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主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。 生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。 http://reverend.sessya.net/
2024/11/24 (Sun)04:30
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2015/12/12 (Sat)21:38




 俺の名はクレイブ、ヴォールト脱走者だ。
 クレーターサイド雑貨店の女店主モイラの依頼でウェイストランド・サバイバルガイド執筆のための資料収集をしている俺は、同時期にメガトンへやってきた放浪者(ウェイストランダー)のカーチャとともに地雷原の調査へ向かっていた。
 ゴーストタウンと化したリッジフィールドの街は現在、軍用地雷が大量に敷設された危険な場所になっている。いったい誰が、何の目的で地雷を撒いたのか。また街は夜になると幽霊が出るという噂があり、レイダーですらも不用意に近づくことを避けるスポットとして知られていた。
 街の入り口でレイダーの死体を発見し、カーチャと分かれて屋内の捜索をはじめた俺は、そこにもう一人のレイダーの死体と、そして無残な最期を遂げた女の死体を発見する。
 おぞましい光景を前に胸を痛める俺の耳に、突如悲鳴が聞こえてきた。
 まさか、カーチャが…不穏な予感が頭をよぎり、俺は銃を手に建物を飛び出した。








「まさか、カーチャが…!」
 勢いよく扉を開け放ち、俺は地雷に注意しながら悲鳴が聞こえた方角に向かって走り出す。
 死んで間もないレイダーと、そして女の死体。
 殺された者がいるということは、殺した者がいたということだ。ここで。この街で。ひょっとしたら、まだ近くにいるかもしれない。カーチャの身を案じるには充分すぎる状況だった。
 ドン、ズドン…
 正面に見える建物の中から、ひときわ大きな銃声が聞こえる。続けて、タタタタタン、ミシンの音をさらに大きくしたような発砲音。これはカーチャのMP40のものだろうが、その前に聞こえたのは?カーチャはサイドアームを下げていたか?
 めっきされたトカレフを持っていたはずだが、さっきの銃声はトカレフのものとは異なる。嫌な予感がする…
 建物へと近づいた俺は、一も二もなく扉を蹴破り、素早く銃をかまえた。




 建物の中でカーチャと対峙していたのは…俺にとっては非常に見覚えのある(なにせヴォールトで生活していたときからの馴染みだ)生物だった。
 ラッドローチ。放射能で巨大化したゴキブリだ。
「近づかないでくださいまし!こっちに来ないでくださいまし!」
 おそらく人間の言葉など理解できないであろうラッドローチに向かって叫びながら、カーチャが見るからに取り乱した様子で銃弾をばら撒いている。
「ありえませんわ!ありえないですわ!」
 ていうか、こんな屋内で9パラなんか撃ちまくったら危ないだろ!跳弾的に!
 どうやら俺が入ってきたことにも気づいていないらしいカーチャの背中から銃口を突き出すと、俺は努めて冷静にローチの姿を照準線上に見据え、引き金をひいた。
 ドンッ!
 パグシャアッ、ローチの胴体が飛散すると同時に、カーチャが甲高い悲鳴をあげた。
「ギャフベロハギャベバブジョハバ」
「猫か」
「ありえないのですわ!許されないのですわ!」
「ゴキブリくらいでそこまでビビるなよ…」
「あなたは平気ですの!?あの…あの…見るのもおぞましい造形物を!?」
「ヴォールトじゃあローチ退治は俺の役目だったからなぁ。おかげでゴキブリ野郎なんて不名誉極まりない渾名を賜ったもんだが…しかし、あんたよくウェイストランドで生きてこられたな」
 憎まれ口を叩きながら、俺は周囲を見回す。
 どうやらさっきの悲鳴と銃声は、ローチにガチビビリしたカーチャが発したもの…と考えていいだろう。というか、それ以外の条件がない。しかし、それにしては引っかかる点が一つだけある。
「てっきり、人間相手に撃ち合ってるもんだとばかり思ってたけどな」
「はい?」
「さっき、シュマイツァーとは別の銃声が聞こえたと思ったんだけど」
「気のせいではないですか?」
「そうか…」
 ん…いま、こいつ、誤魔化したか?
 俺に言いたくないことがある、というなら別にそれは構わないんだが、このことは覚えておく必要があるかもしれないな…今後も一緒に活動するなら。

 その後、建物の二階部分の捜索を終えてから階段を下りる途中で、カーチャが俺に尋ねる。


「あの家でなにか見つけることができましたか?」
 なるべくなら、それは聞かれたくない質問だった。
 さっきまで軽口を叩いていた俺が急に黙ったのを見て、カーチャが怪訝な表情を浮かべる。
 ただ、ちくしょう、だからといって…あの建物で何を見たからって、それで俺に何の責任があるっていうんだ?
 フウ、俺はため息をつくと、ゆっくりと口を開いた。
「死体があったよ。二つね。片方はレイダーだ、やはり射殺されていた。建物に逃げ込んだあと、治療するあてもなしに命を落としたんだろう」
「それで、もう一つは?」
 ちくしょう、気軽に聞いてくれるな。
「…もう一つは、女だった。その、なんだ…衣服を身に着けていなかった。墨入りだったが、レイダーかどうかは、わからない。そいつは全身に骨折を伴う打撲傷を負ったうえ、首を折られて殺されていた。銃じゃない」
「衣服を身に着けていなかった…裸だったのですか?」
「ああ」
「なんでそんな勿体回った言い回しを」
「気を遣ったんだよ。察してくれ」
「それで、性的な暴行を受けた痕跡は?」
「なんでそんなことを聞く?」
「女性は、おなじ女性をそういう殺し方はしませんから」
「…同意のうえでの性交渉ではなかったろうな」
 ふうん、と、カーチャは表情一つ変えずに納得したように頷き、さっきまでと変わらぬ足取りで歩を進めた。
 まったく、これがさっきゴキブリ相手に動転しまくってた女と同じやつかね、と俺は心の中で毒づく。どうも素人というより、本当にただゴキブリが苦手なだけのようだ。ひょっとしたら、それすらただの演技なのかもしれないが。
 あるいは俺が警戒し過ぎなのかもしれないな。女身一つウェイストランドで生きてきた、というのだから、秘密の一つや二つはあるだろうし、脛に傷もあるだろう。たとえ他人に害成すものではないにしろ、知られたくないことっていうのはあるものだ。
「どうかされました?」
「いや、スケベなことを考えてた」
「んもう…殿方はこれだから」
 呆れたような顔で肩をすくめるカーチャに苦笑しつつ、俺は彼女に続いて建物を出た。







 モイラからの依頼で、俺たちは地雷を何個か回収しなければならない。
「クレイブさん、地雷の扱いは?」
「知らないよ。まったく。ぜんぜん」
「そんなことでは、安全にウェイストランドを歩けなくてよ?」
 カーチャは唇の前に人差し指を立ててそう微笑むと、腰を屈めてゆっくりと地雷に近づいた。


「まずは携帯用のジャマーを使って動体探知機を無力化します。ただ感圧センサーはまだ生きていますから、衝撃を加えないように安全装置を再セットしなければなりません」
「へぇ~…うまいもんだなぁ」
 俺が見ている前で、カーチャはまるで物怖じする様子もなく地雷をテキパキと処理していく。
 やがて信管を作動させることなく地雷を無力化したカーチャはそれを持ち上げると、ヒラヒラと振ってみせながら軽い口調で言った。
「以上でレクチュアは終了ですわ。慣れればそれほど難しいものではありません…ただ、なかには解除されることを想定したうえで別の罠と連動して作動するよう仕掛けられているものもあります。まずは作業に入るまえに周囲を観察することが大事なのですわ」
「なるほど。覚えておくよ、先生」
「それじゃあ、いま学習したことを忘れないよう、さっそく実践してもらいましょうか」
「じ、実践?」
「あら、ここには実技講習に事欠かないだけの量の地雷があるではありませんか」
 すこし気後れしている俺に、カーチャが楽しそうに笑いながらそう言う。このひと、ちょっとSっ気があるんじゃないかなぁ。
 カーチャから携帯式ジャマーを受け取った俺は、それじゃあ、と廃車の近くに設置されている地雷にゆっくりと近づく。車の影になって発見しづらいこの地雷は、おそらく不注意のまま車のそばを通り過ぎた人間を吹っ飛ばす目的で仕掛けられたものだろう。
「ま、俺もやればできるってところを見せてやりますよ」
 そう言って、地雷の解除に取り掛かろうとしたとき。
 カチュン。
 金属音とともに、すぐそばの廃車のエンジン部分が火を噴きはじめた。
「…なんだァ……?」
 まだウェイストランドに放り出されて日が浅い俺は、核融合エンジンを搭載した車両が火を噴く、という状況がなにを意味するのかをすぐに理解できなかった。
 もちろん…カーチャは別だったが。


「伏せてッ!!」
「なっ…!?」
 突然俺を突き飛ばしてきたカーチャに何かを言う暇もなく…
 ドガーーーーーンッッッ!!
 けたたましい爆音が俺の耳を貫き、俺とカーチャは爆風で吹き飛ばされた。
「ぐあっ…い、痛ッてぇぇぇェェェェェ!!」
 ごろごろとアスファルトの上を転がり、耳鳴りに頭を悩まされながら、俺は立ち上がることもままならず悪態をつく。
「なんだいったい、俺がトチッたのか?地雷が…」
「違います!」
 てっきり自分が誤って地雷を作動させてしまったものだとばかり考えていた俺の言葉を、カーチャが真っ先に否定する。
 そのカーチャの次の言葉は、俺にとってまったくの予想外のものだった。
「いまのは狙撃です!」
「狙…撃、だって?」
「狙撃を受けました…頭を下げて!」
 狙撃、と聞いて周囲を見回そうとした俺の頭を、カーチャが強引に抑えつける。
 顎をアスファルトに押しつけられながら、俺はどうにか状況を理解しようとした。
 狙撃?カーチャは狙撃されたと言ったのか?
「ちょっと待て、そういえばあのレイダーどもの死体…これってつまり…!」
「間違いないでしょう。大口径ライフル弾による貫通銃創、レイダーたちに抵抗した様子はなく、しかも正面ではない角度から撃たれていました。いま私たちを狙っているのは、あのレイダーたちを殺した『何者か』です」
「待て…待てよ。もしそいつがレイダーを狙撃したんだとしたら、狙撃されたレイダーの死体を探っていた俺たちのことも見えていたはずじゃないのか?俺たちは…ずっとヤツに見られてたってことじゃないのか?ひょっとしたら、この街に入ってから…俺たちは、『いつ撃たれてもおかしくなかった』んじゃあないのか!?」
「かもしれません。ただ、いまそのことを考えても仕方がないでしょう」
 動揺する俺とは対照的に、カーチャはやけに冷静な態度でそう答えた。
 なんだこいつ、狙撃手に狙われてるんだぞ…?
 次の一弾が自分の額にぶち込まれるかもしれないという恐怖に怯える俺を、カーチャがじっと見つめてくる。いや俺じゃない、俺の銃を、だ。
「あなた、その銃の扱いは…」
「メガトンじゃあ役に立ったよ、スコープは調整済みだ(今回は)。実地で慣らしたわけじゃないから、あまり期待されても困るけど」
「なるほど。わかりました」
 ひとり納得したふうにそう言うと、カーチャはMP40を手に立ち上がった。
 こいつ死にたいのか!?
「おいあんた、危ない…」
「私が敵を引きつけます、その間にあなたが敵を狙撃してください」
「ちょっと待てよ!」
 俺の制止も聞かずに物陰から飛び出すと、カーチャは狙撃者がいると思われる方向へ向かって銃弾をばら撒きはじめた。


 タタタタタタタン、カーチャはMP40をフルオートで連射しながら素早く物陰に隠れ、再装填する。
 制圧射撃で頭を上げさせないつもりか?だが一人の火力では無茶だ!
「くそっ、やるしかねぇのか…!」
 ほとんど無理矢理に大任を押しつけられた俺はまったく気が進まなかったが、俺の行動が相棒の命に関わるとなれば、いまさら逡巡する理由はなかった。
 俺は起き上がると、爆発し炎を吹く車の残骸に身を隠し、そっと身を乗り出してライフルのハンドガードを置いた。


「どこだ…?」
 狙撃体勢を整えたはいいが、俺にはまだ狙撃者がどこからこちらを狙っているのかを知らない。
 カーチャには悪いが、彼女を利用させてもらうしかないか…!
 バギンッ!
 破砕音とともにカーチャが身を隠していた柵の一部が吹っ飛ぶ、続いて、銃声が響いた。
 オーケイ、銃声でだいたいの方角はわかった。だが、まだだ。まだ足りない。
 あと一発必要だ!
 ドガンッ!
 ふたたび銃弾が柵を貫通し、破片が掠ったのか、まさか弾丸が命中したわけではないだろうが(そう祈りたい)、カーチャが仰向けに倒れる。
 マズルフラッシュが見えた!
 銃口からほとばしる閃光を目にした俺は、すぐさま高倍率スコープを覗き標的の姿を確認する。
 あれは…老人か?しかも、襤褸服を身に纏った。
 あんなヤツが?レイダーを殺し、いままさに俺たちを殺そうと命を狙っているのが、あの貧相な格好をした爺さんだっていうのか?
 爺さんはまだ俺が狙っていることには気づいていない、おそらくはまだカーチャを…スコープ越しに狙っているはずだ。このままではヤバイ、カーチャがとどめを刺される!
 ドンッ!
 焦っていたせいか、俺は引き金をやや乱暴にひいてしまった。指に力が入っていた。そのせいで、発砲の瞬間に銃本体がわずかにブレた。
 外した!
 反動で標的を見失い、命中したかどうか確認ができていないにも関わらず、俺は直感的にそう理解した。焦りすぎた!
 ガチャリ、慌てて遊底桿を操作し、薬室にはりついた空薬莢をはじき飛ばす。
 次弾を装填し、ふたたびスコープを覗いた。


 ヤツは…俺の存在に気づいた!
 いままさに銃口をこちらに向け、引き金をひこうとする老人の姿が俺の脳裏に焼きつく。スコープの反射光が輝き、そして…

 ズドンッ!!







「…終わりましたの?」
「ああ」
 ライフルを担いで近づいてくる俺の姿を見て、じっとその場に伏せていたカーチャがゆっくりと起き上がった。
 ぱんぱん、と音を立てて身体についた土埃を払い、カーチャはニッコリと笑ってみせる。
「てっきり、あのまま撃たれて終わりかと思いましたわ」
「さすがに女を置いて逃げるっていうのも後味悪いしなー。それにあいつの腕を考えたら、あんたを撃ったあとに俺を始末するのはわけないことさ。けっきょく、対決する以外に選択肢はなかったってわけだ」
「きちんと息の根を止めましたか?」
「わからん。弾が当たったのは確かだけどな」
 反撃してこないところをみると、無力化には成功したみたいだが。
 おそらくはこんな僻地に地雷を仕掛けて回っていたのも件の狙撃者に違いないと考えた俺とカーチャは、その危険人物の姿を確認することにした。

 木造の一軒家が多いリッジフィールドにおいて、ただ一つだけ存在する廃墟の高層ビルを、俺たちは地雷に注意しながら上っていく。たしかに、この場所は狙撃に適した絶好の場所には違いない。
 やがて俺たちは、自らの血の海に溺れる狙撃手の姿を目の当たりにした。


「ごっ…ぐ、がふっ……」
 ただの老人だった。すくなくとも、見た目は。
 腹腔に銃弾を受け、苦しそうに呻く老人は足を悪くしていたようだった。また、腕に縛りつけた点滴から伸びる手術用チューブが突き刺さっているのを見ると、至って健康というわけではなかったようだ。そんなことはもう関係ないが。
 老人を見下ろしながら、俺はどこか冷めた目で語りかける。
「なんで俺たちを狙った。あんた、何者だ」
「…ごっ、ぼ、ぼくは…まもるんだ…まちを…みんなを……みんなを…まもらなきゃ……」
「なんだ?」
「わるい、やつらを、やっつ…け…て…み……な…ま…」
 ごぼっ。
 言葉の途中で大量の血を吐き、老人はそのまま息絶える。
 見た目とはまるで違う、幼い子供のような口調で話した老人。彼はいったい、何者だったのか。
「こいつは、いったい…そういえばモイラが、この街は昔、奴隷商人に襲われて壊滅したと言ってたけど」
「五十年、あるいは六十年ほど前…ちょうど、この老人が小さな子供だったかもしれない頃、ですわ。もとは核戦争直後に、軍人とその家族たちが復興に尽力した地だったと聞いております。地雷や弾薬といった軍事物資が残っているのも、その名残なのでしょう」
「で、この老人は…」
「過去です。過去の存在。もう消えてなくなりましたわ」
 そう言うカーチャの表情は、どこか悲しそうで…夕日に照らされたその顔は、美しかった。
 物言わぬ亡骸を見つめながら、俺は誰に言うでもなくつぶやく。
「過去の亡霊、か…地雷原の幽霊ってのも、まんざら嘘じゃなかったってわけだな」







 日が暮れ、夜になる前にメガトンへ戻ろうとしていた俺たちを呼び止める声があった。


「やぁ、あんたたち、メガトンの人間だよな?街の前で何度か見かけたことがあったよ」
 パックバラモンと護衛を引き連れた男はカンタベリー・コモンズに拠点を置くキャラバンの一つを率いており、名をラッキーハリスと言った。銃火器を専門に扱っているらしい、こいつはお近づきになっておきたいところだ。
 なにせほら、俺は銃器マニアであるからして。
「わざわざ話しかけてきたってことは、特売の情報でもあるのかな?」
「いや、じつはちょっと頼みたいことがあるんだが。聞いてもらえるかな?もちろん、報酬は払うよ」
 なにやら面倒事っぽい雰囲気だ。俺はともかく、カーチャが気乗りしないふうにそっぽを向いている。
 けどまあ、タダ働きじゃないってんなら、頭ごなしに断ることもないだろう。
「金になるならやるよ。いったい、なにがあったんだい」
「この橋の先にアレフっていう集落があるんだが、このところ連絡がつかないんだ。キャラバンの顧客の一つだから、安否だけでも確認したいんだが…」
「様子を見て来いって?自分たちで行けない理由は?」
「普段は向こうから橋の手前まで来て取り引きするんだ、で、橋からこっち側へは来ないでくれと言われてる。防犯上の問題だろうな。それに俺たちは重武装だから、変に誤解されても困る」
「それは俺が行っても危険なんじゃないかと思うけど…」
「ああ。だから、強制はしないよ。ただ、ちょっと迷子か何かのフリをして…さすがに、目についた人間を片っ端から撃つような真似はしないとは思うんだが」
「う~ん…」
 どうにも内容があやふやな依頼に俺は難色を示すふうな態度を取るが、実際はもうやる気になっていた。
 ちょっと様子を見に行くくらいなら、それほど予定に支障をきたすこともないだろうし…
「どうする、ちょっと見に行ってみようか?」
「やるならお一人で。私は先にメガトンへ戻ってモイラさんに報告しますわ」
 さりげなく同意を得ようとした俺に対するカーチャの返事はそっけないものだった。
 冷たいなぁ…
 ただ、これはだいぶ後でわかったことだが…このときのカーチャの態度は「ウェイストランドで安請負をするとロクなことにならない」という法則(鉄則?)を知っているがゆえのものだったのだろう。
 もちろん、このときの俺にはそんなこと、知る由もなかったのだが…





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