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2019/11/13 (Wed)05:27
Rogue Warrior、それはプレイすればするほどに単なるチープなバリューゲーであることを認識させられるFPSである。
ミッキー・ローク演じる実在の米軍人リチャード・マルシンコのファッキン・ファックなファックトークがステージ開始前のダイアログを含む全編に渡りねっとりと響き、チープなグラフィックや一本道に過ぎるゲーム展開、二時間もあれば余裕でクリアできる内容の薄さなど、かつてはフルプライスのタイトルであったことを考えればレビューが大炎上したことも頷ける話ではあるが、進行を妨げる類の致命的なバグは一切存在しないことから「絶対に買ってはいけない」という世評に今一つ共感し難いのもまた事実である。
今回プレイしたのはPC(Steam)版だが、当時の酷評内容と照らし合わせた場合に幾つか首を傾げる表現が存在するのも事実で、これはコンシューマ版がWin版よりも酷い内容であったか、Win版は後日パッチで改良された可能性は有り得るだろう。少なくとも、ロシア製のバグゲーや盗用アセットを組み合わせて作ったようなインディーゲーに比べれば相当にマシな内容なのは確かだ。
むしろ別撮りムービーやQTEが皆無のピュアFPSである点はおおいに評価すべきであろう。コンシューマ向けタイトルにして、使い回しが多く荒い3Dモデルと低解像度テクスチャだけで3GBも容量を喰っているのは何かの冗談だと思いたい。
2009年のホリデーシーズンに爆誕しメディアの低評価を総ナメにした大問題児である本作は遡ること2006年に開発がスタートし、当初は旧Spec Opsシリーズで知られるZombie Studiosが開発を担当していた。YagerのThe Line以前に製作されたSpec OpsシリーズはRainbow Sixと同等の(という言い回しが現在で通用するかはわからないが…)タクティカル・シミュレータであり、他にもRogue Spearの拡張パックであるCovert Opsや幾つかの軍用のシミュレータを開発していた実績もあるスタジオである。
もとは2007年にリリース予定だったが、パブリッシャーであるBethesda Softworksは「製作されたゲームの品質が求める水準に達していない」としてプロジェクトを白紙撤回。その後開発会社をイギリスのRebellion Developmentsに変更し、完成に漕ぎつけた。
一度は作りなおしながらも、このクオリティで販売にゴーサインを出したBethesdaの判断はウォッカで酔っていたとしか言い様がないものだが、のちに似たような理由でHuman Head StudiosのPREY 2を白紙撤回している事実もあり、どうも言葉通りの理由ではない何らかの確執があったように感じるものの、真実は当事者にしか知り得ないことだ。
また本作のタイトル「Rogue Warrior」は主役であるリチャード・マルシンコの自伝と同名だが、内容に関連性はない。
ストーリーは東西冷戦華やかなりし1986年、北朝鮮とロシアが核ミサイルで云々といったありがちな内容なのだが、ロシアが北朝鮮に核ミサイルを海上ルートで供与し、最終的にロシアのミサイル防衛システムを施設ごと破壊するというプロットはあまりに無理矢理感が漂う。
これは元が現代の北朝鮮が舞台であったことの名残(というか弊害)であると思われ、開発路線の修正に伴い年代を変更、ロシア要素を無理矢理捻じ込んだ結果このようなわけのわからない物語になったものと推測される。主人公マルシンコの服装が80年代中頃にしてはやけに現代的であること、登場する銃火器の年代考証が滅茶苦茶であることなどからもそうした事情が窺える。
システムはプレイヤーがステルス・キルを堪能するために用意された無防備な置物兵士の処理とスクリプトによる予定調和な銃撃戦に大別され、TPS視点に切り替わるカバーシステムや光源の破壊など当時のトレンドを取り入れている、というより、元はタクティカル・シューターとして製作されていたことの名残であろう。
敵はカバーを積極的に利用し、ブラインドファイアでの牽制や移動しながらの射撃を駆使。物陰に隠れているプレイヤーに対して大胆な接近を試みるなど、バリューゲーにしてはかなり健闘しているように思う。
一部初見殺しも目立つうえマニュアルセーブが不可能という仕様ではあるが、本作は全般的にチェックポイントの感覚が短くリスタートに時間もかからないため、プレイしていてストレスを感じることはない。
グラフィックは全編に渡ってアセットの使い回しが目立ち、北朝鮮の軍事基地からロシアの極秘ミサイル基地に至るまでまったく同じ机やロッカー、PC(モニタに写る映像含む)の姿を臨むことができる。おかげで自分がいま北朝鮮にいるのか、ロシアにいるのか見当がつかないという事態に陥る。
オプションからテクスチャ設定を最高にしてもテクスチャは荒く、せいぜいTPSレベルといったところでPC用のFPSとしては物足りなさが残る。とはいえ、モデリングの荒さやテクスチャ解像度の低さは中小デベロッパー製作のB級タイトルとしては「こんなもの」であろう。特筆して他のゲームより酷いという印象はない。
本作の映像演出はフォグやパーティクルに頼り過ぎであり、まるで恥ずかしいものを覆い隠すかのように全編通して煙だらけだ。おかげで無闇にパフォーマンスが悪化し、FPSの低下を招いている。また屋内ステージは光源を配置し過ぎであり、周辺のライトを破壊するだけでFPSが倍近く跳ね上がる。
無闇に視界を悪化させプレイの意欲を削ぐこれらの特殊効果は作り込みの甘い背景を隠すための確信犯的演出であろうが、個人的に感心できるものではない。
武器はステージ開始毎に初期化される設定であり、いずれのステージも最初はM9SPRと呼ばれるサプレッサー装着&弾数無限の拳銃とMP5サブマシンガンを所持している。
M9SPRはたんにサプレッサーを装着したM9ではなく、スライドがM1911のようにバレルを覆うタイプの特殊なものを装備している。刻印の類は一切書かれていないが、おそらくは米海軍がPhrobis社に製作を依頼した特殊スライドが原型であると思われる(SEALs所属のマルシンコがこのプロジェクトに関わっていた可能性は有り得る)。
とはいえ1986年にカスタムスライドを装備したM9を所持している点については違和感があり、ほかにも90年代以降に本格採用がはじまったOts-02や2000年以降に製造がはじまったノリンコType 97-1など登場銃器の時代考証は滅茶苦茶である。これは前述のように開発途中で舞台が無理矢理現代から80年代に変更されたことの弊害であると思われる。
また武器のモデリングはどれもアンバランス且つ細部のディティールがおかしく、名前と外観が一致していないものも多い(どう見てもAK-47に見えるAK-74、名前こそ似ているが外観はまったく異なるType 97-2ベースのType 97-1、ペチェネグと名付けられた細部のディティールがどれも間違っているPKMなど)。M9SPRに至ってはマガジンがトカレフの使い回しという離れ業を披露しており、これに関しては時代考証云々をすっ飛ばした「凄み」さえ感じる。
ゲームエンジンはRebellion内製のAsura Engineを使用しており、これは1999年のAliens VS Predatorから2018年のStrange Brigadeに至るまで改良を重ねて使い続けられている実績のある代物だ。
Rebellionの代表作であるSniper EliteシリーズもすべてこのAsura Engineで開発されており、本作のカバーシステムや敵AI、ステルスキルといった諸要素が三年後のSniper Elite V2に改良を加えたうえで継承されたことは想像に難くない。いわば本作はSniper Elite V2の叩き台となった兄弟分であると言えるだろう。
全体の作り込みの甘さやボリュームの少なさ、使いまわしの多さなどから、本作がとにかく短い開発スケジュールで突貫的に「やっつけられた」代物なのは確かだろう。本作の経験がのちのSniper Elite V2に活きたのか、あるいはSniper Elite V2用に開発していたシステムを試験的に導入したのか…鶏が先か卵が先か、という話ではあるが、ともかく、本作がSniper Elite V2のプレ・アルファ的作品であると捉えると、色々と感慨深いものがある。
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2019/08/31 (Sat)08:14
RUSSIA BATTLEGROUNDSとは、スクショやTrailerで見たまんまの個人製作ロシア産スカトロゲーである。
どうも、グレアムです。Steamストアページでセール中のタイトルリストをぼんやりと眺めていたところ、なんだか擬似3D?(スプライトか、板ポリをビルボード表示しているのかはわからないが…)でPUBG系バトロワゲー+むせるロシアンテイストなタイトルが格安(50円。といっても定価が100円だが)で販売していたので、ウッカリ手を出してしまったのが運の尽き。本物のクソゲーを掴まされる破目になってしまったとさ。
というわけで今回紹介するのはRUSSIA BATTLEGROUNDS。「なんだこのクソゲーw」的なネタや賑やかしは避け、あえて真面目にレビューするよ。
本作はUnityで制作されており、外見こそDoomやDuke Nukem 3D(Build Engine)といったDOS時代の2.5Dゲームを彷彿とさせるが内部仕様に互換性はない。またゲーム開始時にUnityのランチャーが立ち上がるといったこともなく(商用ゲームでこれに遭遇するとゲンナリする)、最低限の体裁は保っていると言える。
言語はウガンダ語を含む24言語に対応しているが(言語設定の変更はメニュー画面右下の国旗アイコンをクリックすることで可能)、そもそもローカライズの必要がある場面はメニューやオプション等のUIのみで、翻訳精度も機械訳丸出し&日本語設定に至っては約半分が英語のままだ。むしろ中途半端に日訳されるよりも英語のままのほうがわかりやすい有り様となっている。
ゲームの動作は見た目に反してかなり重い部類で、グラフィック設定を下げてもFPSにほとんど影響が出ないことから、たんに描画の最適化がほとんど行われていないと思われる(これは憶測だが、Unity側の処理にビデオカードの性能に依存する機能があり、古いビデオカードや家庭用オンボードだと利用できないものがあると思われる)。
キーバインドは変更不可能で、キー配置の確認もできないためゲーム中で操作方法を確認できないのは大きな欠点。いちおうWASDで移動、EでUse、Shiftでダッシュ、Spaceでジャンプ、Mでマップと標準的なFPS操作ではあるので、迷うことはないのだが…
ゲームは自分で鯖を建てるか、他プレイヤーの建てた鯖に参加することでプレイ可能。自分で鯖を建てる場合、Ultra-Botsの項目にチェックを入れることでプレイヤー以外の参加者がすべてBOTの状態でプレイすることができる。
メニュー画面のInventoryから初期装備のロードアウトを決定することができ、選択できる武器はゲーム中にXPを獲得しランクを上げることで種類を増やすことが可能。また、ランク毎に解禁される武器についてはCareerから確認できる。
ゲームを開始すると赤い気球に乗って島の上空を移動し、任意の位置でEキーを押すことで降下することができる。ここはいかにもバトロワ系な感じだが、落下中は一切移動できないため(ロシア人はパラシュートなどというヤワなものは使わない)、真下へ一直線に飛び降りることになる。気球の侵入位置や軌道はプレイ毎に変わる。また、落下せず気球がマップの端に到着した場合、不快なノイズとともに強制的にメニュー画面に戻される。
ゲームプレイ中は一定時間経過毎に安全区域が狭まり、他プレイヤーを撃退しながらドン勝を目指すPUBG系のフォーマットに則っている…いるものの、そのゲームプレイ感覚は大きく異なると言っていい。
まず、本作はマップ上に武器が配置されていない。マップ上や敵を倒したときに入手できるのは弾薬や回復アイテム、アルコール類のみで、「初期装備を除いて武器を入手する機会はない」。つまりランクを上げ、強力な初期装備を手にすることが勝利するための手段となる。
また本作はプレイヤーやBOTとは別に、プレイヤーに対し殺意MAXで襲い掛かってくる敵性MOBの存在がある。熊や犬(狼?)、警官、ウ○ジマくんといった連中がそれにあたるのだが、これらの湧き量が尋常ではなく、常にマップ上にスポーンし続けるため、本来のバトルロイヤルどころではない慌しいゲームプレイを強要される破目になる。
たとえビルの屋上に逃げたとしても空中からスポーンして襲い掛かってくるため逃げ場はなく、追跡性能が高いため振り切るのはまず不可能。また密着されるとこちらの攻撃が当たらなくなることがあるため、そうなると一方的に攻撃を受けて殺される破目になる。
さらに凶悪なのがBOT(プレイヤーと同じ服装をしたロボット男)の性能だ。壁抜けや地面を潜るなど地形の衝突判定を無視して移動するのは日常茶飯事で、しかもヒットボックスが消失してこちらの攻撃が当たらなくなることがある。そうなると一方的に攻撃を受け続ける破目になるので、一度距離を離して仕切りなおしたほうがいいだろう。
またBOT同士、あるいはBOTとMOBは敵対せず、プレイヤーのみを狙って攻撃してくる。いちおう安全区域外でのスリップダメージは受けるようなので、ひとまずは安全区域への避難を行動の最優先にするべきだ。
武器、特に銃火器は移動や連射によってレティクルが拡大し、命中精度が悪化するという中途半端にリアルな仕様であるため、銃を撃つときは足を止め、レティクルの集束を待って確実に命中させる必要がある。
その仕様上、命中精度が低い銃火器は不利であり、特に初期装備のマカロフや、ランク4で解禁できるミニUZIは笑えるほど弾着が散らばるため、まったく使い物にならない。すくなくともランク2のトカレフを解禁するまでは銃を使わず接近戦を挑んだほうが経験値効率が高いだろう。
視点移動の上下幅が狭いのも問題で、高い場所や地面を向くことができないため、空をゆっくり落下しながら攻撃してくるBOTや身長の低い犬に喰らいつかれた場合、こちらから攻撃を当てることができず一方的にやられてしまう。
とりあえずAKを解禁するまではプレイしたのだが、なにせゲームプレイが破綻しているので、これ以上のプレイは断念(と言いつつスクショ撮るためのプレイでスーパーショットガンまで解禁してしまった)。
もう少しマトモに遊べるよう手を加えれば、少なくとも佳作として評価できる程度の作品には仕上がると思うのだが…イカレたロシアンな雰囲気は悪くないので、かなり惜しい作品だと思います。
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2019/07/28 (Sun)22:44
*今回の記事で使用しているSSは設定ファイルを改造し、ゲーム側で設定できる以上にグラフィックの品質を下げています(草や影の非表示、HDR/Bloom/DoF/Blurの無効化等)。本来はもっと綺麗なので、その点は誤解のないよう願います。
どうも、グレアムです。このところSteamサマーセールで購入したXenus 2: White Goldをずっとプレイしていたので、今回はそのレビューなぞをしたいと思います。
本作はS.T.A.L.K.E.R.の製作中にGSCから離脱したDeep Shadowsの手からなるオープンワールドRPGで、Xenus(北米版タイトル「Boiling Point: Road to Hell」)の続編となります。もとは2008年のタイトルで、リテール版はロシア語圏でのみ販売されていた(英語版のデータが製作済だったものの北米市場ではパブリッシャーが見つからなかった。同様にXbox360版も製作予定だったがお蔵入りになっている)ため幻のカルト作扱いされていたのですが、2010年にGamersGateでDL版が取り扱われるようになり、2016年ついにSteam版が登場…というわけで、今回プレイしたのはこのSteam版となります。
なお、残念ながら前作Boiling PointはSteamで配信されていません。おそらくパブリッシャーが異なるためと思います。おのれATARI!SDKの公開を差し止めたこと忘れてねーからな!なおWhite Goldと同じエンジンを使用したPrecursorsは続く2017年にSteam版が公開されました。
増毛して若々しくなり、声がちょっとブサイクになったソウル・マイヤーが今回挑むのはカリブ諸島。近年蔓延しつつある、使用者を死に至らしめる毒入りコカインの製造者とその目的を調査するため、CIAの依頼でSouth Covumbiaというパチモンくせー名前の島々へ向かうことになります。ところがエージェントの待つ島へ向かう前に海賊の襲撃に遭い、予定とは別の場所に漂着。船乗りは海賊を恐れて船を出そうとしない、なんとか目的の島へ移動する手段を確保しなければ…というのがゲーム開始時までのプロットとなります。
本作の英語版は前作Boiling Pointを上回るバグの多さで、まともなプレイが困難な有り様となっています。おそらくSteam版でもまったく修正されておらず、プレイ前にModDBで公開されているSound FixとUnofficial Patchの導入が必須となっています(それでもバグはかなり多く、クリアに難儀しました)。
基本的にはメインクエストの進行に必要となる多額の現金を任意のサブクエストで調達するという仮面ライダー倶楽部みてーな前作のスタイルを踏襲しており、多数存在する現地勢力のいずれかに協力するファクション要素も健在です。
成長要素はレベルアップと同時に任意のスキルを取得していく方式に変更され、前作の武器習熟度は廃止されました。そのため最初から武器の命中率はそれなりに高く、戦闘は初代Deus Ex準拠のインチキくさい挙動から標準的なFPS並のものへ変化しています。
また回復剤/アルコール/麻薬の依存度メーターは変わらず存在しますが、睡眠メーターは廃止。これで主人公のうざいあくび音声に悩まされずに済むぞ!
S.T.A.L.K.E.R.、いやさCodename: Outbreak譲りのインベントリの細かいマネジメント要素も健在で、アイテム管理は本作随一の楽しみでもあるのですが、アイテムを保管できるストレージがマップに存在せず、車輌にアイテムを積むことはできるものの相変わらず消失したりアクセス不可能になるバグが健在なので、過信は禁物です。車輌の保管スペースはあくまで仮置き場と考え、アイテムは貯めるものではない=不要なアイテムはすぐに売って現金化する、といった行動を徹底したほうがいいでしょう。さすがに所持金が消失するバグはないので。
本作は基本的にRPGで、NPCとの会話を軸にゲームを進行させていくことになります。いちおうクエストの目的地はマップに表示されますが、きちんと会話を聞かないと目的がわからないクエストも存在するので、なるべく英文をきちんと読んだほうがいいでしょう。なによりクエストの正否が各派閥との利害関係に影響を与えるので、何も考えずに片っ端からサブクエストを請けまくっていると周囲が敵だらけになる可能性もあります。
また派閥を敵に回すとゲームプレイの幅が狭まり、ときにはまったく関係ない派閥のNPCから引き請けたクエストがクリア不可能になることもあります。といっても、これはたんにクエスト設計の問題ともいえますが…また一部を除いて殺害したNPCは基本的に復活しないので、殺害は最後の手段と心得ておきましょう。
なおメインクエスト進行に必要なNPCは無敵属性が付与されており、どうやっても殺すことができません。殺したくなるほど腹の立つNPCに限って無敵属性がついてたりするのが困りものです。
グラフィックは前作から強化され、NPCのモデリングは全体的に刷新され垢抜けました(但しキャラパターンの少なさは少々目立つ…)。ただしHDRやBlurといった各種エフェクトはゲームプレイに支障をきたすレベルで過剰な感があります。そのため俺は設定ファイル(ENGINESETTINGS.INI、hdr.txt等)を改造しそれらの効果を切ってプレイしていました。
また度々言及しますがバグの多さは相当なもので、笑って済ませられるようなものから長時間のゲームプレイを台無しにされるような深刻なものまで各種揃っています。下手をすると、あまりのバグの多さに批判を免れなかった前作Boiling Pointより酷いかもしれないです。
なかにはセーブデータをロードし直すことで解決できるものもありますが、そうでないバグも多いので、とにかくセーブはまめにとり、クイックセーブだけでなく手動セーブも多く残しておくことが肝心です。
FPS-RPG、特にRPG寄りのFPSはタイトルの絶対数が少なく、そのなかでも本作White Goldは(完成度が低いとはいえ)けっこう、そこそこに遊べる作品です。東欧産ゲームにある程度慣れ親しんでいて、このテのゲームが好きなプレイヤーは購入してみては如何でしょうか。
あ、苦情は受け付けませんよ。
*攻略Tips*
・基本的に空き瓶は無料でしか売れないが、空き瓶を有料で買い取ってくれる専門の業者がいる。
・鍵のかかったストレージは鍵だけ復活する(たまに中身も復活する)仕様で、解錠で経験値が取得できるため、ロックピック系スキルは最後まで死なない。序盤のリトライを減らすためにも早めに取得しておいたほうがいいかもしれない。
・落としたアイテムは衝突判定があり、足場にできるため高い場所へ移動するのに利用できる。メインクエスト進行中に地形ハマリに遭遇したとき、俺はこの手法で脱出したことがある。
・相変わらずインチキくさいNPCの検知性能に加え配置も見直されており、そのうえ消音器つきの銃器が存在しないため、前作で猛威を振るったサイレントキルは今回ほぼ空気化している。
・消音武器であるクロスボウは弾道がかなり落下するうえ射撃直後に自動で(著しく視界を遮る)リロードモーションを挟むので弾道の確認ができず、勘で当てるしかない。使えない。
・ロケットランチャーは必要ない。一部サブクエストで必要になるのかもしれないが…少なくとも俺はクリアまでに遊びで2~3発撃っただけなので、たぶんスキルを取得してまで必要な武器ではない。
・機関銃は必要ない。そもそも弾に金がかかること、フルオートの撃ちっ放しで武器が劣化していくことから気軽に連射できないし、火力で面制圧するような局面では手榴弾やグレネードランチャーのほうが活躍する。最終戦に備えて取得したが全然使わなかった。
・蛇や蜘蛛といった狙いづらい動物、槍で突撃してくるキチガイが大量に出てくるので、カスタマイズしたショットガンを持っておくと重宝するかもしれない。弾が重いということもない。
・ワイド画面特有の問題かもしれないが、スコープを使った射撃は中心よりやや右寄りに着弾する。意識しておくと命中させやすいかも。
・島と自宅を購入できるが、多額の現金が必要になるうえ見返りがほぼ皆無なので買わないほうがいい(アイテムを保管するストレージ?そんなものはない)。早めに購入してしまうとメインクエスト進行で攻略済のタスクが復活し消せなくなるバグも存在する。
・メインクエストで必要となる六つの彫像は各勢力の指導者から購入するか、殺して奪うかを選ぶことになるが、譲ってもらったあとで殺害することで同種の像を二つ取得できる。売れないし捨てれないので非常に邪魔。
・六つの彫像を設置して挑むメインクエストは長丁場になる。武器弾薬と回復アイテムをたっぷり用意して挑むべし。カスタマイズしたM16を持っておくと有利かも…?
・ボス戦は存在しない。強力な敵の出現に備えて火力を温存しておく必要はない。
・ジャガーは出てこない。
・ババアは手榴弾を投げてこない。リアリアとは文化が違うのだろう。
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2019/01/10 (Thu)02:40
どうも、グレアムです。特に理由があるわけではないんですが、気紛れに(暫く前に買ったまま放置してた)Steam版POSTAL 2なぞをプレイしていたので、さっくりと概要を紹介していきたいと思います。
Completeの名の通り本作は2003年にオリジナル版が発売(Steam版は2012年)されたPOSTAL 2の集大成ともいえるパッケージとなっており、終末週末のミッションが追加される「Apocalypse Weekend」が同梱、さらには月~日までのおつかいを通しでプレイできるMOD「A Week in Paradise」がComplete用に調整された状態で最初から適用されています(基本的にはオリジナルのPOSTAL 2に近いバランスで、追加武器やMAPが削除されています)。また、トータルコンバージョンMOD「Eternal Damnation」から武器が複数種類追加。
ありがたいことにオプション機能も充実しており、ワイドスクリーン対応はもとより、ウィンドウモードをフルスクリーン解像度でプレイできるオプションも存在。そのほかグラフィックやサウンド関連、ゲーム内容に関する細かい部分も調整が可能で、このあたりの基礎部分での気配りを怠らない姿勢はやたらにオプションが不親切な昨今の(何とは言わないが)作品群にも見習って頂きたいところ。
さらにはSteamworks完全対応で実績やトレーディングカードが存在、ワークショップも利用可能です。本作は未だにアップデートが続いていることもあり(!)、リテール版用のMODは動作保証外です。たぶん、内部的にはすでにだいぶ別モノになってるんじゃあないかって気がします。でもって、最新のMOD情報がSteam上からリアルタイムで追えるのは便利ですね。
惜しむらくは日本語に対応していないことですが、こればかりはいろいろ事情があるので仕方がない。たぶんドライブが未だにPOSTAL 2の日本語版で飯を食ってるせい。なにがテンギガパック4だ!
いろいろパワーアップして復活したPOSTAL 2ですが、基本的なゲームプレイはオリジナル版とそう変わりありません。適度におつかいをこなしつつ、警官に見つからないようこっそり住民を暗殺したり、小便入りのドーナツを拾い食いして嘔吐する警官を観察しながらほっこりしたり、淋病に罹った状態で小便しまくり街を嘔吐パラダイスに変化させたり、といったことを訥々とこなして自分の悪趣味ぶりをモニターの内側に披露していくことになります。デュードはいつ性病に罹ったんだ?やっぱり奥さんが病気持ちなのか?
ウィークデイ攻略ではApocalypse WeekendやEternal Damnationから追加された武器がとにかく強力で、それも基本的にデュード氏しか使わないため、難易度はオリジナル版より低下していると思います。
正直ゲーム内容そのものに関しては今更自分が書くようなこともないというか、オリジナル版発売当時からネット上に存在する数多のレビュー内容がそのまま通じると思うので、あくまでオリジナル版が楽しめる人向け、というところでしょうか。
いちおう2015年に登場した新DLC「Paradise Lost」も購入済なので、そちらもクリア次第、適当な紹介記事を書くと思います。たぶん。
2018/08/16 (Thu)22:53
どうも、グレアムです。現在、あるゲームの二次創作ネタをやるための準備にかかりきりです。
そんななか、だいぶ以前に購入して半分ほど攻略したまま放置していたHacknetが公式日本語化されていたことを知ったので、今更ながらデータを消して再プレイし、一気にクリアまで進めました。
─本作の簡単なストーリー解説…
ある日突然、プレイヤーのもとへBitと名乗る正体不明のハッカーからHacknet OSというハッキングに特化した未知のOSが送られてくる。「ハッキングに必要な道具を与えよう。使い方も教えよう。そのかわりに私を助けてほしい。君がこれを読んでいるとき、私は既に死んでいるはずだ」というメッセージとともに…
Bitからの指示をもとにEntropyやCSECといったハッカー集団とともに活動していくうち、「Bitという凄腕のハッカーが突然行方をくらました」という噂がプレイヤーの耳に届くようになる。ハッカー仲間とともにBitの正体を追っていくと、EnTechというセキュリティソフト制作会社の存在が浮かび上がってきた。
あらゆるハッキングを寄せつけない最強のセキュリティを持つEnTechとは何者なのか?Hacknet Projectとは何か?そして、Bitの遺志とは?
ハッキング・シミュレータと題されることの多い本作、その本質はむしろ謎解きADVに近く、ハッキングのテクニックやアクションそのものにはあまり重きが置かれていない(悪く言えばハッキング作業そのものは単調)。
しかしシナリオやストーリーテリングは白眉で、悪タレのライバルハッカーNaixの攻撃にはじまり、様々なハッキング依頼達成に明け暮れて本題を忘れかけていた頃に訪れるBit関連のミッションから繋がる怒涛の展開は時間を忘れてのめり込むこと請け合い。
むしろ「眠いからまた明日やろう」という気持ちを抑え、バッドコンディションでハッキングを敢行することすら逼迫した状況での抜けられない仕事的フレーバーを与えてくれさえする。
またハッカーコミュニティの雰囲気や社内メールのあるあるネタ、どうしようもなく下らなく面白いIRCチャットのログなど、本作は徹底して世界観作りが上手く、実際に生きた世界でハッキングをしている感覚が味わえるのが非常にGOOD。
日本語テキストについてだが、極僅かに訳されていない部分はあるものの概ね良質な翻訳で、日本人にとっては(言語的or文化的に)理解できないネタがわかりやすいものに置き替えられていたりといった手心まで加えてある手際のよさである。
一部の文章がウィンドウをはみ出して読めなかったり、ゲーム中で日本語入力が不可能なため文章を書き換える作業を行うときに不都合が発生したりはする(但しゲームクリアに支障が出ることはない)が、このあたりはコアのゲームシステムそのものに起因するところも大きいため、一概に翻訳スタッフの不手際とは言い切れない。
唯一最大の難点はファンシーなごんぶとフォントで、これのせいで文字が潰れて読みづらいことこのうえない。俺はゲームプレイをはじめて五分足らずのうちに「頼むからフォントを変えさせてくれ!」と叫び、ゲームを一時中断してデータフォルダ内を探しはじめてしまった。生憎本作のフォントはXNB(XNA Framework用のテクスチャ規格)だったので、俺では手が出せなかったが。そこはTTFでいいじゃん…
本編について。俺はNaixに/el.の掲示板を紹介されるルートで攻略しました(ハッキングに使用した代用マシンは気に入ってるから手を出すな、と言ってきたので、彼が使用する“メイン”のマシンに侵入してデータを片っ端から消してやったのだ)。
初心者キラーと名高いNaixの攻撃(彼曰く「GUIでなけりゃ簡単なハッキングもできない残念なスクリプトキディ」はここでゲームを中断する破目になる)は前にプレイしたとき既に遭遇してたので、消去されるファイルのバックアップを作成しておけばすぐに復旧できることは知っていたものの、誤ってx-server.sysではなくbootconfig.dllをコピーしていたため(単純な勘違い/何の意味もない)、けっきょくlogを遡って攻撃に使用されたNaixのリモート端末に侵入しx-server.sysを分捕る“正攻法”を使う破目になった。
全般的なハッキングの難易度に関しては、最初に削除する“はず”のSecurityTracer.exeの使い途を知っているかどうかでだいぶ変化するような気がする。ここでは詳しく書かないが、俺はこいつをSTという名前にリネームして使っていた(本作はファイルのリネームがかなり便利。他にもSSHcrack.exeをSSH、KBT_PortTest.exeをMSにする等)。
こいつがあれば基本的にトレーサーが脅威ではなくなるので、常時のんびりハッキングができるようになるが、一部トレーサーに依存しない時間制限が発生するハッキングもあるので(IPSサーバー侵入時とラストミッション)、過信しすぎないほうがいいだろう。
個人的に詰まった部分は.decファイルの扱いで、こいつの解析ツールは二種類存在するため(一見すると後発のが上位互換ぽいのだが実際は用途に合わせて上手く使い分ける必要がある)、そのあたりで混乱することがあった。
本作は音楽も素晴らしい。ラストミッションで流れるCarpenter BrutのRoller Mobster(いわずもがなHotline Miami 2の中盤クライマックスで使われた曲)をはじめ、メインテーマと言うべきMalware InjectionやPanic Trackを手がけたRémi Gallego(フランスのプログレ集団The Algorithmのフロントマン)の楽曲が個人的なお気に入り。他にもアンビエントなものから派手なものまで良曲揃いだ。
かつては英語テキストということもあって人に薦めるのはちょっと難しかったが(ADV要素が強いため)、現在は日本語訳完備なので気軽にオススメできる一作です。