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主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。 生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。 http://reverend.sessya.net/
2016/06/05 (Sun)00:46








「これにて任務完了、か…」
 ニューベガス・フリーサイド地区。
 ザイオンにおけるホワイトレッグスとの部族間抗争が終結し、一族の集落から出てモハビ・ウェイストランドを旅していたフォローズ・チョーク。当初はキャラバンの護衛として各地を巡回していたが、現在はキャラバンとの雇用契約が切れ、モハビ・エクスプレスの運び屋として活動していた。
 先刻まで請け負っていた仕事は「純金製のチェスの駒をニューベガス・ストリップ地区のゲートまで配達する」というもの。
 特に大きなトラブルもなく依頼者の代理人に荷物を届けたフォローズ・チョークは、報酬の250Capを手に、セキュリトロンたちによって堅固に守られているゲートを見つめていた。
「せっかくニューベガスに来たからには、ストリップ地区に行ってみたかったんだけどなあ」
 セレブたちが集うニューベガス最大の娯楽エリア、ニューベガス・ストリップ。
 誰でも入れるわけではなく、パスポートか、最低限の持ち合わせがあることを証明するため2000Capの所持金額を提示しなければならない。もちろん、出るときはその限りではないが。
「2000Capか…稼げないことはない、のかな?しばらく仕事の予定は入ってないし、このあたりで割の良い仕事を探してみよう」
 根が純粋なフォローズ・チョークは、パスポートを偽造するとか、報酬の250Capを元手にギャンブルで増やそうなどという選択肢はハナッから思い浮かびもしないのである。
 フリーモント通りを歩きながら、フォローズ・チョークはぽつりと独り言を漏らした。
「…けっきょく、あの人には会えなかったな」
 あの人。ザイオンでの部族間抗争に終止符を打ち、ふたたびモハビの砂漠へと舞い戻った傭兵。
 広い世界を見たいというフォローズ・チョークの願いを後押ししてくれた恩人、クレイブ・マクギヴァン。
 彼が去り際に渡してくれた著書「ウェイストランド・サバイバル・ポケットガイド」はフォローズ・チョークの活動の指針となり、危険な場所での生存術を書いた実践的な知識に、何度助けられたか知れない。
 今回の仕事は複数の配達物を、複数の運び屋が同時に移送するというもので、参加者のリストの中にクレイブの名前もあったため、そのうち再会できるのではないかと思っていたのだが。
「彼のことだ、きっと僕なんかよりも先に仕事を終えて行ってしまったに違いない」
 そう言って、フォローズ・チョークはふたたび金を稼ぐ方法について考えはじめた。
 もちろん実際のところ、クレイブはとんでもないトラブルに巻き込まれ、未だ任務を遂行できていなかったのだが…そのことをフォローズ・チョークが知る機会はなかった。










 フリーサイドをあちこち回ってフォローズ・チョークが得たのは、シルバー・ラッシュというエネルギー火器専門店の用心棒のバイトだった。 
「いいか、酔っ払い、不良、文無しのクズどもは容赦なく追い返せ。ここは上品な店なんだからな、ブランド・イメージってものがある」
「はい、わかりました」
「有望そうな客でもボディチェックを怠るなよ」
 先輩役のサイモンの指示に従い、フォローズ・チョークは不審な人物が周囲をうろついていないかどうか目を光らせる。
 支給されたアーマーとプラズマ・ライフルは彼の趣味には合わないものだったが、店の用心簿うとして働くうえで必須の条件ということで、仕方なく身に着けていた。
 しばらくして、本日最初の来客がお目見えする。
「オウフ、ここでぇレーザージューが買えるって聞いたんですけおぉぉ」






 二人の前に現れたのは、どう見てもベロンベロンに酔っ払った貧相な男だった。
「あの、随分とお酒を飲まれているようですが。大丈夫ですkうわああああああ!!」
「オロロロロロロロロ」
 ゲロゲロゲロ。
 酔客はフォローズ・チョークの肩に手を置くと、いきなり吐瀉物をモリモリと吐き出しはじめる。
「こういうヤツはさっさと追い出すんだ!」
 そう言って、サイモンが酔客を容赦なく蹴って店先から叩き出した。






 それからしばらく二人は用心棒としての仕事を続け、万事問題なし、トラブルが起きることなく時間が過ぎていく。
「おまえもだいぶコツが飲み込めてきたようだな。俺はちょっと裏で煙草を吸ってくるから、いままでと同じ調子で頼むぞ」
「わかりました。任せてください」
 小休憩に入るサイモンを見送り、フォローズ・チョークは店先へ視線を戻す。
 すると…
「護身用にあつらえの武器を置いてるそうだね。ちょっと店内を見せてもらうよ」
「ああ、どうぞお入りください」
 商人風の男がサッと店の扉を開け、フォローズ・チョークはその後ろ姿を見送る。
 その直後、彼はたったいま入っていった客のボディチェックを怠ってしまったことに気がついた。
「あっ、ヤバイかな…でも店の中だって武装した用心棒が大勢いるし、わざわざ問題を起こすような真似はしないだろう。たぶん」
 きっと大丈夫だ、問題など起きるはずがない。
 そう思い、気を取り直して銃をふたたび構えた、そのとき。






ドガアアァァァァアアアンッッ!!



「うわあああぁぁぁぁああああああ!!!」
 突如として店が大爆発を起こし、フォローズ・チョークは前のめりに吹っ飛ばされた!
 店内から盛大に炎が噴き出し、巨大な看板が地面に突き刺さる。
 爆発が起きてすぐにサイモンが血相を変えて飛び出し、フォローズ・チョークに詰め寄った。






「おまえーーーっ、いったい何をやらかした!?」
「わっ、わかりません!さっきお客さんが入っていって、そのあと急に爆発が…」
「どう考えても自爆テロじゃねーか!」
 激昂して叫ぶサイモン、彼がさらにフォローズ・チョークに詰問しようとしたとき、店内から地鳴りに似た轟音が近づいてくる!

 ドスドスドスドスドスドス……!!





「あの客を通したのは誰だあっ!!」

「ジーン!」
 ドガンッ!扉を破壊しかねない勢いで店内から飛び出してきたのは、あの爆発のさなかにあって傷一つ負った様子のないガード長、店主グロリアの兄ジーン・バティストであった!
 怒髪天を突く勢いで双方を睨み、ジーンはフォローズ・チョークに焦点を合わせる。





「貴様か!!」







 

You're Fired  

貴様はクビだ!!







「出ていけ!!」











「ハァ…一日でバイトをクビになってしまった……」
 取り返しのつかない失敗をしでかし、落ち込むフォローズ・チョーク。
 あまりのことに、支給された装備を返すこともできぬまま追い出されてしまった。
「仕方がない、この装備を売ってパスポート代の足しにしよう」
 本来それはやってはいけないことだが、ウェイストランドではそのしたたかさこそが生きるために必要なのだ。不毛の世界は善意や責任感では生きてはいけない!

 お人好しでおっちょこちょいなフォローズ・チョーク、果たして彼は無事に2000Capを貯めてストリップ地区へ入ることができるのか!?





< Wait For The Next Deal... >








 どうも、グレアムです。
 何を思ったかフォローズ・チョーク編です。基本的に本編ではメインクエストのみを追う形になるので、彼にはサイドクエストを拾ってもらおうとかそういう魂胆での起用です。まあ、あまり丁寧に回収するつもりはありませんけども。
 店を爆破されてもクビで済ませるバティストさんは聖人か何かだと思います(ゲーム本編だと爆破で死にますが)。クビ宣告のシーンは海原雄山とビンス・マクマホンが混じってます。ちゃんと画像もそれっぽい構図になっている…ハズ。














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