ハゲボルタ無双。以上。ウソ。
予告編のダブル・サブマシンガンで購入を即決。国内向けの予告だと若干サスペンス的な雰囲気を漂わせてますが、オリジナル版だと言い訳できないくらいのB級ノリで俺大歓喜ですよコレ。まあ日本の映画事情は女性客を引き込めないとアレみたいなんで、こういう差異が出るのも仕方ないのかなと。
とにかく回りくどい真似を抜きにして撃ちまくり殺しまくりのCIAエージェントとか誰得?俺得だよコノヤロウひゃっほう!以前、ザビビに載せた「コンフィデンシャル・スパイ」で本来俺が書きたかったのってこういう話なんだよね。もうすぐ還暦なのに「いままで出演したアクションもので一番キツかった」と自らコメントしたトラボルタに理想のアラン像を見た。
本作品でトラボルタはほとんどスタント使わなかったそうで、実際の収録風景とか見るとすごい無茶してる。しかしトラボルタって役者は本当に、役柄に合わせて自分を作り変えるヒトですよね。「自分以外の誰かになれるのが楽しい」ってのは、役者としての理想的なパーソナリティじゃないでしょうか(どの作品に出てても同一人物にしか見えないってのも、それはそれで一種の才能だとは思いますが)。
プロットに関しては、ベッソン系の映画じゃ細かいツッコミは野暮ってもんですぜ。全体的によく纏まっていたと思うし、わかりやすい複線もこれはこれでアリだと思う。少なくとも複線回収やプロットの複雑化のせいで全体的な流れがグダグダになるより、割り切れてて個人的には好感が持てるかな。アクションがメインなら尚更。
それでもツボの使い道は直前までわからなくて感心させられましたけど。トラボルタが前面に出てる映画ではありますが、主人公のリース・マイヤーズも地味ながらきっちり役目を果たしていたと思います。バランスは取れていたんじゃないかな。
無闇に長尺を取らず、90分で小奇麗に纏めたところはかなり高ポインツ。「これ、もうちょっと短くしてテンポ良く纏めれなかったの?」って映画、多いですからぬ。なんぬ。
俺はあんまり車に興味がないんで評価しにくいですが、カーチェイスもかなり無茶ばっかやってて凄いと思いました。ていうか無名のエージェントが有能すぎる。どこかで見た顔なんだけど、なんの映画で見かけたかな…
というわけで、珍しくダメ出しの1つもないレビューで。たまにはこういうのも。別に文句言う点も見当たらないしねー。たとえるなら「ポテトチップスのような映画」。ディナーに出されたら激怒していいレベルだけど、ポテチが食べたいときにポテチとして食べるのなら何の不都合もないとか、そういう。
いろいろ詰め込みすぎて「これおやつだかディナーだかわかんねーよ。どんなときに喰うんだこんなの」っていうアンバランスな映画が大半を占める中で、こういうスッキリハッキリ割り切って作られた映画ってかなり好感持てます。
同監督作の「96時間」も興味あるんですよねー、「スプリンターセル・コンヴィクション」がきっかけでXBOX360を買った俺としては。観れたらそのうちレビューするかも。しないかも。