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主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。 生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。 http://reverend.sessya.net/
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2011/05/25 (Wed)14:27

 韓国発のキムチ・ウェスタン。賞金稼ぎパク・トウォン(グッド)、馬賊の長パク・チャンイ(バッド)、列車強盗ユン・テグ(ウィアード)が三つ巴となり、さらに別の勢力も加わって、謎の地図に記された「宝」を求めて熾烈な争いを繰り広げる。

 さて韓国発のウェスタンということで、舞台はどこになるのかと思えば、なんと満州!世界観的にはなんでもアリな感じで(なんせ闇市ではゾウやらラクダやらアヒルの群やらが闊歩し、ガードマンが青龍刀を持ってたりする)、そのオリエンタルな雰囲気にはかなり惹かれるものがある。

 オープニング・シーケンスは相当丁寧に作られており、否が応でも盛り上がらせてくれる作りになってはいるが、序盤を過ぎたあたりから失速…というより展開やアクションが大味になってくる。部分的に光る箇所はあるものの、序盤の丁寧さが嘘のように展開が間延びしてくるのはちょっと見てて辛かったかも。

 中盤でチラリと触れられる「指狩り魔」のエピソードはもうちょっと表に出しても面白かった気はする。というか全体的にキャラクター像の掘り下げが甘く、悪い意味で淡々と進み過ぎるきらいはあったかなあ。もっと漫画みたく極端なキャラ付けをしたほうが、もともとが荒唐無稽な映画なんで面白くなりそうな気はした。

 グッドは「善人」というには行動の動機がいまいちハッキリしないし(悪を憎む素振りを見せるわりに、一人前に損得勘定で動いたりする)、バッドは冷酷無情のカリスマというには子悪党っぽい部分が目立つ。というかそもそもウィアードの出番が多過ぎて他の2人の印象が薄くなっているのが一番問題だろう。コメディリリーフはただでさえ印象に残りやすいんだから、少ない出番で強い印象を残せるキャラの露出を一番多くしてどうするんだという話だ。本来なら数人で分担するような役割を1人で背負ってしまっているので、鑑賞後はウィアードの濃い顔ばっかりが記憶に残ってしまう。

 CGやスタントなし、というのは素直に凄いと感じた。凄いと感じるくらいに立ち回りは凄かったのだ。ただし近年のアクション映画の例に漏れずカメラワークに落ち着きがない。常に画面を揺らしたり、カメラを動かすのは手軽に臨場感が出せていいとは思うのだが、きちんと見せるべき部分は見えるように撮影してほしいと思う(これはエクスペンダブルズでも書いたけど)。

 肝心の「宝」の正体に関してはラストにようやく明かされます(というか、あれだけ全員が血眼になって探しているにも関わらず、ほとんどの登場人物は宝の正体を知らなかったっぽい。バッドは知ってて動いてるもんだとばかり思っていたので、ちょっと意外だった)。ネタバレ上等な本ブログでもさすがに書きませんが、「そりゃあ日本軍も総力挙げて手に入れようとするよなあ」といったシロモノ。よく考えたなあと思いました。

 で、前述のように本作品には旧日本軍が登場します。以下ネトウヨのための補足になるが、あくまで「映画に登場する悪役」としての役割をまっとうしている感じで、あまりイヤミな印象はない。なによりちゃんと日本人が日本語を喋っているのは好印象だった(外国映画では、未だに中国人がヘンなイントネーションで喋る「日本人」が多い)。基本的にやられ役だけども。敏感な人の目には「反日」っぽく写るかもしれないが、本作に比べれば80年代後半~90年代前半のアメリカ映画に見られるジャパン・バッシングのほうがよほど扱いが酷いし、まして同じ枢軸国であったナチスドイツの扱いなんか未だに酷いしね。ていうかドイツ人はいい加減に怒ってもいいと思うよ俺は。

 そんなわけで、世界観は魅力的だし光る部分はあるけれどもイロイロと惜しい映画、というのが総評。今回はケーブルで観たので、スクリーンで観るとまた違うのだろうなあという印象。基本的に、韓国の「オリジナルは作れないけど模倣は上手い」というスタイルは嫌いじゃないし、技術も高いので、昨今あまりハリウッドが手を出さなくなったような様々なジャンルに取り組んで欲しいものだと思う。個人的には「ナチュラルシティ」のような、サイバーパンクものがまた観たいんだけどね。

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無題
韓国ウェスタンとはこれまた
なんか珍しいですねー

なんとなく惜しいというのもわかる気がしますね
世界観や街並みの雰囲気は良いのにストーリーが台無しという(笑)
個人的には押井守の実写がそれに当たる.....と思います

ちょっと観たい気もしますが観た後残念な気持ちになりそう(笑)グレアムさんのレビューを見るかぎ
手ブレの演出ってハンディカムだからなんですかね?
わざとピントずらしたり
あんまりやりすぎると臨場感でないしぃ
セブン 2011/05/26(Thu)00:40 編集
無題
ストーリーが悪かったわけではないですけどね。レビューだとつい辛口になりがちですが、これはヒマがあるなら観てもいいんじゃないってレベルです。

押井某に関しては、ワタクシ的にタランティーノみたいな立ち位置なのかなあと思うことがしばしば(無駄に話が長い的な意味で)。攻殻機動隊を無個性無表情ユーモア無しのクソ集団に仕立て上げた功罪は絶対に許さないよ。イノセンスとかなんなのアレ、オチに15年近く前の原作のなんでもない1エピソードを持ってくるとかナメてんの?厚顔無恥ってああいうのを言うんだよ。一人前にオリジナル作品みたいなツラしやがって…

おーっとぉイカンイカン、攻殻機動隊に関しては当方、原作信者なもんですから、つい語調が荒くなってしまいますな。

映画の撮影方法云々に関してはなんとも言えませぬ。技術的なことに関してはワカランチンなので。

アクションに関してはレバーアクションを回転させながらリロードしたり、バッドの右腕が青龍刀の2刀流で無双したりとそこそこ見所は(笑)ウィアードがワルサーP38の2挺拳銃だったりする時点で、世界観に関しては説明がつくのかも。
グレアム@ごった煮 2011/05/27(Fri)13:54 編集
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