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主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。 生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。 http://reverend.sessya.net/
2024/10/06 (Sun)05:04
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2016/01/19 (Tue)21:16




キミら肉食じゃなかったっけ…



 どうも、グレアムです。今回は癒し系スライム牧場運営ゲーム「 Slime Rancher 」を紹介しますよ。Steamで今年の1月15日に発売されたばかりのアーリーアクセス・タイトル、Trailerを見た瞬間に「俺はこれを買わなければならない運命にある」と直感しました。




Slime Rancher - Reveal Trailer
まずは黙ってこいつを見てほしい



 なんたって不思議生物を眺めてニヤニヤするためだけにE.Y.Eを起動していた俺のこと、そもそも不思議生物との触れあいを目的に作られたゲームを買わない手があろうか。いや、ない!
 そんなわけで、早期アクセスゲームを定価で買うなどという、普段の俺なら「凶行」と呼ぶに相応しい行為に走ったというわけだ。実際にコンビニまで走ったしな。ウォレット追加のために。



現在の牧場の様子




その可愛さ、犯罪的



 そんなわけで、まずは基本的なゲームシステムを軽く紹介しよう。
 プレイヤーはスライム牧場の農夫となり、バキュームガンを手にスライムやアイテムを収集しながら、各種施設を購入/拡張して牧場を繁栄させるのが目的となる。
 スライムにはそれぞれ必要となるエサの種類(野菜/果物/肉)が分かれており、さらに一種類だけ好物が設定されている。エサを食べたスライムはPlort(通称:う○こ)を産み出し、それを売却して資金を増やしていくほか、スライムに異なる種族のPlortを食べさせることで二種類の特性を持った変種に変化させることができる。
 このLargoと呼ばれる変種はエサを食べると二種類のPlortを産み出すほか、元となる二種類のスライムの特性を両方受け継ぐため、飼育が楽になる…たとえばPhosphor Slime(果物を食べる/Cuberryが好物/日光に弱い)とTabby Slime(肉を食べる/Stony Henが好物)をかけあわせると、果物と肉を食べ、CuberryとStony Henが好物なPhosphor Tabby Largoが誕生する。
 一見いいところ尽くしのように思えるが、このLargo種はサイズが大きくスペースをとるうえ、ベースとなる二種類とは異なる種のPlortを食べさせると、あらゆるスライムを喰らい積極的にプレイヤーを襲う恐ろしい漆黒のスライムThe Terrに変化してしまう。
 このThe Terrはおそらく牧場の外で野生のスライムが増えすぎるリスク(高負荷)に対する予防措置として導入されたシステムだろうと思われるのだが、最初に愛らしいスライムを次々と喰らうこいつを見たとき、俺はVフォー・ヴェンデッタ(原作)で人形のコレクションを燃やされたプロセロ元所長のような悲鳴を上げてしまいましたよ。




無害なスライムを喰らうThe Terr




それを見たときの俺の反応




ショックのあまり放心状態に陥る俺



 だって、俺は…俺はなあ…
 最初は、牧場の狭いスペースにスライムを閉じ込めておくのすら可哀相で心苦しかったんだよッ!!そんな俺にこの仕打ちはあんまりだろッ!?
 もとより血生臭いゲームばかりプレイしていた自分の悪趣味さに嫌気が差して、ピースフルなスライム・ワールドにレッツゴーしたらこのサツバツ空間だよ。神は死んだ。

 まあ、もう慣れたけどな。さすがに不要なスライムを処分するための焼却施設は未だに作る気にならんが。Skyrimで山賊の首は刈れても、あるいはHatredで民間人を虐殺するのに躊躇がなくても、ぷりちーなスライムを犠牲にするのは我慢ならんのだ。人間なんてそれでいいんだよ。

 ええと…どこまで話したっけ。
 そうそう飼育の際はこのThe Terrを生み出さないよう注意しつつ、変種を作るなら計画的にってことで。
 牧場はスライムの飼育施設のほかにも畑や養鶏所、アイテム倉庫やプールなどの施設を建設可能で、施設の設置数は限られているので、計画的な運用が必要になります。

 Unity製ながらパフォーマンスは安定しており、操作のレスポンスも良く、スライムペディアなるヘルプも充実。さらに実績要素もあり(非Steam実績。そのうち対応するのかな?)、現状では規模は小さいながらも基礎はすでに完成しています。
 まだ未実装エリア(オブジェクトが配置されていない)も多く、ゲームとして長時間遊べるものを期待するのは時期尚早ですが、俺みたいに「とにかくスライムが可愛ければイインダ!」という人はマストバイです。とにかく挙動や仕草がかわいすぎます。Trailerを見てビビッときたら購入してくれ。後悔はしない。もし万が一後悔したら、それは貴様の心が汚れているのだッ!!
 なおスライムは空腹度によって機嫌が変化するようで、べつに不機嫌な状態によるデメリットはいまのところ確認していないのだが、しかめっ面されるよりは笑顔でいてくれるほうが嬉しいので、まめにエサは与えたほうがいいです。
 ひととおりエリア探索を終えた今となってはエサあげる瞬間が一番楽しいです。いちおう自動給餌機能もあるんですが、やっぱり自分の手であげたほうが愛着も沸きますし。
 以下、ギャラリーでシメ。このゲーム、オススメですよ。



一番のお気に入り、猫型のTabby Slime




巨大なスライムがあちこち徘徊する様子は圧巻




エサ不要、水さえあれば満足なPuddle Slime
Plortも高値で売れるが、確保がやや難しい




バキュームガンで吸うと驚くスライム。反応や仕草がいちいち可愛い




放置しておくとスライム達が好き勝手に動き回るタイトル画面
これを見るためだけに買う価値はあると断言する












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2016/01/17 (Sun)06:44






「こんなところにタロスの祠が…忌々しいな。ぶっ壊してやろうか」
 ギャロウズ・ロック砦南西。
 山賊退治を兼ねたパトロールの最中にトレーズが見つけたのは、人里離れた閑静な地でひっそりと供物が奉げられたタロスの神像だった。
 もとよりスカイリムでのタロス信仰を完全に排除するためアルドメリ軍より派遣されたトレーズとしては、こんなものを黙って放置しておくわけにはいかなかったが、しばらく考えたのち、この場所には手をつけず放っておくことに決めた。
 トレーズより先にスカイリムへ入り込んでいるサルモールの実行部隊が、タロス像の位置を把握していないとは考え難い。おそらくは、タロス信者を待ち伏せて狩るためにあえて残してあるのだ。
 短時間であるとはいえ入隊初期に諜報部に所属していたトレーズは直感的にそう考え至り、タロス像に背を向けた。
「でもまあ、万が一ということもある…このことは覚えておいて、あとで大使館にでも行ったときに報告しておこう」







 現在のトレーズは、ホワイトランを拠点に活動している。
 ときおり山賊退治の際に得た戦利品を換金するため、商店に立ち寄ることもあるのだが…


「なんでも売るぞ友よ!なんでもだ!あいにく身内は全員売っちまったあとだけどな!」
「…なんで、こんなやつがこの時代まで残ってるんだろう」
 トレーズが苦言を呈したのは、なにも雑貨店の主人ベレソアの下品な態度に対してではない。
 ベレソアはブレトンだ。魔法にその才能を強く発揮するハイロック出身の人間族だが、トレーズはブレトンがアイレイドとネディック人の交配種であることについて、どうしても納得がいかなかった。
 いわば支配種と奴隷の間に授かった子の末裔であり、トレーズの美的感覚から言えば、主人と奴隷の交わりなど獣姦も同然のおぞましい行為だ。
 いっときの過ちであるというのなら、まだ理解できる。
 しかしこのブレトンという種はハイロック地方一帯を支配する一大勢力を持つまでになり、その数は決して少なくない。
 なぜそこまで繁栄できたのか?どうやってそこまで数を増やしたのか?その繁殖の実態は?こいつらはネズミか何かか?アイレイドも、ネディック人も、なぜこんな異様な混血種を絶やさず生かしておいたのか?
 まさか主人と奴隷の愛などというものがあったとは思えないが…亡き先祖の成果を目前に、トレーズは思わずこめかみを揉んだ。
 このブレトンという種の動向については、不透明な部分が多い。すくなくともアイレイド滅亡に先駆けてアレッシアやネディック人に加担した記録はないし、ある意味では遠縁と言って差し支えないので、トレーズが剣の切っ先を向ける相手でないことは確かだ。
「しかし…」
 ベレソアの野卑な笑みを見つめ、この男にも自分と同じアイレイドーン(アイレイド人)の血が流れていることを考え、トレーズは大きなため息をついた。








「…らぁッ!!」
 ドシュッ!
 断崖の上に橋渡しされた巨木の上で、弓を射かける山賊の懐へ飛び込み首を斬り落とす。
 足場から転がり落ちた山賊の死体はかなり長い間自由落下したのち、急流に呑まれていった。
「フーッ…」
 戦利品はフイになったが、こんな場所では身の安全を最優先すべきなのは言うまでもない。
 幼少より狩人として躾けられたトレーズにとって、悪路での活動はそれほど難しいものではない。娘を厳しく教育しながらも、しかし自身に流れる祖先の血については執着がなかった両親のことを考え、トレーズは束の間ノスタルジアに浸った。


 天候が不安定で変わりやすいスカイリムの地。
 雪が吹きすさぶなか、山の中でキャンプを張ったトレーズは、サラーシュ(ヴァレンウッドに逃げ延びたアイレイドゥーン)の末裔たる両親について考えた。
 祖先のために何かをすることこそなかったが、それでも、両親はアイレイドの血が流れていることをまったく意識していなかったわけではない、というのをトレーズは知っている。
 かつて偉大な文明を築きあげたリンダイの王家を護る騎士の家系にあることを、両親はたしかに誇りに思っていたはずだ。それはヴァレンウッドにおいて、弓ではなく剣を使って狩りをしていたことからもわかる。
 祖先の代より伝わる、リンダイ騎士流剣術。
 たんに祖先へ尽くす機会がなかっただけなのだろう、とトレーズは思う。ある意味では、自分は運が良かったのかもしれない、とも。
 アリノールによるヴァレンウッド侵攻、ドミニオン(アルドメリ同盟)の復活と、帝国の弱体化。
 アルトマーによるタムリエル再支配がにわかに真実味を帯びた矢先に、かつての祖先の装備を身につけアルドメリ軍の徴兵施設へ向かうトレーズを、両親は何も言わず、黙って見送った。
 そのときの両親の表情を、トレーズはどうしても思い出すことができない。







 スカイリムでの活動中に出くわす難敵は、山賊だけではない。


「厄介な敵だな…ウィスプマザー!」
 マシンガンのように発射される氷柱の連弾を剣で叩き落とし、トレーズは目前に迫る異形の物体を睨みつけた。
 布を纏った女性のような外観であるウィスプマザーは、その正体が謎に包まれている。
 ウィスプを伴って行動することから、ウィスプの親玉的存在と一般的には認知されているが、そもそもウィスプと種族的な繋がりはあるのか、たまたま一緒にいるところを目撃されているに過ぎないのかは誰にも証明できなかった。
 よく見ると、非常に人間的なフォルムをしているのだが…


「バケモノの正体なぞどうでもいいが、えらく不機嫌そうなキレ顔だな!」

えらく不機嫌そうなキレ顔

 その後、苦労しながらもトレーズはウィスプマザーを撃破。
「寒冷地にのみ出没すると思っていたが、こんな日照時の山の中で出てくるとはな…幽霊の類ではないのか?」
 もっともタムリエルの霊体は夜にのみ出没するとは限らない。







 その後、日没間際に立ち寄ったイヴァルステッドの村にて一夜を凌ぐ。


「アルトワインをお願い。ハチミツ酒なんて下品なもの飲ませないでよね」
 鎧を脱ぐとただの小娘と変わらない容姿となるトレーズの不遜な注文に、宿の主人ウィルヘルムは当然良い顔をしなかった。
 しかし部屋を貸す契約を交わし、次に部屋を出てくるまでの鎧姿を見ており、且つノルドに敵対的なアルトマーという点からトレーズをサルモールの一員だと判断した彼は、文句を飲みこみ黙ってアルトワインの瓶を差し出した。
 サルモールを恐れるわけではないが、ここで無用のトラブルを起こす必要はない。
 一方のトレーズはといえば、下品と言いながらハチミツ酒そのものを嫌っているわけではなかった。
 ただハチミツ酒というのは、一般的に「ノルドの飲み物」という印象が非常に強い。
 その一点が、トレーズにとっては許し難いものであり、味が嫌いなわけではない(むしろ好みに近い)にも関わらず、「口にすることすら憚られるもの」として認識されていた。

 翌日…
「貴様、自らがドラゴンボーンだと吹聴して回っているらしいな」
 ヴァイルマイヤーの宿を出たトレーズの前に、奇妙な服装の二人組が立ちはだかった。
 自分が認識している事実といささか異なることを口走る男たちに、トレーズは若干呆れながら言った。
「衛兵の口伝でも真に受けたか?西の監視塔での話だな…たしかにドラゴンを倒したのは私だが、ドラゴンボーンなぞという得体の知れんものではない。不愉快だぞ貴様ら」
 まったく、すこしでも目立ったことをすると、こういう面倒な輩が群がってくる。
 付き合ってられん、と手を振って立ち去ろうとするトレーズを、男たちは逃がそうとしなかった。
「貴様がドラゴンボーンを騙り庶民を煽動していることはわかっている!この詐欺師め、真のドラゴンボーン復活を前にその心臓をえぐり出してくれる!」
 そう叫ぶと、男たちは魔法のシールドを張り、デイドラを従えたうえで、短剣を抜いて襲いかかってきた。
 その行動はトレーズをキレさせるには充分だった。


「ぶち殺されたいか貴様ら!!」
 朝っぱらから妙な言いがかりつけられて襲われたら誰だってキレる。
 繰り出される魔法をものともせず男たちを両断したトレーズは、死体から奇妙なマスクを外し、その正体を誰何した。
「ダンマーとノルドのコンビか。種族的な因縁ではなさそうだな…」
 死体を探り、手紙を探りあてたトレーズは、彼らがミラークなる者の手によってソルスセイムから派遣された刺客であることを知る。標的たるトレーズを名指しで指定した手紙を握り潰し、トレーズは不愉快そうにつぶやいた。
「闇の一党といい、ミラークといい、余計な連中ばかり絡んでくるな。ソルスセイム島…レッドマウンテンの噴火で流出した難民の収容所だな。鉱山資源が枯渇して価値を失ったと思っていたが、こんな妙な連中がはびこっていたとは…もっとも、いまはそんな僻地に様子を見に行く暇なぞないが」
 トレーズはヴァレンウッドとの繋がりが薄く、ソルスセイムにまつわる事情をほとんど知らない。
 その知識の多くは本で得た内容のうろ覚えか、大戦中に同僚の伝聞で知ったものばかりで、いずれも信憑性は薄かった。
「火の粉は払う、が、いまはそれ以上に手の打ちようがないな」
 もし刺客たちが本当にソルスセイムからやって来たのであれば、情報が伝わるのが早すぎるし、なにより、トレーズをドラゴンボーンと断定して襲撃を仕掛けてきたことも気にかかる。
 ひょっとしたらストームクロークの姦計か、などと考えながら、トレーズは死体の始末を衛兵に頼み、イヴァルステッドを発った。







 その日の夜、護衛を引き連れ街道を行くサルモールの審問官を発見したトレーズは接触を図る。
「公務の邪魔だ、とっとと失せろ!」
 近づいた瞬間に護衛に追い払われかけ、トレーズは兜を脱いで顔を見せた。


「同胞にはもうすこし愛想を良くしてもバチは当たらんと思うぞ」
「何者だ?貴様…」
「トレーズ・ミドウィッチ、センチュリオンだ。帝国軍を支援しストームクロークを排除するための特使として派遣された」
「貴様のことは大使館から聞いていないぞ」
「挨拶が遅れたものでな」
「まあいい、貴様が何者であろうと…センチュリオンだと?戦場(いくさば)でどれだけ軍功を挙げたか知らんが、スカイリムでの活動は我々諜報部の領分だ。軍属が余計な口出しをするな」
「互いに協力し合えると思ったんだが?」
「無用。よく考えることだな、貴様の行動は我々の作戦に悪影響を与えるぞ。帝国に協力だと?なんの冗談だ、それは…そうか、ドラゴンを倒したアルトマーの騎士とは貴様のことか?いったい、なんのつもりだ」
「仮にストームクロークが帝国軍を排除しスカイリムが独立したとして、我々がふたたび帝国と剣を交えたとき、ノルドの連中が不介入を貫くなど有り得ない…次は自分の番とわかっているからな。むしろ帝国の兵を北方に分散させ、兵力を集中させないほうが今後は有利になる。それに現状では帝国傘下のほうがおまえたちも活動しやすいのではないか?いまのうちに工作網を展開し、スカイリムが独立できぬまま政情不安を抱えた状態で戦争に持ち込めれば、補給線の襲撃や諜報活動も容易いのではないかね。万が一にでもストームクロークによるスカイリム独立を許せば、連中は草の根分けても我々を狩り出しにかかるぞ」
「だからといって内戦の早期終結を望む言い訳にはならん。貴様らはタロス信仰が気に喰わぬだけであろうが…!それに、誰も貴様の政治的意見など聞いてはおらん」
「しかしだな…」
「話はもう終わった」
 それだけ言うと、審問官はトレーズが最初からそこにいなかったように振る舞い、彼女の存在を無視して立ち去ってしまった。
 彼らの縄張りに勝手に入った手前、諸手で歓迎されることはないと思っていたトレーズだったが、ここまで敵意を剥き出しにされるとは思っていなかったので、すこし動揺していた。
 アルドメリ軍へ入隊してから大戦が勃発するまでの僅かの間、トレーズは諜報部と協力して「ある特殊作戦」に参加していたことがある。しかし彼らとの関わりはそれっきりで、そもそも軍部とはあまり折り合いが良くなかったという話を聞いたことはあったが、いまそれを実感として理解したことになる。
「…まあ、いいか」
 上官からは前もって、現地で活動する諜報部の存在を知らされてはいたが、彼らと連携しろとは言われていない。
 あっちがああいう態度を取るなら、こっちも好きなようにやらせてもらうか。
 そう考え、トレーズは審問官たちが行ったのとは別の道を歩きはじめた。



>>to be continued...








 どうも、グレアムです。
 日記と銘打ちながらもうほとんど創作ですよ。タイトル誤ったなこれ。最初はこういう予定ではなかったんですけどね…
 あと最近、Steamで発売されたアーリーアクセス・タイトル「Slime Rancher」をはじめました。スライムかわいい。ちょおかわいい。めっちゃ癒される。もう血生臭い世界とオサラバしてずっとスライムと戯れていたいと思ったんですが、気づくとSkyrimを起動して山賊の首狩ってるんだよなあ。
 これが別腹というヤツなんだろうか。












2016/01/15 (Fri)00:03





混迷極めるスカイリム、混迷極めるソリチュード。
リストラ、不況、内戦、重税、弱腰外交。怒れる市民の声!声!声!



振り子の残像落ち着いていく
落ち込んでいく、落っこちていく




よなよな夜中の三時
まだまだ全然行けそうな感じ




朝までぶっ通しで瀕死
夜明けに一人、ふらふらり




あ゛あ゛ぁぁぁ…キルムーヴ!キルムーヴがしたい!
ぎぅぅ…キルムーヴがしたい!我慢できにゃあい!
キルムーヴがしたい!




ピント外したぼやけたカメラ、ぼんやり浮かんだ風呂敷広げる
逃げるスタイルでもスマイル




どんぶらこっこ、どんぶらこっこ、どんぶらこっこ、闇の中へ
どんぶらこっこ、どんぶらこっこ、どんぶらこっこ




きょとんとしてる、きょっとんとしてる
どこなんだろう誰なんだろう
共有しないカッコいっしょ、共有しないカッコいっしょ




そこのカップル ペアルックはやめい やめい
そこのカップル ペアルックはやめい やめい!!








「…なんだったんだ、今回の更新は」
「いちおうこっちのデータも死んでないっていう意思表示らしいよ」
 怪訝な表情で尋ねるボルガクに、俺は半ば投げやりに答えた。

 俺の名はアーケイド、アルゴニアンの商人だ。
 どっかの虐殺主義者のアルトマーに出番を奪われそうになったが、どうやら俺にもまだまだ出番があるらしい。



→To Be Continue?








 どうも、グレアムです。
 エート今回の更新は…完全に一発ネタです。中途半端な再現で申し訳ねぇ。
 元ネタはいわずと知れた(?)group_inouの楽曲「ORIENTATION」です。AC部製作の異様なアニメーションとともに、癖というか中毒になる曲調は必聴。某所で書かれた「夜中の三時感がすごい」というコメントはまさにこの曲の本質を上手く表現していると思う。

 今後のSkyrim進行についてですが、アルトマーのトレーズとアルゴニアンのアーケイドはシナリオの方向性が真逆なので、それぞれ独立して進行していく予定です。ぶっちゃけると、気が向いた方を気が向いたときにプレイする。
 ちなみに最後の画像は、ダンジョンを出た瞬間にマンモスの死体が入り口目掛けて降ってきたところ。すげービビッた。少し離れた場所に巨人の野営地があるんだけど、目視できるほど近い距離でもないんだけどな…













2016/01/13 (Wed)01:18





 トレーズ・ミドウィッチ…ヴァレンウッド出身、推定60歳のアルトマー(ハイエルフ)。
 アルドメリ軍の将校で、内戦問題を解決するため帝国軍に派遣された。現在はホワイトラン周辺の治安維持のため、山賊やストームクローク兵士の討伐にあたっている。




「スカイリムの寒さは身に堪えるね。なにか買っていくかい?」
「ふわああぁぁぁぁぁぁ!!ネコしゃんだ!ネコしゃんがいっぱいいるお!」
 動物(カジート含む)と接するときだけ童心に返るトレーズは、ホワイトランの前にキャンプを張るカジート・キャラバンを目の当たりにしてテンションが壊れた。
 幼少の頃に両親がカジート・キャラバンと取り引きしていたことや当時の思い出などを語り、かわりにリーダーのリサードからもエルスウェアの話を聞く。
 しばらく故郷の話を口にしたあとで、リサードはやれやれと首を振って話を打ち止めにした。
「これ以上は止そう。里心がついていけない」
「ネコしゃんはスカイリムで大変な思いをしてるんだお…でも大丈夫だお!サルモールがスカイリムを支配して帝国人やノルドを全員地獄に叩き込めば、ネコしゃんももっと快適に過ごせるようになるお!ネコしゃんはアルトマーのゲボ…友達なんだお!!」
「…サルモール?聞かなかったことにしよう」
「ネコしゃん…(´・ω・`)ショボン」
 どうやら彼らはサルモールのことをあまり快く思っていないらしい。それは虚無の夜の件ですべてのカジートがサルモールを崇拝していると考えていたトレーズに大きなショックを与えた。




 ホワイトラン近郊で炎の精霊に襲われているムアイクを発見、これを手助けする。
「片付いたな」
「弱いよ!ネコしゃん弱いよ!?」
 岩陰からひょっこりと姿を現し、まるで自分が倒したかのような台詞を口にするムアイクに、トレーズは裏声で叫んだ。







 その後、ホワイトラン周辺をパトロールしていた衛兵の報告をもとに、トレーズはミストウォッチ砦を根城とする山賊の討伐へ出かける。
 砦の内部へ侵入するための扉には鍵がかかっていたが、トレーズより先に潜入していた男が鍵を所持していた。クリスターと名乗る、どう見ても戦士というよりは農夫といったほうがしっくりくる風体の男は鍵の譲渡と引き換えに、山賊に捕えられた妻フオラの救出を依頼してくる。
 だが驚いたことに、フオラは捕虜などではなく山賊の頭領その人であった。
 夫との退屈な生活に飽いた彼女は持ち前の剣の腕を発揮し、ここミストウォッチで山賊を纏め上げたのだという。
 トレーズは兜の下で舌を舐め、剣をかまえる。
「どのみち殺して有耶無耶にする予定だったが、山賊なら大義名分ができたというものだ。死ね」
「そう易々と殺されると思うな!」
 かくして山賊たちを葬ってきたトレーズと、山賊の首領フオラとの一騎討ちがはじまった。


「カアアァァァァッ!!」
「何ぃっ!?」
 ドガッ!!
 盾で剣撃を防ぎながら距離を詰めていくフオラ、トレーズの一撃を受け流し剣を振りかぶろうとしたそのとき、トレーズの体当たりが直撃し体勢が崩れる!
 その隙を見逃さずトレーズは大剣によるリーチの長い突きを繰り出し、フオラにとどめを刺した!


「それなりの強敵だった、やはり力強い剣捌きにかけてはネディックの末裔は優秀だな。女といえど」
 スカイリムに来るまで、トレーズはノルド人と戦ったことはほとんどない。
 レッドガードとは違う力任せの戦法を直に体験しつつ、やがてはこうした連中と戦火の中で剣を交えることになるだろうという予感を胸に抱きながら、トレーズは砦を出た。
 ちなみにフオラの救助を依頼してきたクリスターに「おまえの妻は山賊の頭領だったので斬り捨てた」と報告したところ逆上して襲いかかられたので、これも斬り捨てた。後悔はしていない、だってノルドだし。








 トレーズの山賊退治の旅は続く。
 ロストナイフ洞窟に山賊が集結しているという情報を得たトレーズは、罠だらけの洞窟内を慎重に進んでいく。
 かつてヴァレンウッドで両親とともに猟師を営んでいたトレーズにとって、物音を立てぬ移動と罠の回避はお手のものだ。たとえ、そう、重い鎧を身に着けていたとしても。その技術はアルドメリ軍入隊後の「ある特殊任務」でも非常に役に立った。ハンマーフェルへ派遣される前の話だ。


 山賊討伐後、檻に捕えられていたサーベルキャットがいつの間にか脱走していることに気づいたトレーズ。慌てて剣を構えなおすも、どうやらこの野獣に敵意はないようだ。
「飼い主に忠実、というわけでもないようだな。愛玩用…ではないか。闘犬、いや闘猫?どのみち趣味の良い目的ではなかったろうな」
 敵意がないなら殺す必要はないので、トレーズはこのサーベルキャットを放置し洞窟から出る。
 しばらく餌には困らないはずだが、もし今後人里に下りてきた場合…そのときは、手にかけることになるだろう。








「タアァッ!!」
 ドンッ、ボジュウウウゥゥゥゥウウウ!!
 トレーズが剣を振るうと同時にドラウグルが吹っ飛び、青白い炎に包まれるとともに爆発、塵と化す。
 その光景を目の当たりにしたノルドの戦士ゴルディールは、並のエンチャントではない剣の力に驚きの声をあげた。
「なんなんだ、その剣は…」
「フフン、太古にメリディア様の加護を受けし我が一族の宝剣よ。アンデッドと、貴様らの祖先たるネディック人の叛徒を屠るために鍛えられた業物だ。恐れ入るがよい」
「なんかいま、ものすごく不穏当な言葉を聞いた気がする」
「気にするな」
「うーん…」

 ここヒルグランドの墓周辺では、夜な夜なドラウグルが徘徊し近隣住民に被害が出ているという報告が挙がっていた。
 トレーズが調査のため内部に侵入した直後、ゴルディールと名乗る青年と遭遇。ドラウグルの出現は、ゴルディールの祖先の魂を汚そうと画策する妖術師ヴァルズ・ヴェランの仕業だという説明を聞き、トレーズは彼とともに墓所の最深部へと向かうことにしたのである。
 内部ではかなりの数のドラウグルと遭遇するも、対アンデッド特化のトレーズの武器ナリル・モリの魔剣の前では無力に等しく、やがて二人は事件の元凶であるダンマーの妖術師ヴァルズ・ヴェランと対峙する。


「死者は生者に仕えるためにいるのだ!その…なんだこいつは」
「おいあんた、そんなとこで何してるんだ!?」
 いつの間にかヴァルズ・ヴェランの隣で剣をかまえるトレーズに、ゴルディールが驚きの声をあげる。
 なにせトレーズの剣の切っ先はゴルディールに向けられているのだ。
「なにしてるもなにも。ノルドとダンマーだったら、どっちの味方につくかなぞ考えんでもわかるだろうに」
「アンタ何しにここへ来たんだよ!?」
「というわけで妖術師よ、私はおまえの味方だ」
「わけがわからん!」


 残念ながらヴァルズ・ヴェランに肩入れするルートは存在せず、トレーズとゴルディールは協力して彼が復活させた先祖の死体…武装したドラウグルの集団を撃破し、命乞いをしながら逃げ回りつつ稀に呪文を放つヘタレ思考な妖術師にとどめを刺した。
「これで死者が冒涜されることもなかろう…貴様はこれからどうするんだ?」
「俺はしばらくここへ残って、あいつのせいで死んだ叔母や、冒涜された祖先の亡骸の面倒を見なければならない。あんたには、世話になったな」
「そうか。それじゃあ、まあ…死ね」
「えっ?」


 ドシャアッ!
 ヴァルズ・ヴェランによって殺された叔母の死体の隣に、ゴルディールの巨体が沈む。
「肉親の隣に葬ってやろう。せめてもの情けだ」
「ゴハッ、がっ、な、なぜ…!?」
「ノルドだから。他に理由がいるのか?」
 相手が有益な情報を持っている可能性がある限り、相手がノルドであろうと、すぐに殺すことはない。
 しかし既に用済みだと判断した場合、トレーズの剣に「容赦」の二文字はなかった。




 現状では、首に懸賞金がかかるような活動をおおっぴらに行うことはできない。しかしその心配さえなければ、相手が何者であろうとトレーズの剣の標的であった。ストームクロークも同様である。
 ある砦に展開していたストームクロークの斥候たちにトレーズは急襲を仕掛け、これを壊滅させる。
「タロスなぞ信じる輩は一党平等皆殺しだ!望みの天国へ叩き込んでやる!」







 そんな無茶ばかりしていたせいか、あるときトレーズは道中で暗殺者の襲撃を受ける。
 二刀流の使い手であるカジートの女暗殺者が斬りかかってきたとき、トレーズはすぐ戦闘態勢に入ることができなかった。
「ネコしゃん!?ネコしゃんが襲ってくるのなんで!?」
 攻撃を大剣による防御で受け流し、牽制のつもりで剣を振りかぶる。しかしカジートの女暗殺者はその一撃で呆気なく死亡してしまった。


「ネコしゃん弱い!ネコしゃん弱いよ!?」
 普段は愛玩動物扱いとはいえ、命を狙われて加減するほどトレーズは呆けてはいない。
「…ていうか、暗殺者って白昼堂々正面から襲うもんじゃないと思うけどな…」
 半ば呆れつつ、襲われる謂れのない…というにはあまりにも語弊があるか…ともかく、いったい誰の命令で襲ってきたのか、手がかりを探るため暗殺者の持ち物を改める。
 優秀な構成員であれば、自らの素性や依頼者の手がかりとなるようなものは持ち歩かないはずだが…
 やがて一枚の手紙を見つけたトレーズは、その内容を確認した。
『我々が川のそばまで連れてきた婦人は怒りっぽい性格らしかった。バーバグは彼女を大人しくさせられると思ったようだが、力づくでやり過ぎたようだ。このことを聞いて、ボスが怒らないわけがない』
 …… …… …… ……
 …… …… ……
 …… ……
 これじゃない。
 どこで手に入れたのかすら忘れた謎の紙片をその場に捨て、トレーズは改めて暗殺者の持っていた手紙を読んだ。
『指示に従い、必要とあらばなんとしてでもトレーズ・ミドウィッチを排除すること。黒き聖餐は行われた。誰かがこの哀れな愚か者の死を望んでいる。既に契約の支払いは受け取っている。失敗は許されない。‐アストリッド』
「えっと…」
 どうやら組織的な動きであるのは確かなようだが。
「黒き聖餐、聞き覚えがあるな。この手口はなんだったかな…モラグ・トング、じゃないか。黒き兄弟、いや闇の一党(ダーク・ブラザーフッド)だったか」
 ダーク・ブラザーフッドに関しては(ゴシップレベルであるとはいえ)書籍が何冊か発行されているため、黒き聖餐や夜母などについての知識はいちおう頭の片隅に残っている。
 もっともトレーズは諜報畑ではなく、裏社会との繋がりも乏しいため、直感的にピンとくる名前ではなかった。
「殺し屋か…面倒だな」
 これはそのうち対処しておかなければならない問題だな、と思いつつ、トレーズはその場を後にした。




 日が暮れたので、イーストマーチの温泉地帯にてキャンプ。
 トレーズの山賊殺しの旅はまだまだ続く。



>>to be continued...








 どうも、グレアムです。相変わらずメインストーリーが進んでないです。おかしいなあ…
 しかしSkyrimをプレイしてて感じるのは、Oblivionのときとは違い、登場キャラクターの思想やクエストの内容がタムリエルの歴史観に直結している、ということです。
 Oblivionのクエストは基本的にどれも「なんか悪いやつが悪事を企んでるからそれを潰す」で済まされるレベルだったんですが、Skyrimの内戦問題や民族的な対立に基づく争いはそういう勧善懲悪的なものとは一線を画していて、どうしてもその背景を探らずにはいられなくなります(世界的な災厄であるドラゴンのほうが印象薄いってのもどうかと思いますが)。
 いずれにせよ、「どちらが正義で悪なのか」「どちらに加担するのが正しいのか」などという短絡脳で判断することが許されない世界は、一筋縄ではいかない魅力がありますね。
 似たようなアプローチであるFallout: New Vegasは決断に対するアウトプット量がやや少ないうえ、「どれも気に入らないから俺が全部支配してやるぜー!」というお子様マインド全開な非現実的選択ができてしまう時点でちょいと評価が下がるんですが、さて、Skyrimではどうなるんでしょう。

 ちなみにトレーズのノルドに対する容赦なさに関してですが、これはかつてサルモールがサマーセット島に住むエルフ以外の種族を皆殺しにしたり、帝都陥落の際に民間人をもろとも虐殺したレイシストぶりを継承しているものです。
 衆人環境で大組織を敵に回すほど見境がないわけではありませんが、大義名分が存在するか証拠が残らない状況であれば迷わず凶刃を振るう危険な人物という設定です。彼女としては「自分は正しいことをしている」という認識なので、そこに罪悪感はありません。行動原理は犯罪者のそれではなく、あくまで国家と祖先への忠誠なので。
 すぐに手が出る性格は、あるいは彼女の祖先であるアイレイド滅亡にもっとも貢献したと思われる虐殺者…もとい聖騎士ペリナル・ホワイトストレークへのコンプレックスによるものという可能性もあります。ふたたびエルフが大陸の覇権を握るには、目前の敵は叩いて潰す圧倒的な力が必要であるという認識が彼女を凶行に駆り立てているのかもしれません。











2016/01/11 (Mon)15:36






「ネコしゃんだ」
「仲間と冒険に出るのを好む者もいるが、ムアイクは独りの方がいいと思う。こっそり歩けば敵と揉めずに済む」
「ネコしゃんだー」
 双子の月を背景に佇むホラ吹きのムアイクと、リンダイの黒騎士トレーズ。
 彼女はこれまでカジートと接点を持ったことはほとんどない。故郷であるヴァレンウッドはカジートの国エルスウェアと国境を接していたが、彼女が住んでいたのはサマーセット島に近いヴァレンウッド西部の村コリ・シルムーアで、ときおりファリネスティとウッドハースを行き来するカジート・キャラバンが通過するのを遠目で見かける以外は、言葉を交わしたことすらなかった。
 アルトマーでありながら狩猟を生業とするトレーズの家族がカジート・キャラバンと交渉することはあったが、ハンターだった頃のトレーズはまだ幼く、取り引きは専ら両親の仕事だった。そしてヴァレンウッドが正式に帝国からアルドメリへ譲渡され、その出来事を契機にアルドメリ軍に入隊してからは、そうした仕事とも無縁になっていた。
 これまでモフモフの毛皮に憧れながらも、どこか近づき難い雰囲気を纏わせるカジートと接したことのなかったトレーズは、ムアイクと会話ができることに素直に感動していた。
「ネコしゃん」
「ムアイクの話はおしまい」
「ネコしゃん…」








「せいっ!」
 ドガッ!
 トレーズの見事な一太刀が、屈強な山賊の首を刎ね飛ばす。と同時に、山賊の身体から溢れ出る生命エネルギーがトレーズの鎧ナリル・モリの装具へ吸収され、朽ちた肉体が草の上に横たわった。
 ドラゴンを屠りホワイトランの危機を救ったトレーズの当面の任務は、周辺の治安維持だった。スカイリムには数多くの犯罪者が跋扈しており、内戦に備え都市を防衛するだけで手一杯の衛兵隊にかわって、トレーズがそうした脅威の排除を任されたのである。
 いずれソリチュードへ向かったハドバルからの連絡が来るはずだ。それまでの退屈しのぎだった。




「ネズミしゃんだ」
「ギギー」
 翌朝、山賊の根城と目される洞窟へ向かったトレーズは、友好的なスキーヴァと遭遇する。
 人間族に対しては激しい嫌悪を抱くトレーズだったが、基本的には自然や動物を愛する性格であり、無益な殺生は好まない。
 ときおり人間相手に無益な殺生を働くこともあるが、彼女にとってアレッシアとネディック人の子孫に相当する人間はすべて歴史的な恨みを晴らすための処刑対象であり、それだけで彼女には「有益」と判断される行為だった。
 そのいささか過激な主張ゆえ、トレーズが「根は優しい性格」だなどと認識されることは、(アルドメリの復権を願うサルモールでさえ)まず、ない。




「ムウ…やはり目立つな、この鎧は…」
 暗がりから様子を窺うも、いつ発見されるのではないかと内心で冷や汗をかくトレーズ。
 もちろん、いつまでも姿を隠しおおせるはずもなく…
「お、おいっ、なんだあれ!?」
 あまりに特異な外観ゆえか、まず「敵」ではなく「得体の知れないもの」として山賊に認識されたトレーズ、その動揺を見逃すことなく素早い動きで飛びかかり、山賊たちをあっという間に斬り伏せていく。


 ドガッ!!
「治安維持に興味はないが、どのみち、将来は我々がこの地を支配するのだ。貴様らのようなクズを生かしておく気はない、帝国やストームクロークよりも先にソブンガルデとやらへ向かうがいい」
 とりあえず「ノルドさえ殺せればなんでもいい」気のあるトレーズは、この雑用めいた活動もそれほど不服ではなかった。
 ちなみに写真だとカッコ良く決めているように見えるが、よく観察すると右足の膝裏に矢が刺さっている。これは衛兵にならざるを得ない。




「なに見てるニャアーッ!!」
 夕暮れ時、戦闘で浴びた血を洗い流すために水場で身体を清めるトレーズ。








 後日ホワイトランにて、アリクル戦士の依頼でレッドガードの女の捜索を受諾したトレーズはバナード・メアの宿で下女として働くサーディアを誘き出し、アリクル戦士ケマツのもとへ差し出す。
 サーディアを麻痺の魔法で捕えたのち、ケマツはことの真相を語った。
「こいつはハンマーフェル南部の街タネスをアルドメリ自治領に売り渡した裏切り者だ。そのため、先の戦争では甚大な被害が生じた…私の任務はこいつを処罰するため、ハンマーフェルへ連れ帰ることだ」
 その言葉を聞いた途端、トレーズはサーディアの首を刎ね飛ばし、続いて、ケマツをも斬り捨てる。
 反撃する間もなく腹に剣を突き刺され、ケマツは苦しそうに呻きながら地面に倒れた。
「軽装なのが災いしたな、アリクルの戦士。その自慢の曲刀は…少々厄介なのでな」
「きっ、貴様…なぜ……ッ!?」
「その女はもう用済みだ。そして、レッドガード…いや、アリクルの戦士よ、貴様らに歴史的な恨みはないが、個人的な宿恨があるのでな…生かしておくわけにはいかん。仕事を頼む相手を間違えたな」
 これまでケマツは、トレーズが兜を脱いだ姿を見たことがない。
 つまり、彼女がアルトマーであることを知らなかった。
「貴様、まさか…アルドメリの…!!」
「これでも首に懸賞金がかけられる程度には有名だったのだがな。もっとも、この鎧に見覚えがないとすれば…おまえと出会ったことはなかったかな?」
 げはっ、大量の血を吐き、ケマツが息絶える。
 トレーズは踵を返し、一連の様子を見守っていた馬屋の主人に金貨の詰まった袋を渡した。
「衛兵を呼んで、死体を片づけてもらえ。迷惑をかけたな」
 それだけ言うと、不服そうな馬屋の主人を無視し、トレーズはふたたびケマツを一瞥した。
「…あれから、もう20年か……」

 第4紀171年、ヴァレンウッド国内での特殊任務を終えたトレーズは少数精鋭の偵察強襲部隊に編入され、ハンマーフェル南部の港湾都市ギレーンへの上陸作戦に参加した。
 アルドメリ軍のハンマーフェル侵攻部隊は大部分がヴァレンウッドからシロディール西部を経由しての陸路で移動していたが、トレーズの所属する部隊は奇襲のためサマーセット島から海路で侵入し、誰も気づかない深夜のうちに橋頭堡の確保に成功していた。
 はじめての大規模戦闘に参加したトレーズは多大な戦果を挙げ、173年にはハンマーフェル北部の城塞都市スカベンの陥落に尽力し、その功績から勲章を授与されるとともに、ハンマーフェルから多額の懸賞金をかけられることになった。
 しかし翌年の帝国軍の大攻勢でスカベンに展開するアルドメリ軍は甚大な被害を出し、アリクルからの撤退を余儀なくされた。
 シロディールで赤輪の戦いと白金協定の締結が決定したとき、トレーズはハンマーフェル南部の駐留軍施設で待機していた。両軍に多大な損害が出ていたうえ、シロディールでの情勢が非常に不穏だったこともあって半ば休戦状態にあり、歴史的に大きな進展があったこの年は、むしろハンマーフェル方面軍にとって束の間の休息の時間であった。
 しかし白金協定を認めず帝国からの独立を宣言したハンマーフェルとアルドメリの争いはむしろ大戦後に勢いを増し、ストロス・エムカイ島で停戦条約が締結され、アルドメリ軍の全面撤退という屈辱的な結末を迎える180年まで、トレーズはレッドガードの戦士たちと剣を交え続けたのである。

 レッドガードはアレッシアともネディック人とも関係のない、アイレイドとはまったく接点のない血族であったため、トレーズがノルドや帝国人に抱くような、歴史的報復の対象ではない。
 しかし先の戦争で苦戦を強いられ、辛酸を舐めさせられた相手とあって、かつての敵国だったこともあり(現在も決して友好的ではない)、敵視していることに変わりはなかった。もっともノルドへ抱く「かつての奴隷種」のような蔑みではなく、好敵手に抱く敬意のようなものを持ち合わせている点において扱いに明確な差はあったが。
 9年に渡るハンマーフェルでの戦場生活を思い出しながら、トレーズは仇敵たるレッドガードの戦士にわずかばかりの敬意を示したあと、その場を立ち去った。



>>to be continued...








 どうも、グレアムです。
 今回はストーリー的な進展は皆無です。まあ、もともとただのプレイ日記にする予定だったし、そのことに反省はないのですが、しかし現行の話を進めるよりも過去の掘り下げのほうが楽しいなあ…
 アルドメリとレッドガードの9年にわたる戦争は非常に興味深い出来事なのですが、なにせ資料が作中の本「大戦」くらいしか存在せず、そのほとんどを想像に任せるしかないという現状。
 TESシリーズの歴史に不透明な部分が多いのは小説版が邦訳されてないのもそうなんですが、単純にシリーズ進めるごとに年代が飛びすぎるんですよね。特にSkyrimで。その間に何もなかったかっていうと全然そんなことはなくて、それこそゲームの題材にできるような出来事が山のように起きているという。このへんのリソースはもうちょっと上手く活用して頂きたいものです。設定を詰めるのは大変そうですけども。

 さて今回は上記のあれこれとは別に、ある実験をしてみました。
 前作Oblivionにて、コンソールコマンドCreateFullActorCopyでオリジナルキャラを幾らでも作り出せる(正確にはプレイヤーキャラをコピーしたあとShowRaceMenuでキャラを作り直し、さらにそれをコピーして違うキャラを作り出す…という手順を繰り返す)ということ、そしてSkyrimではこのコマンドが使用できないため、オリジナルキャラを登場させるにはフォロワーを作るしかないのか?という懸念は以前から書いていた通りです。
 しかし先日、俺はあることに気がつきました。
「PlaceAtMeでプレイヤーを召喚したらどうなるんだ?」と。
 正確にはプレイヤーのBaseIDたる000007番を新たに登場させた場合、そこに何が誕生するのだろうか、という疑問。せっかくなので、検証してみました。




『不細工!』
「うわっ、なんだこいつ!?」
 そこには、Skyrimのメインビジュアルたるドヴァキン装備(通称)に身を包んだ女の姿が!


 兜を外すと…
『なんだおいやんのかテメー!』
「わ、私だ…」
 そこには寸分違わぬ容姿のトレーズが!


 せっかくなのでコンソールコマンドを使って私服姿に着替えてもらった。なんか姉妹みたいだ。
 さて、オリジナルはどっちでしょう?


 最後はポーズをとってキメ。
 ちなみにこういうパンツ一丁のスタイルは、見田竜介氏の漫画の影響であります。



 ま、そんなどうでもいいカミングアウトはともかくとして、だ。
 PlaceAtMeで呼び出されたキャラの容姿はプレイヤーと寸分違わぬものだが、ステータスから所持アイテム、取得魔法に至るまで完全にコピーしたCreateFullActorCopyとは違い、その性能は大きく異なる。
 まずレベルは召喚時点でのプレイヤーと同じだが、ステータス(体力、マジカ、スタミナ)は100のまま(この召喚トレーズはマジカが150だったが、それは当環境のYgNordはアルトマーの特性を継いでいるため)。スキルも初期値のままであるようだ。
 また魔法も最低限のものしか覚えていないうえ、所持品に至ってはドヴァキン装備のほかに雑多なポーション類、ドラゴンボーンの書など、いかにも冒険初心者を意識したようなものがセッティングされている。
 なによりも特徴的なのは、こいつ、近くにいると延々とプレイヤーのことを罵ってくるのである。曰く『不細工!』『団子っ鼻!』『でかいケツだな!』『トロールの餌だな』etc、etc…
 それも声にはエコーがかかっており、日本語環境の場合、ちゃんと音声も日本語のものが用意されている。
 俺はSkyrimのシナリオをそれほど進めていないため、これが後のイベントに使われるのかどうかは判断がつかない。デイドラ関連のイベントで登場しそうな気配があるのだが、しかし関連語句で検索してもこのドッペルゲンガー・ドヴァキンに関する情報がまったく引っかからない以上は、コンソールを使ってキャラを複製しようとしたプレイヤーのために用意されたベセスダのお遊びという気がする。

 あまりに口が悪いので好戦的なのかと思いきや、数発殴っただけで頭を抱えて逃げてしまった。ヘタレすぎる。
 ちなみにロードを挟むと髪が銀色になってしまった。おそらくECEの機能で銀髪をベースに色調整をしていたからだと思うが、どうもPlaceAtMeで作り出したキャラはECEの機能に依存するパラメータ調整を保持できない気がする。仔細に検証したわけではないので、断言はできないが…
 ともかく、写真撮影のみが目的ならModを使わずともゲーム内だけでオリジナルのキャラを作成しておくことは可能なようである。といっても今回は自作キャラを複数用意しての小芝居をやるつもりはないのだが、覚えておいて損はないだろう。




 実際のゲーム画面はこんな感じ。












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