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主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。 生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。 http://reverend.sessya.net/
2016/01/09 (Sat)21:15






「この美しい自然、蛮族などには勿体無い光景よ。いずれここも我らが…」

 トレーズ・ミドウィッチ、スカイリムの内戦問題を処理するためアルドメリ自治領より派遣されたアルトマーの将校。別名「リンダイの黒騎士」。現在は帝国軍と協力し、反乱軍ストームクロークと、突如出現したドラゴンの脅威を排除すべく活動している。








 リバーウッドにて潜伏中、スリーピング・ジャイアント亭で錬金材料を買い込み片っ端から賞味したところ、全身から緑色の、見るからに不健康そうな光を放つようになったトレーズ。
「…大丈夫か?」
「気遣いは無用!」
 店番のオーグナーがいつになく不安そうな表情で見守るなか、いかなる形であれノルドに憐れみをかけられることを是としないトレーズは強気な態度でぴしゃりと言いつけた。




 四六時中甲冑姿でいるのも疲れるので私服に着替えたトレーズ、しかし背後に感じる不穏な視線が気にかかる。
「誰かに監視されてる気がするな…」








 数日後、スカイリムの中心に位置する都市ホワイトランへドラゴンの脅威を伝え、リバーウッドの保護を求めるべくトレーズは出発した。
「べつにあの村がどうなろうと知ったことではないが、本来の任務を考えた場合、帝国派のホワイトランの庇護下へ置くほうが都合が良いな。それに、兵の派遣は周辺都市への挑発になる…すこし刺激してやる必要があるだろう」
 トレーズの目的はとっとと大規模な戦闘を起こし、内戦問題を終焉に導くことである。もっともその真意は、ストームクロークを壊滅させタロス信仰をスカイリムから根絶やしにすることで、そのうえで国政がガタガタになればなお都合が良い、という酷いものだったが。
「それにしても、妙な天気だ…」




 ホワイトラン正面のペラジア農園を通りがかったとき、山賊のような風体の戦士たちを目撃する。
「本当の戦士なら、巨人と戦える機会を棒に振るなんて考えないはずだけどね」
「ハァ?」
 いきなり「期待はずれだ」みたいなことを女戦士に言われ、兜の下で怪訝な表情を浮かべるトレーズ。
 視線を周囲に巡らせ、畑の土の上に横たわる巨人の死体を見たとき、トレーズはようやく事態を把握した。どうも、本来なら自分は「彼らが巨人と戦っている現場へ遭遇する予定だった」らしい。
 こういう現象を、トレーズは「世界のズレ」と呼んでいる。
 たとえて言うなら、星霜の書「エルダースクロールズ」に記された予言が的を外したかのような、本来起こり得ないはずのパラドクス。誰がどう見ても違和感のある光景を、なぜか、だれもが受け入れる奇妙な現象。
 それを明確な異常として知覚する能力をトレーズは持っていた。
 もちろん、それがわかったところで、どうなるものでもないのだが。
「それにしても気になるのはあの連中だ。同胞団などと名乗ったか…なんなんだ、あの原始人めいた装備は?かつて帝国に存在した、戦士ギルドのような存在らしいが…スカイリムのノルド人は、あれを傭兵として信頼できるのか?有り得んぞ」
 トレーズが思うに、金で仕事を請け負う戦士はその装備…というよりも見た目、見栄えにも気を遣って然るべきだと考えていた。良い装備というのは、戦士の社会的地位をダイレクトに反映するものだからだ。
 個人の能力が高ければそれで良い、というものではない(現代人的な感覚で言えば、セールスマンがフンドシ一丁で営業をしているようなものである)。
「やはり、こんなド田舎連中はさっさと滅ぼしたほうがいいな。うん」
 そうひとりごち、トレーズはホワイトランへと向かった。








 ホワイトラン首長バルグルーフとの謁見に臨んだトレーズは、ドラゴンに関する情報を集めるためブリークフォール墓地へと向かった。ちなみにソリチュードへの報告はバドバルが向かうことになっている。
 道中で待ち構える山賊を斬り伏せ、門をくぐり内部へと侵入する。


 殺した盗賊の所持していた、龍の爪をかたどった黄金のオブジェを使い最深部への扉を開く。
 墓地の奥は古代ノルドのアンデッド「ドラウグル」の巣窟となっていたが、トレーズの持つ「ナリル・モリの魔剣」はメリディアの加護を受けた対アンデッド用のエンチャントが付与されており、生ける屍どもを爆破焼却しながら先へと進んでいく。
 トレーズの先祖であるアイレイドの氏族リンダイは宿敵ネナラタの操るアンデッドの軍勢に苦戦させられた経緯があり、デイドラ・プリンスの一角メリディアへ祈ることによってオーロランの加勢を得ると同時に、対アンデッド用の宝剣をも賜っていた。それが、この剣である。
 もっとも…メリディアの加護をもってしてもネナラタと、アレッシアの攻勢を覆すことはできなかったのだが。なにより、あの悪名高い虐殺者ペリナル・ホワイトストレークに対してはリンダイの技術を総結集して造り上げた「ナリル・モリの装具」も無力に等しかった。
 ナリル・モリの装具…古代アイレイド語で「暗黒の終末」を意味する、剣、兜、鎧、篭手、具足の総称である。

 その後トレーズはホワイトランの宮廷魔術師ファレンガーの求めていた石版を入手し、帰還を果たす。








 しかし事態は急展開を迎えた。
 ホワイトランからそれほど離れていない監視塔がドラゴンの襲撃を受けたという。息せき切らせて報告に戻ってきた衛兵の言葉を聞き、バルグルーフは臣下のイリレスと多数の兵士の緊急派遣を決定する。
 トレーズもこれに同行することを決めた。ドラゴンがヘルゲンに出没したものと同じ個体か、そして自分の力がドラゴンに及ぶのかどうかを確かめるために。
「それに、ホワイトランは内戦の鍵を握る最重要都市だ。このままドラゴンに陥落されてはかなわん」




 西の監視塔へ舞い降りた龍はヘルゲンを襲ったものとは違い、幾らか力も弱かったが、それでも脅威であることに変わりなかった。
 多くの衛兵が炎や牙の餌食となり、自らも負傷しつつ、トレーズは剣を構えて突撃する。
「寿命が縮むから、なるべくこの技は使いたくなかったが…!」
 鎧の発光部が輝きを増し、血のように赤い光が剣に一点集中する。
 敵対者の命を喰らい、装着者の養分へ変換すると同時に、装具そのものの力と成すナリル・モリのウェルキンド・コア。その力のすべてを剣に集め、トレーズは連続した斬撃を繰り出した!
「喰らえ、ダゴン・メルディ( Destruction Driven )!!」
 膨大な魔力を帯びた剣の一撃はドラゴンの首を刈り取り、撥ね飛ばす!
 回転しながら宙を舞うドラゴンの首はなおも生命力を失っておらず、なんとその口から人語が飛び出した。
『見事だ、定命の者よ…満足だ、久しく満足なる戦いだったぞ。しかし我らドラゴンは不死、肉体死すともその魂は死なず。いずれまた会う機会もあろう…』
 ドズンッ、巨大な首が床に転がり、地面が大きく揺れる。
 しばらくドラゴンは無言のままだったが、その肉体が炎に包まれ、全身から放たれるオーラのようなものがトレーズの鎧に集束していく過程で突如、驚いたような声を上げはじめた。
『なに…これは、まさか…馬鹿な!貴様はドヴァキンではないはず、その…その装備はなんだ!?我の魂が吸われる、こんなことが…有り得ん!!』
 悲鳴とともにドラゴンの魂がナリル・モリの装具に吸収され、あとには巨大な骨だけが残された。
「フム、さすがは我が祖先の遺した装備だ。ドラゴンの命でさえ喰らうとみえる、おかげで力が湧いてきたぞ」
 普段から他者の生命を奪い生きているトレーズにとって、その対象が人間であろうと、ドラゴンであろうと、さほどに感想が変わるわけではない。
 しかしトレーズを取り巻く者たち、生き残りの衛兵やイリレスにとっては、そうではなかった。
「まさか、おまえは…ドラゴンボーンなのか!?」
「は?かめはめ波なぞ使えんぞ」
「そっちじゃない。おまえはドラゴンの魂を吸収しただろう、本来ならばドラゴンは不死の存在。肉体を滅ぼしてたところで何度でも蘇る…ドラゴンを滅ぼせるのは、その魂を喰らい不死性を奪うドラゴンボーンのみだ。おまえが、そうだというのか?」
「たぶん違うと思うぞ」
「いや、しかしだな…そうだ、ドラゴンボーンならばシャウトを使えるはずだ!力を声に変えて吐き出す能力だ、試してみてくれないか?」


 気が進まないながらも、兜を脱いだトレーズは周囲の視線が集まる中で雄叫びをあげる。
「…わうっ!」
「え?」
「え?」
 まるで子犬の遠吠えのような声に、衛兵一同はぽかんと口を開けてトレーズを凝視した。
「…真面目にやれ」
「やっとるわ!ドラゴンの魂を吸ったのは、我が氏族に代々伝わるこの鎧のおかげだ。言っただろう、私はドラゴンボーンではないと」
「うーん…」
「それにだ、その、ドラゴンボーンというのは龍の血脈を継ぎし者に与えられる資質なのであろう?あの薄汚い侵略者アレッシア、くそったれのレマン王家に抜け作セプティムの一族、そんな連中の血がこの私に混じっているはずがないだろうが!くだらん」
「おい貴様、いまの暴言を取り消せ!サルモールだろうと許さんぞ!?」
 そんなわけで…ドラゴン退治には成功したものの、グレイビアードの声も聞こえないこの状況で、世界はいったいどのように変化していくのか、それはまだ、誰にもわからない。



>>to be continued...








 どうも、グレアムです。
 三回目以降は普通のプレイ日記に終始すると書きましたが、どうにも癖というのは抜けないもので、なんとなく物語っぽい語り口になってしまうのは性分なのかもしれません。
 以下、作中の補足。
 トレーズの使う剣には実際にドーンブレイカーの特殊効果を付与してあります(爆発効果のみ、ベースは炎ダメージではなく体力吸収がエンチャントされています)。まだ画面写真で登場はしていませんが、発動効果を100%に設定してあるので、そのうちドラウグル相手に爆破祭りを敢行できると思います。ちなみにこの能力、内部的には「メリディアの怒り」という名前がついてます。おっかねぇ。いちおうアンデッドにのみ発動するフラグを外せばすべての敵を爆破できるようになるんですが、さすがにビジュアル的にうるさすぎるのと、赤い生命吸収のエフェクトが目立たなくなるので没にしました。
 古代アイレイドの祖先に執着を見せるトレーズですが、当人はまだ5~60年そこそこしか生きていないピチピチのエルフなので、祖先の怨恨を実感としているわけではありません。あくまで後づけの歴史認識で、そこにかなりの偏見も混じっているので、アレッシアの血筋や、かつてアイレイドと敵対した者たち(と、その末裔)については過剰に口汚くなる傾向にあります。
 もっともペリナル・ホワイトストレークだけは別枠で、あの人だけ名を口にするのも憚れる恐るべき存在として認識しているようです。名前聞くだけで小便漏らすレベル。というかペリナルのキチガイバーサーカーぶりはTES登場人物の中でもぶっちぎりでヤバイですよね。ニューベガスのジョシュア・グラハムに匹敵するくらい。というか別世界における同一存在だろこいつら。
 最後にトレーズがセプティム一族のことを「抜け作」と呼んでいますが、これは一族にまつわる数多くの醜聞や、ユリエル七世がジャガル・サルンに10年近くオブリビオンの時空に幽閉されていたこと、一族郎党暗殺者に滅ぼされたことなどを指しているようです。好意的でない(当事者ですらない)第三者であれば、それを「間抜け」と解釈をする可能性もあるのかな…ということで一つ。
 基本的にトレーズは耳の丸い人間族を見下しているのですが、その裏にはアイレイド滅亡以後4000年以上もの間人間族の支配が続いていたことに対するコンプレックスもあるようです。あと、エイドラが割と人間族びいきなところも気に入らないらしいです。彼女自身はデイドラを崇拝しているのですが(敬虔なメリディア信者です)。












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