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2014/04/24 (Thu)00:20
どうも、グレアムです。RWBYの本編、Vol.1(Episode1~16)を視聴したので、その感想をば。
うん、えーと…想像以上にキツかった(いい笑顔で)。少年少女の青臭いドラマがどうとかいう以前の問題で。おそらくCartoonではなくANIMEが作りたかったんだろうな、というのはTrailerの時点で伝わってはきたんですが、これほど凄いもんが出てくるとは思わなかった。
この気まずさは、たとえばMonolithの昇剛やBungieのONIを見たときのようなあの感覚に似ている。ジャパニメーションやオタク文化に対する奇妙な憧憬が化学変化を起こして壮絶なモノが出来上がり、おそらく真面目に、そして素直に楽しんで作られたであろう作品に対し、当の日本人は笑い飛ばすことも憚られただ気まずい雰囲気に陥るという、あの感覚だ。
これは欧米圏特有の現象で、たとえば中国や韓国などのアジア圏におけるジャパン・リスペクト(風)作品はあくまで技術の模倣に終始するので単なる劣化コピーに近い代物になるのだが、それが所謂「ガイジンさん」の手にかかるとそこに憧れや情熱といったスパイスが加味され、ちょっとすごいことになる。それ自体を悪いことと言うには、あまりに申し訳ない話だが…
ともあれ、「そういう作品だ」という理解のもとに視聴すれば、これはこれで居心地が良かったりするのも確かである。失われた情熱、日本人がかつてどこかに置き忘れてしまった「何か」がこのRWBYに込められている気がするのだ。
学園生活の描写については、ラノベ的というよりハリー・ポッターなんかに近い。欧米の学園ドラマ風とでも言おうか。こういう題材っていうのはむしろ向こうのほうがありふれている気がするのだが、そのへんは本国でどう評価されているのだろうか?
Trailer時点では年齢層の高いオタク向けに作られたような印象があったが、本編はなかなかどうしてディズニー・チャンネルなんかでティーン向けに放送していても違和感のない内容だ。これが当初の予定通りだったのか、方向転換したのか、あるいはTrailerとは異なる方向性をあえて打ち出したのかは興味が尽きない…明らかに両者の客層に喰い違いがあるように思えるからだが。
キャラクターの性格が等身大の少年少女として設定されている点については個人的に評価したい(たとえステレオ・タイプにしろ)。今の日本のアニメには「これ現実にいたら異常者だろ」という極端な性格のサイコパスしか出てこないため、ちゃんと血の通った人間として葛藤を描こうとしている点は概ね好意的に見ることができる。
残念ながらアクションシーンは全編通してそれほど多くなく、Trailerを越えるような驚きもない。
あくまでドラマを描きたいのか、世界観の見せ方にしろ何にしろ、ちょっと欲張りすぎて全体的に散漫な印象はある。ただ、好きなものを好きなように作ってこの出来であれば、けちをつけるのも野暮な話だ。スポンサーが満足していて、製作が続けられるのであれば良いのではないかな。
日本のアニメに比べるとたしかに稚拙なところは多いが、個人的に日本のアニメはビジネスモデルとして洗練され過ぎていると感じるので(言っておくが、これは決して褒め言葉ではない)、これくらい荒削りなほうがかえってストレートに心に響くものがある気がする。俺は「作品」を見たいのであって、「商品」には興味がないのだ。
Vol.1までの内容で気になったのは、ヤン姉だけ内面描写がほとんどなかったことだ。ルビーは見たまんまだし(武器マニアっぽいところは厨二少女っぽくていいね)、ワイスの過去や家柄にまつわる葛藤、ブレイクのトラウマ(メタヒューマン迫害ってのは鉄板設定だよなぁ)などはかなり丁寧に描かれていたのだが、常に一歩引いた視点で物事を見守っていたヤンだけ現時点では何を考えているのかわからない、ちょっとミステリアスな存在になっている。彼女一人だけ、本気で感情をぶつけるシーンが皆無なのだよ。
もともと一人だけ浮いてるというか、明らかにメンタルの構成が他の三人と違うので、そのあたりの描写が続編で登場することを切に願う。Trailerで何に首を突っ込んでいたのかにもまだ説明がないしね。
難アリな書き方はしたけど、これはこれで悪くない気もする。まあ人はかなり選ぶし、人に薦めるにはちょっとキビシイ作品ではあるけれども(笑)やっぱり、カートゥーン的な表現がボロボロ出てくるあたりはガイジンさんのセンスが滲み出るというか、隠し切れないバタ臭さが日本人的感覚とミスマッチだったりはするのですが。
ひとまず今後の展開が気になりますね。
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