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主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。 生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。 http://reverend.sessya.net/
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2011/07/01 (Fri)21:27

 実写映画版HALOの企画が権利関係のゴタゴタで頓挫し、その後企画として採用された作品ということで公開前から注目していたものの、ずっと鑑賞を先送りしていたのをようやく観ました。
 率直に言って、個人的には5点中3点という感じ。出来が悪いわけではないんだけど、アテが外れたというのが正直なところです。

 宇宙船で漂着した大量の異星人は、じつはなんの役にも立たない難民でした、という設定はむしろギャグ作品に多く、リアル寄りのシリアスタッチで描いた点は評価が分かれるかもしれない。ユニークではあるけど、斬新ではないよなあ…これを観て「いままでにない作品」とか言う人って、小説とかほとんど読まないんじゃないのか。
 まあ映画としては従来作品にない題材だと思いますが。現実の人種問題と絡めつつ、エイリアンが人間と同等の扱いになったりすると「エイリアン・ネイション」になるわけですが。

 とりあえずエイリアンの行動や思考回路が人間とあまり変わらないのは個人的にイマイチな点。私は異星人モノには「未知との遭遇」的な、姿形も思想も生態も人間とまったく違う異質な存在であることを期待しているので、この映画に登場するエイリアンが「エイリアンでなければならない理由」が「ユニークだから」という一点のみなのがちょっと残念に思った。
 完全にコメディ特化なら動きが人間的でもいいんだけど、基本シリアスタッチなので、宇宙人の設定の練り込みの甘さが余計に浮き彫りになる罠。そういう点ではおバカ映画の「マーズ・アタック!」のほうが、まだ異質な存在としての宇宙人として評価できる…かもしれない。
 せめて造詣が昆虫ベースなら、動きも昆虫っぽかったりすればまだ人間との差別化もできたと思うけど。四本足で飛び跳ねる姿は犬や猫のソレだし。

 エイリアンが完全な役立たずではないところもマイナス点かもしれない。スクラップからプラズマ兵器やらパワードスーツを作り出す技術があって、政府にもそれがわかっているのに上手く利用できていないのも不自然だ。
 またエイリアンが、それらの超技術をそもそも何に使っていたのか、母星ではどんな生活をしていたのかがまったく出てこないのもイマイチ。明確に説明する必要はないので、ちょっと退屈な構成である序盤にチラリとでも触れられると、もうちょっとエイリアンそのものに対する興味もそそられたのだけれど。

 終始人間側がワルモノっぽい見せ方もちょっとどうかと思った。後半の銃撃シーンでも、どちらが善とか悪とかではなく、それぞれの立場でそれぞれの信義のために戦わざるを得ない、みたいな見せ方もできたはずなので…いや、私はそういうのが好きなだけっていう話なんですけどね。
 特に主人公と傭兵隊長との戦いはもう善悪を越えた「意地と意地のぶつかり合い」みたいに見えたので、余計にそう思ったのかも。

 映像的にはステキな部分が目白押しです。
 第9地区のスラムは実際に劣悪な環境で撮影したそうですし、空気感がハンパない。なぜか白塗りのステアーっぽいブルパップ・ライフルとか、よくわかんないけどなんだか強そうなエイリアン・ブラスターの造詣とかはモロ好みです。
 パワードスーツや宇宙船のインターフェースなんかも超カッコ良いですよね(アイアンマンもあんな感じだったっけ?)。特にパワードスーツが多機能すぎて濡れる。起動してからの銃弾止めて一気に放出とかはグラビティガンの応用?(本編後半でブタとか投げ飛ばしてたアレ)主人公が上手く使いこなせてなかったのか、無人だったときのほうが強い気がしたのはご愛嬌。ていうか有人機にする必要ないんじゃないかアレ。
 板野サーカスといい、微妙にジャパニメーションをリスペクトしてるっぽい要素があるのは興味深いところ。海外では馴染みの薄い二足歩行メカも、トランスフォーマーである程度定着した感がありますし。

 総論はというと、ちょっと惜しいなって立ち位置の作品になるでしょうか。
 ラストシーンも、ちょっぴり切なくてホロリとさせられはするんですが、根本的な問題は何一つ解決してないんですよねェ…まあ無難な落としどころというか、挑戦的な作品なのでオチはもうちょっと冒険しても良かったと思う。傭兵隊長の死に方を変更するとかそういうレベルじゃなくて。
 そういや「ランボー 最後の戦場」に出てきた傭兵隊長もハゲだったよな。傭兵隊長ってこういうイメージなん?

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無題
第9地区個人的には楽かった.....様な気がします
なぜなら内容をイマイチ覚えてないから(笑)
グレアムさんのレビュー見て
あーあーあったあったそんなシーン的な感じです
スンマセンm(__)m

確かに宇宙人を難民の様に隔離し外見も凶暴そうだけど意外と話がわかる.....みたいな描き方は映像作品としては珍しかった..........様な気がします
小説とかだと結構使ってるテーマなのかー

最後は切なかったですね
(最後は覚えてるんだからね!!!!!)
結局地球を去った二人の宇宙人は助けには来なかったんでしょうね
その辺りがなんともいえず人間臭い(笑)
セブン@シガニーウィーバー(だったっけ??) 2011/07/03(Sun)17:41 編集
無題
楽しいは楽しかったですけどね、ただ単純な娯楽作として割り切れないモヤモヤがなんとも。
映画を通して製作者がなにを伝えたかったのかがイマイチよくわからない、てーのも弱味だったかもしらん。

意外と話がわかる異文化生命体、ていうのは実はそんなに珍しくもないかも。
ホラ、「一番怖いのは人間」って言葉、映画のレビューなんかでよく見るじゃないですか。
理解があるのは主人公だけで、他の人間たちは凶暴でー…って、「地球が静止する日」だコレーッ!?
まあ「実は役立たずの集団」てのが一番インパクトが強い要素なのかも。

最後のあのシーンが何年後なのかわからないので断言はできないですが、「これから故郷に帰るの?」って言う子供に頷いてたところを見ると(たしかそんなシーンがあったはず)、たぶん助けには来ないだろーなあ。
ていうか作中で主人公がけっこう酷い裏切り方してるんで、「あんなヤツのために」とか思われても仕方ない(笑)
同属を助けるためってもなー。所詮は役に立たない奴隷階級の方々ですし。
グレアム@おばさんパーマ 2011/07/05(Tue)19:47 編集
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