主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。
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2016/01/07 (Thu)02:42
ゲーム開始直後に交通事故に巻き込まれて手榴弾喰らってスタンガン喰らった挙句国粋主義者に拉致られて犯罪シンジケートとの戦いを強要された主人公を見たとき、俺は「あ、これ許せるクソゲーかもしれない」という淡い確信を抱いた。
シンジケートのボスは始末した。次は?
この直前のカーチェイスは作中でも屈指の難易度を誇る
どうも、グレアムです。
今回はHotline Miamiのフォロワーとして注目を浴びながら、その完成度の低さに大ブーイングを浴びたイロモノゲー「Bloodbath Kavkaz」をレビューしたいと思います。発売からだいぶ経ってるし詳細なレビュー待ちだったんですが、いつまで経ってもプレイレポの一つも見当たらないのでホリデーセールで購入してしまいました。
はじめに書いておきますが、本ページではHotline Miamiと比べてどちらが面白いか優劣をつけるような真似はしません。そんなのは不毛だし無意味なので。マイアミと比べて面白いかどうか、などという視点からプレイするとまず間違いなく無価値なクソゲーでしかないので、上質なゲームを欲するおハイソなゲーマーはカフカスの存在は忘れてください。
であらば本作はいったいどんなユーザーに向けた作品なのかというと、アングラ文化に多少なりと興味なり理解を持つ、わりとどうしようもないスカトロゲーマー向けです(俺は別にクソゲーが好きなわけではないので、こういう文章で「クソゲー愛好家」などという言葉は使いたくない)。
エロ&グロ&ナンセンス。
思えばマイアミもアングラなゲームではありましたが、そのストーリーテリングや演出などから見ても、どちらかというと「文化」あるいは「作品」たることを意識した上品さを持っていたように思います。一見悪趣味なグロゲーでしかないにも関わらず、あれだけの一般的評価を得られたのは、多くの人間が目を背けずにプレイを続けることができる絶妙な匙加減があったからなのでしょう。
逆に言えば、アングラゲームとして見た場合にマイアミに足りないのは「突き抜けた下劣さ」でした。グロはともかくエロやナンセンスな要素はほぼ皆無というストイックさが芸術作品らしい風格を纏わせていたのです。
そこへきて本作カフカスは文化や芸術とは無縁な馬鹿馬鹿しさに満ち溢れており、それは一切隠す気のない露悪趣味的な描写、ユーザーの体調を一切考慮しない過虐なまでのエフェクトの数々にも現れています。
マイアミが「地下世界を外から見つめる人間が描いた作品」とするなら、カフカスは「地下世界の住人が描いた作品」と言えるでしょう。上品さというフィルターの存在しないカフカスはまさしく血とドラッグと精液が入り混じった悪徳の世界、そこに芸術性を内包するテーマが入り込む余地などないのです。
若干小難しいことを書いたところで、ゲームシステムに軽く触れておきます。
まず悪名高い言語設定に関してですが、現在これは起動後に選択できるようになっており、簡単に英語表示にできます。ゲームプレイ中の会話も翻訳されており、英語圏のレビュワーによると機械翻訳レベルらしいですが、言語体系的に英→日ほど頓珍漢な内容にはならないので、ストーリーの理解に支障はないと思われます。
もっともゲームプレイ中にメニューからタイトル画面に戻るとインターフェースがすべてロシア語に戻るうえ、オプションから再度Englishを選択しても元に戻らないという不具合があります(会話ダイアログは英語のまま)。次回起動時には元に戻っています。
操作はほぼマイアミを踏襲していますがなんとロックオンがないうえ、敵は全員銃火器で武装しているのでラフなプレイを強行しなければならないシーケンスが多いです。もっと敵はマイアミのような見敵必殺の凄腕スナイパーではなく反応が鈍いうえ、遠距離からあまり発砲してこない&射線を通す障害物であっても間にオブジェクトが挟まるとあまり撃ってこない点などを利用してうまく立ち回る必要があります。また主人公も体力自体は多くないものの自動回復するので、数初喰らう覚悟での突撃がそれなりに有効だったりします。
中ボス戦や一部シーケンスの難易度はかなり高いですが、繰り返しリトライすればクリアできる程度だと思います。俺もクリアできたし大丈夫大丈夫。なおラスボスのプーチ…えーとMysterious Strangerは三連戦になりますが安地があるので一番ラクだと思います。
残念ながらキーコンフィグは存在せず、左Ctrlでのスローモーションがかなりやりづらいです。というか、俺はまったく使いませんでした。せめてトグル式ならまだしも押しっぱなしはつらい…
他はドアを破壊できる、インタラクト可能なオブジェクトにカーソルを合わせると名前が表示される等、一部マイアミより優れている部分もあります。
二大ヒロイン対決。あなたはどっちを助ける?
カフカスの特徴であるロシアン・カルチャーのパロネタについでですが、残念ながら俺にはほとんどわかりませんでした(当たり前ですが)。強いて言えば作中で登場する回復アイテム(?)のシャウルマ(別名カフカス・ケバブ。以前コンコレ小説のウクライナ編を書いたときに調べたので名前を見たときちょっと驚いてしまった)と、作中で捕らわれのヒロイン…なのかなぁ…を演じるNyashuについて、くらいでしょうか。
カフカスでヒロインを救出したあとはファミコン版ゴルゴ13ばりの選択肢が登場したあと、ファックシーンに突入します。よくSteamがこれ通したな。ファック中はエロフラッシュばりにスペースバーを連打するんですが、これが少しでも手を緩めるとあっという間にゲージが戻ってしまうため、Extremeのソリダスかってくらい過酷な連打を強いられます。
マイアミでのジャケットとフッカーの関係は(少なくとも表面上は)プラトニックなものでしたが、カフカスは展開が早いです。まあ、フツーはヤるよな。このへんが両者の違いを如実に表しているのかもしれない。
あまりに露骨な誰得エロシーン(事後)。まぁ、その…俺得でした
こんなもん誰が喜ぶんだって感じですが、スイマセン、あの、俺…けっこう喜びました。
だって公開されてるアートのどこにもこんなJapanese Anime Styleなカワイコちゃんの姿は見当たらなかったし、アングラゲーったってSteam販売でこうもあからさまにズコバコ祭りするとは思ってなかったし、なにより全裸じゃなくてタイツのみってのが俺の嗜好に適合しすぎて、とんだサプライズだったぜこの…い、いいセンスしてやがる…!!
ちなみにヒロインの出番はこれだけです。助けてヤり捨てて忘却の彼方です。さすがだ。
さてこんな俺得金髪美女についてですが、おそらく元ネタはクリミア検察官のナタリア・ポクロンスカヤだと思われます。数年前にその美貌が話題になったおり日本で萌え系イラストが多数描かれ、それが本人に知られてちょっとした物議を醸したことがあるんですが、たぶんそのへんの関係でしょう。
どうやら「あの有名人をゲームの中でファックしたい!」というような、キモチ悪いオタク的思考は国境を越えるようです。人間やることはどこも変わんねーなおい。まあインプやカコデーモンを萌え美少女化してファックしまくる宇宙海兵隊とかよりは健全だと思いますが。たぶん…
なお俺は二次元にしか興味がないので、実在人物が元ネタだとわかった途端、ちょっと萎えました。
そんなわけで、なんかものすごくどうでもいい部分に力を入れてしまいましたが、ハッキリ言って他人にオススメできる類のゲームでは間違ってもないので、Doomのキワモノ&ゲテモノ系Wadを好んでプレイするようなスカトロゲーマーでもなければスルーしたほうがいいでしょう。俺はけっこう好きというか、わりと楽しめましたが。
ゲームシステム自体不親切な部分やハマりも多いので、多少の不具合は「ロシアゲーだから」で受け容れられる人のみ購入を考慮してください。
ちなみにDLCのHovan Revengeについてですが、内容は物凄く短いうえ現状では英語字幕が存在せずダイアログがすべて透明のまま進行するので、買う必要はないです。買ったけどな俺は!!それも別につまらなくはなかったからSteamで親指上向きの評価押したけどな!!
発売当初からアナウンスされていたマルチプレイやフリーローミングはまだ実装されてませんし、おそらく実装は期待しないほうがいいと思います。たぶん来ないんじゃねぇかなこれ…あ、レベルエディタは実装されてます。まだ触ってないですが。
ついでにサントラも買いました。後悔はしてない。俺はけっこう好きだぜこれ。
こんなクソゲーを持ち上げた手前いちおう補足で書いておくと、俺がレビューでこき下ろすのはゲームプレイ中に本気で不快を覚えたときだけです。それがBio ShockだったりFarcry3だったりMOH2010だったりArmA2だったりTerrariaだったりするんで、まあ、要するに俺が書くものなんてアテにはならないんですが。
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