主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。
生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。
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2011/10/03 (Mon)17:27
今回は本ゲームの概要についてチラッと触れておこうと思います。いまさら。
「The Elder Scrolls IV : OBLIVION」は米Bethesda社が送る人気ファンタジーRPG、TESシリーズの4作目です。ちなみに初めて日本語版が発売されたのもこの4作目で、そういった意味からも過去3作と比べて知名度が高いタイトルとなっています。
ゲームを開始すると、まずプレイヤーは自分の分身たるキャラクターを作成することになります。
キャラクターコンストラクションが終了すると、物語は独房の一室からはじまります。
向かいに収監されている囚人から「お前は一生ここから出ることができない」と言われた矢先、どういうわけか、本作品の舞台であるシロディールの地を治める時の皇帝「ユリエル・セプティム」とその護衛隊「ブレイド」の面々が貴方のいる独房に入ってくるはずです。
「この独房は使ってはならないはず」
「なにかの手違いでは…」
そんな会話を交わしながら、ブレイド達は貴方の独房に仕掛けられていた隠し通路を開放し、地下通路の闇へと消えていきます。どうやら皇帝達は何らかの襲撃から逃れている最中のようですね。
混乱に乗じて脱獄した貴方は、道行く先で装備を手に入れながら巨大ネズミやゴブリンが巣食うダンジョンを走破することになります。この一連のシーンは操作練習を兼ねておりまして、行く先々でゲームプレイに関する助言が得られるはずです。
しばらく進むと、暗殺者集団と交戦している皇帝の一団と再会します。護衛隊ブレイドの面々は貴方を胡散臭そうな目で見つめますが、皇帝ユリエル・セプティムは貴方に運命的なものを感じる旨を伝えてきます。
皇帝の命を狙う暗殺者集団の名は、邪神メルエーン・デイゴンを崇拝する宗教団体「深遠の暁」。
彼らは魔界「オブリビオン」に通じる門を開いてこの世界を破滅させようと画策しており、皇帝の一族は彼らの手によって絶滅寸前にまで追い込まれていました。皇帝一族は魔界を封じるための力を代々継いでおり、いまそれが絶やされようとしているのです。
道中、貴方はブレイドと共闘して暗殺者を撃退しますが、健闘虚しく皇帝は暗殺されてしまいます。死の間際、皇帝は貴方に「この世界を護るために必要」と言われるアミュレットを託され、それを隠し子であり唯一の血統の生き残りである青年「マーティン」に渡して欲しいと頼まれます。
下水道を通って監獄から脱出した貴方は、晴れて自由の身になりました。
貴方の目の前には広大な世界が用意されています。皇帝の意思を継いで世界を救うための旅に出るも良し、あるいはそんな偉大な使命をまったく無視して好きなように生きても良いのです。
貴方が分身に望むのは、剣の力で人々を助ける逞しき戦士の姿でしょうか?
あるいは、術を極めし魔導師?素材を組み合わせ、あらゆる効能のポーションをも造り出せる錬金術師になることも可能ですよ。
それとも…夜の街に暗躍する盗賊でしょうか?義賊になるもよし、または無軌道に盗みや殺人を犯すこともできますが、もちろん悪行にはそれなりの対価がつきものです。
公式の追加コンテンツ「Knights of the NINE」を導入すれば、聖騎士としてもう一つの世界的危機に立ち向かうことだってできます。正義なんかくそくらえ、というのであれば、インモラルな暗殺集団からの怪しい勧誘なんていうのもありますよ。
もう世界を冒険し尽くした、この大陸のことを知り尽くした…そういうのであれば、もう一つの追加コンテンツ「Shivering Isles」を導入しましょう。狂気が支配する別世界へのいざないは、貴方にもう少しの間だけ冒険の楽しみを提供してくれるでしょう。
42平方キロメートルの広大な土地によって構成されたシロディールの大地で、どのように生きるか、ぶっちゃけて言えば、どのようにゲームを楽しむかはすべて貴方の裁量にかかっているのです。
限りなくリアルに構築された仮想世界での空気感を満喫したい?
与えられた命題をこなすことに使命感を感じる?
とにかく最強のキャラクターを作りたい?
オーケイ。ゲームを楽しもうとする心構えさえあれば、この作品は貴方の期待に答えてくれるはずです。
現在XBOX360、PS3にて公式日本語版が発売されています(PCで楽しみたい人は輸入ショップで購入しましょう)。いずれも通常版のほかに、追加コンテンツ「Nights of the NINE」「Shivering Isle」が同梱された特別パッケージ「GOTY(Game Of The Year Edition)版」が発売されていますので、これからプレイされる方にはそちらがオススメです(ちなみに「Nights of the NINE」は日本語通常版にも同梱されています)。
年内には続編「The Elder Scrolls V : Skyrim」の発売も控えています。楽しみですね。
…一見するとすげー提灯記事に見えるかもですが(これでもコピペじゃなくて自分の頭で考えたんだよ)、「ロールプレイ」の概念を理解している人なら楽しめるんじゃないかな。うん。
「The Elder Scrolls IV : OBLIVION」は米Bethesda社が送る人気ファンタジーRPG、TESシリーズの4作目です。ちなみに初めて日本語版が発売されたのもこの4作目で、そういった意味からも過去3作と比べて知名度が高いタイトルとなっています。
ゲームを開始すると、まずプレイヤーは自分の分身たるキャラクターを作成することになります。
キャラクターコンストラクションが終了すると、物語は独房の一室からはじまります。
向かいに収監されている囚人から「お前は一生ここから出ることができない」と言われた矢先、どういうわけか、本作品の舞台であるシロディールの地を治める時の皇帝「ユリエル・セプティム」とその護衛隊「ブレイド」の面々が貴方のいる独房に入ってくるはずです。
「この独房は使ってはならないはず」
「なにかの手違いでは…」
そんな会話を交わしながら、ブレイド達は貴方の独房に仕掛けられていた隠し通路を開放し、地下通路の闇へと消えていきます。どうやら皇帝達は何らかの襲撃から逃れている最中のようですね。
混乱に乗じて脱獄した貴方は、道行く先で装備を手に入れながら巨大ネズミやゴブリンが巣食うダンジョンを走破することになります。この一連のシーンは操作練習を兼ねておりまして、行く先々でゲームプレイに関する助言が得られるはずです。
しばらく進むと、暗殺者集団と交戦している皇帝の一団と再会します。護衛隊ブレイドの面々は貴方を胡散臭そうな目で見つめますが、皇帝ユリエル・セプティムは貴方に運命的なものを感じる旨を伝えてきます。
皇帝の命を狙う暗殺者集団の名は、邪神メルエーン・デイゴンを崇拝する宗教団体「深遠の暁」。
彼らは魔界「オブリビオン」に通じる門を開いてこの世界を破滅させようと画策しており、皇帝の一族は彼らの手によって絶滅寸前にまで追い込まれていました。皇帝一族は魔界を封じるための力を代々継いでおり、いまそれが絶やされようとしているのです。
道中、貴方はブレイドと共闘して暗殺者を撃退しますが、健闘虚しく皇帝は暗殺されてしまいます。死の間際、皇帝は貴方に「この世界を護るために必要」と言われるアミュレットを託され、それを隠し子であり唯一の血統の生き残りである青年「マーティン」に渡して欲しいと頼まれます。
下水道を通って監獄から脱出した貴方は、晴れて自由の身になりました。
貴方の目の前には広大な世界が用意されています。皇帝の意思を継いで世界を救うための旅に出るも良し、あるいはそんな偉大な使命をまったく無視して好きなように生きても良いのです。
貴方が分身に望むのは、剣の力で人々を助ける逞しき戦士の姿でしょうか?
あるいは、術を極めし魔導師?素材を組み合わせ、あらゆる効能のポーションをも造り出せる錬金術師になることも可能ですよ。
それとも…夜の街に暗躍する盗賊でしょうか?義賊になるもよし、または無軌道に盗みや殺人を犯すこともできますが、もちろん悪行にはそれなりの対価がつきものです。
公式の追加コンテンツ「Knights of the NINE」を導入すれば、聖騎士としてもう一つの世界的危機に立ち向かうことだってできます。正義なんかくそくらえ、というのであれば、インモラルな暗殺集団からの怪しい勧誘なんていうのもありますよ。
もう世界を冒険し尽くした、この大陸のことを知り尽くした…そういうのであれば、もう一つの追加コンテンツ「Shivering Isles」を導入しましょう。狂気が支配する別世界へのいざないは、貴方にもう少しの間だけ冒険の楽しみを提供してくれるでしょう。
42平方キロメートルの広大な土地によって構成されたシロディールの大地で、どのように生きるか、ぶっちゃけて言えば、どのようにゲームを楽しむかはすべて貴方の裁量にかかっているのです。
限りなくリアルに構築された仮想世界での空気感を満喫したい?
与えられた命題をこなすことに使命感を感じる?
とにかく最強のキャラクターを作りたい?
オーケイ。ゲームを楽しもうとする心構えさえあれば、この作品は貴方の期待に答えてくれるはずです。
現在XBOX360、PS3にて公式日本語版が発売されています(PCで楽しみたい人は輸入ショップで購入しましょう)。いずれも通常版のほかに、追加コンテンツ「Nights of the NINE」「Shivering Isle」が同梱された特別パッケージ「GOTY(Game Of The Year Edition)版」が発売されていますので、これからプレイされる方にはそちらがオススメです(ちなみに「Nights of the NINE」は日本語通常版にも同梱されています)。
年内には続編「The Elder Scrolls V : Skyrim」の発売も控えています。楽しみですね。
…一見するとすげー提灯記事に見えるかもですが(これでもコピペじゃなくて自分の頭で考えたんだよ)、「ロールプレイ」の概念を理解している人なら楽しめるんじゃないかな。うん。
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2011/10/02 (Sun)03:46
不穏分子の存在があるとはいえ、長らく平和を保ってきた帝都に傭兵の仕事は少ない。
ちびのノルドは日銭を稼ぐため、航海に出ることのなくなった商船を改造した船上宿「ブローテッド・フロート」で用心棒として働いていた。
昔からこの宿で用心棒をやっていたオークの男グラマン・グロ=マラドと交代で見張りをしているのだが、宿泊客はともかく飲みに来る客は常連ばかりで、たまに喧嘩は起きるものの用心棒を増やしてまで対処すべきトラブルは見当たらない。
新しい用心棒の募集をはじめたのは最近らしく、オーナーのオーマルと用心棒のグラマンの間からは心なしかピリピリとした空気が感じられる。
なにか隠しているな…とは思うが、ここで依頼主に干渉できるほど、ちびのノルドは弁が立たなかった。
その日の夜…
当直をグラマンと交代したちびのノルドは、ブローテッド・フロート階下の客室で休眠を取っていた。
突如破られた静寂、武装した謎の男が部屋に踏み込んできた。
「くそ、乗客がいたのか。しかしまあ、女だとは運がいい」
どうやらちびのノルドをただの非戦闘員だと思っているらしい男はしかし、机の上に置いてある漆黒のアーマーを目にして声音を変えた。
「ん、鎧…?貴様、まさか用心棒か!?」
「答える義務はありません。あと、ノックくらいしてください」
「ふざけやがっ…」
裸体の少女を相手にまったく躊躇なく刃を振り下ろせる人間はそうそういない、たとえそれが悪党だとしてもだ。しかし、それが強力なアドバンテージとなった。
ちびのノルドは男に拳の乱打を浴びせ、立て続けに殺人的な蹴りを見舞う。
壁に後頭部を強打した男の顔面に、ダメ押しの飛び膝蹴りを喰らわせる。壁面と膝の間で頭蓋が押し潰され、脳組織をぐしゃぐしゃにされた男はその場に昏倒した。
「まったく、油断も隙もありませんね」
いつものアーマー姿に着替えたちびのノルドは、たったいま殺した男の亡骸を見下ろしながら、ため息をついた。
「覗き…とか、夜這い…の類、じゃ、ないですよね」
とりあえず、グラマンとオーミルの安否が気がかりだ。
客室を後にし、階段を上がって食堂へと出る。と…
キイ、ィィィィンンン……
白刃が放つ閃光を、間一髪でかわすちびのノルド。テーブルの上にひらりと着地し、たったいまソードの一撃をくれた女と向かい合う。
「いきなり危ないじゃないですか」
「客室を調べに行ったリンチが帰ってこない、で、あんたが出てきたってことは、そういうことなんだろ?」
「リンチ…ああ、さっきの覗き魔ですか。眼福と命を等価交換しましたけど、貴方、あの悪趣味な不細工の仲間ですか?」
「あんたの言には概ね同意だけど。ねぇ、頼むから大人しくふん縛られて、そのへんの床に転がっててくれないかしら?そうすれば命だけは助けてやれるんだけど」
「…残念ですが、給料分は働く主義ですので」
「命よりも金を取るか。あの図体ばっかりでかい出来損ないのオークとはえらい違いだ」
「ということは、少なくともグラマンさんは生きてるんですね。それだけ聞ければ充分です」
「ほざけ!望み通り、殺してやる」
ちびのノルドは叫びながら突進してくる女の膝を踏み抜き、両手を首に回して思い切り締め上げる。
細い外見からは想像もつかないようなちびのノルドの強い握力に、女の瞳が恐怖で見開かれた。
「わ、わかったっ!降参する、だから命だけは!」
「すいません。命のやり取りを望んだ相手に情けをかけれるほどわたし、器用じゃないんです」
女の喉を握りつぶし、頚動脈を内部破裂させる。そのまま勢いをつけて突き放すと、女の身体はぼろ人形のように力なくぐったりと椅子にもたれかかって倒れた。
「これじゃあ、どっちが悪役かわからないじゃないですか」
死んだ女の亡骸に冷たい一瞥を投げかけたとき、甲板へと続く扉をノックする音が聞こえてきた。
「おいミンクス、なにかあったのか?」
どうやら賊の仲間らしい、ちびのノルドは扉の前までやって来ると、鍵のかかった扉(どうも合鍵は、たったいま殺したミンクスという女が持っていたらしい)を蹴り破った。
勢いよく開け放たれた扉に吹っ飛ばされるように、一人の男が甲板上に尻餅をつく。
「な、なんだいったい…!?」
「いちおう警告しておきます。いますぐ降伏してください、でないと命の保障ができないので」
「ふざけるなよ、このクソガキィッ!」
叩きつけるように振るわれた剣を受け流し、男の利き腕を垂直に振り下ろしたエルボーで破壊する。そのまま勢いに任せて足を払い、宙に浮いた胴体に蹴りを叩き込んだ。
「ちょ、待っ…!」
蹴り飛ばされた男はそのまま宙空を漂い、船外へと投げ出された。
「ふっ」
荒く息をつき、呼吸を整えたちびのノルドは周囲を見渡す。
「え~と…」
眼前に広がるは海、海、海。
ブローテッド・フロートが係留されていた帝都港湾地区の姿は欠片も見えず、360度四方すべてに水平線が広がっている。
「出航していたんですか…」
これでは手負いのうえ、重い皮鎧を装備していたあの男は助からないだろう。
とりあえずオーナーのオーミルを探し出す必要があるだろう、ちびのノルドに船を操縦する技術はない。
『さっさとアレの場所を教えなさい、腕を落とされたいの!?』
『だ、だから噂を聞いただけで、私も場所を知らないんだ…ッ!』
船長室の向こうから、オーナーのオーミルと、聞き覚えのない女の問答が聞こえてくる。
このまま放っておいていいような状況には思えなかったので、ちびのノルドは破損した扉の修繕費をどうやって誤魔化すか考えながら、船長室の戸を蹴破った。
「な、なんだお前は!」
「いますぐその人を解放し、降伏してください。この提案が受け入れられない場合は、職務規定により貴方を排除します」
どうやら賊のリーダー格らしい、赤黒く光る魔剣を手にした女戦士と対峙する。女の背には、全身痣だらけになり、ところどころ出血しているオーミルの姿があった。
「フンッ、面白い。このクソ生意気なエルフをいたぶるのも飽きてきたところだ、憂さ晴らしに貴様をなで斬りに…ちょっと待て。わたしの仲間はどうした」
「3人までなら始末しました」
「ぜ、全員…だと……!?」
「全員?あー、ああ…ご愁傷様です」
「この、小娘ッ!」
リーダー格の女が横薙ぎに振るった剣を軽いフットワークでかわす。
立て続けに繰り出される斬撃を受け流しながら距離を詰め、数発の拳を見舞ったあとに後ろ回し蹴りを叩き込む。
よろめきふらついた女のこめかみに、ちびのノルドは渾身の一撃を喰らわせた。
「ホオォーァアアーーーッッッ!」
ときの声を上げ、ちびのノルドは見得を切る。壁に激突した女は力なく崩折れ、床に突っ伏した。
「すべては私の責任なんだ」
解放され、ちびのノルドに応急処置を施されたオーミルは、船倉で拘束されていたグラマンとともにちびのノルドと向かい合っていた。船はグラマンが操縦し、もう間もなく帝都に凱旋できる、といったところだ。
「あの連中…ブラックウォーター海賊団とか言ったか。連中が探していたのは、黄金のガレオン船と呼ばれる秘宝だよ。この船が最後の航海を終える直前に、船長だった男が船内のどこかに隠した黄金の彫像だ」
「そんなものがあるんですか?」
「ない」
糞真面目な面で、オーミルは言い切った。
「すべて私のでっちあげだ、この船に客を呼び込むためのな。だが、こんなことになるなんて…もしあの女に本当のことを言ってたら、いまごろ私の首は胴から離れていたろう。まったく、難儀な話だよ」
「だから俺は反対したんだ、危険だってな」
このところずっと不機嫌な表情を見せていたグラマンが、相も変わらずの仏頂面で横槍を入れた。
「最近になって、何らかの犯罪行為を示唆する予告状が届き始めた。たぶん、いま海底で魚の餌になってる連中が寄越したものだろう…外部から用心棒を雇ったのはそのためさ」
「貴方はあまり用心棒向きじゃないですよね」
「ほう、わかるか?」
「えー、まあ。身の振りとかで、いろいろ」
「そうだろうよ。俺はもともと、この船が大海原に繰り出していた頃の航海士だったんだ。船長が死んでメンバーがばらばらになったとき、コックをやっていたオーミルが船を買い取っていまの商売をはじめた。船乗りだった頃の地位は俺のほうが上だったが、オーミルのほうが商才はあった。だから俺は金銭繰りをオーミルに任せたのさ」
「本当は気が優しいんだよ、グラマンは。ただ彼はオークだ、その面だけで客に睨みをきかせることができるだろう?それに船でトラブルが起きた場合、大抵すぐに帝国軍の衛兵がすっ飛んで来る。わざわざ高い金を払って一騎当千のツワモノを雇う必要はなかったんだ、いままでは」
「オーミルが余計なことをするまではな。まったく、雇ったのが彼女でなければ、今頃どうなってたか知れんよ」
「噂はウソだった、という噂をまた広めないとな。もっとも地元の連中は勘付いてたろうけど、余所者は何をしでかすかわからんよ、まったく」
規定よりも幾分多い報酬を手に、ちびのノルドはブローテッド・フロートから下船した。
「あ、船酔い…」
立ちくらみを起こし、その場にふらつくちびのノルド。
自らが手にかけた海賊たちの面々を思い浮かべながら、帝都に来て早くも6人を殺した事実を考え、ちびのノルドは暗澹とした表情でつぶやいた。
「しばらく船には近づかないでおこう」
2011/09/30 (Fri)13:30
遥か天井より帝都商業地区を見下ろす一つの影あり。
彼女の名は「ちびのノルド」、北方の地スカイリムより漂着してきた流浪の傭兵である。
シロディールでの彼女の初仕事は、商人組合の意向を無視して品物を破格の値段で売り捌く雑貨屋ソロニルの身元調査だった。
一般水準の原価で仕入れていればまず儲けなど出ないような価格で販売している、となれば、なにか裏の事情があるに違いない…そう言いきったのは、商人組合の顔役である故売屋店主のジャンシーンだった。
身元調査の基本は尾行だ。ちびのノルドは過去の仕事から、スニーキング(隠密)とストーキング(追跡)の技術を学んでいる。帝都を巡回する衛兵の目を逃れながら、彼女はソロニルが真夜中に何者かと密会している現場をおさえることに成功した。
密会相手の名はアガルミル、罠猟師として少し名の知れた存在らしい。とはいえ、あまり良い噂は聞かない人物だ。二人の会話内容から察するにソロニルが安く買い叩いている、というより、アガルミルが品物を押しつけているらしく、実質な立場はアガルミルのほうが上らしい。
となれば、ソロニルよりも大物である(と思われる)アガルミルの調査を優先させたほうが良さそうだ。
どうやら二人の密会はほぼ毎日行われているらしく、ちびのノルドは翌日の密会でアガルミルが自宅を空けたタイミングを見計らってアガルミル宅に潜入、厳重に施された地下室への扉の鍵を素手で破壊した。
鍵をぶち破った先にあったのは様々な衣服、明らかに人間のものと思われる骨、血痕だった。
どうやらアガルミルは帝都の住人が葬られている墓地から埋葬品を掘り起こしていたらしい、要するに墓荒らしだ。
テーブルの上には、不用意にもこれまで掘った墓の名前や、盗んだ調度品のリストが記載された帳簿が放置されていた。ちびのノルドは犯罪の証拠を確保するため帳簿を持ち出し、次いで犯行現場も抑えるべく、これから掘り起こす予定とあるトレンティウス家の墓へ向かうことにした。
墓所で待ち受けていたのはアガルミルと、共犯と思われる屈強な戦士ロルガレルだった。
「うるせぇネズミが嗅ぎ回ってたのは知ってたぜ、ここはテメエのために用意した墓だ!」
口上もそこそこに抜刀するアガルミルと、相棒のロルガレル。どうやら邪魔者を誘い出すために、帳簿はわざと目立つ場所に置いてあったらしい。
ちびのノルドは拳を構えると、低く静かにつぶやいた。
「手加減…しないですよ」
「ハァッ!」
「な、なにィッ!?」
同時に繰り出された二人の剣戟をかわすちびのノルド。
「覚悟ッ!」
鋼鉄の鎧ですら破壊する威力を持つ強力な蹴りに、アガルミルはひとたまりもなく吹っ飛ぶ。
「ぐはっ!」
間接を破壊され、苦悶の声を上げるロルガレル。ちびのノルドはそのまま彼の首を捻じ折った。
「これで、すこしは反省…は、もう…できないですね」
加減しないとの宣言通り、大の男二人をあっさりと殲滅したちびのノルド。しかし命を奪うことまでは本望ではなかったのか、ヘルメットの隙間から覗く瞳にすこしだけ、後悔の色が滲んだ。
「ご苦労様だったね。はい、これ。報酬の400G」
事の顛末をジャンシーンに事後報告。
結局ソロニルはアガルミルの所業を知らず、ほとんど脅迫されるような形で盗掘品を横流しさせられていたのだという。以後は商人組合に加入し、きちんと組合の規定に則った商売をするらしい。
「このカタナいいなあ…お金いらないから、これ欲しいです」
「ダメだよ。それ5000G以上もするんだから」
「アガルミルとロルガレルを12回殺せば…ああ、人の命って安いですよね」
初仕事を終えたちびのノルドは、記念に帝都一高級な宿タイバーセプティム・ホテルに宿泊することにした。
「贅沢はできるときにしておかないと、ね」
アガルミルとロルガレル10分の1人ぶんの命の値段で贅沢を嗜むちびのノルド。
やがて自分の命も、対価として誰かに支払われるときが来るのだろうか、などと思いつつ…
彼女の名は「ちびのノルド」、北方の地スカイリムより漂着してきた流浪の傭兵である。
シロディールでの彼女の初仕事は、商人組合の意向を無視して品物を破格の値段で売り捌く雑貨屋ソロニルの身元調査だった。
一般水準の原価で仕入れていればまず儲けなど出ないような価格で販売している、となれば、なにか裏の事情があるに違いない…そう言いきったのは、商人組合の顔役である故売屋店主のジャンシーンだった。
身元調査の基本は尾行だ。ちびのノルドは過去の仕事から、スニーキング(隠密)とストーキング(追跡)の技術を学んでいる。帝都を巡回する衛兵の目を逃れながら、彼女はソロニルが真夜中に何者かと密会している現場をおさえることに成功した。
密会相手の名はアガルミル、罠猟師として少し名の知れた存在らしい。とはいえ、あまり良い噂は聞かない人物だ。二人の会話内容から察するにソロニルが安く買い叩いている、というより、アガルミルが品物を押しつけているらしく、実質な立場はアガルミルのほうが上らしい。
となれば、ソロニルよりも大物である(と思われる)アガルミルの調査を優先させたほうが良さそうだ。
どうやら二人の密会はほぼ毎日行われているらしく、ちびのノルドは翌日の密会でアガルミルが自宅を空けたタイミングを見計らってアガルミル宅に潜入、厳重に施された地下室への扉の鍵を素手で破壊した。
鍵をぶち破った先にあったのは様々な衣服、明らかに人間のものと思われる骨、血痕だった。
どうやらアガルミルは帝都の住人が葬られている墓地から埋葬品を掘り起こしていたらしい、要するに墓荒らしだ。
テーブルの上には、不用意にもこれまで掘った墓の名前や、盗んだ調度品のリストが記載された帳簿が放置されていた。ちびのノルドは犯罪の証拠を確保するため帳簿を持ち出し、次いで犯行現場も抑えるべく、これから掘り起こす予定とあるトレンティウス家の墓へ向かうことにした。
墓所で待ち受けていたのはアガルミルと、共犯と思われる屈強な戦士ロルガレルだった。
「うるせぇネズミが嗅ぎ回ってたのは知ってたぜ、ここはテメエのために用意した墓だ!」
口上もそこそこに抜刀するアガルミルと、相棒のロルガレル。どうやら邪魔者を誘い出すために、帳簿はわざと目立つ場所に置いてあったらしい。
ちびのノルドは拳を構えると、低く静かにつぶやいた。
「手加減…しないですよ」
「ハァッ!」
「な、なにィッ!?」
同時に繰り出された二人の剣戟をかわすちびのノルド。
「覚悟ッ!」
鋼鉄の鎧ですら破壊する威力を持つ強力な蹴りに、アガルミルはひとたまりもなく吹っ飛ぶ。
「ぐはっ!」
間接を破壊され、苦悶の声を上げるロルガレル。ちびのノルドはそのまま彼の首を捻じ折った。
「これで、すこしは反省…は、もう…できないですね」
加減しないとの宣言通り、大の男二人をあっさりと殲滅したちびのノルド。しかし命を奪うことまでは本望ではなかったのか、ヘルメットの隙間から覗く瞳にすこしだけ、後悔の色が滲んだ。
「ご苦労様だったね。はい、これ。報酬の400G」
事の顛末をジャンシーンに事後報告。
結局ソロニルはアガルミルの所業を知らず、ほとんど脅迫されるような形で盗掘品を横流しさせられていたのだという。以後は商人組合に加入し、きちんと組合の規定に則った商売をするらしい。
「このカタナいいなあ…お金いらないから、これ欲しいです」
「ダメだよ。それ5000G以上もするんだから」
「アガルミルとロルガレルを12回殺せば…ああ、人の命って安いですよね」
初仕事を終えたちびのノルドは、記念に帝都一高級な宿タイバーセプティム・ホテルに宿泊することにした。
「贅沢はできるときにしておかないと、ね」
アガルミルとロルガレル10分の1人ぶんの命の値段で贅沢を嗜むちびのノルド。
やがて自分の命も、対価として誰かに支払われるときが来るのだろうか、などと思いつつ…
2011/09/29 (Thu)13:34
遥か北方の地スカイリムで活動を続けていたノルドの傭兵、アリシア・ストーンウェル。
卓越した格闘術を身につけている彼女だったが、およそ一般的なノルドとは正反対の特徴を持っていた(背が低い、内向的、赤い髪…etc)ためか、生まれつき周囲から好奇の目を向けられてきた。
それは傭兵として一定の評価を得てからも変わらず、誰一人として自分を理解してくれない境遇に嫌気が差したのかどうかはわからないが、彼女は閉塞的な環境から脱却すべく新天地を求めてシロディール行きの船に飛び乗ったのであった…
もっとも、彼女の特異な部分はシロディールにおいても好奇の視線の的になったのは当たり前のことで、それは「ちびのノルド」にとって、以前と何ら状況が改善されたわけではないことをすぐに思い知らされた。
傭兵は本名を名乗らない…身元を特定されないためだ。その代わりに傭兵は互いを愛称で呼び合い、そして不本意ながら、彼女の呼び名は「ちびのノルド」だった。わかりやすい、妥当な命名だというのは彼女にとってもよく理解できる。
結局、以前と似たような境遇に甘んじながら、ちびのノルドが帝都にかかる橋を渡っていたときである。
「貴様、皇帝を護るために我々を邪魔しようとした連中の仲間だなッ!?」
突如立ちはだかった刺客、それは邪神メルエーン・デイゴンを崇拝し、皇帝暗殺によって帝都転覆を狙う邪教集団「深遠の暁」の一派だった。
「皇帝から預かったアミュレットがあるだろう、そいつを差し出せ!」
「だから、そんなの知らないって言ってるじゃないですかッ!」
どこぞの地下牢に幽閉されている某人と違い、MOD導入によって船から物語を開始したちびのノルドにとって、皇帝暗殺云々などというのはまったく与り知らない出来事である。しかし、説得が通じるような雰囲気でもなかったし、ちびのノルドは交渉スキルが泣けるほど低かった。
「てやぁーッ!」
「おぼふゥッ!?」
やがて小柄な体躯から繰り出された改心の一撃。すべての男にとっての弱点に、容赦ないキックが見舞われる。
「ふ、不覚…ッ!」
「え~と、や、やりすぎちゃったかな…?」
ダイナミックに苦しむ深遠の暁信者に、思わず憐憫の視線を向けるちびのノルド。
かくして…
「すいません、やりすぎました」
「いいよ。もう気にしてないから」
一方的に襲撃されたにも関わらず、なぜか加害者のような立場になっているちびのノルド。
というか、深遠の暁信者の態度がすごく、でかい。
「はぁ…もっと精進しなくちゃ」
いろいろと精神的に未熟な部分が残るちびのノルド、遠くに浮かぶ月(かどうかは知らないが)に向かって誓いの拳を掲げるのであった…
ゲームプレイ日記ってこんなんでいいんですか。
(でっちあげを日記とは言わねぇ)
楽しい写真が撮影できるのはMOD製作者様たちのおかげでございます、と取ってつけたように付記してみたり。
そのうち解説記事なんかも書くかもしれません。ぬんどくさいのでたぶんやらないけど。
卓越した格闘術を身につけている彼女だったが、およそ一般的なノルドとは正反対の特徴を持っていた(背が低い、内向的、赤い髪…etc)ためか、生まれつき周囲から好奇の目を向けられてきた。
それは傭兵として一定の評価を得てからも変わらず、誰一人として自分を理解してくれない境遇に嫌気が差したのかどうかはわからないが、彼女は閉塞的な環境から脱却すべく新天地を求めてシロディール行きの船に飛び乗ったのであった…
もっとも、彼女の特異な部分はシロディールにおいても好奇の視線の的になったのは当たり前のことで、それは「ちびのノルド」にとって、以前と何ら状況が改善されたわけではないことをすぐに思い知らされた。
傭兵は本名を名乗らない…身元を特定されないためだ。その代わりに傭兵は互いを愛称で呼び合い、そして不本意ながら、彼女の呼び名は「ちびのノルド」だった。わかりやすい、妥当な命名だというのは彼女にとってもよく理解できる。
結局、以前と似たような境遇に甘んじながら、ちびのノルドが帝都にかかる橋を渡っていたときである。
「貴様、皇帝を護るために我々を邪魔しようとした連中の仲間だなッ!?」
突如立ちはだかった刺客、それは邪神メルエーン・デイゴンを崇拝し、皇帝暗殺によって帝都転覆を狙う邪教集団「深遠の暁」の一派だった。
「皇帝から預かったアミュレットがあるだろう、そいつを差し出せ!」
「だから、そんなの知らないって言ってるじゃないですかッ!」
どこぞの地下牢に幽閉されている某人と違い、MOD導入によって船から物語を開始したちびのノルドにとって、皇帝暗殺云々などというのはまったく与り知らない出来事である。しかし、説得が通じるような雰囲気でもなかったし、ちびのノルドは交渉スキルが泣けるほど低かった。
「てやぁーッ!」
「おぼふゥッ!?」
やがて小柄な体躯から繰り出された改心の一撃。すべての男にとっての弱点に、容赦ないキックが見舞われる。
「ふ、不覚…ッ!」
「え~と、や、やりすぎちゃったかな…?」
ダイナミックに苦しむ深遠の暁信者に、思わず憐憫の視線を向けるちびのノルド。
かくして…
「すいません、やりすぎました」
「いいよ。もう気にしてないから」
一方的に襲撃されたにも関わらず、なぜか加害者のような立場になっているちびのノルド。
というか、深遠の暁信者の態度がすごく、でかい。
「はぁ…もっと精進しなくちゃ」
いろいろと精神的に未熟な部分が残るちびのノルド、遠くに浮かぶ月(かどうかは知らないが)に向かって誓いの拳を掲げるのであった…
ゲームプレイ日記ってこんなんでいいんですか。
(でっちあげを日記とは言わねぇ)
楽しい写真が撮影できるのはMOD製作者様たちのおかげでございます、と取ってつけたように付記してみたり。
そのうち解説記事なんかも書くかもしれません。ぬんどくさいのでたぶんやらないけど。