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主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。 生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。 http://reverend.sessya.net/
2011/10/02 (Sun)03:46

 
 不穏分子の存在があるとはいえ、長らく平和を保ってきた帝都に傭兵の仕事は少ない。
 ちびのノルドは日銭を稼ぐため、航海に出ることのなくなった商船を改造した船上宿「ブローテッド・フロート」で用心棒として働いていた。
 昔からこの宿で用心棒をやっていたオークの男グラマン・グロ=マラドと交代で見張りをしているのだが、宿泊客はともかく飲みに来る客は常連ばかりで、たまに喧嘩は起きるものの用心棒を増やしてまで対処すべきトラブルは見当たらない。
 新しい用心棒の募集をはじめたのは最近らしく、オーナーのオーマルと用心棒のグラマンの間からは心なしかピリピリとした空気が感じられる。
 なにか隠しているな…とは思うが、ここで依頼主に干渉できるほど、ちびのノルドは弁が立たなかった。
 
 その日の夜…
 当直をグラマンと交代したちびのノルドは、ブローテッド・フロート階下の客室で休眠を取っていた。
 

 
 突如破られた静寂、武装した謎の男が部屋に踏み込んできた。
「くそ、乗客がいたのか。しかしまあ、女だとは運がいい」
 どうやらちびのノルドをただの非戦闘員だと思っているらしい男はしかし、机の上に置いてある漆黒のアーマーを目にして声音を変えた。
「ん、鎧…?貴様、まさか用心棒か!?」
 

 
「答える義務はありません。あと、ノックくらいしてください」
「ふざけやがっ…」
 裸体の少女を相手にまったく躊躇なく刃を振り下ろせる人間はそうそういない、たとえそれが悪党だとしてもだ。しかし、それが強力なアドバンテージとなった。
 ちびのノルドは男に拳の乱打を浴びせ、立て続けに殺人的な蹴りを見舞う。
 壁に後頭部を強打した男の顔面に、ダメ押しの飛び膝蹴りを喰らわせる。壁面と膝の間で頭蓋が押し潰され、脳組織をぐしゃぐしゃにされた男はその場に昏倒した。
 

 
「まったく、油断も隙もありませんね」
 いつものアーマー姿に着替えたちびのノルドは、たったいま殺した男の亡骸を見下ろしながら、ため息をついた。
「覗き…とか、夜這い…の類、じゃ、ないですよね」
 とりあえず、グラマンとオーミルの安否が気がかりだ。
 客室を後にし、階段を上がって食堂へと出る。と…
 

 
 キイ、ィィィィンンン……
 白刃が放つ閃光を、間一髪でかわすちびのノルド。テーブルの上にひらりと着地し、たったいまソードの一撃をくれた女と向かい合う。
「いきなり危ないじゃないですか」
「客室を調べに行ったリンチが帰ってこない、で、あんたが出てきたってことは、そういうことなんだろ?」
「リンチ…ああ、さっきの覗き魔ですか。眼福と命を等価交換しましたけど、貴方、あの悪趣味な不細工の仲間ですか?」
「あんたの言には概ね同意だけど。ねぇ、頼むから大人しくふん縛られて、そのへんの床に転がっててくれないかしら?そうすれば命だけは助けてやれるんだけど」
「…残念ですが、給料分は働く主義ですので」
「命よりも金を取るか。あの図体ばっかりでかい出来損ないのオークとはえらい違いだ」
「ということは、少なくともグラマンさんは生きてるんですね。それだけ聞ければ充分です」
「ほざけ!望み通り、殺してやる」
 ちびのノルドは叫びながら突進してくる女の膝を踏み抜き、両手を首に回して思い切り締め上げる。
 細い外見からは想像もつかないようなちびのノルドの強い握力に、女の瞳が恐怖で見開かれた。
「わ、わかったっ!降参する、だから命だけは!」
「すいません。命のやり取りを望んだ相手に情けをかけれるほどわたし、器用じゃないんです」
 

 
 女の喉を握りつぶし、頚動脈を内部破裂させる。そのまま勢いをつけて突き放すと、女の身体はぼろ人形のように力なくぐったりと椅子にもたれかかって倒れた。
「これじゃあ、どっちが悪役かわからないじゃないですか」
 死んだ女の亡骸に冷たい一瞥を投げかけたとき、甲板へと続く扉をノックする音が聞こえてきた。
「おいミンクス、なにかあったのか?」
 どうやら賊の仲間らしい、ちびのノルドは扉の前までやって来ると、鍵のかかった扉(どうも合鍵は、たったいま殺したミンクスという女が持っていたらしい)を蹴り破った。
 
 勢いよく開け放たれた扉に吹っ飛ばされるように、一人の男が甲板上に尻餅をつく。
「な、なんだいったい…!?」
「いちおう警告しておきます。いますぐ降伏してください、でないと命の保障ができないので」
「ふざけるなよ、このクソガキィッ!」
 

 
 叩きつけるように振るわれた剣を受け流し、男の利き腕を垂直に振り下ろしたエルボーで破壊する。そのまま勢いに任せて足を払い、宙に浮いた胴体に蹴りを叩き込んだ。
「ちょ、待っ…!」
 蹴り飛ばされた男はそのまま宙空を漂い、船外へと投げ出された。
「ふっ」
 荒く息をつき、呼吸を整えたちびのノルドは周囲を見渡す。
「え~と…」
 眼前に広がるは海、海、海。
 ブローテッド・フロートが係留されていた帝都港湾地区の姿は欠片も見えず、360度四方すべてに水平線が広がっている。
「出航していたんですか…」
 これでは手負いのうえ、重い皮鎧を装備していたあの男は助からないだろう。
 とりあえずオーナーのオーミルを探し出す必要があるだろう、ちびのノルドに船を操縦する技術はない。
 
『さっさとアレの場所を教えなさい、腕を落とされたいの!?』
『だ、だから噂を聞いただけで、私も場所を知らないんだ…ッ!』
 船長室の向こうから、オーナーのオーミルと、聞き覚えのない女の問答が聞こえてくる。
 このまま放っておいていいような状況には思えなかったので、ちびのノルドは破損した扉の修繕費をどうやって誤魔化すか考えながら、船長室の戸を蹴破った。
 

 
「な、なんだお前は!」
「いますぐその人を解放し、降伏してください。この提案が受け入れられない場合は、職務規定により貴方を排除します」
 どうやら賊のリーダー格らしい、赤黒く光る魔剣を手にした女戦士と対峙する。女の背には、全身痣だらけになり、ところどころ出血しているオーミルの姿があった。
「フンッ、面白い。このクソ生意気なエルフをいたぶるのも飽きてきたところだ、憂さ晴らしに貴様をなで斬りに…ちょっと待て。わたしの仲間はどうした」
「3人までなら始末しました」
「ぜ、全員…だと……!?」
「全員?あー、ああ…ご愁傷様です」
「この、小娘ッ!」
 

 
 リーダー格の女が横薙ぎに振るった剣を軽いフットワークでかわす。
 立て続けに繰り出される斬撃を受け流しながら距離を詰め、数発の拳を見舞ったあとに後ろ回し蹴りを叩き込む。
 

 
 よろめきふらついた女のこめかみに、ちびのノルドは渾身の一撃を喰らわせた。
「ホオォーァアアーーーッッッ!」
 ときの声を上げ、ちびのノルドは見得を切る。壁に激突した女は力なく崩折れ、床に突っ伏した。
 

 
「すべては私の責任なんだ」
 解放され、ちびのノルドに応急処置を施されたオーミルは、船倉で拘束されていたグラマンとともにちびのノルドと向かい合っていた。船はグラマンが操縦し、もう間もなく帝都に凱旋できる、といったところだ。
「あの連中…ブラックウォーター海賊団とか言ったか。連中が探していたのは、黄金のガレオン船と呼ばれる秘宝だよ。この船が最後の航海を終える直前に、船長だった男が船内のどこかに隠した黄金の彫像だ」
「そんなものがあるんですか?」
「ない」
 糞真面目な面で、オーミルは言い切った。
「すべて私のでっちあげだ、この船に客を呼び込むためのな。だが、こんなことになるなんて…もしあの女に本当のことを言ってたら、いまごろ私の首は胴から離れていたろう。まったく、難儀な話だよ」
「だから俺は反対したんだ、危険だってな」
 このところずっと不機嫌な表情を見せていたグラマンが、相も変わらずの仏頂面で横槍を入れた。
「最近になって、何らかの犯罪行為を示唆する予告状が届き始めた。たぶん、いま海底で魚の餌になってる連中が寄越したものだろう…外部から用心棒を雇ったのはそのためさ」
「貴方はあまり用心棒向きじゃないですよね」
「ほう、わかるか?」
「えー、まあ。身の振りとかで、いろいろ」
「そうだろうよ。俺はもともと、この船が大海原に繰り出していた頃の航海士だったんだ。船長が死んでメンバーがばらばらになったとき、コックをやっていたオーミルが船を買い取っていまの商売をはじめた。船乗りだった頃の地位は俺のほうが上だったが、オーミルのほうが商才はあった。だから俺は金銭繰りをオーミルに任せたのさ」
「本当は気が優しいんだよ、グラマンは。ただ彼はオークだ、その面だけで客に睨みをきかせることができるだろう?それに船でトラブルが起きた場合、大抵すぐに帝国軍の衛兵がすっ飛んで来る。わざわざ高い金を払って一騎当千のツワモノを雇う必要はなかったんだ、いままでは」
「オーミルが余計なことをするまではな。まったく、雇ったのが彼女でなければ、今頃どうなってたか知れんよ」
「噂はウソだった、という噂をまた広めないとな。もっとも地元の連中は勘付いてたろうけど、余所者は何をしでかすかわからんよ、まったく」
 

 
 規定よりも幾分多い報酬を手に、ちびのノルドはブローテッド・フロートから下船した。
「あ、船酔い…」
 立ちくらみを起こし、その場にふらつくちびのノルド。
 自らが手にかけた海賊たちの面々を思い浮かべながら、帝都に来て早くも6人を殺した事実を考え、ちびのノルドは暗澹とした表情でつぶやいた。
「しばらく船には近づかないでおこう」
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無題
裸の写真についてですが、この程度の表現なら少年誌レベルだ問題ないってことで。

ただまあエロは本企画のメインじゃないので、今後はあんまし出さない予定です。少なくともこのキャラでは。
今回はまあ、アニメで言うご褒美回みたいな感じでひとつ。

っつっても今後、裸体がデフォなあのキャラが登場予定なんで、有害指定回避なカメラワークやレイアウトを考えねばならんのですが…
グレアム@おっぱいおっぱい! 2011/10/02(Sun)04:20 編集
無題
あと、戦闘シーンでは新破裏拳ポリマーのテーマを流してください。
私は実際に戦闘BGMを差し替えてます。
グレアム@ハァーリィーケェーン…! 2011/10/02(Sun)04:22 編集
無題
見えそうで見えない感じがぁ(笑)
しかし裸で寝るとはなかなか野性的ですねん
そして裸関係なくハイキックWWWWWWWW
だ、大事な所が見えてしまうよ!!!!!

つかBGMまで変える事ができるのかよ!!!!
改造は凄いですな
セブン@裸ハイキック 2011/10/03(Mon)12:30 編集
無題
命のやり取りの場面において羞恥は不要です。

ファンタジーにおいて、戦闘職の女性は下着をつけないッ!というのが私の持論です。
だってほら、私たちの世界とはそもそもの価値観からして違うはずですし。
(それがなぜノー下着持論に繋がるのかは自分でも不明)

将来垂れるけど。けどまあ、垂れるまで長生きできたら御の字な世界なんで。
ああ男はパンツ穿きます。絵的に見苦しいので。

BGMの差し替えは基本中の基本です(キリッ
音声ファイルが圧縮されてないPCゲームは基本的にどれも変更可能な感じで。
グレアム@ 2011/10/03(Mon)16:30 編集
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