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主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。 生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。 http://reverend.sessya.net/
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2011/08/23 (Tue)09:48

 泥沼の紛争が続く地チェチェン。
 ロシア軍の軍曹イワンはゲリラの捕虜となり、英語が話せることから劣悪な環境下でゲリラのボス・アスランに重用されていた。ある日イワンと他の捕虜が捕らえられている穴蔵に2人の新顔が連れて来られる。英国人俳優ジョンとその婚約者マーガレットだ。
 ジョンは200万ポンドの身代金を調達するため、イワンとともに解放される。期限は2ヶ月、もし間に合わなければマーガレットが暴行されたうえで殺される。期限まで彼女には一切手を出さないという約束を取り付け、金策に走るジョンだったが家財道具一切合財を売り払っても満額には達せず、英露両政府とかけ合うも協力を断られる。
 元KGBと偽って接触してきたFSBや、胡散臭いロシアン・マフィアに協力を持ちかけられながらも、結局イワンとジョンは独力で人質を奪還することを決める。軍の兵士に交渉を持ちかけチェチェンへ入国した2人は道中でゲリラを襲撃し車と装備を確保、ゲリラと繋がりのある羊飼いルスランを脅迫してゲリラの拠点へと向かう。
 3人でゲリラの拠点を襲撃し、人質の奪還に成功。負傷したメドベデフ大尉とマーガレットを救出するものの、マーガレットは既に暴行を受けており、約束を反故にしたアスランをジョンは射殺する。
 ゲリラの追撃を受けながら、即席のいかだで川を渡った5人は最終的に古い塔で篭城することになる。このままでは全滅しかねないと悟ったジョンは、ゲリラの拠点で見つけた衛星電話をメドベデフ大尉に渡して軍への協力を要請させる。
 やがて数基の軍用ヘリが到着し、ゲリラを蹴散らしながら5人を回収する。チェチェンから脱出した5人は、晴れて自由の身になった。
 テレビ局と契約して一部始終をハンディカメラで撮影していたジョンは一躍映画スターとなった。一方、ジョンから受け取った多額の報酬の一部をルスランに、残りの全額をメドベデフ大尉に手術代と称して渡したイワンは一連の件に関する殺人容疑で有罪判決を受け、刑務所に収監されることになった。



 はい、えー、みんな大好き地雷提供会社「彩プロ」が送るインチキ戦争映画シリーズです。どういうわけか翻訳・吹き替えのクオリティは安定しているものの、いかんせん映画そのものがZ級の品物ばかり取り揃えているせいで(あと、やたら大作感を煽るインチキ邦題のせいで)、もう彩プロと聞くだけで「あ~駄作っぽい」感全開になるわけですが、本作は稀に見る当たりでした。個人的に2回目のヒット。1回目は極寒戦線アルデンヌ。
 2002年製のロシア映画である本作は独特のざらついた映像がいかにもロシアっぽく、アナログ感全開の映像は一種異様なリアリティを醸しています。
 主人公イワンはロシア映画には珍しいイケメンマッチョで、マーク・ウォールバーグとかマット・デイモンみたいなタイプです。アクションではいかにも軍人らしいキッチリした動きをしています。
 一方のジョンはAKをナナメに構えてフルオートで撃ったりと素人丸出しで、きっちり玄人と素人の動きを差別化して撮っているあたりコダワリを感じます(そういう書き分けができる監督は意外とハリウッドでも少ない。日本においては言わずもがな)。
 彩プロなのでアクション大作ではもちろんないのですが、アクションシーンはかなり質が高いと思います。アナログな特撮がかなり良い感じで、派手すぎず地味すぎずリアルだと思います。ショットガンで撃たれた死体はリアルだったなあ。実際の死体写真と比べてもそんなに違和感なかった。
 ラストのMi8やハインドの超低空飛行シーンはシビれたなあ。あれ本物なのかしら。このへんはロシア映画の面目躍如ってとこですかね。ヒットマンに出てきたハインドはあまりにCG臭がキツすぎてこれは…ウソくさい…だったけど。
 やっぱりアナログ特撮はいいですね。CGはどんなによく出来ていても所詮合成なので、「これはウソ(作り物)なんだ」と嫌が応にも思い知らされて冷めちゃうことがあるんですよね。「技術的に凄いことやってんなー」と関心することは勿論あるんですけれども。
 ストーリーも良かったですね。割とツッコミどころは多いんですが、まぁそこはロシア映画だから(笑)人間の描き方が良かったのかな。最初の戦闘でショックを受けたジョンに対して、イワンの「これは戦争なんだ。俺の戦争はもう終わったが、これはあんたの戦争なんだぞ!」という台詞が好きです(ちなみにイワンは捕虜当時除隊間際で、解放後に除隊している)。
 この映画は主人公イワンのモノローグっぽい作りになっていて、ところどころに現在のイワンの喋りが入るんですが、まさか有罪になってムショ入りになってたとは思わなんだ。せいぜい事情聴取されてるくらいかと。やったことはアクション映画のヒーローと同じなんですけどね。まぁ…フツー逮捕されるよなぁ…人質奪還のために一番頑張ったのに一番報われてないよこいつ。

 ちょっと毛色の変わった映画を観たければオススメします。よく言えば洗練された、悪く言えばテンプレ通りの作品に飽きたなら。彩プロなので新品でも1000円くらいでDVDが買えると思います。
 そういえばパッケージでイワンが持ってた銃、VSSかと思ったけどどうもVALっぽいな。それから、パッケージに堂々と載っている戦車は一度も出てこない。

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無題
あと、個人的にすごいカルチャーショックを受けたシーンがあったんで追記。

ゲリラから解放されたあと、イワンがメドベデフ大尉の家を訪ねるシーンで、政府の対応に文句を言いながらお婆ちゃんが部屋を出て行くときの1カットです。
お婆ちゃんが扉を開け…え~と…どう見てもドアノブと鍵がついてるべき場所にデカい穴が2つドカドカと空いてるんですがこれは一体。
ていうかお婆ちゃんもフツーに穴の部分を引っ掴んで扉開けてるし。
つーか金具ないから完全に閉まってねーじゃんこの扉。

さすがだぜ。これがロシアクオリティ!扉が壊れていても気にしない。
ていうか、それくらい直せ。
グレアム@ロシアスキー少尉 2011/08/23(Tue)09:55 編集
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