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主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。 生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。 http://reverend.sessya.net/
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2014/04/22 (Tue)13:04

 どうも、グレアムです。このところすっかり更新がご無沙汰してますがなんとか生きてます。ちょっとリアルのほうで洒落にならないトラブル続きでした。
 まぁ、俺の近況なんかどうでもいいんだ。




 今回はアメリカのRooster Teeth Productionsが放つ3DCGアニメーション「RWBY」のTrailer映像四本の感想なんぞをちらりと。もともとシルエットのみのスチールが公開されたときにちょっと興味があったんだけど、そのあと存在をスポーンと忘れていて、最近YouTubeの検索候補に偶然出てきて存在を思い出したという経緯で視聴しました。映像はRooster Teethの公式チャンネルから視聴できます。なんとHD対応という太っ腹ぶりなのだぜ。
 設定まわりに関してはいまさらここで書くようなことでもないと思うんで、諸知識に関してはググるなりなんなり。日本にも一定のフォロワーがいるようで、Wikiの項目なんかも充実してますしね。

 内容はまぁ、超人的な戦闘能力と武器を持った少女が無双するという、いかにもなポンコツアクション(←褒め言葉)なのですが、肝心のアクション部分の出来は良い。動きそのものはゲーム的というか(シチュエーションもそうだけど)、「この動きはあのゲームのあのキャラの動きだよね」みたいな露骨さが割とあったりはするんですが(Skull Girlsでもそのへんはけっこう気になった)、たんなるパクリを組み合わせただけというよりは、それなりに上手く消化して映像に組み込めている気はします。
 最初のRed Trailerではまだ動きがCGくさいというか、不自然さが若干見られたのですが(モーションそのものに問題があるのか、カメラワークによるのかまではちょっとわかりませんが)、Black、Yellowあたりになるとかなり質が上がってますね。特に一番難しいはずの格闘シーンの出来が四作中屈指というのが凄い。
 もともと2Dアニメに近い絵作りの場合は日本のリミテッド・アニメーション的な演出のほうが相性が良いので、後半はそのあたりが上手くできていたなぁと思いました。

 それでは、個々の動画の感想などを。




 Red…一発目のプロモーションとしてはかなり「アタリ」の部類じゃないでしょうか。物悲しい冒頭部分から派手なアクションへの以降、ありきたりと言えばそれまでだけど、ツボをしっかり抑えて「見」せる部分を「魅」せるっていうのはじつは難しいんだぜ。ガン内蔵のギミックアクションつきサイスの動きもかなりグーだ。演出部分ではGrimm(モンスター)の動きがちょっとふわふわしていたり、足跡や血痕が雪面に残らないのは物足りないけど、後者はやりすぎると画面がうるさくなるので妥当なところかもしれない(それがわかってて、あえて作り込まなかった可能性もある)。銃撃と格闘のコンビネーションは往年の「Halo vs Metroid」を彷彿とさせるが、どうもアクションやカメラワークが妙に似通ってる気がするんだよな。ひょっとしたら当時のスタッフがこれに関わってるのかもしれない…




 White…言っては難だが、他三作に比べると少々今一つな感がある出来。演出や音楽、構成などは良いのだが、そもそも敵の設定や主人公のスペックといった根本的な部分に問題がある。銃撃・斬撃・高速移動というRedのわかりやすい能力に対し、Whiteのリボルバー式レイピアは動画を見ただけだと能力の強さに今一つ説得力がない(ど派手な氷結攻撃などは絵的にもわかりやすいが)。細身のレイピアで巨大なフルアーマーを相手にするという絵面にそもそも無理がある気もする(どう見てもダメージが通りそうにない相手に魔法パワーでゴリ押し勝利っていうのは絵的に美しくない)。フルアーマーに重量感がないのも問題だ。動くたびに金属が擦れる音がするとか、空間の振動などの演出でどうにかならなかったろうか。そういうのが存在しない霊的な存在(という設定)だったにしろ、もうちょっと見せ方はあった気がする。そして最後の大股広げてダウンはあまりにカッコ悪すぎる…あれじゃ「ズコー」のAAだよ。




 Black…前回よりも尺が長く、ストーリー性や会話シーンなども付与され、かなりパワーアップした感がある。コンビネーションを駆使したアクションはさすがの出来で、背景に流れる「From Shadows」の攻撃的な歌詞(そして亡者のようなシャウト)が主役二人の魅力をグッと引き立ててくれる。リボンつきガンブレード(鞘までも武器として使用可、二刀流も披露してくれる)、鞘に銃が仕込まれている日本刀など武器も魅力的で、納刀や見得を切るシーンがいちいちカッコいいのだな。そしてラストの別れと物悲しいピアノの伴奏がまたいい。From Shadows、男は影の中で戦い続けることを選び、そして女は影から飛び出して光の中へ飛び込むことを選んだ…あの歌に込められた二つの意味、俺はそういうものだと解釈している。唯一このTrailerにケチがつくとすれば、主人公の女の子より男のほうが活躍してしまったことだ(笑)




 Yellow…文句なしに一番出来がいい。構成、演出、バトルの内容、個性的な敵役の登場、本編に繋がる(のだろうと予測される)引きと、まるで短編アクションのお手本のような出来。なにより主役Yellowが魅力的すぎる!他の三人はどこか影があるというか、強いことは強いんだけど、自分の中の弱さを克服するために力を得たようなところがあるのだが(テーマ曲の歌詞にもそれがよく現れている)、Yellowはもう根アカで生まれつきの強者という感じ。まったく陰がないし、自分(の強さ)を信頼しているから、行動に迷いや躊躇いが一切ない。テーマ曲「I Burn」の歌詞も見事、だってアメコミの本場でヒューマントーチやジョニー・ブレイズなんか相手にならねぇって歌うような娘には誰にも勝てないぜ(笑)その上位存在が超サイヤ人ってのがまたアレだけど(ラップ部分はアルバム・バージョン限定だけどね)。ただ唯一気になる点はダメージ表現の大人しさ。Redで派手な欠損表現があったぶん、爆装ガントレットで殴っても血の一滴流さない人間の扱いにはやはり違和感がある。これが自主規制の産物なのか、それとも設定上の問題なのかは気になるところだ。あと、ヒゲのおっさんはもうちょっと強くて良かったかな、カート・ウィマー映画のラスボスみたいに。いちおう、Yellowの連撃を(よく見ると)バズーカで受け止めてるらしいあたり、そこそこスペックは高そうなのだが。



 とまぁ、若干簡潔に纏めてみましたが皆さんは如何だったでしょうか。
 上でYellowのキャラを褒めちぎってますが、これは俺が明るいキャラが好きというよりも(どっちかというとネクラでインモラルなのが好きなので)、自分にないモノを持っている、自分とはまったく正反対の性質を持っているからこそ惹かれる部分があったというのが大きいです。それも自分が不要と断じて拒絶したものではなく、渇望しても手に入らなかった強さを持つキャラってのが。嫌味がないんですよ、強さに。いいなぁ、彼女。
 キャラの個性を強く打ち出しアクションで魅せるという、四本いずれも個人的にはオススメの動画でありますが(Whiteの評価だけ低いけど、あれは他の三本に比べると…という意味)、どうも本編は学園モノ?らしく、ちょっと視聴を躊躇しています。
 個人的には厨二的ポンコツ・アクションを見たいのであって、若者の青臭い青春物語はちょっと…という感じなので。世界観などTrailerだけではわからない部分も多いので、興味はあるんですけどね。




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2013/08/12 (Mon)17:25


↑VHSの冒頭に収録されていた劇場?予告編。

 夜の都会の闇の中を疾走する黒装束の男が一人、彼の名はシマ。中国の奥地に存在するニンジャ帝国の一員である。シマは銀行家ジャッカルのオフィスから秘宝「翡翠の像」を盗み出し逃走する。後日ジャッカルは翡翠の像にかかっていた莫大な保険金を請求するが、刑事ウォンはそれをジャッカルがシマと仕組んだ狂言ではないかと疑い、保険調査員のクローディアとともに捜査を開始した。
 一方、ウォンの上司は「ニンジャ・サンダーボルト」を名乗る女ニンジャに命を狙われていた。じつは刑事部長は元ニンジャで、シマと同様ニンジャ帝国に所属していた。しかし彼は「よりニンジャ帝国を強大なものにする」という思想のもと金のためにニンジャの力を悪用するシマ一派に愛想を尽かし、ニンジャとしての人生を捨てたのである。
 やがてシマを追い詰めるウォンとクローディア。そしてウォンの上司も過去の因縁に決着をつけるため、ニンジャ・サンダーボルトの待つ決闘の場へと向かうのであった…

  **  **  **  **

 えー実は今回の記事、結構うろ覚えで書いてます。本当は小コラム程度に留めておく予定だったのですが、調べてるうちにいろいろと書きたいことが出てきたので、あえてレビューの枠での紹介となります。
 いちおうVHS(日本語字幕版)は持ってるんですが、肝心のビデオデッキがないので観れないんですよね。なのでYoutubeでアップロードされているやつ(なぜかスペイン語吹き替え版)を観つつ今回の記事を書いております。
 ストーリー的にもウォン刑事の妻が序盤でシマに殺されてたりとか、ジャッカルの娘が父親を出し抜いてシマと結託してたりとか、もうちょっと色々とあったような気もしたのですが、そもそもストーリーはわりとどうでもいい内容の映画なので、そのへんはあまり触れないでおきます。
 あとVHSのパッケージに「裏切りと復讐の暗殺集団」だの「殺人マニュアル四十八手マル秘免許皆伝」だのといったやたらと仰々しい副題(なのか…?)がついてますが、これたぶん以前に紹介したバトルサバイバーの「戦!闘!必!至!」とかと同じ類のもんだと思うので、記事のタイトルからは省かせていただきました(そもそも原題がただの「Ninja Thunderbolt」だし)。
 あと、倉田某に関しては個人的に思い入れはないので、その点のフォローはしません。念のため。

 まずウォン刑事とクローディアがシマを追うパートと、ウォンの上司(名前は失念、申し訳ない…というか、ひょっとして作中で名前出てない?)がニンジャ・サンダーボルトと対決するパートに剥離を感じるのですが、それもそのはず、じつはこれ、ベースとなる別の映画に関係ないシーンを追加して全篇吹き替えを入れ直しただけのものだからです。
 もちろんベースはウォン刑事が活躍するパートで、付け足されたのが上司の刑事部長が活躍するパートなのですが。所謂「ニコイチ映画」というやつで、ニンジャ映画最盛期に粗製乱造された映画としてはよくある代物だったりします。
 それを証明するかのように、ウォン刑事パートと刑事部長パートで登場する人物が「同時にカメラに写っているカットが一つもない」という。編集と吹き替えですべてを誤魔化す荒業には参るね。これちゃんと元の映画に権利代を払ってるのかが気になる。まさか無断で使用してはいないだろうが…

 内容的には全篇アクションてんこ盛りで、カンフーアクション(素手&武器)あり、カーチェイスあり、スキーチェイスあり、光GENJIばりのローラースケート・チェイス(なんのこっちゃ)あり、おまけに妖しいニンジャ・アクションありと、すごくなんかよくわからないけどなんかすごいので、クソ映画に耐性があるなら観ても損はないかも。
 ただしマトモな脳味噌の持ち主なら予告編を観るだけで充分かと思います、ほとんど見所のすべてを網羅してるので。少なくとも「ニンジャだから忍べよ」とかマトモな突っ込み入れちゃう人はダメです。この時代のニンジャ映画は忍ぶだの忍ばないだのという次元を軽く超越してるので。あと「女ニンジャってくの一じゃないの?」という向きもあると思いますが、なんというか、うーん…あれは「くの一」っていうより「女ニンジャ」だよな。と個人的には思うのですよ。あくまで「ニンジャ」は「忍者」にあらざるものなのですよ。
 あーあと、濡れ場もありますね。乳首どころかアンダーヘアまで見える豪胆ぶり(Youtubeにアップロードされてるやつでもカットされてなかった。いいのかアレ)ですが、あんまり嬉しくないのはなんでだろーな…

 で、今回この映画を改めて調べてて一番驚いたことが。
 VHSで観たときには気付かなかったのですが、第二の主役ともいえる刑事部長役の白人、コレ「皆殺しの用心棒」のリチャード・ハリソンだったのかよ!なにやってんだよ!
 で調べてみたところ、どうもリチャード・ハリソンは荒野の用心棒の主役をイーストウッドに譲ってしまったことを後悔し、以後クソ映画の主役として茨の道を歩むことになったのだとか。本人のバイオグラフィーを見るに、人生どこが転機になるかわかんねーなと思わずにはいられない。
 ちなみに皆殺しの用心棒も一度しか観たことがないのだが、主人公がド近眼でメガネを大量に携帯しているシティ・ボーイ風のビジュアルだったこと、そして主人公の使うリボルバー(たぶんS.A.A.)がリア/フロントサイトを近代風のものに改造したような、ちょっと変わった代物だったため妙に印象に残っている(詳細は未確認)。ラストのどんでん返しは見ものだが、けっこう展開に間延びする部分があったため、あまり2度、3度と観たくなるような作品ではなかった気がする。

  **  **  **  **

 最後に。なんでいまさらニンジャ・サンダーボルトなのか?というと、じつはクレインの換毛差分(図鑑用)を描くときにちょっとこの映画のネタを仕込んだので、ついでに調べたらなんとなく記事を書きたくなったという次第である。
 ちなみに、個人的にはこの映画、けっこう気に入ってたりする。それはもちろん、こいつよりももっとつまらない映画を過去に大量に観た経験があるからかもしれないが…
 見所があるっていうのは、それだけで貴重なんである。


↑映画ラスト、ニンジャ・サンダーボルトとの対決。
 山の頂上で「ニンジャー!」と叫ぶシーンはこの映画屈指の名シーンだと思う。
 で、次のシーンで普段着に戻っているという。変身した意味ねーじゃん!
 あと、最初に変身した場所ってあれたぶんバスルームですよね?


↑おまけ、皆殺しの用心棒の(おそらく)劇場用予告編。
 若かりし頃のハンサムなリチャード・ハリソンの雄姿。テーマソングもイカス。
 15年後、彼がニンジャになることなど誰に予想ができたろうか。




2012/11/08 (Thu)15:31
 観て来ましたよ劇場で。今回は基本的に前作との比較レビューとなります。単体として見れば間違いなく出来は良かったのですが、あえて評価厳し目に。
 相変わらずネタバレ度高めなので(いまさらだけど)、未見で情報シャットアウトしたい人はブラウザの戻るキーを推奨のこと。

 とりあえず総評から入ると、前作より手堅く纏まっているぶん、全体的にこじんまりとした出来になっていたかなあという印象。大物俳優の複数起用の時点で製作側が息切れしていたような印象を受けた。
 ストーリー的にも、前作が一国の軍隊を相手に大立ち回りを演じたのに対し、今回は(規模は大きいとはいえ)傭兵部隊が相手なので、どうしてもパワーダウンしたように見えてしまう。加えて今回はシュワルツネッガー、ウィリス、ノリス(特にノリス)が参戦したことで主人公サイドが威力過剰となってしまい、パワーバランスが極端に崩れてしまったのもスリルを大幅に削ぐ要因となってしまった。
 前作では「戦力的には圧倒的に不利だけど、それでもこいつらなら…きっとやってくれるはず…!」という、手に汗握りながら主人公サイドのギリギリの活躍を満喫できたのだが、本作では「こいつらが負けるわけねーな」と、主人公サイドが完全余裕の難易度イージーモードだったので、やってることは派手でもいまいちカタルシスを感じることができなかった。人数的には前作と大差ないのだが…

 今回は敵のボスにヴァンダムを起用しており(名前がヴィランてーのはストレート過ぎやしないかい)、前作のスーツ男より強キャラの風格は出ているのだが、そのぶん片腕役のアドキンスがストーンコールドに比べ力(オーラ)不足に感じた。あのキャラ造詣だったら、いっそダニー・トレホでも起用すれば良かったのではないだろうか。
 ヴァンダムもアドキンスも、ストーリー中では冷酷な悪党ぶりを遺憾なく発揮していたものの、実際の戦闘シーンではそれほど活躍することなく退場してしまうので拍子抜け。それまでに無抵抗の相手を殺しまくっていたぶん、小悪党ぶりが悪目立ちする結果となっている。
 ドラマ的にも前作のほうが深みがあったように思える(ロートルの哀愁、軍指導者の葛藤など)。

 気になる大物俳優の見せ場だが、会話は気が利いているものが多く用意されている反面、アクションシーンでの活躍の仕方は「ただ銃火器を撃ちまくるだけ」と非常に大味。ターミネーターネタを会話に出すならシュワルツネッガーには長物2挺銃くらいやって欲しかったし、ノリスにはもっと格闘シーンが欲しかった。ウィリスは…まあ、あんなものか。
 ジェット・リーは序盤で退場するが、あの退場の仕方はどうもスケジュールの関係くさい。とりあえず「ここはコイツの見せ場!」って場面があるのは強い。充分活躍した方だと思います。相変わらずラングレンとイチャイチャしていたのには好感が持てた。あのコンビいいよね。
 ラングレンは前作での狂犬ぶりはなりを潜め、穏やかな(?)ムードメーカーに徹している。実はインテリ、てのは本人ネタだよね。もうちょっとキレてても良いとは思ったけど、これはこれでアリか。
 新キャラ1のヘムズワースは…まぁ、うん。スナイパー。悪くはないんだけどランボー最後の戦場のやつの焼き直しだよね。ステロタイプの若き秀才。個人的には好きなキャラ造詣だけど、特に語るような部分もないという。
 新キャラ2のユー・ナンは、まああの集団の中で堅実な仕事ができてたってだけで合格点でしょう。強いて言えば、アクションシーンでもうちょっと個性のある殺陣をやってくれても良かった気はする(唯一の女性なんだし)。
 あと、ステイサムは相変わらず優遇されすぎ。

 演出に関して、前作で不評だったカメラワークやカット割のせわしなさはかなり改善され、相当見やすくなっている。
 が、肝心のアクションシーンがどれも大味で見所に乏しい。「おっ」と思ったのはリーのフライパン無双とステイサムの坊主アクション(教会の。)くらいですか。バイクで武装ヘリ撃墜は爆笑したけど、あれは俳優の演技ではないしね。
 もちろん俳優に非は一切ないが、アクションシーンの構成が練り込み不足だと感じられた部分が多かったのは確か。前作からほとんど間を置かずに製作されたので、時間が足りなかったのだろうか?
 前作に比べると格闘シーンより銃撃戦に比重が置かれているが、肝心の銃撃戦の演出に工夫がまったく見られない。手堅い出来ではあるが無個性で芸がない。前作はもっと意欲的だっただけに残念だ。「キメ技」的な演出が少なかったのもマイナス。

 う~ん、こうやって改めて感想を文章にするとなんか文句ばっかり言ってるように見えるな(汗)いや、もちろん面白かったんですけどね。
 ただアクション映画マニアの性というか、優等生的なA級大作よりも個性的なB級アクションを好む身としては、もうちょっとトンガってても良かったんじゃないかなーと思わずにはいられないのであったり。

 ちなみに今回一番のお気に入りのシーンは、なんといってもチャック・ノリスの登場シーン。戦車含む敵部隊を一人で瞬殺した直後にチャック・ノリス・ジョークのセルフパロディをかますとか、流れが完璧過ぎる。
2012/02/27 (Mon)06:54
 ‐ストーリー‐

 主人公ヴァーレイは元空軍パイロットのスピードボートレーサーだ。レーサーとしての腕は良かったがギャンブル好きが災いし、現在は妻子と離縁し借金まみれに。賞金25万ドルという高額賞金に釣られて得体の知れないスピードボートレースに参加したのが運の尽き、ヴァーレイは主催者に陥れられ謎のゲームに参加させられることになる。
 無人島に集められたヴァーレイ以下7人のゲーム参加者に告げられた内容、それは島に配置された武装兵士の襲撃からただ1人生き残ったものだけが高額賞金の獲得とともに島から生還できるというもの。
 このゲームで誰が優勝するのか…それは資産家たちの賭けの対象となっていた。参加者の行動は逐一モニターされ、おまけに主催者は優勝者を生かして帰すつもりなど最初からなかった。賭けが終われば参加者は用済み、誰もこの島から生還することはできない。はずだった。
 しかし事態は主催者の思惑を外れ、襲撃者はことごとく参加者の返り討ちに遭う。ただし参加者同士の殺し合いも手伝って最終的にヴァーレイ1人が生き残るが(実はもう1人生きているのだが、ネタバレになるのでここでは伏せておく)、ヴァーレイを殺すべく出動した機銃搭載のヘリを、ヴァーレイは襲撃者から奪ったライフルで逆に撃墜する。
 そしてヴァーレイは島から脱出するため、そしてこの下らないゲームを仕組んだ主催者に復讐するため、参加者を賭けの対象として弄んでいた資産家たちの集まる屋敷へと向かう…



 映画の内容について話す前に、この映画のDVDを購入したいきさつについてまず書いておかねばなるまい。
 最近、近所のスーパーの中にCDやDVDを扱う店が入った(以前は写真屋だった)。扱っている品は、たとえば駅中でたまに見かけるような廉価版。洋画のDVDは日本未公開だったり、いわゆるあちらでのVシネのようなクズ映画の宝庫だったりする。
 そういうクズ映画の中から面白い作品を発掘するのが趣味のグレさんにとっては有り難い話なのだが(中華製のパチモノゲームから良作を探す感覚に近い。ファミコン版鉄拳2とか)、そこのレジでの会計というのがビックリするほどアナログで、なんと会計前に客が買った商品のタイトルをすべてノートに書きつけるのだ。帳簿の代わりだろう。
 まったく時代錯誤というか、すごいもんを見てしまったという感想である。しかもいちいち「戦!闘!必!至!」というどう見ても不要な煽り文句から書くもんだから、「いやどう考えてもそこはいらねぇだろ!?」とツッコミたくなるのも無理からぬこと。おかげで会計するまでにすげー時間がかかる。
 しかし初老の店主にとっては「戦!闘!必!至!」からしてもうタイトルなのだろうから、今回のレビューでは、普段なら絶対に省くこの煽り文句もタイトルに入れてみたという次第である。
 この話にはオチがある。会計を済ませて店のスペースから出ようとした俺に、店主が一言「ちょっと待っててください」。店主が取り出したのは小型のスタンプ、「まさかな」という俺の脳裏に浮かんだ推論に寸分違わず出されたのは、まさしくスタンプカードだった。
 「次の買い物のときに使ってください」。そう言って差し出す店主の顔に、逡巡の色はない。スタンプは500円で1個(丁度DVD1本の価格だ)、10個たまれば500円分の商品券として使えるという、まあ他所と比べれば良心的な設定ではある。だが俺はこう思わざるを得なかった、「たぶんスタンプがたまる前にこの店潰れるだろ」と。



 感想の前に、DVDに記載された煽り文句をここに掲載してみよう。

  「バトル・ロワイヤル」を彷彿とさせるサバイバル!
  「CUBE」「SAW」に迫るスリル!
  「24」に匹敵する分刻みのサスペンス!
  その全てを奇跡的に融合させた
  “ニュー・アクション・スター”
  その名はバス・ルッテン!

 誰だよ。
(後で調べてみたところによると、このバス・ルッテン氏、本業は俳優ではなく総合格闘家なのだとか。そっち方面では割とメジャーなようである)

 さてこの「バトル・ロワイヤル」という一文から参加者同士の血で血を洗う抗争劇なのかと思いきや、参加者はただの狩りの標的で、襲撃者はスポンサーが用意した完全武装の兵士たち。ただし参加者同士の殺し合いも容認されているので、たまに脈絡なく戦闘が勃発したりする。
 参加者は主人公の元空軍パイロットをはじめとして警察官、特殊部隊教官、ゲリラ兵、凶悪犯罪者などバリエーションに富んでいる。
 誰もがゲームのルールに素直に納得する中、主人公だけが「俺はこのゲームに参加しない。どうにかしてこの島から脱出してやるぜ」と早々にイカダ作りをはじめます。オッ、このテの映画には珍しいステレオタイプな主人公気質だね。とはいえ開始早々に襲撃してきた参加者の首を折ったりしているところを見ると、殺人に対する抵抗感があるとかいうわけではなさそう。
 演出や効果音はゲームっぽい。というかシチュエーションから演出、小道具に至るまであらゆる部分がTVゲームっぽいので、この映画を撮った監督はひょっとしたらゲーマーなのかもしれない。
 スローモーションの使い方なんかはモロにそうだし、格闘時の効果音(殴る音など)に至っては完全にTVゲームのそれだ。むしろ、ゲームの効果音を流用(というか無断使用)しているのかもしれない(あちら産のマイナーな映画では別段珍しいことではない)。銃声なんかもそうだ。
 格闘シーンはそこそこあるが、銃撃戦はほとんど発生しない。ここは個人的に残念な部分だったが、まあシチュエーションから見れば仕方のないことか。本来なら銃を撃って済ませることができる部分をあえて格闘戦に持ち込むシーンは好感が持てる(似たようなことをベッソン系でやられると死ぬほどムカつくのだが、この差はなんだろうか。期待値下がってるから?)。

 内容的にあまり細かく書くようなこともないので、ここいらで簡単に総括。
 数ある低予算映画の中では別段悪い出来ではない。もっとも、わざわざ貴重な時間を割いてまでこの映画を鑑賞する価値はまったくないのだが。
 いちおう展開にドンデン返しもあることだし(このテの話で参加者が主催者側に復讐する…少なくとも一本のストーリー内でそれをやる作品はほとんど存在しない。「俺たちの戦いはこれからだEND」は反吐が出るほど存在するが)、そういった点では評価できる作品だと思う。てっきり「これから復讐に行くぜ、待ってろよ」でエンドロールに入るんじゃないかとヒヤヒヤしていたので、これは嬉しい誤算だった。
 最後にいちおう付記。主人公のキメ技は四の字固め(腕、脚、両方)。

 あと、もう1つ。DVDのラベルを確認したら、「BATTLE SURVIVOR」としか書かれていなかった。やっぱり「戦!闘!必!至!」はタイトルに入らねぇよ親父!
2011/08/23 (Tue)09:48

 泥沼の紛争が続く地チェチェン。
 ロシア軍の軍曹イワンはゲリラの捕虜となり、英語が話せることから劣悪な環境下でゲリラのボス・アスランに重用されていた。ある日イワンと他の捕虜が捕らえられている穴蔵に2人の新顔が連れて来られる。英国人俳優ジョンとその婚約者マーガレットだ。
 ジョンは200万ポンドの身代金を調達するため、イワンとともに解放される。期限は2ヶ月、もし間に合わなければマーガレットが暴行されたうえで殺される。期限まで彼女には一切手を出さないという約束を取り付け、金策に走るジョンだったが家財道具一切合財を売り払っても満額には達せず、英露両政府とかけ合うも協力を断られる。
 元KGBと偽って接触してきたFSBや、胡散臭いロシアン・マフィアに協力を持ちかけられながらも、結局イワンとジョンは独力で人質を奪還することを決める。軍の兵士に交渉を持ちかけチェチェンへ入国した2人は道中でゲリラを襲撃し車と装備を確保、ゲリラと繋がりのある羊飼いルスランを脅迫してゲリラの拠点へと向かう。
 3人でゲリラの拠点を襲撃し、人質の奪還に成功。負傷したメドベデフ大尉とマーガレットを救出するものの、マーガレットは既に暴行を受けており、約束を反故にしたアスランをジョンは射殺する。
 ゲリラの追撃を受けながら、即席のいかだで川を渡った5人は最終的に古い塔で篭城することになる。このままでは全滅しかねないと悟ったジョンは、ゲリラの拠点で見つけた衛星電話をメドベデフ大尉に渡して軍への協力を要請させる。
 やがて数基の軍用ヘリが到着し、ゲリラを蹴散らしながら5人を回収する。チェチェンから脱出した5人は、晴れて自由の身になった。
 テレビ局と契約して一部始終をハンディカメラで撮影していたジョンは一躍映画スターとなった。一方、ジョンから受け取った多額の報酬の一部をルスランに、残りの全額をメドベデフ大尉に手術代と称して渡したイワンは一連の件に関する殺人容疑で有罪判決を受け、刑務所に収監されることになった。



 はい、えー、みんな大好き地雷提供会社「彩プロ」が送るインチキ戦争映画シリーズです。どういうわけか翻訳・吹き替えのクオリティは安定しているものの、いかんせん映画そのものがZ級の品物ばかり取り揃えているせいで(あと、やたら大作感を煽るインチキ邦題のせいで)、もう彩プロと聞くだけで「あ~駄作っぽい」感全開になるわけですが、本作は稀に見る当たりでした。個人的に2回目のヒット。1回目は極寒戦線アルデンヌ。
 2002年製のロシア映画である本作は独特のざらついた映像がいかにもロシアっぽく、アナログ感全開の映像は一種異様なリアリティを醸しています。
 主人公イワンはロシア映画には珍しいイケメンマッチョで、マーク・ウォールバーグとかマット・デイモンみたいなタイプです。アクションではいかにも軍人らしいキッチリした動きをしています。
 一方のジョンはAKをナナメに構えてフルオートで撃ったりと素人丸出しで、きっちり玄人と素人の動きを差別化して撮っているあたりコダワリを感じます(そういう書き分けができる監督は意外とハリウッドでも少ない。日本においては言わずもがな)。
 彩プロなのでアクション大作ではもちろんないのですが、アクションシーンはかなり質が高いと思います。アナログな特撮がかなり良い感じで、派手すぎず地味すぎずリアルだと思います。ショットガンで撃たれた死体はリアルだったなあ。実際の死体写真と比べてもそんなに違和感なかった。
 ラストのMi8やハインドの超低空飛行シーンはシビれたなあ。あれ本物なのかしら。このへんはロシア映画の面目躍如ってとこですかね。ヒットマンに出てきたハインドはあまりにCG臭がキツすぎてこれは…ウソくさい…だったけど。
 やっぱりアナログ特撮はいいですね。CGはどんなによく出来ていても所詮合成なので、「これはウソ(作り物)なんだ」と嫌が応にも思い知らされて冷めちゃうことがあるんですよね。「技術的に凄いことやってんなー」と関心することは勿論あるんですけれども。
 ストーリーも良かったですね。割とツッコミどころは多いんですが、まぁそこはロシア映画だから(笑)人間の描き方が良かったのかな。最初の戦闘でショックを受けたジョンに対して、イワンの「これは戦争なんだ。俺の戦争はもう終わったが、これはあんたの戦争なんだぞ!」という台詞が好きです(ちなみにイワンは捕虜当時除隊間際で、解放後に除隊している)。
 この映画は主人公イワンのモノローグっぽい作りになっていて、ところどころに現在のイワンの喋りが入るんですが、まさか有罪になってムショ入りになってたとは思わなんだ。せいぜい事情聴取されてるくらいかと。やったことはアクション映画のヒーローと同じなんですけどね。まぁ…フツー逮捕されるよなぁ…人質奪還のために一番頑張ったのに一番報われてないよこいつ。

 ちょっと毛色の変わった映画を観たければオススメします。よく言えば洗練された、悪く言えばテンプレ通りの作品に飽きたなら。彩プロなので新品でも1000円くらいでDVDが買えると思います。
 そういえばパッケージでイワンが持ってた銃、VSSかと思ったけどどうもVALっぽいな。それから、パッケージに堂々と載っている戦車は一度も出てこない。

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