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2014/11/26 (Wed)20:33
Perfect Darkの北米版CM。
レーティングM!?と思ったら国内版は規制入ってたみたいです。
どうも、グレアムです。最近思い出したようにX360版のパーフェクトダークゼロをプレイしつつ、まあ凡作だけど面白いことは面白いよなーとか、釈由美子の演技が棒だった記憶があるけど改めて聞くとそれほど悪くもないなーとか、そんな感想を抱きつつレア社の変遷なんかを調べていたら興味深いことがわかったので記事を書いてみることに。
かつて任天堂傘下のもとドンキーコング・シリーズを筆頭にヒット作を連発し、ゴールデンアイ64やパーフェクトダークといった当時日本では馴染みの薄かったFPSというジャンルを引っさげて任天堂キッズを熱狂させたのは、当時を知る人間としては記憶に残っていることだろうと思います。
その後レア社はマイクロソフト傘下となり、X360のローンチタイトルとしてパーフェクトダークゼロを開発。「正直微妙」という評価を受けながらも、以後アバター機能やらKinectタイトルの開発などでX360の隆盛を支える存在となりました。
とまあ、ここまでが前置き。
最近「任天堂ハードにおけるFPSタイトルの少なさを見るに、レア社を手放したのは失策だったのではないか」みたいな意見をちらほら目にするので、それ以前にレア社ってFPSメーカーだったっけ?というかFPSメーカーとしてのレア社ってそもそもどういう存在だったのか?という点に興味を持つに至ったわけです。
それにはゴールデンアイ64誕生の経緯から見直す必要があるでしょう。
当時すでにレア社は大規模な会社だったのですが、はじめてFPSタイトルを開発するというチャレンジに挑むにあたり、その開発環境というのはあまり恵まれていたものではなかったようです。
今でこそゴールデンアイ64はレア社の看板タイトルであり、相当に力を入れて開発されたものだと思っている人もいるかもしれませんが、その実態はわずか8人の小規模チームで開発されたタイトルであり、それもFPSタイトルの開発部署はレア社の中ではかなり立場が低かったらしく、軋轢や制約が多かったことが過去のインタビューで語られています。
その後同スタッフはパーフェクトダークを開発し、これも大ヒットを飛ばしたのですが、その後すぐに独立してFree Radical Designを立ち上げたことを考えると、優れた成績を残したにも関わらず社内での立場が低かったことは彼らにとって深刻な問題だったのかもしれません。
これは1999年時点での話であり、このときすでにFPSを開発していたコアスタッフはレア社から離脱していたことがわかります(パーフェクトダークゼロは開発会社こそ同じですが、開発スタッフは別です)。またパーフェクトダークゼロ以降FPSタイトルを開発していないところを見ると、現在任天堂ハードにおけるFPSタイトルの不足をレア社売却と結びつけて「失策」とするのはかなり的外れな指摘でしょう。
ではレア社から離脱したFree Radical Designのその後を追っていきましょう。
彼らは2000年にPS2のローンチタイトルとしてTime Splittersを開発、大ヒットを飛ばします(日本でも二作目が「時空の侵略者」というサブタイトルで発売され、隠れた名作として知られています)。以降はTime Splitterシリーズ、超能力を題材としたSecond Sightなどを開発。たんなるシューターではない一風変わったアクションゲームを提供し続けます。
しかしPS3でHazeを開発後、経営状況の悪化からFree Radical Designは大規模なスタッフの解雇を発表。スタジオ閉鎖すら危ぶまれた2009年、彼らを買収したのはなんとドイツのCrytekでした。
Crytek UKとして新生した元Free Radical Designメンバーは2011年に発売されたCrysis2にてマルチプレイ部分の開発を担当。その仕事ぶりが評価されたのか、続編のCrysis3では本社Crytek Frankfurtとの共同開発という立場にまで昇格しています。
そう、かつてゴールデンアイ64を開発したメンバーはCrytekにいたのです!
ただしCrytek UKのその後の活動はやや不透明なものとなっています。
どうもCrysis3開発後はHomefrontの新作(タイトルは「Homefront: The Revolution」)開発に携わっていたらしいのですが、このあたりの経緯がややこしいんですよね。
もともとHomefrontはTHQが抱えていたフランチャイズだったのですが、THQの倒産に伴いIPをCrytekが取得し、Kaos Studios(THQ倒産と同時に閉鎖されたHomefrontの開発会社)にかわってCrytek UKが開発を引き継いだようです。
しかしCrytekの経営状況の悪化に伴いHomefrontのIPはKoch Mediaに売却され、Deep Silver管理のもとで新作の開発が続行されることになったようです(ちなみにDeep Silverはゲームタイトル販売用のKoch Mediaの子会社です)。
でーここからがあやふやなんですが、HomefrontのIP売却前後にCrytek UKは縮小ないし閉鎖され、スタッフはHomefrontの新作開発のために設立されたDeep Silver Dumbusterに吸収されたとかどうとか…それが事実だとして、Crytekがスタッフを手放したということなのか、あるいは新作タイトル開発のための提携の一環なのかとか、そういったことがまるでわからないんですよね。
えーと、かつてゴールデンアイ64を開発したメンバーはいま、Deep Silverにいる、のです?
そんなわけで、えーと、どうにも確実なソースがない(というかCrytekがそのへんの情報を出してないらしい)のでなんとも気持ちの悪いオチになりましたが、かつてゴールデンアイ64やパーフェクトダークに熱狂し、その遺伝子を探している方は、今後発売されるであろうHomefrontの新作をプレイするといいかもしれない、のですよ?
まあ、Rare⇒Free Radical Design⇒Crytek UK⇒Deep Silver Dumbusterに至る過程でコアスタッフが抜けてないって保証もないんですが…デザイナーのDavid DoakはCrytekに買収される前後で独立したという話も聞きますし。もっとも彼が設立したZinkyzonkというスタジオ(ソーシャルゲームの開発会社らしい)はJolt Online GamingのもとでGangsta Zombiesというゲームを開発後に閉鎖されたらしいですが。
ちなみにグレさんは当時生粋のセガユーザーだったので、レア社開発のタイトルとはまったく縁がありませんでした。
ただ当時同年代のキッズたちが皆レア社開発タイトルに夢中になっていたのはかなり記憶に残っておりまして、当時の熱、というか「ハマッていた人たちの熱狂ぶり」みたいなのはかなりリアルに感じてましたね。
といってもゲームそのものに関しては、友達同士で集まった対戦会でコントローラをいきなり渡され、操作方法すらわからないままハメ殺されたというイヤな記憶しかないんですが(どうも四人対戦の数合わせで呼ばれたらしい)。
国内で発売されたタイムスプリッターはいちおうプレイしたんですが、グレさんはシューターには「アクションが面白いかどうか」を重視するので、謎解きやパズル要素にウェイトを置くFree Radical Designのスタイルはちょっと肌が合いませんでした。
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