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主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。 生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。 http://reverend.sessya.net/
2024/11/24 (Sun)02:38
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2014/06/05 (Thu)14:44

 ここまでのFallout3!
「俺の名はクレイブ、傭兵だ。今日もウェイストランドでの旅がはじまる…」
 世界を救った!死んだ!生き返った!第三部完!

  **  **  **  **



「なんだか大変なことに巻き込まれてたみたいだなぁ、相棒?」
「まったくだよ…あーおばty」
「お姉さんと呼びな!」
「…お姉さん、リスの串焼き追加でお願いします」
 リベットシティ船底にある酒場、マディ・ラダーにて。
 浄化プロジェクトの立役者に祭り上げられた俺は、BoSへの入隊を断り一介の傭兵としての活動に戻っていた。
 そしてたまたまリベットシティへ立ち寄ったある日、そこで懐かしい顔を見つけることになる。ブッチ、通称Vault101のガキ大将。俺の働きかけによって解放されたVault101から飛び出し、新生トンネル・スネーク(ギャング団)結成のために活動していると風の噂で聞いたことはあったが。
 正直、まだ生きているとは思わなかった。というより、Vault101の面々がここまで上手くやれるとは思っていなかったのだ、スージー・マックの例を出すに及ばず。まったくなんというか、人間っていうのは俺が思っていたより随分と強かな生き物であるらしい。
「しっかし、得物が飛び出しナイフって…よくそれで生きてここまで辿り着けたなぁ」
「このブッチ様をそこいらの根性なしと一緒にされちゃ困るんだぜ?」
「いやいや」
 軽口を叩くブッチに、俺は友好の印にと一挺の拳銃を渡した。
 金メッキが施されたM1911のカスタム品。黒曜のグリップに竜のエンブレムがあしらわれた高級品だ。以前メガトンの大変人モイラの依頼で地雷原の捜索に向かったとき、ギブソンという男の家にあった小屋の模型から発見したものである。
 いかにもワルっぽい雰囲気全開なこの銃、ブッチなら似合うだろうと思って渡そうとしたが、彼はそれを拒否した。
「おいおいおい、こんな悪趣味なモンを俺が使うと思うのか?」
「悪趣味かなぁ。俺様ちゃんはけっこうカッコいいと思うんだけどねぇこれ」
「ナァナァナァ。いいかクレイブ、トンネル・スネークの標語は質実剛健だぜ?だってのに、頭(ヘッド)がこんなギンギラの銃なんか持ってたら示しがつかねーじゃねぇかYO」
「そりゃ、そうか」
 意外に真面目な気性のブッチに、俺はまたしても驚かされる。
 今から部下のことなんか考えてたんだなあ。めんどくさいやつだ。
 そこで俺は黄金のM1911を懐に仕舞い、別の銃を取り出した。今度のやつは気に入るだろう。
「おっと、こいつはリボルバーか?」
「.44マグナムだぜ。スラブバレルにリブ・サイト、グリップはラバー製。まさに男の銃ってやつさ」
「いいねぇ、こいつは気に入った!ありがとうよ!」
 サイトを覗いたり、シリンダーに弾を込めたり、ブッチは子供のように目を輝かせて銃をいじり回す。
 しかし、このビジュアルは…
「…西部警察だなぁ…」
 いつだったか、Vault101で観賞したレクリエーション用のフィルムを思い出しながら、俺はリスの串焼きを齧った。

  **  **  **  **

 めんどくさそうだったので早々にBoSとは手を切った俺だが、完全に関係を解消したわけでもない。



「用がないならさっさと消えてよね。こっちは忙しいんだから」
「このアマ、ぶち殺してくれよーか…」
「おいよせって。大人気ないぜ相棒」
 せっかくだからブッチを伴っての傭兵稼業、「トンネル・スネークのメンバーを探すついでにウェイストランド中を回るのも悪くない」ということで双方の利害が一致した形である。報酬は折半だ。
 そもそも俺がリベットシティに立ち寄ったのは、なにも漫遊するためではない。BoSが浄水場を管理するようになってこっち、人々の救済を名目に組織された給水キャラバンがウェイストランド中に清浄な水を配給して回っているのだが、そこは生き馬の目を抜くキャピタル・ウェイストランド、当然平穏に事が進むはずがない。
 給水キャラバンはジェファーソン記念館に近いリベットシティを拠点として出立する。しかしながら強盗集団によるキャラバン襲撃、そして配達を終えたはずの地区から「水が届いていない」と苦情が届くなど、数多のトラブルがBoSを悩ませていた。
 そこでこの偉大なる傭兵サマの登場、てなわけなんであるが…
「それで、仕事をする気があるの?ないの?」
「やーりーまーすーよー!」
 給水キャラバンを管理しているリベットシティ・セキュリティ所属のオフィサー・ラペラティアというこの女、どうもめっちゃくちゃ態度が悪い。日々の激務には頭が下がる思いだが、それにしたって、どうにかならないのか。
 ひとまず北へ向かってすでに発ったというキャラバン隊の護衛のため、俺とブッチは急いでその跡を追うことにしたのだが…

  **  **  **  **



「こりゃあまた、随分とハードな展開だな相棒!」
「撃て撃て、撃ちまくれ!とにかく撃って皆殺しだ!」
 BLAM!BLAM!BLAM!BLAM!
 いきなり銃撃戦が展開されたのは、ポトマック橋付近の廃墟である。
 俺たちが追いついた頃には、既に給水キャラバンは壊滅していた。しかし物資を漁っていたのか、襲撃犯たちがまだ立ち去っていなかったため、すぐさま銃撃戦を仕掛けたという具合である。



 PDOOMMM!!
「よっしゃ、クリティカル・ヒットだ!」
 俺は襲撃犯のボスと思われる男の頭部を吹っ飛ばすと、ガッツポーズを取った。
 いやしかし、俺は射撃にはそれなりに自信があったが、ブッチもなかなかどうして見事な腕前だ。どこで使い方を覚えたのか、VATSも上手に使いこなせている。
「ところで相棒、おまえピップボーイはどうした?」
「ああ、あれ。邪魔だったから分解して身体に埋め込んだ」
「えぇ~…」
 さらりと言う俺に、ブッチが若干ヒキ気味につぶやく。
 それは以前、所用でリベットシティを訪れていた連邦出身の技術者ドクター・ジマーに頼んでやってもらった施術だ。今の俺があるのも、そのときに受けた強化反射神経とVATSの連動、そして強化プログラムであるグリムリーパー・スプリントのアップデートによらばこそである。
「さて、こいつら何者だ?ただの辻強盗ならいいけど、もっと組織的な犯行だと厄介なことになるからねェ」
 襲撃犯の死体からスカベンジしつつ、俺は有益な情報に成り得るものを探す。
 そしてさっき脳天を散らしたボス格らしき男の服から、一枚のホロテープを抜き出した。生憎とピップボーイを体内に埋め込んだとき、モニターやホロテープ再生モジュールなどの嵩張る端末は外してしまったため、俺は専用の再生ツールをバックパックから取り出してホロテープをセットする。
『いいかお前ら、このテープは聞いたらすぐ破棄するんだ…くそ、なんだって俺が字も読めねぇ連中のためにこんな気遣いをしなけりゃならねぇ!?まあいい、集合場所を伝えるぞ。ウィルヘルム埠頭にある、ババアがやってた小さな店を覚えてるか?あそこだ、合言葉を忘れるなよ?ミレルーク・シチュー、いいか、ミレルーク・シチューだ。大事だから二回言ったぞ。忘れたら容赦なくぶっ殺す、覚えとけ』
 テープはそこで途切れた。
「ウィルヘルム埠頭か。おい相棒、知ってるか?…おいどうした相棒?」
 テープの内容を聞いた途端、ブルブルと震え出した俺にブッチが驚く。
 だってそりゃあ、動揺するなっていうほうが無理だろう?なんたってウィルヘルム埠頭は、そう、テープの声が指していたであろう、かつてスパークルばあちゃんが滞在していた小屋は…
「 こ れ 、 俺 ン 家 じ ゃ ね ぇ ー か ァ ー ー ー  ッ ! ! ! 」

  **  **  **  **

「どうだ相棒、見えたかい?」
「ああ~、うじゃうじゃいやがるぜ。まったくもう最低だよ」



 対岸から狙撃ライフルのスコープ越しに自宅の周辺を見つめていた俺は、大きく嘆息した。サイレント・スコープ気分で偵察していたら妙なアイコン類が見えたような気がしたが、たぶん気のせいだろう。
「ここから狙撃できなくもないけど、けっこう距離あるし、俺ん家に立て篭もられたらかな~り厄介なのよねー。あそこ武器弾薬が山のように保管されてるし」
「マジでか」
「マジマジ」
「じゃあどうするんだ?」
「とりあえず合言葉はわかってるし、仲間のフリして様子を窺うとしますか」
 そう言って狙撃ライフルをダッフルバッグに仕舞うと、俺はひさしぶりに自宅へ戻るべく足を踏み出した。


   **  **  **  **



「合言葉は?」
「うんこ」
「よし殺す」
「ごめんなさいすいませんでしたミレルーク・シチュー」
「よし通れ」
 俺の自宅の前、テーブルと椅子が並べられ、ちょっとしたカフェテリアの様相を呈している場所に、そいつらはいた。
 スプリット・ジャックを名乗る組織のボスは、どうも単に強盗目的で給水キャラバンを襲撃していたわけではないらしい。自分たちを給水キャラバンの護衛として売り込むにあたって、危機感を煽り、報酬を吊り上げるための自作自演工作ということらしかった。
「まあ、よくある話だよな」
 そう呟くブッチの傍らで、強盗連中を観察していた俺はあることに気がついた。
 …こいつら、なんか見覚えのある銃を装備しているような?
「ところでいいかなボス、そのピッカピカのすんごい銃、どこで手に入れなすったんで?」
「ああこれか。スパークババアの家が改装されててな、超上モノの銃が大量に仕舞いこんであったんで、ちょいと拝借したのよ。肝心のババアがどこにもいねーんだけどな、どこ行っちまったんだかな」
 スパークルばあちゃんの名前をダイナミックに間違えながら、スプリット・ジャックがそう答える。
 しかしその言葉を聞いた瞬間、俺の中でなにかが「キレた」。大事ななにかが。
 俺はブッチの脇腹を肘で小突き、他の連中に聞こえないよう小さな声で言った。
「おいブッチよ。VATSの用意はできてるか?」
「え?ああ、いつでも使えるけどよ…まさか今ここでやんのか?」
「やる」
 そして、俺はだしぬけに銃を抜いた。

  **  **  **  **



「いいか、テメェらが拝借したその銃はな…全部オレのだーッ!」
 戦闘は一瞬にして決着がついた。
 すっかりリラックスしていた無頼どもに、俺とブッチのVATSダブルアタックが炸裂。俺の自宅の前に、グロテスクなオブジェが出来上がった。
「だーっ、たく、畜生!ヒトん家の前に腐れ酢の臭いつけやがって!」
「いや、YO、あのよ、相棒?いきなりだったからつい手を貸しちまったけどよ、ちょっとやり方がマズいんじゃねえの?これ」
 いちおう加勢したものの、どうにも戸惑いを隠せないブッチ。
 しかしひとまず依頼は完遂したわけだ。不穏な勢力を叩き潰し、証拠も手に入れ、万事滞りなく終了したわけである。
「ただまぁ…これは掃除しなきゃなぁ…」
 自分がやってしまったことに対し、俺は力なくため息をつく。
 また、掃除を手伝わされる破目になったブッチも、日暮れまで作業が終わらず大変な労働になったことを俺に愚痴り続けることになった。

  **  **  **  **

「仕事は終わったぜ。ほらわかったらさっさと金出せほりゃ」
「お金?ここにはないわよ」
「ハアァァァァァ!!??」
 リベットシティに戻った俺を待っていたのは、「自身に支払い能力はない」というオフィサー・ラペラティアの信じ難い一言だった。
「ここここのクソアマ、言うに事欠いて金がねーだと…傭兵にタダ働きさせるたぁいいー度胸だぁーッ!」
「ガタガタ騒がないでよ、うるさい男ね。報酬の件なら、ジェファーソン記念館にいるBoSのスクライブ・ビグスリーに…」
 しかし、頭に血がのぼっていた俺は、オフィサー・ラペラティアの言葉が耳に入らなかった。
 俺に背を向ける彼女の後頭部に、すかさず銃口を向ける。



「おいよせって、相棒…相棒?」
 そして俺を止めようとするブッチの言葉も耳に入らず…

 BLAM!





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以前、撮影した画面写真を紛失したので更新停止したと書きましたが、なんといままで保存していたのとは全然違う場所にファイルが残ってたので再開することにしました。
これもそのうちHPのほうでリンクを纏めたほうがいいかもしれない。
グレアム@ウェイストランダー 2014/06/05(Thu)14:46 編集
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