主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。
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2011/09/30 (Fri)13:30
遥か天井より帝都商業地区を見下ろす一つの影あり。
彼女の名は「ちびのノルド」、北方の地スカイリムより漂着してきた流浪の傭兵である。
シロディールでの彼女の初仕事は、商人組合の意向を無視して品物を破格の値段で売り捌く雑貨屋ソロニルの身元調査だった。
一般水準の原価で仕入れていればまず儲けなど出ないような価格で販売している、となれば、なにか裏の事情があるに違いない…そう言いきったのは、商人組合の顔役である故売屋店主のジャンシーンだった。
身元調査の基本は尾行だ。ちびのノルドは過去の仕事から、スニーキング(隠密)とストーキング(追跡)の技術を学んでいる。帝都を巡回する衛兵の目を逃れながら、彼女はソロニルが真夜中に何者かと密会している現場をおさえることに成功した。
密会相手の名はアガルミル、罠猟師として少し名の知れた存在らしい。とはいえ、あまり良い噂は聞かない人物だ。二人の会話内容から察するにソロニルが安く買い叩いている、というより、アガルミルが品物を押しつけているらしく、実質な立場はアガルミルのほうが上らしい。
となれば、ソロニルよりも大物である(と思われる)アガルミルの調査を優先させたほうが良さそうだ。
どうやら二人の密会はほぼ毎日行われているらしく、ちびのノルドは翌日の密会でアガルミルが自宅を空けたタイミングを見計らってアガルミル宅に潜入、厳重に施された地下室への扉の鍵を素手で破壊した。
鍵をぶち破った先にあったのは様々な衣服、明らかに人間のものと思われる骨、血痕だった。
どうやらアガルミルは帝都の住人が葬られている墓地から埋葬品を掘り起こしていたらしい、要するに墓荒らしだ。
テーブルの上には、不用意にもこれまで掘った墓の名前や、盗んだ調度品のリストが記載された帳簿が放置されていた。ちびのノルドは犯罪の証拠を確保するため帳簿を持ち出し、次いで犯行現場も抑えるべく、これから掘り起こす予定とあるトレンティウス家の墓へ向かうことにした。
墓所で待ち受けていたのはアガルミルと、共犯と思われる屈強な戦士ロルガレルだった。
「うるせぇネズミが嗅ぎ回ってたのは知ってたぜ、ここはテメエのために用意した墓だ!」
口上もそこそこに抜刀するアガルミルと、相棒のロルガレル。どうやら邪魔者を誘い出すために、帳簿はわざと目立つ場所に置いてあったらしい。
ちびのノルドは拳を構えると、低く静かにつぶやいた。
「手加減…しないですよ」
「ハァッ!」
「な、なにィッ!?」
同時に繰り出された二人の剣戟をかわすちびのノルド。
「覚悟ッ!」
鋼鉄の鎧ですら破壊する威力を持つ強力な蹴りに、アガルミルはひとたまりもなく吹っ飛ぶ。
「ぐはっ!」
間接を破壊され、苦悶の声を上げるロルガレル。ちびのノルドはそのまま彼の首を捻じ折った。
「これで、すこしは反省…は、もう…できないですね」
加減しないとの宣言通り、大の男二人をあっさりと殲滅したちびのノルド。しかし命を奪うことまでは本望ではなかったのか、ヘルメットの隙間から覗く瞳にすこしだけ、後悔の色が滲んだ。
「ご苦労様だったね。はい、これ。報酬の400G」
事の顛末をジャンシーンに事後報告。
結局ソロニルはアガルミルの所業を知らず、ほとんど脅迫されるような形で盗掘品を横流しさせられていたのだという。以後は商人組合に加入し、きちんと組合の規定に則った商売をするらしい。
「このカタナいいなあ…お金いらないから、これ欲しいです」
「ダメだよ。それ5000G以上もするんだから」
「アガルミルとロルガレルを12回殺せば…ああ、人の命って安いですよね」
初仕事を終えたちびのノルドは、記念に帝都一高級な宿タイバーセプティム・ホテルに宿泊することにした。
「贅沢はできるときにしておかないと、ね」
アガルミルとロルガレル10分の1人ぶんの命の値段で贅沢を嗜むちびのノルド。
やがて自分の命も、対価として誰かに支払われるときが来るのだろうか、などと思いつつ…
彼女の名は「ちびのノルド」、北方の地スカイリムより漂着してきた流浪の傭兵である。
シロディールでの彼女の初仕事は、商人組合の意向を無視して品物を破格の値段で売り捌く雑貨屋ソロニルの身元調査だった。
一般水準の原価で仕入れていればまず儲けなど出ないような価格で販売している、となれば、なにか裏の事情があるに違いない…そう言いきったのは、商人組合の顔役である故売屋店主のジャンシーンだった。
身元調査の基本は尾行だ。ちびのノルドは過去の仕事から、スニーキング(隠密)とストーキング(追跡)の技術を学んでいる。帝都を巡回する衛兵の目を逃れながら、彼女はソロニルが真夜中に何者かと密会している現場をおさえることに成功した。
密会相手の名はアガルミル、罠猟師として少し名の知れた存在らしい。とはいえ、あまり良い噂は聞かない人物だ。二人の会話内容から察するにソロニルが安く買い叩いている、というより、アガルミルが品物を押しつけているらしく、実質な立場はアガルミルのほうが上らしい。
となれば、ソロニルよりも大物である(と思われる)アガルミルの調査を優先させたほうが良さそうだ。
どうやら二人の密会はほぼ毎日行われているらしく、ちびのノルドは翌日の密会でアガルミルが自宅を空けたタイミングを見計らってアガルミル宅に潜入、厳重に施された地下室への扉の鍵を素手で破壊した。
鍵をぶち破った先にあったのは様々な衣服、明らかに人間のものと思われる骨、血痕だった。
どうやらアガルミルは帝都の住人が葬られている墓地から埋葬品を掘り起こしていたらしい、要するに墓荒らしだ。
テーブルの上には、不用意にもこれまで掘った墓の名前や、盗んだ調度品のリストが記載された帳簿が放置されていた。ちびのノルドは犯罪の証拠を確保するため帳簿を持ち出し、次いで犯行現場も抑えるべく、これから掘り起こす予定とあるトレンティウス家の墓へ向かうことにした。
墓所で待ち受けていたのはアガルミルと、共犯と思われる屈強な戦士ロルガレルだった。
「うるせぇネズミが嗅ぎ回ってたのは知ってたぜ、ここはテメエのために用意した墓だ!」
口上もそこそこに抜刀するアガルミルと、相棒のロルガレル。どうやら邪魔者を誘い出すために、帳簿はわざと目立つ場所に置いてあったらしい。
ちびのノルドは拳を構えると、低く静かにつぶやいた。
「手加減…しないですよ」
「ハァッ!」
「な、なにィッ!?」
同時に繰り出された二人の剣戟をかわすちびのノルド。
「覚悟ッ!」
鋼鉄の鎧ですら破壊する威力を持つ強力な蹴りに、アガルミルはひとたまりもなく吹っ飛ぶ。
「ぐはっ!」
間接を破壊され、苦悶の声を上げるロルガレル。ちびのノルドはそのまま彼の首を捻じ折った。
「これで、すこしは反省…は、もう…できないですね」
加減しないとの宣言通り、大の男二人をあっさりと殲滅したちびのノルド。しかし命を奪うことまでは本望ではなかったのか、ヘルメットの隙間から覗く瞳にすこしだけ、後悔の色が滲んだ。
「ご苦労様だったね。はい、これ。報酬の400G」
事の顛末をジャンシーンに事後報告。
結局ソロニルはアガルミルの所業を知らず、ほとんど脅迫されるような形で盗掘品を横流しさせられていたのだという。以後は商人組合に加入し、きちんと組合の規定に則った商売をするらしい。
「このカタナいいなあ…お金いらないから、これ欲しいです」
「ダメだよ。それ5000G以上もするんだから」
「アガルミルとロルガレルを12回殺せば…ああ、人の命って安いですよね」
初仕事を終えたちびのノルドは、記念に帝都一高級な宿タイバーセプティム・ホテルに宿泊することにした。
「贅沢はできるときにしておかないと、ね」
アガルミルとロルガレル10分の1人ぶんの命の値段で贅沢を嗜むちびのノルド。
やがて自分の命も、対価として誰かに支払われるときが来るのだろうか、などと思いつつ…
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