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主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。 生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。 http://reverend.sessya.net/
2024/04/20 (Sat)05:27
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2019/05/28 (Tue)01:55







Marauder

(aka E8: Man of Prey)


Replay: "Bloody Fairy" _02










*注意*本リプレイでは主人公のキャラクターモデルを変更し、
設定や一部ストーリーを改変しています。










 ヴァレクに置き去りにされ、軍の倉庫に取り残されたニコラ。戻ってきた兵士たちは見たところ軽装で、防弾ベストやライフルといった戦闘装備を身につけている様子はない。人数はせいぜい五人前後だろう。とはいえ楽観視できる状況ではなく、また無分別に軍人を攻撃するのも躊躇われる。なにせ、悪いのは盗みに入ったこちら側なのだ。
 敷地の外周に沿って移動し、侵入したときと同じように壁の崩れた箇所から脱出すれば、誰にも撃たれず、また誰も撃たずにこの場から脱出できるはずだ。


 *Intel*
 初期装備は狩猟用の上下二連散弾銃に弾薬、そして狩猟用ナイフだけだ。しかし、もしあなたがチュートリアルをしっかりこなしているか、あるいは倉庫内の探索を済ませている場合、マカロフ拳銃や包帯、そして背嚢といった役立つアイテムを追加で入手していることだろう。また、鍵のかかったストレージをバールでこじ開ける方法も学んだはずである。…それが成功したかどうかはともかくとして。
 軍の敷地内には他にも幾つかのアイテムが隠されている。今回はそれらを無視して脱出を最優先したが、もしあなたが取得可能なアイテムや経験値を見過ごすことができない絶滅主義者であるなら、軍人を皆殺しにし、アイテムをすべて奪取しても構わない。









 逃げる途中で軍人と出くわしたものの、ニコラは足を止めることなく全力疾走を続ける。背後から銃声が響き、マカロフ弾が背中を掠めたが、命中はしなかった。ちゃちなコンパクトオートで移動目標を狙撃するのは難しいものである、たとえそれが10m以内だったとしても。
 敷地から出たあたりで、ニコラを追う軍人たちの足音がにわかに鈍くなった。どうやら深追いをする気はないようだ。
 背中から撃たれる心配はなくなったようなので、ヴァレクの足取りを追うことにしよう。本来ならば二人で東にある集積所へ向かい、そこで荷物の仕分けをする予定だったが、一人で逃げ出したあとでも彼はそこへ向かったろうか?







 坂道を上がったとき、人の気配を感じたニコラは咄嗟に物陰へ身を隠した。
 乗用車がスピードを上げてカーブを曲がった直後、数人の無法者が散弾銃、そして短機関銃を車に向けて見境なしにぶっ放す。フロントガラスが穴だらけになり、車は電柱に突っ込んで停止した。
 無法者たちは車に近づくと、そのままガソリンの漏れた車に火を放った。略奪ですらない、無軌道な暴力の発露にニコラは嫌悪を覚える。どうやら彼らに罪悪感といった概念はないらしい。
 彼らの服装を観察し、ニコラはあることに気づく…なんてことだ、彼らは警官だ!
 本来ならば市民を守るべき警官が、あろうことか暴徒と化し無闇に人々を傷つけている。こんなことってあるだろうか?
 警官たちはニコラの存在に気がついていない、おそらく奇襲を仕掛けることは可能だろう。しかしこちらの武器は装弾数が二発の散弾銃、それに対し相手は三人だ。二発で三人を倒せるだろうか、散弾銃だとして?
 弾を切らしたあとですぐ拳銃にスイッチすれば反撃の隙を与えることなく制圧できるだろうか?脅威は短機関銃を持った男だ、彼を真っ先に排除したとして、他の警官に散弾銃を見舞われたら…
 いいや…ニコラはかぶりを振る、分が悪い。それに、自分に彼らの命を奪うどんな権利があるというのだ?彼らが悪人だったとして?それは正当防衛ですらない先制攻撃を仕掛ける理由になるだろうか?
 ニコラは構えかけた銃を降ろす、静かに迂回すれば彼らに見つからず集積所へ向かうことは可能のはずだ。おそらく、見つかれば戦闘になるだろう。なら、見つからなければいい。


 *Intel*
 坂道の手前にあるバス亭のベンチや、坂を上がった先にあるワゴン内にはスーツケースやロッカーといった調査可能なストレージが存在する。他にも机や箱など調べてアイテムを入手するといったスカベンジングが本作の肝であり、丁寧にマップ内を探索することでゲームを有利に進めていくことができる。そうして回収したアイテムは後々バザーで売却できる。
 とはいうもののサバイバル系のゲームとは違い空腹や渇きといった概念はなく、武器や弾薬は基本的に向かう先で入手できるため、効率最優先でアイテムや資金を回収しておかないと詰むといったバランスではない。
 なお一般市民を襲撃した警官についてだが、もちろん、倒して経験値の足しにすることもできる。ただし、本作はマップ内に存在する敵を必ずしも全滅させる必要はない、という点は覚えておいて損はないだろう。







 集積所の前にはヴァレクのワゴン車が停めてあった。バックドアが開けっ放しになっており、車内に大量の物資が積み込まれている様子が遠目からも見て取れる。
 おそらくヴァレクは集積所の中にいるのだろう、しかし、何かがおかしい…
 二階の窓の向こう側に人影が見える。ヴァレクではない、が以前に見かけたことがあった。ヴァレクの友人、あるいは知人か。銃を手に、何かを警戒するように窓の外を監視しているようだった。
 たんに軍人の追跡を恐れているのかもしれない、あるいは、見捨てられたことを根に持って散弾銃を手に乗り込んでくるであろう赤ずきんの小さな友人を厄介払いすることを思いついたか。

 建物は通常の入り口のほかに、梯子を上って屋上からも侵入できるようだ。とはいえ、まだ敵になったと決まったわけではない友人と会うのに不法侵入の真似事をする必要もないだろう。ニコラは地上の扉から建物に入り、階段を上がって二階に到着する。









 ヴァレクの友人はニコラを見ると、躊躇無く銃口を向けてきた。彼らの表情を見て、おそらくは警告の言葉より先に銃弾が脳天に送り込まれることを直感したニコラは本能的に散弾銃の引き金をひく。
 こうなってはもう、状況が穏便に済む見込みはなかった。
 見知らぬ友人たちを倒し、ヴァレクも倒す。彼らは一言も発さなかった。何を考えているのかはわからなかった、明確な殺意を抱いていること以外は。


 *Intel*
 Jagged Allianceフォロワーであった従来シリーズ同様、本作はライフルや散弾銃より拳銃のほうが早く撃つことができる。またダメージを受けると出血やスタンといったデバフを伴うため、先に攻撃を当てたほうが勝つと考えていい。
 今回のような屋内戦では散弾銃よりも拳銃のほうが有利になることもある。しかしフルサイズの散弾銃でも、銃を構えた状態からのスナップショットの速さは目を見張るものがある。
 Altキーを使ったサイドステップ等も駆使しつつ、上手く立ち回っていきたい。







 ヴァレクが無条件の信頼に値しない男だったのは確かだ。彼にはどこか油断ならないところがあった、だからこそニコラは彼に親愛の情を抱くことはなかった。あくまでビジネスライクな関係だったのだ。
 しかし、だからといって、こんな結果になるとはまったく思ってもみなかった。たしかに今、ロシアは混乱している…略奪や殺人が横行し、まったくの無法地帯と化している。しかし自分がその流儀に染まる必要はないと、どこか他人事のように考えていたこともまた、事実であった。


 *Intel*
 部屋の中を探索し、死体からアイテムを回収するのも忘れずに。
 屋内には鍵のかかった扉が二箇所あり、通常はバールかロックピックを使ってこじ開けることになるが、じつは扉はショットガン等を使ってぶち破ることができる。これによってロックピックを節約することができるだろう。たとえ戦闘に使わなくとも、ドアブリーチ用にソウドオフを携帯しておくと役に立つ。
 なお鍵のかかったストレージもショットガンで無理矢理開けることが可能だが、ショットガンを使って鍵を破壊した場合、中身も破壊された扱いになるのか、アイテムを入手することができなくなる。







 ヴァレクを殺したのは正当防衛だ。それは間違いない。
 正当な理由があったにも関わらず、ニコラの気はまったく晴れることがなかった。かつて紛争で多くの人間を殺したというのに、かつては敵を殺すことに使命感すら覚えていたというのに、いま心に去来するのは暗く深い後悔の念だけだ。
 彼らはセルビア人ではない。ただ一つ、その言葉だけを繰り返し心の中で呟き続けていた。
 彼らはセルビア人ではない…





 【続く】





 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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2019/05/25 (Sat)13:17







Marauder

(aka E8: Man of Prey)


Replay: "Bloody Fairy" _01












 ここに一人の少女を紹介しよう。名をニコラ・ミロスラフ、ボスニア出身のクロアチア人である。
 学生時代に紛争に巻き込まれた彼女は、セルビア軍に両親を殺され、自身も心と身体に深い傷を負った。その後、どうにか敵の手を逃れたニコラは武器を手に入れると、民兵となってゲリラ戦に身を投じた。一人でも多くのセルビア人を殺す、ただそれだけがニコラの生きる目標となり、怒りと殺意のみを糧に日々を生き延びた。
 紛争が終結し、武器とともに敵への憎しみを取り上げられたニコラは、自分という肉でできた容器の中には既に何も残っていないことに気がついた。抜け殻となったニコラは故郷を捨て、難民としてロシアに入国した。故郷に未練はなかった。家族と友人は皆死に、辛い思い出しか残っていない瓦礫の山でこの先の人生を生きていける気がしなかった。すべてをやり直す必要があった。
 なぜ西ではなく東へ向かったのかは、ニコラ自身もよくわかっていなかった。クロアチア語とロシア語は似ているので、多少は話が通じやすいだろうという、その程度の理由だった。

 ロシアで第二の人生を歩みはじめたニコラだったが、以前より状況が改善されたわけではなかった。
 連邦崩壊とともに西側の属国となったロシアでは各地にNATOの治安維持部隊が駐留しており、治安維持とテロ対策の名目で戒厳令が敷かれていたため、人々は外出を制限された。NATO軍、とりわけアメリカ軍は工場と天然資源の確保にしか関心がなく、観光客のように傍若無人に振る舞う彼らの態度は国民の反発を買った。
 街の治安は次第に悪化し、やがて電気や水道といったライフラインが停止すると、人々は大パニックに陥った。軍人や警官が暴徒化し、鍵のかかっていない家は略奪者の餌食となり、通りは死体で溢れるようになった。駐留軍を襲撃する者に対して、NATOは市街地へのミサイル攻撃で応戦した。
 混乱が収束する見込みはなかった。











 チェリャビンスク州オジョルスク北部。
 検問所の前で軍人が市民に避難勧告を出している。
 彼らが言うには、現在北のエカテリンブルグに駐留しているNATO軍部隊が間もなく南下してこちらへ向かって来るのだという。シセルチからドルガヤへ向かう安全なルートが存在するため、そこからNATO軍の影響を受けない土地まで逃れようというのだった。
 いまや軍人でさえもがNATO軍から逃げようとしている。基地を捨て、規律に背き、ただ生き延びるために…
 これはもはや戦争ですらない、ただひたすらのカオス(混沌)。これに似た状況をニコラは以前に見たことがあった。ボスニア、サラエボ。この大ロシアでさえもが故郷と同じ道を辿るというのか?









 そして現在、ニコラはヴァレクという名の知人とともに人の居なくなった軍の倉庫へ侵入していた。軍人たちが市民を誘導しているあいだに物資を盗もうというのである。
 二人は大量の荷物を積めるワゴン車に乗ってきたが、敷地内に数人の軍人が戻ってきたことを確認したヴァレクは荷台に物資を積めるだけ積んだあと、ニコラが戻るのを待たずに発車してしまった。悪いことに、車のエンジン音は戻ってきた軍人たちの注意を惹くだろう。
 彼らは侵入者の存在に気づいたはずだ。ヴァレクの車を追うか、さもなくば、逃げ遅れたまぬけが倉庫内にいるかどうか確認しに来るかもしれない。











 【続く】







 【ゲームの基本情報】
 本作はBrigade E5、7.62 High Calibreで知られるApeironの遺作となったRPGである(本作のリリース後にApeironはCapitulumというタイトルの新作を開発していたが、パブリッシャーが見つからず2010年にスタジオが閉鎖している)。
 ロシアでは2009年にリリースされたが、Steamに登場したのは2014年。英語版のデータはそれ以前に完成していたがパブリッシャーが見つからず、一度ポーランドのゲーム雑誌に英語版のゲームディスクが付属した以外に日の目を見ることはなかった(それですらもApeironが閉鎖した後だったのだが)。
 本作はロシアの作家Berkem al Atomiが執筆した同名の小説を原作としており、本作のダイアログは原作者自身が担当している。NATO制圧下で紛争状態となったロシアを描くIFストーリーだが、本作の設定がどれだけ原作に忠実であるかは調べようもない(邦訳どころか英訳すらされていない)。
 また本作のストーリーは徹底して主人公の(抽象的な)主観で説明されており、いつ、どこで、なにが起きたのかを正確に知る手段はない。何年に何が起きた、といったタイムライン形式でのストーリーの補間が不可能であることを先に断っておく必要がある。
 さらに悪いことに、本作にはマニュアルが付属していない。

 本来であれば本作の主人公はAkhmetという3~40代の男性だが、「ヒゲのオッサンの顔をずっと眺めながらプレイのモチベーションを保ち続けるのは困難である」という理由から、今回のリプレイでは主人公のキャラクター造詣、その外観とバックグラウンドを大きく変更するに至った。おそらくMarauderのキャラクターモデルの改変を行ったのは世界で俺一人だろう。
 基本的なシナリオについては概ね原作準拠ではあるが、俺自身、英語がそれほど得意ではないのと、元々の英訳の質が低い(らしい、と言われている)ので、間違えている部分が多々あると思われる。従って、原作のシナリオを理解するにあたって本リプレイの情報をあまり鵜呑みにしないよう願う。
 Akhmetについては妻帯者であり、元軍人であるという以外にその背景が詳細に語られることはない。彼は正義の騎士ではなく、妻や友人を大事にする男ではあるが、それらを守るために殺したり、盗んだりすることに対しては抵抗がない。

 ゲームプレイに関して、本作は初期設定ではカメラを回転させることができない。これはゲームプレイを著しく困難、ないし不可能に至らしめる要素であり、これを改善するにはゲームディレクトリ内の"Autoexec"というファイルをノートパッド等で開き、"Cam_UseAngles 0"の行を書き加えてやる必要がある。それでもカメラの回転ができない場合はカメラ感度が低すぎるため、オプションから"Camera Sensitivity"の数値を上げてやる必要がある。
 また"Autoexec"に”freecamera 1”の行を追加するとカメラの移動制限を解除できる。これは7.62 High CalibreやBrigade E5でも有効だが、E5ではチート判定を受けるので注意。
 戦闘中に発生するスローモーションを切りたい場合は"Config.e6c"を開き、"SlomoCoeff"の数値を0にしてやる。
 時間操作はそれぞれ"-"、"+"キーで減速or加速が可能だが、このあたりはキーコンフィグがきちんと反映されず挙動が安定しないため、あまりいじらないほうがいいだろう。

 本作のムービーはOgg Theora形式で、対応するムービーコーデックがPCに入っている場合、Windows Media Playerでも閲覧可能(ただし拡張子を.aviや.mpg等の一般的なものに変えて認識させるという奇妙な手順を踏む必要がある)。
 ゲーム中では…少なくとも当環境では音声は正常に再生されるが動画部分が時間経過とともに遅延し凄まじい処理落ちが発生、最悪の場合ゲームがスタックするので、上記のような少し変わった手段で内容を確認せざるを得なかった。音質の悪さは仕様らしい(おそらくエンコード時に音質の調整をミスッたか、容量削減のためにケチッたものと思われる)。
 ムービーファイルが欠けている場合は単純にスキップされる割れに優しいお利口な仕様のため、メーカーロゴ等を飛ばしたい場合はファイルを削除するかリネームすることで対処できる。







 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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2019/04/15 (Mon)20:54








荒廃ロシアで元気一杯に生きていこう



 どうも、グレアムです。Jagged Alliance 2の攻略が途中ですが、Marauderのプレイをはじめてしまいました。
 本作はBrigade E5や7.62 High CalibreといったJagged Allianceクローンの製作を続けてきたApeironの遺作で、E8、Man of Playという名でも知られています。といっても本作は従来とは若干趣向が変わっており、フリーロームではなくリニア進行のステージクリア型となっております。
 本作は同名の原作小説をゲーム化したもので、NATO制圧下で治安が悪化したロシアでのサバイバルを描いています。ソ連崩壊後にロシアが西側の属国になったという歴史IFで、治安維持の名目で外出が制限され、やがて電気も水道もストップし、略奪者となった警官や民兵が市民生活を脅かすという、所謂This War of Mineなどに代表される紛争モノの先駆けとも言える作品なんですな。
 リソース管理がない代わりに従来作譲りのインベントリの細かいマネジメントは健在で、マップ中の棚や箱を漁ってアイテムを掻き集める感覚はStalkerやMetroシリーズに通ずるものがあります。食料品や煙草・酒といった嗜好品は高値で売れますし、また車から引っ剥がしたカーステレオなんてのも、電気製品を収集する専門のトレーダーが存在します。
 設定としては弾薬が貨幣のかわりに使われており、マカロフ用の9x18mm弾が「ナイン」、5.45x39mm弾が「ファイブ」、7.62x39mm弾が「セブン」と呼ばれ、それぞれ0.5 - 1 - 2というレートで取引されています。
 ただし本作の取引は原則として物々交換であり、通常のRPGで言うところの貨幣システムは存在していません。物を売って弾薬を得たい場合は、きちんと弾薬と交換する必要があります。こちらが総額500ファイブ相当のアイテムを売り、かわりに400ファイブ相当のアイテムを買って取引を終了させた場合、余らせた100ファイブぶんの価値はそのまま相手の懐に納まります。

 いちおう7.62のあとに製作された作品で、起動やロード時間が早くなってるなどエンジン部分に改良が加わっているところもあるんですが、デフォルト設定ではカメラの回転ができなかったり、時間の加減速がUIではなくショートカットキーでしか利用できなかったりとシステム周りでの改悪も少々目立ちます。というか、ストラテジーでカメラ操作に慣性かけるのやめてくれマジで。
 ライフルグレネードが使用できないという、Brigade E5から残り続けている不具合も健在(しかもソースコードの問題ではなく、設定ファイルの単純な記述ミス)。
 慣れるまで色々と「いや、これはねーだろ…」というイヤなため息が連続しますが、慣れてくるとかなり楽しいゲームです。バグは多いですけどね(ただ攻略関連の記事を当たると、Steam版はかなりマシになっているようです)。

 とりあえずヒゲのオヤジの顔ばっかり見ててもモチベーションが上がらないので、頭部メッシュだけ差し替えてマスクマンにしました。プロレスラーじゃないよ。あと何かあるたびロシア語でイキられるのがうるさくて仕方なかったので、主人公の音声が入ったフォルダをリネームして喋らないように(ファイル欠けがある場合、エラー吐かずにそのまま進行するのは良いですね)。気が向いたら好きな音声を差し替えるのも良いかもしれません。




 ステージ3では「あいつはきっと食い物持ってるに違いねぇ!みんなに分け与えるべきだろ共産主義的に考えて!独り占めはゆるさねぇ!」というレーニン主義的思考で斧やらナイフやらカナテコやら持ってアパートの扉ぶち破って襲撃してきた近隣住民と戦うことになります。
 自宅周辺はステージ終了時に毎回戻ることになるんですが、こいつらの死体、ずっと残ったままなのかな…

















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2017/07/17 (Mon)19:50




7.62 High Calibre Replay

- Betrayer Gold -

Episode_002 : Restricted Zone Pass




- Santa Maria -

BLAM ! BLAM ! BLAM ! BLAM ! BLAM ! BLAM !

荒れ果てた街に銃声が響く。銃を手にかけるならず者たちの前に、漆黒のコートの男が見せた鮮やかな抜き撃ちはあまりに見事なものであった。

Lt.Kurz:
申し訳ありません、個人的な恨みはないのですが。ただRestricted Zoneへの通行許可証を発行してもらうために、あなたの命が必要なのですよ。

Kurz少尉は倒れ伏す悪漢Raul Mongostaの胸にぶら下がっていたドッグタグを引きちぎり、コートのポケットにしまいこむと、その場をあとにした。



- Artrigo -


Artrigo政府官邸。

Lt.Kurz:
Raul Mongostaを始末しました。これが証拠となるドッグタグです、Rebenga内務大臣。地元住民に話を聞けば、目撃証言も取れるでしょう…

Juan Rebenga:
いや、それには及ばない。休暇中だというのによくやってくれた、さすがに仕事が早いなKurz少尉。さて、Restricted Zoneの通行許可証が欲しいという話だったが…もう一度、その理由を訊かせてくれないかね?

Lt.Kurz:
先にお話しした通り、わたしはこの国へ来てから地元ゲリラの討伐に熱意を傾けてきました。しかし我が軍のゲリラへの対処は充分とは言い難く、わたし自身、山奥の辺鄙な基地に押し込められ思うように活動できないのが現状です。
失礼を承知で述べさせて頂きますが、これは我が国の将来にとっての大きな損失です。もしわたくしめに自由な活動を保証して頂ければ、ゲリラごとき、すぐにでも壊滅してご覧にいれましょう。

Juan Rebenga:
理由はわかった。本来ならばそういった申し出は君の上司に直接伝えるべきだが、軍の規律を考えれば、Sosa将軍と近しい私に直談判を申し入れるのも無理からぬこと。しかし、だからこそ訊きたい。ゲリラの討伐にそこまでの熱意を傾ける、その動機はなんだね?

Lt.Kurz:
動機…動機、ですか。ふふっ、ほかでもない、わたしは手柄を立てたいのです!あるかもわからぬ有事のために山奥で訓練を続ける日々に飽き飽きしているのです!大きな功績を挙げ、この国に貢献し、Sosa将軍と、あなたの寵愛を受けたいのです!汚辱に塗れたわたしの経歴に、輝かしい勲章を飾りたいのであります!

Juan Rebenga:
そうまで言うのならば、これ以上君を疑いはすまい。宜しい、通行許可証を発行しよう。だが、気をつけろよ…Restricted Zoneは犯罪者や反政府ゲリラの縄張りだ。先日も我が軍の士官が一人、反乱軍に捕らえられたところだ。

Lt.Kurz:
その話を詳しくお聞かせ願いますか?

Juan Rebenga:
捕まったのはEnrique Barrera大尉だ。非常に悪いことに、彼は山奥に秘匿された反政府軍のキャンプに捕らえられているらしい。連中は余所者を決して引き入れず、また強固な防御体制を敷いている。ゆえに、我が軍も手が出せない状況なのだ。

Lt.Kurz:
なるほど。下手に大軍を動かせば、事前に察知され逃げられるのがオチですからな。なかなかどうして、連中の情報網は馬鹿にできません。であらばこそ、少数精鋭の遊撃隊が必要となるのです。わたくしめが独自行動を望む、その理由がまさにそれなのですよ。

通行許可証を手に政府官邸をあとにするKurz少尉。
その後姿を眺めながら、Rebenga内務大臣はSosa将軍に事の次第を報告した。

Juan Rebenga:
どう思われますか…?

Alvaro Sosa:
仕事熱心なのは良いことだよ、きみ。若干破天荒なきらいはあるが、かつての彼の活動ぶりを考えれば、いままでの飼い殺しに近い環境は甚だ不本意なものであったろうからな。

Juan Rebenga:
しかし、今になっての急なあの熱心さは少々鼻につきます。何か企んでいるのでは?よもや、反政府勢力と連絡を取るため…裏切りの可能性は考えられないでしょうか?

Alvaro Sosa:
ヤツが反政府ゲリラに寝返る?有り得ぬことよ、ヤツは生粋のアカ嫌いだ。いまどきゲバラなぞを信奉している連中に尻尾を振ったりするものか。だが、ヤツはヤツなりの別な目的を持っていることは確かだろうな。注意を怠るなよ。

Juan Rebenga:
左様で…



Lt.Kurz:
さて、ひとまず通行許可証は手に入れましたが…ゲリラの本拠地に捕らわれた士官の救出というのは、いささか骨ですね。さすがにわたし一人では荷がかち過ぎます、傭兵でも雇いましょうか?

行動を起こすまえに先んじてAlgeira各地に滞在する傭兵に声をかけ、Kurz少尉は三人の傭兵を伴いRestricted Zoneへと赴く。



- Checkpoint -


Puerto Viejo南部に設置された検問所にて、Kurz少尉と傭兵たちは足止めを喰らう。

Army Lieutenant:
止まれ、ここは通行禁止だ!貴様はたしか、特殊部隊所属の士官だったな。さしずめ休暇を終えたところだろうが、Secret Baseへ戻るならCampecino西の検問を通るべきだろう。この先に用はないはずだ。

Lt.Kurz:
任務御苦労様です、そう刺々しい態度を取らなくても良いと思うのですが。休暇中だったのは確かですが、今回の移動はそれとは別件です。この書類を見てください。[ show papers ]

Army Lieutenant:
…!?これは一時発行ではない、無期限の通行許可証…!それに貴様が従えているのは、傭兵か?いったい、なにをしようというのだ…傭兵たちが持っている箱はなんだ?

Lt.Kurz:
医療品ですよ。この先で我が軍の部隊が反乱軍と交戦し、負傷者が多数出たと聞いたので、救助へ向かうのです。

Army Lieutenant:
我々はそんな話は聞いていないぞ。

Lt.Kurz:
いずれにせよ、わたしは内務大臣からRestricted Areaでの自由な活動を許可されています。これ以上我々を引き止めるおつもりなら、少々厄介な手続きを踏むことになりますが…?

Army Lieutenant:
わかった、わかった。書類に不備はなし、貴様をここに拘束しておく理由はない。だが忘れるなよ、この先は危険だ。もしトラブルに遭ったとしても、我々は助けてやれんからな。

Lt.Kurz:
承知のうえですとも。御協力に感謝します同志、すべてはAlgeiraのために。

検問を通過し、一行はついにRestricted Zoneへと足を踏み入れる。
ジャングル地帯に入った矢先、Kurz少尉たちは反政府軍の待ち伏せを受けた。



- Guerillas -


Guerilla Commander:
Freeze!馬鹿な真似はするなよ。貴様はたしか…!?なんと、あの悪名高きLieutenant Kurzじゃないか!悪魔め、いままでどれほど大勢の仲間が貴様の手にかかったことか!

Lt.Kurz:
御機嫌麗しゅう、ゲリラの皆様方。今日は別に、争いに来たわけではないのですがね。我々は負傷し置き去りになっている同胞を助けるために派遣された非公式の捜索救難隊です。見てください、我々はろくに武装をしていません。わたしの雇っている傭兵が持っているのはただの医療品箱です。

Guerilla Commander:
嘘をつくな、ゲシュタポめ!万一それが本当だったとして、いままで散々に我々を痛めつけてきたくせに、今日は仲間を助けるために見逃せというのか?ふざけるな!貴様は我々のキャンプに連行する、大物を捕らえたと知ったらTanyaも喜ぶだろうよ。

Kurz少尉と傭兵たちはゲリラに捕らえられ、彼らの拠点であるJungle Campへと連行された。
しかし、それこそがKurz少尉の狙い通りであったことをゲリラたちは知らない…



- Jungle Camp -


山奥に隠された反政府組織ALA( Algeira Liberation Army )のキャンプに連行されたKurz少尉一行の前に、ALAのリーダーTanya Tormensとその副官Marcelo Tronが姿を見せる。

Tanya Tormens:
これはとんだ大物が釣れたものね、Kurz少尉?無駄な抵抗はしないほうが身のためよ。

Lt.Kurz:
こんなに大勢の武装兵士に囲まれた状況で抵抗なぞしませんとも、Princess Tanya。わたしも、その、信義のために命を捨てるほど愚かではありません。可能な限り協力しますので、できればあまり酷い目には遭わせないで頂きたいのですが。

Tanya Tormens:
それはあなた次第ね。今後のあなたの献身が、我々の仲間があなたに抱いている憎悪を打ち消すほどのものであれば良いけど。

やがてゲリラたちは傭兵の持つOD色の箱の中身を検査しにかかる。

Guerilla Fighter 1:
おい、その箱の中を見せてみろ。ゆっくりとだぞ…

傭兵たちは箱を地面に置き、配線と受信装置のようなものを取り出すと、それらを素早く箱に接続していく。


Guerilla Fighter 1:
待て、止まれ!なんてことだ、こいつは医療品箱なんかじゃない、TNT爆薬だ!

銃を抜き傭兵を制止するゲリラたち。しかし傭兵は爆薬の設置を終え、隠し持っていた複数の手榴弾のピンを一斉に引き抜くと、その表情に不気味な笑みを浮かべた。目からは血を流し、頭部のあちこちに乱雑な縫い跡が見える。明らかに普通ではない様子だった。
それはKurz少尉がもっとも得意としている、他者を意のままに操るための洗脳手術の結果であった。

Mercenary:
Algeiraのために!Algeiraのために!

Guerilla Fighter 1:
止まれというのがわからんか、畜生、撃て、撃ち殺せ!

Guerilla Fighter 2:
おい、あの男がいないぞ!Kurzのやつが消えた!


Lt.Kurz:
Algeiraのために。

そう言って微笑むと、Kurz少尉はキャンプ全体を見下ろせる丘の上から爆薬の起爆スイッチを作動させた。


KABOOOOM !

傭兵たちが仕掛けた爆薬が一斉に点火し、凄まじい爆風がキャンプ全体を薙ぎ払う。

Tanya Tormens:
いったい、なんて…なんてことを…こんなふうに仲間の命を使い捨てにするなんて…!

KABOOOM !

さらなる爆発が地面を揺るがし、最初の爆発による難を逃れたゲリラたちも手榴弾の破片を浴びて次々と倒れ伏す。
傭兵たちは死ぬ間際にポケットの中に隠し持っていた手榴弾を一斉に点火していた。その結果、時間差で自分の肉体もろとも敵を爆破する人間爆弾と化していたのである!
これらの非人道極まる爆破行為でゲリラのすべてが壊滅したわけではなかったが、混乱に乗じてふたたびキャンプに舞い戻ったKurz少尉の持つM960ユニバーサルガンが次々と標的を求め火を噴いていた。


BRATATATATATATA !

機関銃用の弾薬ボックスを装着したM960ユニバーサルガンは、動転するゲリラたちを容易く撃ち倒していく。


やがて銃声が止み、Kurz少尉は自分以外に誰も生き残っていないことを確認する。

Lt.Kurz:
いやはや、我が国を悩ませ続けていた反政府勢力も、滅ぼしてみると呆気無いものですなあ。良かったですねPrincess Tanya、これで敬愛するお父上のもとへ行けますよ…ははっ。
さて、持ち物を確認しておきましょうか。麻薬王Emiliano Calderon宛てのメッセージに…Olvegaのレジスタンス、Ramon Lazaro Marquez宛のメッセージですか。これがまだTanyaの手元にあるということは…いやはや、なんとも。

そう、この殺戮の地にKurz少尉以外の生存者はおらず…否、もう一人生き残りがいた。そうでなくてはならない。
Kurz少尉はキャンプの隅で身を伏せていたBarerra大尉のもとへ近づき、声をかけた。

Lt.Kurz:
お元気そうでなにより、Captain Barerra。手足の一本でも無くしていたら“こと”だと思っていましたが、無用な心配でしたね。

Enrique Barrera:
お、おまえは…Lieutenant Kurz!ゲリラに捕まり、情報を吐いたかもしれない俺を始末しに来たのか!?

Lt.Kurz:
なにを警戒しているのです?わたしだって、そう誰彼構わず殺して回っているわけではありませんよ。あなたを殺すのが目的なら、最初から爆破に巻き込んで死ぬよう調整します。わたしはねCaptain Barerra、あなたを救出するよう、Rebenga内務大臣から直接に命じられて来たのです。感謝しろとは言いませんが、余計な勘繰りはしないで頂きたい。

Enrique Barerra:
…!!そ、そうか…いや、助かった。あとのことは自分でやる、Artrigoまでは自力で戻るとするよ。

Lt.Kurz:
…大丈夫でしょうかね。

ゲリラの落とした武器を手に、そそくさとキャンプを脱出するBarerra大尉。その後姿を眺めながら、Kurz少尉は肩をすくめた。





 (end conversation)








 どうも、グレアムです。7.62 High Calibreのリプレイ記第二回目です。
 今回はかなり滅茶苦茶ですね。いちおう本文中にある、仲間を使い捨ての人間爆弾として使うやりかたはゲーム中でも可能です。本作は手榴弾のピンを抜くのに時間はかかりませんので。
 ただ、おそらく通常のプレイではこの時点でSZ-3a Demolition Chargeは入手できません(いちおうPuerto ViejoにいるJorge Bantoを殺せば一つは手に入る)。それと、High Calibreでは爆弾設置完了と同時に相手が敵対化しますが、Hard Lifeでは爆弾の設置開始と同時に相手が敵対するので、Sapperスキルがかなり高くないと仕掛け終える前に銃撃を喰らい失敗するはず。
 ちなみにSZ-3aというのは旧ソ連製の軍用爆薬で、3kgのTNTで構成されるようです。

 ふつう、Enrique Barerraの救出には別の手段を用いるのですが、ストレートにゲリラを全滅させることでも救出は可能です。あまり現実的な手段ではありませんが。
















2017/07/05 (Wed)19:09







7.62 Replay_001 : Prologue




- Puerto Viejo -


市民たちが噂話をしている。

Civilian 1:
なあ、どんな種類の弾でも撃てる銃ってのを知ってるか?

Civilian 2:
いいや。そんな魔法みたいな銃が存在するのか?

Civilian 1:
あくまで噂で聞いただけだが…装填した弾倉や銃弾の種類にあわせて、機関部や銃身内部が自動的に伸縮する銃があるらしい。



- Bandit Ambush -


同刻、襲撃されたキャンプ用のバスを取り囲むようにして、黒衣を纏う一人の男がBanditたちを相手に大立ち回りを演じている。


男の服装はどう見ても軍人らしいものではなかったが、漆黒のコートにはAlgeira正規軍少尉の階級を示す肩章と、Algeira軍特殊部隊のパッチが縫いつけられている。
彼の持つ小型のサブマシンガンと思しき銃には大型のドラムマガジンが装着され、発砲のたびに上部排莢口から赤いプラスチック製の薬莢が次々とはじき出されていく。12ゲージ散弾の薬莢だ。
やがて銃が弾切れを起こすと、男は弾倉を外しながら、たった今射殺したBanditのポケットを探り、マカロフ拳銃の弾倉を拾いあげた。

Mysterious Man:
すこし、あなたの持ち物をお借りしますよ。もうあなたには必要ないでしょうし。

Bandit 1:
こいつ馬鹿か?さっきまで撃ってたのは12ゲージ散弾、いま拾ったのは9mmマカロフ弾、まるで種類が違うじゃねぇか!戦い慣れしてやがるくせに、銃の知識はまるで素人か?

Mysterious Man:
なるほど、この銃にこの弾は使えないと仰る?興味深い、それでは…試して、みましょうか。

男は銃に小型拳銃用の弾倉を装填し、引き金をひいた。


M960ユニバーサルガン




Civilian 1:
世界にただ一挺のみ存在する幻の銃。
それはAlgeira特殊部隊に所属する軍人が所有しているともっぱらの噂だ。

Banditはただ一人を残して全滅し、最後の一人もすっかり戦意を失っている。
男はBanditにゆっくり近づくと、先刻まで銃撃戦を展開していたとは思えないほどに穏やかな口調でBanditに尋ねた。

Mysterious Man:
政府軍の支配地域であなたたちのような存在を目にするのは珍しいですね?

Bandit 2:
たっ、助けてくれ、たのむ…まさかアンタだとは思わなかったんだよお。人違いなんだ、俺たちはただ頼まれただけで…この道を通る傭兵を襲うように言われたんだよ!

Mysterious Man:
頼まれた?誰に?

Bandit 2:
ロシア人だ!Ippolit Bashirovとかいう名前の…正体はよく知らねぇ、詮索はしなかった。俺たちゃタップリ前金を貰ったからな、妙な勘繰りをする理由はねぇ。

Mysterious Man:
他に知っていることは?

Bandit 2:
なんでも、Bashirovのデブ野郎を始末するために外国人が傭兵を雇ったらしい。それで、俺たちが金と引き換えにその傭兵を始末する計画になってたんだ。なあ、もういいだろう?

Mysterious Man:
ええ、あなたはよく喋ってくれました。だから、苦しまないように死なせてあげましょう。

Bandit 2:
え、いや、ちょっと!話が違…

BLAM !


Mysterious Man:
話が違う?いえ、違うなんてことはないでしょう?わたしは最初から命を助けるなんて提案はしていません。安らかに死ねただけでも幸運に思わなくては。

Lieutenant Kurz


Lt.Kurz:
幸運、そう幸運なのです。わたしがいままで殺した人間の末路を思えば、余計な苦しみを負わずに死ねたことは本当に運が良いことなのですよ…



Civilian 1:
男の名はKurz少尉、Algeira特殊部隊の所属だ。
もとはドイツの諜報機関に所属してたらしく、80年代から90年代にかけて西ドイツで共産ゲリラの摘発を専門にしてたらしい。アカ狩りのエキスパートってやつだ。ところがベルリンの壁崩壊後の調査で容疑者への過激な拷問や虐待が露見し、その直後にAlgeiraに亡命している。
やつの正体や素性は誰も知らない。一説によるとナチの残党だとか、人間の形をしたマシーンだとか、そもそも人間じゃないって噂もある。馬鹿げた話だが、とにかく、たしかな事実は一つ…そいつはとんでもなくヤバイ野郎だってことだ。

Civilian 2:
そんなイカレたやつが、この国で何をやってるんだ?軍に引き入れたSosa将軍も、いったい何を考えているのか…



- Puerto Viejo -


Kurz少尉は通常、Algeira北西部のSecret Baseに駐屯している。
普段の任務は政府軍の支配が及ばないRestricted Zoneにおける反政府勢力の活動の監視と阻止であり、それなりの戦果を挙げてはいたが、悪名を馳せた以前の働きぶりは鳴りを潜めていた。
現在は休暇で観光地のPuerto Viejoに立ち寄っていたのだが、バスでの移動中にBanditの襲撃に出くわしたのだった。

Lt.Kurz:
いつものささやかな休暇旅行のはずでしたが…面白いことになってきましたねぇ。

襲撃を受けたあと、Kurz少尉は自身の情報網を活用し、Banditから訊き出した話の真偽を確かめていた。Algeira各地に確保してある“協力者”たちに集めさせた情報を吟味し、Kurz少尉は仮面の下で微笑みを浮かべる。

Lt.Kurz:
Ippolit Bashirov…彼は故郷でビシネスパートナーを裏切り、奪った金を持ってAlgeiraに逃げてきたようですね。彼が怒らせたのは、銀行と…ロシアン・マフィア?なんとまあ。ああいった人種は、そういう舐めた行為を決して許しはしないというのに。
そして、この街に滞在している観光客…Alexey Rezviと言いましたか。ロシアからの訪問客、傭兵を雇ったのはこの男のようですね。どうやらマフィアのお仲間のようですが、政府の諜報機関もあまり詳しいことまでは掴んでいないようです。

Lt.Kurz:
Rezviと傭兵とのやり取りを“偶然”立ち聞きしていた住民によれば、彼はBashirovの死を熱烈に望んでいるようで。たとえ身体の一部でも持ってくれば…確実に死を確認できる頭部とか…報奨金を支払うと約束したそうです。
報奨金100万ドル…もしRezviが、わたしの考えるような人種なら、おそらくはBashirovの首を持ってきたのが自分の雇った傭兵でなくとも金を支払うはず。これは面白い、大変に面白い状況になってきましたよ。

Lt.Kurz:
政府の諜報機関や軍の上層部はBashirovの居場所を知っている可能性が高いですが…いきなりそちらに探りを入れるのは賢明ではありませんね。まずは反政府ゲリラを相手に成果を挙げ、その過程でBashirovの情報をそれとなく聞き出すという筋書きを立てましょう。そのためにはまず、Restricted Zoneへ自由に行き来できる許可証を発行してもらう必要がありますね。
いまわたしが持っているのは、休暇の間でしか利用できませんから…さすがに一週間の休暇中に何もかもやり遂げる、というわけにはいきませんものね。ひとまずArtrigoの官邸へ赴き、Rebenga内務大臣に直談判してみましょうか。

こうして一人の軍人による、無謀な挑戦がはじまった。
それはすべて、ただ金のために。

Lt.Kurz:
All the burning bridges that have fallen after me, all the lonely feelings and the burning memories...(燃え盛る橋々は我が背後にて崩落し、孤独な感情も記憶とともに燃え尽きる…)





7.62 High Calibre Replay

- Betrayer Gold -






 (end conversation)








 どうも、グレアムです。
 7.62 High Calibre攻略日記バージョン2、今回は二週目ということで創作を交えたリプレイ記となります。また普段とはスタイルを変え、地の文を極力廃し会話文でほぼすべてを説明しようと試みています。ゲーム本編と展開が食い違う箇所に関してはなるべくここ(最後)で解説を入れます。
 まず主人公クルツ少尉の武器「M960ユニバーサルガン」についてですが、これは作中に登場する武器キャリコM960にすべての弾倉を装填できるよう改造したものです。
 ゲーム開始直後に襲撃してくるBanditの「Bashirovに雇われた」という言動については、いちおうゲーム中に似たようなやり取りがあるんですが、ゲーム中ではプレイヤーがBashirovの写真を見せたときに「えーと、うーん、たぶんこいつ。そうそう、こいつに頼まれたんだよ!間違いない!」みたいな非常に胡散臭い発言しかせず、それ以上の情報も吐きません(おそらく「他人に頼まれてプレイヤーを襲った」という言い訳自体がガセ)。
 ただ今回のリプレイでは「Bashirovに雇われたBanditが傭兵(本来のプレイヤー)と間違えて主人公を襲った」というプロットのほうが面白いかなと思い、このような導入となりました。
 今回は政府軍側でゲームをクリアする予定なので、主人公を最初から政府軍側の軍人という設定にしています。色々アラが出るとは思うんですが、それとなく誤魔化せれば…いいなあ…
 クルツ少尉の最後の台詞(歌)はBurning Bridgesという曲の歌詞で、これはKelly's Heroes(邦題「戦略大作戦」)という往年の戦争映画のテーマ曲です。クリント・イーストウッド主演のこの映画はドイツ軍が秘匿している金塊の在り処を偶然知った主人公たちが、上層部に内緒でこれを頂いちまおう…と画策する娯楽冒険活劇です。また、今回のリプレイの着想元でもあります。
 本文の配色については、ゲーム中のダイアログ画面を元にしています。







 余談。
 最初の構想ではクルツ少尉は戦争が三度の飯より好きな脳筋兵士という設定で、またパートナーとしてタダマン無料で仲間として連れまわすことができるNPCとして有名なBeniciaを伴う予定でした。
 二人のキャラを同時に操るのがめんどくさいという、有り得ないほどものぐさな理由でボツに。




改造手術を受けたという構想を元にBeniciaをリテクスチャ



 クルツ少尉のマスクに関しては、現在の構想に近い形にシフトしたあとも、しばらくはサイボーグ兵士っぽい造型を試みていたのですが、最終的にホラー映画の怪人風な容貌に落ち着きました。スプラッター映画のキラー役みたいというか。
 外見と裏腹に理知的且つユーモアを交えた言動をするというギャップが個人的に気に入ってます。




製作途中のクルツ少尉。これに義眼や金属部品等を足す予定だった



 クルツ少尉のベースとなっているキャラはIvanovで、モデルはEl Doublo's BodyguardというNPCのものをリテクスチャして使用しています。
 今回のリプレイで使用する画面写真はすべてHUDの表示をオフにしていますが、いちおうポートレート画像も作成しています。




怪しさ大爆発
















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