴニアンのユニットは歩兵タイプと弓兵タイプに分岐し、複雑に枝分かれはしないようです。歩兵タイプの最終進化形はGuardian of the Hist(ヒストの守り手)、なにやら神聖そうなユニットだ。それまでの鎧姿から一転、フンドシ一丁に両手剣を携えた益荒男ぶりを披露してくれる。一見蛮族というか山賊の親戚にしか見えないのだが、たぶん神(あるいはヒスト)の加護か何かがあるのだろう。近接戦闘極振りのステータスは惚れ惚れするほどだが、戦士職の宿命ゆえか死亡率が高い。育てるの大変なのに…
そして弓兵タイプの最終進化形はなんとShadow Scale!闇の一党とも関わりが深いアルゴニアンの伝統ある暗殺者だ、これはアツイぞ!一見するとステータスが低いのだが、たぶん何か特技があるんだろう。
斯様に当作は「ダンマーか、アルゴニアンか!」というニッチな二択を迫られるModなんですが、アルゴニアン愛好家としてはかなり嬉しい誤算でしたね。
ただアルゴニアンには騎兵ユニットが存在せず、運用には気を遣わなければなりません。俺はいままで「自分さえ強ければいいや」というプレイスタイルを通してきたのですが、アルゴニアンの軍勢を組織できるとなれば仲間も積極的に育てていきたいところ。
とりあえずプレイヤーとコンパニオンを騎乗させて先行突入、敵を撹乱することで歩兵部隊を安全に前線まで送るというスタイルでプレイ。いまのところ上手くいっている。
気になるバグとしては、NPCがFireballの魔法を使うとゲームを終了させるまで爆発音がループ再生し続けるという厄介なものが存在。なんていうかなー、M&BのModに登場する爆発物(範囲攻撃)ってなんでこうも動作がバギーなのかなァ。爆発エフェクトがずっと残ったままになるとかさ。
あまりにも鬱陶しいので、スクリプトを参照するトリガーの記述を削除してただの投石と同じ扱いにしてしまった。べつに、戦場にどうしてもFireballが必要だとは思わんし。魔法使い系ユニットはご愁傷様だけど。
と、ここまでやって気づいたのだが、ひょっとして同じ処置を施せば、The Red Warsのあの忌々しい手榴弾も無効化できるのか?自分が使っても微妙性能なくせ、NPCが使うと漏れなく(たとえ味方が使ったものであっても)プレイヤーの足元が爆発して即死するクソゲーっぷりを見せつけてくれるあの手榴弾を?なんてこった、もっと早く気づきたかったぜ。
ちなみに爆発物は1860s Old Americaにも存在する。たしかフランス軍の兵士しか使ってこなかったと思うので影は薄いのだが、やはりThe Red Warsのときと同じく徒歩で走っていようが、騎乗で駆けていようが、物陰に隠れていようが、味方の背後についていようが、最前線で戦っていようがお構いなしにいきなり足元が爆発して即死するクソゲーっぷりを発揮してゲンナリさせてくれた記憶があるので、今後は爆発物関係はトリガーを削除してやることにしよう。
つーかM&Bのシステムに爆発物って合わんよな。グレポン(って言い方は語弊あるか?)にプレイヤースキルも戦術もなにもあったもんじゃない。たとえ正常に動作したとしても、いらんよ、こんなもん。まあ、「一見ナイスな要素だと錯覚してしまう」のは理解するが。
しかし、他のModからアイテム移植するとたまにテクスチャがズレたり表示がおかしくなったりするのは何故なんだぜ。以前はこんなことなかったはずだが…Materialの設定によるのか?少なくともOpenBrfのビュワー内では(それと多くの場合、元のModでも)正常に表示されてるんだが。Materialデータも単にコピペしただけだから変になりようがないと思うんだがなー。TextureのFlag関連も怪しい。色々試してくしかないな。
ぼちぼちですがThe Reckoningもプレイ。
新規アイテムを追加したものの、どういうわけかMerchandise属性をつけても店頭販売されないので色々調べてみたところ、当作はScripts.txt自体にかなり手が入ってるらしく、Nativeと全然記述が違うので太刀打ちできなかった。というか店頭販売されてるアイテムにMerchandise属性がついてなかったりするのがもうね。
仕方がないのでCamp画面のCheatメニューから入手しようとするも(詳細はmno_camp_cheatでググレ)、残念ながらこの機能だとアイテムIDの697番目までしか参照できない。Nativeが603まで存在し、大抵の大型Modは軽く1000近いアイテム総数だったりすることがザラなので、これでは新規追加したアイテムを拝むことなど到底できない(ちなみにThe Reckoningのアイテム総数は1202)。
あまり推奨されることではないが、ひとまずModで未使用のNativeアイテムを上書きすることで対応することにした。
改めて思うのは、M&Bは本当にModフレンドリーということです。余程クリティカルなミスを犯していなければまず強制終了やフリーズは発生しないし、エラーが発生した場合は即座にメッセージログが表示されるので不具合の原因特定が容易。これは非常に有り難い。
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2016/03/23 (Wed)21:18
どうも、グレアムです。今回は最近プレイしたゲームの雑感などをボチボチと。
まずはUnturned。ひさしぶりにプレイしたらまた色々と要素が追加されてましたね。目立つものはMAP各所に配置されたNoteでしょうか。いわゆる生存者のメモ的なやつで、世界崩壊時に何が起きたのかを偲ばせる内容が書かれています。
新アイテムで気に入ったのはネイルガンですね。クギ四つで専用弾倉を製作可能で、弾倉へのリロードの概念はなし(使い捨て)。あまり威力はないので実用性は低いんですが、撃ってて楽しい銃です。銃火器用の弾薬も追加されてるんですが(従来の三種類がLow Velocity弾と位置づけられ、稀に新規追加されたHigh Velocity弾がドロップする)、こっちはまだよくわからないな。
満月時に敵がほとんどスポーンしなくなったのはちょっと気になりますね。ただ直近のバージョンでは敵やアイテムのスポーン率その他難易度の調整をプレイヤー側で変更することが可能になっているので、そっちのほうで適宜合せてくれってことなんでしょうか。
グラフィック関連はミップマップが最適化されて見た目が自然になった点が挙げられますね。
現状だと追加要素に対する調整が不足してて、これからバランス取りに入るのかな、というところでしょうか。
そしてOSを入れ直してからプレイしていなかったMount and Blade : Warbandも再開。
まず試したものはThe ReckoningというMOD。なんとM&Bでポストアポカリプスな世界を再現するというもの。容量1GB超の力作で、システム関連にもかなり手が入っている。雰囲気は抜群で、グラフィックのクオリティの高さは特筆モノ。
ただしゲーム的にはかなりバギーでシステム関連が相当に不安定。カメラの表示位置や、銃の弾薬関連の挙動が軒並みおかしいので快適なプレイとは程遠く、不自由を強いられることになる。またポストアポカリプスといってもサバイバル的な要素が追加されているわけではなく、実ゲームプレイは「相当に不自由なM&B」でしかないので、現状でゲームそのものを楽しめる段階には至っていない。
いかにもα版といった出来だが、おそらくはまず見た目に全振りしたのであろう製作姿勢、その割り切りはある意味で清々しいほどで、今後システム関連をブラッシュアップすれば唯一無二のMODになることは間違いない。ただMOD DBのコメント欄でやたらと死亡扱いされてるのが不吉だが…リリース日はそれほど古くないので、コンテンツ死亡を断定するには早すぎると思うのだが。
現状では物好き用の試用版といったところで、あまりオススメはできない。
ちなみに各スカベンジ・ポイントでのリソース(物資)の回収方法だが、これはマップ内に一つ置かれている物資に向かってHキーで取得できる(キーコンフィグでの変更は不可、リソースの取得数はランダム)。物資は場所によってかなりわかりづらい位置に置かれているほか、中には壁に埋まってたりするケースもあるので、あまり真面目に探さないほうがいい(しばらくマップ内を捜索して発見できなかったら素直に諦めたほうがいい)。
それとモロウィンドでの五大家の抗争を描いたMorrowind : House Warsも試しにプレイ。おなじみの種族が登場し、MAPもモロウィンドを再現したものが用意されている。魔法は投擲武器のシステムを流用しているようで、槍を投げられているのかと思ったら氷柱だったというファンタスティックな光景が拝める。
俺はTES3に関してはまったく詳しくないので(一応購入して序盤だけプレイしたのだが、システムの中途半端な古臭さにメゲてしまった。これがArenaやDaggerfallくらい古ければ逆に抵抗感はなくなるのだが…)、それぞれの家の特徴もわからずなにがなにやらという感じだが、TESシリーズおなじみの種族や装備でM&Bをプレイできるというだけで相当に楽しいし、MAPの地名(拠点、街や村など)や人名におなじみの名前が登場することから、Morrowindプレイヤーであれば相当に感慨深いのではないだろうか。
ただ残念ながらコンパニオンはNativeの連中が登場する。
まだプレイしていないが、バージョンが1,1に上がった1860s Old AmericaもDLしたので楽しみである(前回プレイ時は0.99z)。
個人的に気にかけていたThe Red Warsは残念ながらまだ新しいバージョンは出ていない。というか、Steamワークショップに登録を拒否されたとかでMOD作者がめっちゃやさぐれてた…
2016/03/21 (Mon)05:40
俺の名はアーケイド、アルゴニアンの商人だ。今回はすこし昔話でもしようか。
俺はブラックマーシュ南部のリルモスという街で生まれた。らしい。
詳しいことはわからないが、生まれたばかりの俺は麻袋に入れられて街外れの井戸のすぐそばに捨てられていたというから、たぶん、そうなんだろう。そんなわけだから、俺は実の両親の顔も名前も知らない。
赤ん坊を捨てたのは経済的な理由か、あるいはもっと複雑な何かがあったのかは知らないが、俺の実の母は、俺の入った麻袋をそのまま井戸の中に放り投げるほど冷酷にはなれなかったらしい。井戸は街の共有財産だから、それを汚すことに抵抗があったのかもしれないな。
俺を拾ったのはビル婆さんという、偏屈なことで有名な物乞いの老婆だった。
有り難いことに、ビル婆さんが俺を拾ったのは気紛れや優しさなんかじゃなかった。物乞いをするのに、捨てられた赤ん坊という小道具が役に立つと思ったからだ。他人の同情を買い、赤子のためにも金を恵んでやろうって気にさせるためにね。物乞いでありながら捨て子を養う心優しい老婆の力になってやろうって気にさせるために。
赤ん坊が食べる量なんてたかが知れてるから、損をすることなんて有り得なかった。それでもおしめの交換のことには頭が回らなかったらしく、俺がおむつを汚しては、しょっちゅうビル婆さんに殴られてたよ。「てめぇで汚しといて、なに泣いてんだ!」ってな。
そんな環境だったから、俺は自分で金を稼ぐようになるまで、腹一杯に飯を食ったことがなかった。ただビル婆さんだって、俺のためにマシなことをしてくれたこともある。たとえば、そう、名前をつけてくれたこととか。
ビル婆さんは俺を「アーク」と呼んでいた。なにか意味があるのか、たんなる思いつきか、あるいは昔の男の名前だったのかは知らないが、俺自身も、その名前はけっこう気に入っていた。
物心がついて、ある程度自分でものを考えられるようになると、俺はスリや泥棒で金を稼ぐようになった。親を知らない、物乞いに育てられた浮浪児が、ほかに金を稼ぐ手段なんてなかったからな。俺にしたって、金持ちになりたいとか、遊ぶ金が欲しいなんて考えてたわけじゃない。ただ、腹一杯に飯が食いたかっただけなんだ。
もちろん、最初から上手くやれたわけじゃない。盗みのコツもノウハウも知らなかったから、しょっちゅう捕まっては、袋叩きにされたもんだよ。さすがに街の連中も浮浪児を衛兵に突き出すほど無慈悲な連中じゃなかったさ。腕を折られかけたことはあったけどな。
ボコボコに殴られて唾を吐きかけられながら、俺は、「次こそはもっと上手くやってやる、俺をコケにした連中、俺より裕福な連中を見返してやる」っていう、恨みを原動力に独学で盗みの技術を磨いていった。
どうにか自分で飯代を稼げるようになると、俺はビル婆さんのもとへはあまり寄りつかないようになっていた。そもそも、もう一緒にいる理由もないし、ビル婆さんも、薄汚れた犯罪者のガキと家族ごっこを続けたいようには見えなかった。
しばらくビル婆さんとは疎遠になっていたが、あるとき、気紛れというか、虫の報せだったのか、たまたま会いに行こうと思ってビル婆さんのもとを尋ねたんだ。
ビル婆さんは殺されてた。俺を拾った井戸のそばで。腹を鋭利な刃物で切り裂かれて。
浮浪者仲間から情報を集めたところ、どうやらビル婆さんは俺への報復がわりに殺されたらしかった。このときにはもう俺はかなり素早くなっていて、ちょっとやそっとじゃ捕まらないようになってたから、それに業を煮やして、かわりに親代わりだったビル婆さんを殺したんだろうって話だった。
犯人もすぐに特定できた。街で雑貨屋を営んでいる親父だ。俺は以前そいつに殺されかけたことがあって、その恨みもあって、そいつの店は割と執拗に狙って盗みに入ってたんだ。恨まれるのももっともだ。その親父は鍛冶屋に特注で造らせた鋼のダガーをいつも自慢げに腰にぶら下げてた。人間の腹なんか容易く切り裂けそうな、よく研がれたダガーを。
復讐すべきだ、と俺は考えた。べつにビル婆さんのことはそれほど愛してたわけじゃなかったが、それでも俺を拾って育ててくれた、この世でただ一人の身内を殺された落とし前はつけなきゃならないと思ったよ。
それに、恨んでる相手に歯が立たないから、その関係者を殺すなんていう卑怯な手を使われたことにも腹が立っていた。一番腹が立ったのは、それを「善良な市民」がやったことだ。
相手がやくざなら、それほど腹は立たなかっただろうさ。それが裏社会の流儀ってやつだからな。だが、善良な市民なら話は別だ。善良な市民は、泥棒の被害に遭ったら衛兵に通報して、あとは衛兵に任せておかなきゃならないんだ。それ以上の行為は分を越えるってもんだ。
善良な市民は、報復に人を殺すなんてことをしちゃいけないんだよ。そういうやつが周囲から善良な市民として扱われていること、善良な市民を自称していることが、俺には我慢ならなかった。人を殺しても善良な市民でいられる存在が。
…生まれたときから社会のクズとして扱われてきた身としてはな。生まれただけで存在そのものを否定されてきた身としては。
一ヶ月かけて俺はヤツを監視し、生活パターンを把握した。
そして夜中、酔っ払った雑貨屋の親父が酒場から出てきたところを追跡し、人の気配がなくなったところで俺は素早く駆け寄り、親父が腰にぶら下げてる鋼のダガーを鞘から抜き取った。
たぶん雑貨屋の親父はそのまま逃げられると思ったんだろうな。あくまで窃盗が目的だと。だから逃げようとはせず、逆に俺を捕まえようとしてきた。
そのまま、俺は雑貨屋の親父の腹にダガーを突き刺した。そして腹を横一文字に切り裂いた。
動揺はなかった。後悔も。そして、怒りも。
雑貨屋の親父を殺したときの俺の頭は冷静そのものだった。もう相手に助かる見込みはないとわかると、それ以上に傷つけようとも思わなかった。ただ、やるべきことをやったという自覚のみがあった。
もちろん人を殺した以上、俺はその場にはいられなかった。それどころか、俺はもうこの街にいられなかった。まだ犯人だとばれたわけじゃないが、疑われるのは時間の問題だ。それに唯一の身内を失った以上、この街に居続ける理由もなかった。
俺は街を出て、あてのない放浪をはじめた。十四歳のときだった。
「前が見えねぇーッ!」
舞台はかわって、現代のスカイリム。
盗賊ギルド前マスターのガルスが遺した手がかりを究明するため、俺と相棒の戦士ボルガクはウィンターホールド大学を目指して旅を続けていた。
さんざん寄り道したせいで、近づくどころか逆に遠回りをしたこともあったが、どうにかウィンターホールドの街に到着した俺たちはすぐに宿屋へ直行し、身体を温めることにした。
「オヤジ、リーキのグリルとエールを頼むよ!しっかしこの寒さ、なんとかならないもんかねェー?ブラックマーシュの生暖かい気候が懐かしくなってくるよ」
「カジートみたいなことを言うな相棒。故郷に帰りたくなったのか?」
「帰りたい、と思ったことも、なくはないけどね…」
ボルガクの言葉に、俺は若干口を濁らせる。
「じつは俺、故郷(クニ)じゃ指名手配されててね。帰るに帰れんのよ」
「…お前~…なにやらかした?コロシか?」
「違う違う、そんなんじゃないって。俺の昔の商売に関係あることなんだけどね、そうだな…たとえば、たまに雑貨屋で特売のセールをやってたりするじゃん?ああいうの、元の商品をどうやって仕入れてると思う?」
「製造元が多く作りすぎたのを安く買い叩いたとか、仕入れる数を間違えたとか?」
「もちろん、それもあるけどね。ただ製造や発注のミスはそうそう起きるもんじゃない。俺はね、そういうのとは関係なしに、安くセール品を卸す業者をやってたんだよ」
エールをぐっと飲み干し、俺は言葉を続けた。
「俺はね…倉庫荒らしだったんだよ」
リルモスを出た俺は、ブラックマーシュを北上しながら盗賊の旅を続けていた。この時期、俺は「アーク=ビル」と名乗っていた。アカヴィルのもじりか、なんて言われたこともあったな。そんなこと考えもしなかったけどね。
俺は半年以上、同じ街には留まらなかった。盗賊が顔を覚えられたらまずいからな。
当時の俺は盗賊としての腕にはけっこう自信があって、余程のヘマをしない限り、まず捕まることなんかないと思ってたよ。衛兵なんか怖くなかったね。
ただ、じゃあ何も怖いものなんかなかったのかっていうと、これがそうでもないんだな。
俺が恐れていたのは衛兵じゃなく、盗賊ギルドの連中だった。
ヤツらにしてみれば、ギルドメンバー以外の人間が領土内で盗みを働くってのは、ナワバリ荒らし以外の何物でもないわけだ。盗賊に限らず、裏社会じゃ一匹狼は何よりも忌み嫌われる存在さ。それは、基本的に単独主義の犯罪者たちが徒党を組んでる理由を考えればわかるはずだ。
だから俺は衛兵に捕まることより、ギルドに睨まれないことに気を遣っていたね。ただ連中の情報網は凄いものだから、「アーク=ビルとかいう余所者が街を転々としながら盗みを働いている」という情報は把握してるだろう、と思ってたよ。
俺は自分の正体を隠そうとはせず、ただ「やり過ぎないように」注意を払った。盗みに入ったらまずその建物の中で一番「高価」なものを探し、「そいつだけは盗まないようにする」とかね。要するにギルドの連中に、「わざわざ自分たちが出る幕じゃない。あいつは物の価値もわからないヘッポコ野郎だ」と思わせておきたかったのさ。
もちろんギルドに加入すれば、そんな余計なことに気を遣わずおおっぴらに盗みを働くこともできただろう。だが、俺はどうもそんな気にはなれなかった。犯罪結社といっても、物乞いに育てられた浮浪児の居場所があるとは思えなかったしね。
そんな思い込みを捨ててギルドに入ってれば、ひょっとしたら俺は自分の居場所や、新しい家族と呼ぶべき存在を手に入れることができたのかもしれない。ただギルドに入るってことは、その先の人生をずっと盗賊として生きることを意味する。それは御免だった。
とはいえ他にやりたいことがあったわけでもないが、俺が望んでいたのは金じゃなくささやかな自由だったから、それで良かったんだな。それに、自分の居場所や家族なんてものにも興味はなかったし。
十九歳のとき、俺はブラックマーシュ西端の街ギデオンにいた。
「高潔なる黒狼」という名の宿の地下で高レートの違法賭博が催されている、と聞いたんで、俺は盗賊稼業で膨らんだ財布を腰にぶら下げて様子を見に行ったんだ。
アウトローの例に漏れず、俺も賭け事は好きだった。盗みのワザとともに、ギャンブルのワザについても随分と学んだものだよ。イカサマの技術比べなんか、盗みと同じくらいにスリリングな瞬間だね。
地下の賭博場で俺は連勝して、そのときはもう、誰にも負ける気がしなかったよ。
そんなとき、俺に声をかけてきたやつがいた。
「やあ兄さん、随分と調子が良さそうだね。どうだい、僕と一勝負してみないか」
それが、ヤツとの…エイド・スタームとの、運命的な出会いだった。
【 →To Be Continue? 】
どうも、グレアムです。ひさしぶりのSkyrimです。
今回はアーケイドの過去編です。ようやく設定が固まったので、二回に分けて送る予定であります。話自体はけっこう前に出来てたんですが、じつはアーケイドがECE導入前に作ったキャラで、写真撮影のためにECE環境で一度作り直す必要があったんで、それが面倒臭くてちょっと放置してたんですよね。
次回、ブラックマーシュから逃れてスカイリムに辿り着くまでのいきさつを描きます。
2016/03/17 (Thu)20:31
どうも、グレアムです。最近なにをするのも面倒臭いです。息をするのも面倒臭いです。
…じつはこれ冗談でもなんでもなくて、どうも俺は無意識のうちに呼吸を止めてしまう癖があるらしいんですよ。以前から自覚はあったんですが、今日は仕事中にちょっとヤバそうな目に遭ったんで、改めて再認しました。
発生する状況がまちまちなので、原因の特定が難しいんですが、これのヤバイところは息が苦しくならないことがある、というところ。唐突にひどい頭痛と吐き気に襲われ、四肢がしびれてマトモに立っていられなくなる。典型的な酸欠の症状です。
なんとか意識を保とうと深呼吸を繰り返すうち、「そういえば俺、さっきまで息を止めてなかったか?」と認識するんです。そんなことがたまに起こるので、俺はけっこう意識して呼吸をしなければならないことがあるんですが、これがけっこう難しいんですよね。だって呼吸って、ふつう無意識にするものじゃないですか。それを意識して行わなきゃならないってのは、けっこう煩雑というか、面倒なんですよ。つまり、息をするのも面倒臭い。
これが無呼吸症候群ってやつなのか?と思ったけど、該当ワードで検索して出てくるのは「睡眠時」無呼吸症候群というヤツで、起きているときに無意識に呼吸を止める症状について書かれたページがない。
いまのところ大事には至ってないので別にいいんだが、この先もそうでいられる保障はないんだよな。気をつけないと。
病院へ行け?そんな金はない。さすらいのフリーター、ド底辺のブルーカラーをなめちゃいけないぜ。べつにケチッてるわけじゃないからな、これ本当に。
それはそうと、このところCataclysm : DDA熱が再燃しつつあります。弾倉システム等色々とシステムが追加されたのと、やはりプレイするたびに新しい発見があったりして、ひさびさにのめり込んでます。
また先日はじめてSound Mod( ChestHole SoundSet )を導入したんですが、いや、これイイですね。すごくいい。元がオールドスクールなローグライクとあって期待はしてなかったんですが、めっちゃ出来がいいです。音自体もいいし、設定もいいですね。雨と雷雨で音が変わったり、室内に入ると雨音が小さくなったり、音の発生源との距離によって音量が変わったりとか。これほどのものとは思わなかった。すげえ。初回読み込みが若干長くなる気がしますが、それでもこれは導入する価値アリですよ。
ただ呼吸音とかプレイヤーのダメージボイス(playerフォルダ)は邪魔だったんで削除しました。不要なファイルは消すだけでOKってのもいいですね、足りないファイルがあると警告が出たりスタックしたりしない。システムの融通が利くってのは素晴らしいことだ。
BGMも好みが分かれますね、よく出来てはいるんですが、始終陰鬱なBGMを聞かされるっていうのと、俺はこれまで好きなBGMをかけながら本作をプレイしてたんで、そのギャップもあって現在はmusicフォルダも削除してます。
あとは新しい開発版で追加されたアイテム(特に銃火器)には効果音が対応していない場合があるので、どうしても音が欲しい場合は自分で設定ファイル( soundset.json )に追加で記述してやる必要があります。方法はまあ、中身を見ればわかる程度の簡単な内容なので。
2016/03/09 (Wed)16:39
どうも、グレアムです。今回もDOOMのWad雑感などをボチボチ。
Free Doomがイイ感じにパチモン臭いと聞いたので、パチモノ好きのグレさんとしては見逃すわけにはいかずプレイ。いまさらオリジナルのバランスでプレイする気はないので独自モンスター設定を削除したProject MSXを導入してのプレイだが、意外とよく出来てて普通に感心してしまった。
初めてタイトル画面を見たときは思わず笑ってしまったが、似非サイバーパンク風のデザインセンスの悪いモンスターは個人的には好みだし、音楽もけっこうイイ。プレイ前はマップはテクスチャのみ差し替えでレベルデザインはほぼパクリだろうと思っていたが、実際はリメイクと言って通じるくらい変えてきている。オリジナル経験者でも新鮮な気持ちでプレイできるだろう。たとえばKnee-Deep in ZDoomを「オリジナルの原型がない」などと批判する輩はFree Doomこそ褒めるべきだろうと思う。
もとはオリジナルのDoom.wadを所持していない人でもソースポートを使ってPwadをプレイできるようにという、「ゲームを持ってなくてもModで遊べるよ!」みたいなあまり類型を見ないコンセプトではじまった企画ではあるが、その出自ゆえにむしろ正当な評価を得られていないのではないか、と感じた。
おおよそDoom.wadの代用品としての評価が多く、その点でFree Doomは割を喰っている。素材をすべて一新したトータル・コンバージョンとして見ればむしろ出来は良いほうで、当作を見て「オリジナルの劣化」と評するのは、なんというか、不誠実ではないかと思った(不誠実、という言葉は不適格というか、誤解を招く表現かもしれないが、個人的にはこの語がもっとも適当であるように感じたため御容赦願いたい)。
続けてプレイしたのがXmas Doom、タイトル通りクリスマスを題材としたWadだ。こちらはDoom 'R'adys Classを用いてのプレイ。
さすがに古いWadなのでスプライトの変更も小規模に留まり、小規模マップ3つという構成も、今改めてプレイする価値があるかどうかは微妙なところだ。有象無象のWadの山が築かれた現在となっては、その素朴な味に往時の空気を感じる以外の用途はない。
最後に紹介するのはHell Ground。古城を舞台に天国や地獄を行ったり来たりする。ロケーションが多彩で冒険心をくすぐられるWad。
全体的に手堅く纏まっているが、往復が多かったり進行条件が無駄に多彩(攻撃で押すスイッチ、死亡がステージクリア条件等)なところは好みが分かれるか。
当作をプレイしていて思ったのは、マップWadはエンドテキストくらいは用意してほしい、ということ。べつに凝った文章は必要じゃなく、congratulations!だけでもいいんだ。最終ステージをクリアしたあとでいきなりDoom2のマップに放り込まれると、余韻もなにもあったもんじゃない。というか続けてDoom2をプレイすることはまずないのだから、そのままエンディングでいいと思うのだが…(システム的にはどのマップをクリア後でも幕間のテキスト表示やエンディング到達は可能だったはず。少なくともZDoom系では)。
まあ、「DoomのPwadってそういうものである」と言われれば、それまでなのだが…
個人的にはユニークなデザインのWadに惹かれるので、所謂マップ集みたいなのにはあまり魅力を感じない。Mement MoriやRequiem等がその代表例で、おそらくDoomのマップとして出来は良いのだろうが、プレイ中にあまり気分がノらず、最後までプレイできた試しがない。
(ちなみにここで言う「ユニーク」の定義は、独自の一貫したテーマやコンセプトが存在するか、ということ。凝った仕掛けや複雑なレベルデザインという意味ではない)
このところDOOMばかりプレイしていて硝煙と血の化合物がオーバードーズ気味になってきたので、そろそろタムリエルに戻ろうかな。