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2020/02/03 (Mon)19:10
俺様の名はクレイド・マクドゥーガル、考古学者にして正義の勇者だ。
剣と魔法のファンタジー世界で、超古代に栄えていた機械文明の研究をしていた俺様は銃や車といったアーティファクトの再現を試み、それらのハイパーすごい道具の数々を使って悪党どもをぶちのめしまくっていた、いわゆるヒーローというやつだったのさ。
ところがある日、いきなりケアンとかいう世界に召喚されちまったもんだからサァ大変だ。死霊軍団を退治しても平和は訪れず、今度はギャングに生活を脅かされることに。こいつは正義の銃弾を叩き込んでやらねばならんぜ!
Grim Dawn
-異世界勇者之終末奇譚-
第四話
イセリアルに憑依されていたデビルズ・クロッシング刑務所の元所長ウォードン・クリーグを撃破したクレイドは、生存者たちが抱える物資の略奪を目論むクロンリー・ギャングの巣食うアーコヴィア丘陵へとやって来た。
挨拶代わりに前線のキャンプを襲撃したクレイドは、ギャングの幹部シャンクス討伐に成功する。
>>エドマンド・"シャンクス"・ドイル:
「ガフッ、くそっ、てめぇ…ダリウスを敵に回して、ただで済むと思ってんのか!?せいぜい、ここで死んどきゃ良かったと…後悔することになるぜ……!」
>>クレイド:
「おーおー、ご立派な悪党台詞ですこと。しっかしコイツ、名前がシャンクスとは…やはりシャンクスは複数いた…?こいつは悪いほうのシャンクスか?赤髪どころかハゲてるし、片腕じゃなく片目がやられてるけど」
>>エドマンド・"シャンクス"・ドイル:
「なんの話だ……?」
ひとつなぎの大秘宝話はさておくとして、クレイドはクロンリー・ギャング壊滅の足掛かりとしてオールド・アーコヴィアで活動している放浪民たちのキャンプからの協力を仰ぐことになった。彼らはアーコヴィア一帯を偵察していたモルネーと友好関係にあったのだ。
このあたりでクレイドのレベルが25になり、ガンスリンガーのタリスマンを製作&装備することで二挺拳銃が可能になった。これぞ真性のハリウッド・ヒーロー・スタイルである。
その後アーコヴィアの放浪民を統率する男クエイドからの依頼を受け、ギャングの拠点を荒らし回りつつ鍛冶場を破壊することで武器の供給をストップさせることに成功したクレイド。そのまま余勢を駆って鉱山の隠れ家へと突入したクレイドは、ギャングのリーダーであるダリウス・クロンリーの首を取らんと意気込んだのであるが…
>>クレイド:
「なァんか…隠れ家に潜伏してたギャングのなかに、明らかにイセリアルに憑依されてるっぽい連中がいるんだけどな?」
エメラルド色の輝きを放ち、この世ならざる力…この世界における魔術エネルギー"イーサー"と根は同じものであるが、その扱いは人間の魔術師とはまったく異なる能力を操るギャングたちを前に、クレイドは疑念を隠せない。
やがてクレイドは、かつてデビルズ・クロッシングで難民として避難していたはずの男の姿を発見する。
>>ディレニ:
「これはこれは、新参者の勇者様ではないか!お前に個人的な恨みはないが、バーボンなぞに与する厄介者を殺せばダリウスはさぞかし喜んでくれるだろうよ!」
>>クレイド:
「…なんだ、この、やたらに自己主張の強いモブは?こんなヤツいたかなぁ…ひょっとして、専用のクエストがあったのを俺様が見過ごしてた系?だいたいが洋ゲーのそこらへんにいるハゲのオッサンつー没個性的な風貌なんだから、せめても名前をアナルマンとか、デカマラスとかパンチのきいた感じに改名でもせんと区別がつかねーってばよ」
>>ディレニ:
「くだらん軽口をほざいていられるのも今の内だ、小僧!俺はもともとデビルズ・クロッシング刑務所に収監されていた囚人でな、バーボンとそのお仲間に力づくで安全な場所から追い出されたあと、難民のフリをしてこっそり舞い戻り潜伏していたのさ!水質の汚染など破壊工作をしていたのもクリーチャーどもではなく俺の仕業よ!どうだ、驚いたか!?」
>>クレイド:
「シブイねェーおたく、ご立派な悪役ムーブをかましてくれてたみたいじゃないの。しかし、ちょいとばかりバケモノの力を恵んでもらった程度で、この超偉大なる勇者様の前にクリボー、じゃない、ノコノコと現れたのは、シブくないんじゃァーないの?」
>>ディレニ:
「抜かせ、捻り潰してくれるわ!」
襲い掛かってきたディレニを難なく倒したクレイドは、とうとうダリウス・クロンリーと対峙した。
>>クレイド:
「おっかしいと思ってたんだよねェ、アーコヴィアにリフトゲートがあるってことは、アレはイセリアルの置き土産みたいなもんだからさ、グリムドーンのときに来てたはずなんだ。同じようにリフトゲートが開いてたローワー・クロッシングやバーウィッチは死霊どもが盆踊りの真っ最中だったってのに、このあたりじゃイセリアルの姿を全然見かけないのはどういうこった?ひょっとしたらギャングどもが退治してくれてたのかもと思ってたが、なんのこたァない、普通に考えりゃ…アンタらとグルだった、てぇ以外の展開は思いつかんわね」
>>クロンリー:
「バーボンの犬風情が、知ったふうなことを言うじゃないか?いずれ世界はイセリアルのものになる、人間が世界の頂点に立ってた時代はとっくに終わったんだよ。お前も一度は憑依されかけた"なり損ない"なりに、俺たちの側についたらどうだ?そうすりゃあ、いますぐに惨たらしい死を迎えるよりはマシな生き方ができるだろうよ」
>>クレイド:
「それは誰が誰に向かって言ってんだい、えぇ?ダリウス・クロンリーか、それとも、クロンリーに憑依したイセリアルか?まァどっちがどう言ったからって、俺様の返事が変わるワケじゃあないがね」
>>クロンリー:
「じゃあ死ぬしかないな!このダリウス・クロンリーの恐ろしさを知らんとは、つくづく哀れなヤツよ。グリムドーン以前はパブリック・エネミー・ナンバーワンだったこの俺の名前を聞くだけで、子供は悪夢にうなされ、男どもは恥もかなぐり捨てて裏路地に逃げ込んだものよ!」
>>クレイド:
「なにおう、この俺様だって、元の世界ではファッキン・ヒロイック・スーパースターだったんだぜ!男どもは俺様に憧れ、女どもは股を濡らし、子供だって構わず食っちまう!それがこの俺、クレイド・マクドゥーガル様だ!」
>>クロンリー:
「なにぃ貴様、小児性愛者か!まさかこの俺よりも最低な犯罪者を目にする日が来ようとはな!恥を知れ、下劣の徒め!」
>>クレイド:
「なんだとう!?小児性愛が許されんというなら、小児愛好癖で我慢してやるわい!」
>>クロンリー:
「ど、どう違うんだあっ!?」
…かくして、犯罪王ダリウス・クロンリーとロリコン勇者クレイド・マクドゥーガルとの壮絶な戦いの火蓋が切って落とされたのである。股間も切って落とされればいいのに
そしてなんやかんや色々あり、クレイドが勝利を収めたのであった。
>>クレイド:
「さすがに余裕綽々とはいかんかったけどもね。それにしても、イセリアルに憑依されると人は脳筋になるのか…?ていうか、イセリアル自体はなにやら壮大な目的のために動いてるようだが、憑依先の宿主の選定を尽くミスってる気がするんだよなあ。拷問マニアのおウドンに、犯罪者のクロンリー…人間を利用するにしても、もっとマトモな人選があるでしょうに」
おそらくはクロンリーがオフィスがわりに使っていたであろう空間の先に、ひっそりと隠れるようにイーサーの研究設備があることを確認したクレイド。
バーウィッチの死霊軍団とは異なり、クロンリーは部下に生きたままイセリアルの力を与え操っていたようであるが、そのためにウォードンほどではないにしろ、人間を使った数々の実験をしていたことは確かなようだった。
>>クレイド:
「対イセリアルの研究資料として、残しておけば役には立つのかもしれないけど…こういうのは、後腐れなくぶっ壊しちまうのが人類のためなんだろうな、やっぱり」
元いた世界では考古学者だったクレイドは、自らの研究結果を決して市井に広めるようなことはしなかった。それは勿論、銃火器を自分だけに許された力に留めておこうという下心からだったが、同時に、強力な兵器が巷に溢れるようになれば戦争や殺戮の歯止めがきかなくなることを懸念していたためである。
どれだけ科学や文明が進歩しようと人間の本質そのものは何も変わりはしない、だからこそ、行き過ぎた技術開発はいつだって人類を滅ぼす…自身の研究から、かつて栄華を誇った数々の文明が最終的には崩壊への道を辿ったことをそう結論づけたクレイドは、たとえ研究過程で有用な技術を発見しても、それを無闇に拡散はすまいと心に誓っていたのであった。
その決意を再確認するかのように…クレイドは、クロンリーの研究設備を跡形もなく破壊した。
[次回へつづく]
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2020/01/23 (Thu)04:52
俺様の名はクレイド・マクドゥーガル、考古学者にして正義の勇者だ。
剣と魔法のファンタジー世界で、超古代に栄えていた機械文明の研究をしていた俺様は銃や車といったアーティファクトの再現を試み、それらのハイパーすごい道具の数々を使って悪党どもをぶちのめしまくっていた、いわゆるヒーローというやつだったのさ。
ところがある日、いきなりケアンとかいう世界に召喚されちまったもんだからサァ大変だ。荒廃した世界で人々を脅かす死霊軍団を相手に、いま勇者の無双がはじまる!
Grim Dawn
-異世界勇者之終末奇譚-
第三話
>>クレイド:
「バケモノどものせいで地下に閉じ込められた、発明家の助手…しかも女の子とくれば、これはもう恋愛フラグ立てるしかないじゃん?でも、そのお相手は典型的洋ゲーリアル顔なのよね…テンション下がっちゃうのも無理ないと思いませんか」
かつてデビルズ・クロッシング刑務所の所長であり、一帯を死霊軍団で埋め尽くした元凶と目される男ウォードン・クリーグの行方を追う傍ら、クレイドは物資の調達中に行方不明になった発明家カスパロフの弟子ダーレットの捜索を行っていた。
バーウィッチ村の地下室で彼女の身柄を確保したクレイドだったが、オタク・コンテンツであれば命の恩人と崇められ一方的に惚れられて嫁ゲッド間違いなしなシチュエーションに胸を膨らませたのも束の間、残念ながらこれはGrim Dawnである。次期アップデートでNPCとの恋愛要素の実装が待たれる!
>>クレイド:
「嫁ゲットならずか!ちっくしょう、この世界には、きららとかに載ってそうなカワイイ女の子はいないわけかね?しゃーない、ここは一発、悪党でもシバき倒して気を落ち着けるとしよう」
バーウィッチ村北端、ウォードンの屋敷へとやってきたクレイド。
おそらくは地元の有力者だったのであろう、ウォードンの屋敷は村のなかでも特に大きく、内装も凝っており高価な調度品も幾つか見られる。ただし荒廃ぶりは他のあばら家とたいして変わるところはなく、邸内には信じられないほど多くのモンスターがすし詰め状態でクレイドを待ち構えていた。
>>クレイド:
「この世界、上下水道の設備は整ってて、銃器はフリントロックやパーカッションロックが主流だけども、薬莢式のリボルバーも幾つかあんのよね。文明レベルは19世紀半ばってカンジかしら?イセリアルの侵攻で滅んじまったけれども、だいぶ進んでるほうではあるよなー内燃機関はは発達してなかったっぽいけど」
これまでの所見から、クレイドは転生前の世界で考古学者だった審美眼でもってケアンのおおまかな評価を下す。
>>クレイド:
「さて、屋敷内におウドンの日記っぽいのが見つかったけど…ヤツは自らの意思でイセリアルを自身に憑依させたっぽいけど、私欲に利用するつもりでその実、いいように使われてたのが実情っぽいかね。権力者ほど、純粋な力に憧れるってのはよくある話で…それと、クリードとかいう尋問官…異端尋問?そんなヤツがグリムドーン以前にウォードンの周辺を調査していたらしい。ま、こんなカタチでプレイヤーの手に渡るような手記を残してるってことは、とっくに死んじまってるんだろうけどさ」
地下室へと繋がる入り口を発見したクレイドは、モンスター軍団を倒しながら巨大迷宮めいた地下室を進んでいく。
>>クレイド:
「えらく広いな、ここ!実験台に使ってた死体の運搬に使ってたらしいけど…まるで俺様の事務所の地下みたいだな」
転生前の世界において、クレイドは地下遺跡…古代の軍事博物館の真上に事務所を構え、仕事がない日には遺跡の発掘と古代遺物の研究に勤しんでいた。その結果、古代に栄えていた科学文明で使われていた、銃火器や車輌といった古代遺物の再現と利用に成功していたのである。
ひたすらに広大な地下室からさらに下階へ進み、クレイドはウォードンの実験室へ足を踏み入れる。
>>クレイド:
「ああー、ヤダヤダ。暗い穴蔵でさ、バケモノに囲まれて、エグイ実験に邁進の日々ですかい?楽しいかね、こんな生き方…ドロドロのグチャグチャでゲロゲロな光景はもう見飽きたぜ、早々(さっさ)と滅ぼすべきだな、こんな場所」
などと個人的な感想を漏らしつつ、クレイドはウォードンの実験に関わっていた職員の手記に一定の関心を示す。
>>クレイド:
「てっきり一連の実験は、イセリアルが憑依しやすい肉体を作るためのもんかと思ってたけど、どうも違うようだな。元々イセリアルは生きてる宿主に憑依する性質があるんだよな。おウドン然り、この俺様然り。で、大量の死者の軍団を組織するこの実験は…ただの戦力確保だな。イセリアルどもは、"グロリアスドーン"とかいう、いずれ来る大きな戦いに備えているらしい。それが何なのかは知る由もないけど」
ウォードンがイセリアルに協力したのはただの私欲かもしれないが、職員のなかにはイセリアルとの共存を望んで研究に参加した者もいるようだ。
やがて実験室の最奥、巨大な鉄扉の向こう側で、ついにクレイドはウォードン・クリーグと対峙する!
>>クレイド:
「なんなのコイツ、刑務所所長で、死霊の親玉っていうから、てっきり骸骨みたいなヒョロガリ呪術師かと思ってたら、巨大な金属鎧で武装した超脳筋じゃねーッスか!しかも動きが早い!」
アメフト選手ばりの突進や遠隔攻撃を駆使し、さらには一度倒しても変身して復活してくるウォードンに苦戦を強いられるクレイド。しかしながら攻撃の隙が大きく、また攻撃実行に伴う予備動作が読みやすいことから、強力な一撃を回避しつつ銃撃を加えることでウォードンの撃破に成功した。
>>クレイド:
「フィーッ、なんとか倒せたか。あと変身を二回残してたら、さすがに俺様でも倒しきれなかったけど。性戯…じゃない、正義は勝つ!スデに現状で元の世界に居たときより強いしね俺様…なんというか、異世界から転生してきた意味ないよねコレじゃあ」
そんなことをボヤきつつ、クレイドはウォードンが死の間際に落とした書状を拾い上げる。
"ウォードン・クリーグへの信書"と題されたその紙には、ウォードン自身ではなく、彼に憑依していたイセリアルに対する個人的なメッセージ、というよりも警告のようなものが書かれていた。
>>クレイド:
「ウォードンに憑依していたイセリアルの行動が、本来の目的から逸脱していた可能性があるのか。たしかに死霊軍団を作るためだけにしては、無駄に残虐な拷問や実験が行われていたように思うけど、それが宿主であるウォードンの嗜好が無意識のうちに反映されていたのだとすれば…バーウィッチやデビルズ・クロッシングの惨状は、必ずしもイセリアルの本位ではないってことになるね」
ウォードンへの信書、彼の残虐な実験の数々を咎め、釈明を求める文書は、おそらくイセリアルの同胞によって書かれたものと思われた。
>>クレイド:
「つまり、ウォードンの仲間がいるってことか。おそらくはウォードンと同様に、権力者か何かに憑依して…まだまだ戦いは終わりそうにないな!」
新たな冒険の予感を胸に、クレイドはリフトゲートを開くと、デビルズ・クロッシングへと帰還した。
ジョン・バーボンにウォードン撃破の報せを伝えようとしたクレイドは、見慣れぬ男が執務室にいることに気がついた。
>>クレイド:
「えーと。アンタ誰?」
>>ジョン・バーボン:
「彼はモルネー、最近まで北西のオールド・アーコヴィアへ偵察に出ていた男だ。田園地帯への道を繋ぐアーコヴィアは我々にとって食糧供給の生命線なのだが、グリムドーン以後、暴徒と化した賊どもの略奪行為に晒されている」
>>モルネー:
「その先は私が話そう。かつてこの刑務所に囚人として捕らえられていた悪漢どもが、西の壊れた橋の向こう側で徒党を組んで略奪を働いている。まったく、グリムドーンがやつらを殺さなかったのは悪魔の采配と言うほかないな!善人が死に、悪党が生き延びるなどと…いや、話が逸れたな。君のおかげでウォードンの脅威は排除されたが、このままでは死霊軍団ではなく賊どもに尻の毛まで毟られることになる」
>>ジョン・バーボン:
「現状で我々が確保している食料だけでは、もって二ヶ月。賊どもの侵略に備えて守りを固めるのも一つの手ではあるが、万が一連中が兵糧攻めをしてこようものなら、我々は戦う前に敗北するだろう」
>>クレイド:
「つまりこっちから打って出て、連中を皆殺しにする必要があるってことね。バケモノの次は同胞であるはずの人間が相手とは、世知辛ぇね。例え魔物は尽きるとも、世に悪党の種は尽きまじってか。ま、この勇者様にドンとお任せあれってことよ、バケモンだろうと悪党だろうと、キレイさっぱり掃除してみせようじゃないの」
>>モルネー:
「それと、もう一つ。私とともに偵察に出ていた、エルサという女性が連中に捕らえられている。悪漢どもと戦ったとき、私は運悪く致命傷を負ってしまい、彼女が連れ去られるのをみすみす許す破目になってしまった。本来ならば私自身が取り戻すべきだが、まだ傷が癒えないのでな…頼まれてくれるか?」
>>クレイド:
「任せなさい!なぜならそう、俺様はあまりに正義すぎて勇者だから!」
こうしてクレイドはアーコヴィア一帯に巣食うギャングを掃討するため、新たな冒険に出るのであった。
[次回へつづく]
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2020/01/19 (Sun)15:34
俺様の名はクレイド・マクドゥーガル、考古学者にして正義の勇者だ。
剣と魔法のファンタジー世界で、超古代に栄えていた機械文明の研究をしていた俺様は銃や車といったアーティファクトの再現を試み、それらのハイパーすごい道具の数々を使って悪党どもをぶちのめしまくっていた、いわゆるヒーローというやつだったのさ。
ところがある日、いきなりケアンとかいう世界に召喚されちまったもんだからサァ大変だ。右も左もわからないうちにゾンビに殺されちまった俺様は、なんやかや色々あって復活し、ふたたび戦いに身を投じることになった。
Grim Dawn
-異世界勇者之終末奇譚-
第二話
>>クレイド:
「勇者復活!勇者復ッ活---!!」
そしてクレイドはふたたびケアンの地…ローワー・クロッシングへと舞い戻ったのであった。
通常、キャラクター性重視のロールプレイでは兜などの顔を隠す装備は極力控える、といった工夫をすべきであるが、そもそもキャラ(素体)の外見に工夫の余地がなく、変哲のないオッサン顔でのプレイを余儀なくされるとあっては、そのようなコダワリも意味を失うというもの。
まして旧バージョンと比較して普通に攻略が難しくなっているベテラン・モードとあっては、序盤から装備を選り好みしている余裕などないのであった。
>>クレイド:
「そんなワケでごっついヘルメットやら肩パッドやら身につけて趣味に合わない世紀末ファッションになっちまったわけだが、文句言っててもしょーがねぇのよね」
デビルズ・クロッシングの指導者であるジョン・バーボンの指示で町を越えた先にある埋葬丘へやってきたクレイド。どうやら、墓地の死者を蘇えらせている"何者か"がいるらしい。クレイドの役目はその原因を特定し、排除することだ。
埋葬洞窟と呼ばれる墓地内の地下洞窟へやってきたクレイドは、そこでリアニメイター(死体蘇生者)と呼ばれる怪物と遭遇した。
>>クレイド:
「なんなのコイツ、すっげぇ強いし!延々とゾンビを復活させてくるのがウザイし、こいつが呼んだゾンビを倒しても経験値が得られないのがなんつぅかもう、最悪なイヤガラセって感じよね!まさしく"荒らし・嫌がらせ・混乱の元"っていうかさ!」
苦戦しつつもどうにかリアニメイターの討伐に成功したクレイド。
また、洞窟内に存在する"クリスタル"…この世界における魔法エネルギー"イーサー"の結晶体を破壊した先に荒廃した祠を発見したクレイドはこれを修復し、祈祷ポイントを獲得したのであった。
>>クレイド:
「おっつ、パワーアップイベントキタコレ?とりあえず、攻撃能力が上がる、この、エルドリッチ(不気味なもの)?とかいう力に親和性のある岐路にポイントを振っておきますかね」
なお、この世界のクラスに相当するマスタリーは"デモリッショニスト"を選択。主にマスタリーレベルを上昇させつつ、自身の能力を強化するトグル式のアクティブスキル"フレイムタッチ"や"ヴィンディクティヴ・フレイム"、そして攻撃の主軸となる"ファイアストライク"のツリーを伸ばしていくといった脳筋スタイルである。
リアニメイターを倒し目標を達成したことで、ひとまずクレイドはデビルズ・クロッシングへと帰還したのであった。
>>クレイド:
「帰ったぞ、ジョン・ボーボボ。俺様の労をねぎらいたもれ」
>>ジョン・バーボン:
「ジョン・バーボンだ。ゾンビの件は妖術師か何かの仕業だと思っていたが、まさか怪物が死者を蘇生させていたとはな…とにかく、原因が判明したことで具体的な対処が可能になったわけだ」
>>クレイド:
「しかも墓地なんつー、死人にこと欠かない場所を根城にしてたってんだから、そりゃあもう、地域一帯がゾンビー・ワンダーランドになろうってモンですわ。スリラーを一緒に踊ってくれそうな愛嬌もないし」
>>ジョン・バーボン:
「(スリラー…?)ともかく、君はその実力で我々への誠意を示してくれたわけだ。約束通り、デビルズ・クロッシングの一員として君を迎え入れることにしよう。ようこそ、同志よ!」
デビルズ・クロッシングはかつて刑務所であった。犯罪者を収容するための堅固な檻や防壁は、いまやモンスターから人々を守るための要塞として機能している。
>>クレイド:
「生態系の頂点に立っていた人類が、バケモノから隠れて檻の中の生活とはね。それを皮肉…と捉えられるほど余裕のある状況でもねーんだよな。それにしたって、こう、二次元的美少女の一人でもおらんものかね?都合よく俺様に惚れてくれそうなのが?異世界転生モノにロマンスはつきものでしょうに」
その後、発明家のオッサンのために材料を調達するやら、水源を汚染しているモンスターを退治するやらで一通りコミュニティに貢献したのち、北のバーウィッチ村に続々と集結しつつある死霊軍団の退治へ向かうことになったのだった。
道中でレベルが10に到達、セカンド・マスタリーにナイトブレイドを選択。バフ系のスキルで自身の能力を強化しつつ銃を撃ちまくる真性脳筋スタイルである。
>>クレイド:
「例えて言うならガンスリンガー・アデプトとでも称しましょうかね。幸か不幸か、俺様は銃を持った一人の男(Good? Bad? I'm the guy, with the gun.)ってなもんでね。暴れん棒(Boomstick)はないけど、二挺拳銃で死霊軍団(Army of Darkness)を殲滅してやろうじゃないの」
旅の行程でワイトマイアの放浪民と会ったり、バーウィッチ郊外の生存者グループをデビルズ・クロッシングに送ったりしながら、クレイドはバーウィッチ村のリフトゲートに到着。
活性化するゲートに反応して集結するイーサーコラプションたちを蹴散らし、クレイドはリフトゲートの確保に成功した。
このリフトゲートというのはイセリアルが使用する一種の転送装置で、連中は異界からリフトゲートを通じてケアンに侵略してきたという経緯がある。被害を被った人間たちにとって、このリフトゲートは災厄の象徴であった。
そしてどういうわけか、一旦はイセリアルに肉体を乗っ取られたクレイドは自らリフトゲートを作り出す能力に目覚め、ケアン中に点在するゲートと接続して自由に行き来することができる。これは自身が利用するだけでなく他者を転送することも可能で、そうやって生存者をデビルズ・クロッシングへ送ることで人員の確保とコミュニティの活性に努めているわけである。
もちろん、天敵であるイセリアルと同じ能力を持つクレイドが快く思われるはずもなく…活躍してはいるものの、人々からはあまり好かれてはいないというのが現状であった。
>>クレイド:
「ま、しゃーないわね。俺様が逆の立場だったら、やっぱり信用しねぇもの。忌まわしき力を持ち、そのことを疎まれながらも正義のため孤独に戦い続けるヒーロー…いいね、まったくありがちな正統派厨二病ダークヒーローってカンジじゃあないのよ!盛り上がってまいりますた!」
などと一人気分を盛り上げつつ、クレイドはリフトゲートを通じてデビルズ・クロッシングへ帰還。ジョン・バーボンに事態を報告する。
>>ジョン・バーボン:
「君が活動しているあいだ、私はこの刑務所に関する記録の調査をしていた。驚くべき発見があったよ…かつて刑務所の長官であったウォードン・クリーグは、グリムドーンが発生する以前からイセリアルに憑依されており、囚人たちを使って人体実験を繰り返していたというのだ!」
>>クレイド:
「つまり、このへんに大量に沸いてるバケモンは、そのおウドンとかいう食べ物みてーな名前のオッサンの研究成果ってことなのかい?」
>>ジョン・バーボン:
「おそらくはそうだ。ヤツはまだ生きており、バーウィッチ北部の邸宅の地下にある秘密の研究施設に潜伏しているものと思われる。いまのこの世界、この有り様、そのすべてがヤツの仕業だなどとは思っちゃいないが…その原因の一端であるか、すくなくとも真実に近い場所にいるのは間違いないだろう。たのむ、ウォードンの研究所へ行き、ヤツを始末してくれ!」
>>クレイド:
「まかせろ、悪党退治は俺様の専門だ!なんたって、そう、俺様はあまりにも正義過ぎて勇者だから!」
[次回へつづく]
どうも、グレアムです。Grim Dawn記第二回です。
今回のリプレイに関してはメインクエストの流れをおおまかに追っていく形になります。いちおうゲーム中ではサブクエストも多くこなしているんですが、そのあたりは記事中では軽く触れる程度に留めます。
所謂攻略記事ではないのであった。
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2020/01/16 (Thu)00:49
俺様の名はクレイド・マクドゥーガル、考古学者にして正義の勇者だ。
剣と魔法のファンタジー世界で、超古代に栄えていた機械文明の研究をしていた俺様は銃や車といったアーティファクトの再現を試み、それらのハイパーすごい道具の数々を使って悪党どもをぶちのめしまくっていた、いわゆるヒーローというやつだったのさ。
>>クレイド:
「でもって、気がついたら巨大な魔方陣のド真ん中で目が覚めたわけなんだが?こりゃいったいどういうことだ?おいそこのハゲ、状況を説明しやがれ」
>>絞首刑執行人ジャーヴィス:
「ハゲって言うな!いいか、おまえはイセリアルに取り憑かれていたんだよ。普通ならクソッタレのゾンビになっちまうところだが、おまえは運良く悪霊から、そして死からも逃れられたようだな」
>>クレイド:
「イセリアルってなんだ?それに、ゾンビって?つーか、ここどこよ?アンタ何者?ナニサマ?」
>>絞首刑執行人ジャーヴィス:
「…どうやら頭のほうは無事じゃいられなかったみたいだな。俺としては、おまえのような得体の知れんガキは首を吊っておくに越したことはないと思ってるんだが、我らが隊長は別の意見を持っているらしい。会って話をしてこい、彼はこの道の先の中庭にいる」
>>クレイド:
「クッソー、一方的にわけわからんことをゴチャゴチャと抜かしよってからに!まあいいや、その隊長とやらに会ってくればいいんだろ?行ってきてやるよチクショー!」
スタスタスタスタ。
なにがなにやらよくわからないまま、クレイドはハゲに言われた通り隊長のジョン・バーボンとかいうオッサンに会いに行った。ていうかここ、なんかすげー暗いし超辛気臭い。ていうか臭い。
>>クレイド:
「来てやったぞ。ボン・ジョーバンだかバン・ボージョンだか知らねーけど」
>>ジョン・バーボン:
「ジョン・バーボンだ。さっきまで死にかけていたわりには元気そうだな?ジャーヴィスから聞いたと思うが、君は寸でのところでゾンビになりかけていたんだ。本来なら処分しているところだが、現在の我々は非常に苦しい状況にある。君の助けが必要なのだよ」
>>クレイド:
「助けはいいけど、ここどこよ?サーク王国にこんな場所あったかね?それともノースウィンド?カイエル帝国?それともまさか、マリスキア公国かい?」
>>ジョン・バーボン:
「何を言ってる?ここはデビルズ・クロッシング、グリムドーン後わずかに生き残ったケアンの人々が集まり、互いに支え合って暮らしている…まあ、難民キャンプのようなものだ」
>>クレイド:
「ケアン?聞いたことのない土地だな、それにガラガラドーンだのなんだの、耳慣れない単語ばっかりだぜ。もうちょっとわかりやすく説明してもらえる?」
>>ジョン・バーボン:
「どっかから急にやってきたイセリアルっていう悪霊と、クトーンっていうバケモノがケアンで喧嘩おっぱじめて、そのせいで人間が巻き添えで死にまくって超やべぇ。まじグリムドーン。イセリアルは人間をゾンビに変えるし、なんか他にもバケモノがうじゃうじゃいるし、マジこの世の終わりって感じ」
>>クレイド:
「超わかりやすかった。どうやら俺様は異世界に来ちまったらしいな?いま流行の異世界転生?つうか異世界召喚モノ?なろう系ってヤツ?日食でも利用する?で、俺様はなにをすりゃあいいわけさ?」
>>ジョン・バーボン:
「どうやら町を越えてすぐ先にある埋葬丘で、何者かがイセリアルの力を使って死者を復活させデビルズ・クロッシングへ送り込んできているらしい。その実態を調べ、可能であれば原因を排除してもらいたい。成功の暁には、君を仲間として我々のコミュニティに迎え入れようではないか」
>>クレイド:
「よっしゃ、任せろ!俺様がバッチリ解決してきてやるぜ、なぜなら俺様はそう!あまりにも正義すぎて勇者だから!」
威勢よく啖呵を切り、デビルズ・クロッシングを飛び出したクレイドは魔物蔓延るローワー・クロッシングの町へと足を踏み入れる。
途中、ステータス画面を開いて自らの能力を確認するものの、まずその外見に絶句致すわけで。
>>クレイド:
「ナニコレ!?この幸薄そうなハゲのオッサンが俺様だというの!?ちくしょう、3ds Max用だけじゃなくBlender用のプラグインさえあれば適当なモデルに差し替えることもできるというのに!ていうか3ds Maxなんてそうそう持ってるヤツいねーよ!割れがデフォのロシア人じゃあるまいし!」
などと文句を言っても仕方がない。
ローワー・クロッシングに到着した途端、クレイドは生きる屍たるウォーキングデッドと遭遇する。多数のゾンビを前にしたクレイドはしかし、一つの問題に直面したのであった。
>>クレイド:
「つーか顔だけじゃなく、装備もこの世界ナイズされてるっぽいんだけど?なんか洋ゲーの初期装備っぽいショボイもんしか身につけてないんですけど?俺様が常日頃愛用している、拳銃とか防弾コートはどこへ行ってしまったのかしら?ていうか俺様、剣とか使ったことないんですけど?って、アッバアアァァァァァーーーーー!イヤアァァァーーーー!!」
ガブガブガブガブ。
攻撃手段を持たないクレイドはあっという間に囲まれ、ゾンビたちに貪り食われてしまったのであった。
Grim Dawn
-異世界勇者之終末奇譚-
第一話
次に目が覚めたとき、クレイドは闘技場のような場所で超でかいオッサンに見下ろされていた。
>>ローカー:
「憐れなり、異界の勇者よ。ハードコアモードで死亡するなどとは…しかし、その魂をみすみす失うのは惜しい。いまいちどケアンの地に降誕し、己の使命を果たすがよい」
>>クレイド:
「えーと…アンタ、誰?」
>>ローカー:
「我が名はローカー、この坩堝の主である」
>>クレイド:
「ま…わが…ゴメン、漢字が難しくて読めない」
>>ローカー:
「My name is Lokarr, the master of the Crucible.」
>>クレイド:
「日本語でおk」
>>ローカー:
「帰れ。」
>>クレイド:
「スイマセン…」
>>ローカー:
「君の足元に転がっている死体を調べるといい。その者は我がアリーナに挑戦し、力及ばず果てた戦士の末路。君にとって有用な装備を身につけているであろう。それをもって、ふたたび彼の地の戦いへと赴くのだ」
>>クレイド:
「ゴソゴソ…(死体からアイテム漁り中)ところで、ここはアリーナ…闘技場なのかい?モンスターと戦って報酬を得る、的な?俺様も挑戦できるのかな?」
>>ローカー:
「我がアリーナに挑戦するには、今の君はあまりにも無力すぎる。慣れぬ剣しか持ち合わせていなかったとはいえ、レベル1のウォーキングデッド如きに無抵抗で殺されるようではな…しかし、君には素質がある。いつかまた、力を身につけてから訪れるといい。そのときは挑戦者として君を歓迎しよう」
>>クレイド:
「レベルアップしてからまた来いってことか。わかったよ、じゃあな。あばよ!」
そしてクレイドはふたたびケアンの地…ローワー・クロッシングへと舞い戻ったのであった。
[次回へつづく]
どうも、グレアムです。なんの脈絡もなく唐突にGrim Dawnのプレイ日記なぞ書いてみようかと思いついた次第。デスクトップ環境の復帰ついでに軽い気持ちで手を出したらうっかりハマッてしまったので、長らく開発が続いていた本作もDefinitive Editionの登場でいちおうの完結を見たことであるし(といっても俺はまだAshes of MalmouthとForgotten Godsは購入してないんですが)、今だからこそあえてロールプレイ重視のリプレイ記という体裁でやってみようというコンセプト。
今回の主人公であるクレイドはファンタジー世界で銃を使う邪道なクライム・ファイター(自称:勇者)です。なんの因果かケアンの地に召喚され、陰惨極まる洋ゲー世界で戦うことになります。要は異世界人が別の異世界に召喚されたという形になりますが、異世界召喚ガチャとしてはGrim Dawnの世界は相当にハズレな部類だと思いますね。
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