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2013/08/12 (Mon)17:25
↑VHSの冒頭に収録されていた劇場?予告編。
夜の都会の闇の中を疾走する黒装束の男が一人、彼の名はシマ。中国の奥地に存在するニンジャ帝国の一員である。シマは銀行家ジャッカルのオフィスから秘宝「翡翠の像」を盗み出し逃走する。後日ジャッカルは翡翠の像にかかっていた莫大な保険金を請求するが、刑事ウォンはそれをジャッカルがシマと仕組んだ狂言ではないかと疑い、保険調査員のクローディアとともに捜査を開始した。
一方、ウォンの上司は「ニンジャ・サンダーボルト」を名乗る女ニンジャに命を狙われていた。じつは刑事部長は元ニンジャで、シマと同様ニンジャ帝国に所属していた。しかし彼は「よりニンジャ帝国を強大なものにする」という思想のもと金のためにニンジャの力を悪用するシマ一派に愛想を尽かし、ニンジャとしての人生を捨てたのである。
やがてシマを追い詰めるウォンとクローディア。そしてウォンの上司も過去の因縁に決着をつけるため、ニンジャ・サンダーボルトの待つ決闘の場へと向かうのであった…
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えー実は今回の記事、結構うろ覚えで書いてます。本当は小コラム程度に留めておく予定だったのですが、調べてるうちにいろいろと書きたいことが出てきたので、あえてレビューの枠での紹介となります。
いちおうVHS(日本語字幕版)は持ってるんですが、肝心のビデオデッキがないので観れないんですよね。なのでYoutubeでアップロードされているやつ(なぜかスペイン語吹き替え版)を観つつ今回の記事を書いております。
ストーリー的にもウォン刑事の妻が序盤でシマに殺されてたりとか、ジャッカルの娘が父親を出し抜いてシマと結託してたりとか、もうちょっと色々とあったような気もしたのですが、そもそもストーリーはわりとどうでもいい内容の映画なので、そのへんはあまり触れないでおきます。
あとVHSのパッケージに「裏切りと復讐の暗殺集団」だの「殺人マニュアル四十八手マル秘免許皆伝」だのといったやたらと仰々しい副題(なのか…?)がついてますが、これたぶん以前に紹介したバトルサバイバーの「戦!闘!必!至!」とかと同じ類のもんだと思うので、記事のタイトルからは省かせていただきました(そもそも原題がただの「Ninja Thunderbolt」だし)。
あと、倉田某に関しては個人的に思い入れはないので、その点のフォローはしません。念のため。
まずウォン刑事とクローディアがシマを追うパートと、ウォンの上司(名前は失念、申し訳ない…というか、ひょっとして作中で名前出てない?)がニンジャ・サンダーボルトと対決するパートに剥離を感じるのですが、それもそのはず、じつはこれ、ベースとなる別の映画に関係ないシーンを追加して全篇吹き替えを入れ直しただけのものだからです。
もちろんベースはウォン刑事が活躍するパートで、付け足されたのが上司の刑事部長が活躍するパートなのですが。所謂「ニコイチ映画」というやつで、ニンジャ映画最盛期に粗製乱造された映画としてはよくある代物だったりします。
それを証明するかのように、ウォン刑事パートと刑事部長パートで登場する人物が「同時にカメラに写っているカットが一つもない」という。編集と吹き替えですべてを誤魔化す荒業には参るね。これちゃんと元の映画に権利代を払ってるのかが気になる。まさか無断で使用してはいないだろうが…
内容的には全篇アクションてんこ盛りで、カンフーアクション(素手&武器)あり、カーチェイスあり、スキーチェイスあり、光GENJIばりのローラースケート・チェイス(なんのこっちゃ)あり、おまけに妖しいニンジャ・アクションありと、すごくなんかよくわからないけどなんかすごいので、クソ映画に耐性があるなら観ても損はないかも。
ただしマトモな脳味噌の持ち主なら予告編を観るだけで充分かと思います、ほとんど見所のすべてを網羅してるので。少なくとも「ニンジャだから忍べよ」とかマトモな突っ込み入れちゃう人はダメです。この時代のニンジャ映画は忍ぶだの忍ばないだのという次元を軽く超越してるので。あと「女ニンジャってくの一じゃないの?」という向きもあると思いますが、なんというか、うーん…あれは「くの一」っていうより「女ニンジャ」だよな。と個人的には思うのですよ。あくまで「ニンジャ」は「忍者」にあらざるものなのですよ。
あーあと、濡れ場もありますね。乳首どころかアンダーヘアまで見える豪胆ぶり(Youtubeにアップロードされてるやつでもカットされてなかった。いいのかアレ)ですが、あんまり嬉しくないのはなんでだろーな…
で、今回この映画を改めて調べてて一番驚いたことが。
VHSで観たときには気付かなかったのですが、第二の主役ともいえる刑事部長役の白人、コレ「皆殺しの用心棒」のリチャード・ハリソンだったのかよ!なにやってんだよ!
で調べてみたところ、どうもリチャード・ハリソンは荒野の用心棒の主役をイーストウッドに譲ってしまったことを後悔し、以後クソ映画の主役として茨の道を歩むことになったのだとか。本人のバイオグラフィーを見るに、人生どこが転機になるかわかんねーなと思わずにはいられない。
ちなみに皆殺しの用心棒も一度しか観たことがないのだが、主人公がド近眼でメガネを大量に携帯しているシティ・ボーイ風のビジュアルだったこと、そして主人公の使うリボルバー(たぶんS.A.A.)がリア/フロントサイトを近代風のものに改造したような、ちょっと変わった代物だったため妙に印象に残っている(詳細は未確認)。ラストのどんでん返しは見ものだが、けっこう展開に間延びする部分があったため、あまり2度、3度と観たくなるような作品ではなかった気がする。
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最後に。なんでいまさらニンジャ・サンダーボルトなのか?というと、じつはクレインの換毛差分(図鑑用)を描くときにちょっとこの映画のネタを仕込んだので、ついでに調べたらなんとなく記事を書きたくなったという次第である。
ちなみに、個人的にはこの映画、けっこう気に入ってたりする。それはもちろん、こいつよりももっとつまらない映画を過去に大量に観た経験があるからかもしれないが…
見所があるっていうのは、それだけで貴重なんである。
↑映画ラスト、ニンジャ・サンダーボルトとの対決。
山の頂上で「ニンジャー!」と叫ぶシーンはこの映画屈指の名シーンだと思う。
で、次のシーンで普段着に戻っているという。変身した意味ねーじゃん!
あと、最初に変身した場所ってあれたぶんバスルームですよね?
↑おまけ、皆殺しの用心棒の(おそらく)劇場用予告編。
若かりし頃のハンサムなリチャード・ハリソンの雄姿。テーマソングもイカス。
15年後、彼がニンジャになることなど誰に予想ができたろうか。
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