主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。
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2020/01/23 (Thu)04:52
俺様の名はクレイド・マクドゥーガル、考古学者にして正義の勇者だ。
剣と魔法のファンタジー世界で、超古代に栄えていた機械文明の研究をしていた俺様は銃や車といったアーティファクトの再現を試み、それらのハイパーすごい道具の数々を使って悪党どもをぶちのめしまくっていた、いわゆるヒーローというやつだったのさ。
ところがある日、いきなりケアンとかいう世界に召喚されちまったもんだからサァ大変だ。荒廃した世界で人々を脅かす死霊軍団を相手に、いま勇者の無双がはじまる!
Grim Dawn
-異世界勇者之終末奇譚-
第三話
>>クレイド:
「バケモノどものせいで地下に閉じ込められた、発明家の助手…しかも女の子とくれば、これはもう恋愛フラグ立てるしかないじゃん?でも、そのお相手は典型的洋ゲーリアル顔なのよね…テンション下がっちゃうのも無理ないと思いませんか」
かつてデビルズ・クロッシング刑務所の所長であり、一帯を死霊軍団で埋め尽くした元凶と目される男ウォードン・クリーグの行方を追う傍ら、クレイドは物資の調達中に行方不明になった発明家カスパロフの弟子ダーレットの捜索を行っていた。
バーウィッチ村の地下室で彼女の身柄を確保したクレイドだったが、オタク・コンテンツであれば命の恩人と崇められ一方的に惚れられて嫁ゲッド間違いなしなシチュエーションに胸を膨らませたのも束の間、残念ながらこれはGrim Dawnである。次期アップデートでNPCとの恋愛要素の実装が待たれる!
>>クレイド:
「嫁ゲットならずか!ちっくしょう、この世界には、きららとかに載ってそうなカワイイ女の子はいないわけかね?しゃーない、ここは一発、悪党でもシバき倒して気を落ち着けるとしよう」
バーウィッチ村北端、ウォードンの屋敷へとやってきたクレイド。
おそらくは地元の有力者だったのであろう、ウォードンの屋敷は村のなかでも特に大きく、内装も凝っており高価な調度品も幾つか見られる。ただし荒廃ぶりは他のあばら家とたいして変わるところはなく、邸内には信じられないほど多くのモンスターがすし詰め状態でクレイドを待ち構えていた。
>>クレイド:
「この世界、上下水道の設備は整ってて、銃器はフリントロックやパーカッションロックが主流だけども、薬莢式のリボルバーも幾つかあんのよね。文明レベルは19世紀半ばってカンジかしら?イセリアルの侵攻で滅んじまったけれども、だいぶ進んでるほうではあるよなー内燃機関はは発達してなかったっぽいけど」
これまでの所見から、クレイドは転生前の世界で考古学者だった審美眼でもってケアンのおおまかな評価を下す。
>>クレイド:
「さて、屋敷内におウドンの日記っぽいのが見つかったけど…ヤツは自らの意思でイセリアルを自身に憑依させたっぽいけど、私欲に利用するつもりでその実、いいように使われてたのが実情っぽいかね。権力者ほど、純粋な力に憧れるってのはよくある話で…それと、クリードとかいう尋問官…異端尋問?そんなヤツがグリムドーン以前にウォードンの周辺を調査していたらしい。ま、こんなカタチでプレイヤーの手に渡るような手記を残してるってことは、とっくに死んじまってるんだろうけどさ」
地下室へと繋がる入り口を発見したクレイドは、モンスター軍団を倒しながら巨大迷宮めいた地下室を進んでいく。
>>クレイド:
「えらく広いな、ここ!実験台に使ってた死体の運搬に使ってたらしいけど…まるで俺様の事務所の地下みたいだな」
転生前の世界において、クレイドは地下遺跡…古代の軍事博物館の真上に事務所を構え、仕事がない日には遺跡の発掘と古代遺物の研究に勤しんでいた。その結果、古代に栄えていた科学文明で使われていた、銃火器や車輌といった古代遺物の再現と利用に成功していたのである。
ひたすらに広大な地下室からさらに下階へ進み、クレイドはウォードンの実験室へ足を踏み入れる。
>>クレイド:
「ああー、ヤダヤダ。暗い穴蔵でさ、バケモノに囲まれて、エグイ実験に邁進の日々ですかい?楽しいかね、こんな生き方…ドロドロのグチャグチャでゲロゲロな光景はもう見飽きたぜ、早々(さっさ)と滅ぼすべきだな、こんな場所」
などと個人的な感想を漏らしつつ、クレイドはウォードンの実験に関わっていた職員の手記に一定の関心を示す。
>>クレイド:
「てっきり一連の実験は、イセリアルが憑依しやすい肉体を作るためのもんかと思ってたけど、どうも違うようだな。元々イセリアルは生きてる宿主に憑依する性質があるんだよな。おウドン然り、この俺様然り。で、大量の死者の軍団を組織するこの実験は…ただの戦力確保だな。イセリアルどもは、"グロリアスドーン"とかいう、いずれ来る大きな戦いに備えているらしい。それが何なのかは知る由もないけど」
ウォードンがイセリアルに協力したのはただの私欲かもしれないが、職員のなかにはイセリアルとの共存を望んで研究に参加した者もいるようだ。
やがて実験室の最奥、巨大な鉄扉の向こう側で、ついにクレイドはウォードン・クリーグと対峙する!
>>クレイド:
「なんなのコイツ、刑務所所長で、死霊の親玉っていうから、てっきり骸骨みたいなヒョロガリ呪術師かと思ってたら、巨大な金属鎧で武装した超脳筋じゃねーッスか!しかも動きが早い!」
アメフト選手ばりの突進や遠隔攻撃を駆使し、さらには一度倒しても変身して復活してくるウォードンに苦戦を強いられるクレイド。しかしながら攻撃の隙が大きく、また攻撃実行に伴う予備動作が読みやすいことから、強力な一撃を回避しつつ銃撃を加えることでウォードンの撃破に成功した。
>>クレイド:
「フィーッ、なんとか倒せたか。あと変身を二回残してたら、さすがに俺様でも倒しきれなかったけど。性戯…じゃない、正義は勝つ!スデに現状で元の世界に居たときより強いしね俺様…なんというか、異世界から転生してきた意味ないよねコレじゃあ」
そんなことをボヤきつつ、クレイドはウォードンが死の間際に落とした書状を拾い上げる。
"ウォードン・クリーグへの信書"と題されたその紙には、ウォードン自身ではなく、彼に憑依していたイセリアルに対する個人的なメッセージ、というよりも警告のようなものが書かれていた。
>>クレイド:
「ウォードンに憑依していたイセリアルの行動が、本来の目的から逸脱していた可能性があるのか。たしかに死霊軍団を作るためだけにしては、無駄に残虐な拷問や実験が行われていたように思うけど、それが宿主であるウォードンの嗜好が無意識のうちに反映されていたのだとすれば…バーウィッチやデビルズ・クロッシングの惨状は、必ずしもイセリアルの本位ではないってことになるね」
ウォードンへの信書、彼の残虐な実験の数々を咎め、釈明を求める文書は、おそらくイセリアルの同胞によって書かれたものと思われた。
>>クレイド:
「つまり、ウォードンの仲間がいるってことか。おそらくはウォードンと同様に、権力者か何かに憑依して…まだまだ戦いは終わりそうにないな!」
新たな冒険の予感を胸に、クレイドはリフトゲートを開くと、デビルズ・クロッシングへと帰還した。
ジョン・バーボンにウォードン撃破の報せを伝えようとしたクレイドは、見慣れぬ男が執務室にいることに気がついた。
>>クレイド:
「えーと。アンタ誰?」
>>ジョン・バーボン:
「彼はモルネー、最近まで北西のオールド・アーコヴィアへ偵察に出ていた男だ。田園地帯への道を繋ぐアーコヴィアは我々にとって食糧供給の生命線なのだが、グリムドーン以後、暴徒と化した賊どもの略奪行為に晒されている」
>>モルネー:
「その先は私が話そう。かつてこの刑務所に囚人として捕らえられていた悪漢どもが、西の壊れた橋の向こう側で徒党を組んで略奪を働いている。まったく、グリムドーンがやつらを殺さなかったのは悪魔の采配と言うほかないな!善人が死に、悪党が生き延びるなどと…いや、話が逸れたな。君のおかげでウォードンの脅威は排除されたが、このままでは死霊軍団ではなく賊どもに尻の毛まで毟られることになる」
>>ジョン・バーボン:
「現状で我々が確保している食料だけでは、もって二ヶ月。賊どもの侵略に備えて守りを固めるのも一つの手ではあるが、万が一連中が兵糧攻めをしてこようものなら、我々は戦う前に敗北するだろう」
>>クレイド:
「つまりこっちから打って出て、連中を皆殺しにする必要があるってことね。バケモノの次は同胞であるはずの人間が相手とは、世知辛ぇね。例え魔物は尽きるとも、世に悪党の種は尽きまじってか。ま、この勇者様にドンとお任せあれってことよ、バケモンだろうと悪党だろうと、キレイさっぱり掃除してみせようじゃないの」
>>モルネー:
「それと、もう一つ。私とともに偵察に出ていた、エルサという女性が連中に捕らえられている。悪漢どもと戦ったとき、私は運悪く致命傷を負ってしまい、彼女が連れ去られるのをみすみす許す破目になってしまった。本来ならば私自身が取り戻すべきだが、まだ傷が癒えないのでな…頼まれてくれるか?」
>>クレイド:
「任せなさい!なぜならそう、俺様はあまりに正義すぎて勇者だから!」
こうしてクレイドはアーコヴィア一帯に巣食うギャングを掃討するため、新たな冒険に出るのであった。
[次回へつづく]
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