主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。
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2015/01/28 (Wed)16:01
「なんというか、同族が落ちぶれてる姿を見ると何とも言えない気持ちになるね」
べつに港湾労働者を見下しているわけではない、ただスクゥーマが蔓延しているという話は聞き捨てならなかった。あれはカジートが持ち込んだ薬だが、だからといってカジートを犯人と断定するのは軽率というものだ。
スクゥーマがタムリエル中に蔓延しているのはもう随分と前からだし、ヒューマンやエルフが麻薬の密売に関わることも珍しいことではない。
俺の名はアーケイド、アルゴニアンの商人だ。
生来の手クセの悪さから様々な宝飾品を盗んできた俺は、盗品を捌くためリフテンへとやって来ていた。ここに拠点を置く盗賊ギルドとコネクションを築くことができれば、俺の商売もかなり安定する。
手始めに与えられた入団試験のようなものを難なくクリアした俺は、リフテンの地下ラットウェイを抜けて盗賊ギルドの拠点へと向かった。
ラグド・フラゴンという酒場で盗賊ギルドの面々らしき人物たちと出会った俺は、試験の仕上げとして借金の滞納をしている三人の標的から金を回収してくるよう命令される。
ため息がちに渋々了承する俺に、相棒のボルガグが一言。
「…これがお前の狙いなのか?」
「いやスマン、宛てが外れたかもしれん…」
様々な手を使って借金を回収した俺は、ようやく盗賊ギルドの一員として認められる。
「しかしまあ、なんというか…盗賊っていうか、ただのヤクザじゃねーかこいつら」
他の大陸の盗賊ギルドはもう少しスマートな連中だと思ったが、などと愚痴を零しつつ、俺は次の任務を賜る。それはゴールデングロウ農場の養蜂施設を焼き払い、農場の所有者アリンゴスの金庫の中身を掻っ攫うというものだった。
かつてゴールデングロウ農園はリフテンの有力者ブラック・ブライア家のためにハチミツ酒の原料を降ろしていたが、あるときブラック・ブライアとの取り引きを一方的に打ち切って独自に商売を始めたらしい。単なる独走か、あるいは商売敵による工作かはわからないが、ともかくブラック・ブライアとしてはこの事態を看過できないわけだ。
「いいか、今回の目的はあくまでも見せしめだ。養蜂施設を全部焼くなよ、それじゃ何の意味もないからな」
ブリニョルフの指示に、俺は返事をせず首を振りながら地上へ続く階段を上がっていく。
ブラック・ブライアのトラブルの対処に盗賊ギルドが駆り出されるのは、ギルドにとってブラック・ブライアが重要な顧客だからだ。はじめリフテンに来たとき、俺はブラック・ブライアを裏で操っているのは盗賊ギルドだと思っていた。しかし実際は逆で、盗賊ギルドがブラック・ブライアの手先としていいように使われているだけらしい。
現在スカイリムの盗賊ギルドは凋落の一途を辿るのみで、ほとんど壊滅寸前であることは酒場の店主から「何度店を畳もうと思ったか知れない」という言葉を聞くまでもなく理解できる。
はっきり言って現状マトモな商売ができるような状態ではないのだが、盗品の売買には連中の手を借りるしか手はない以上、不本意ながらギルドの再建に尽力せざるを得ないようだ。もちろん、それは俺の商売上の利益を考えての行動だ。
「…地道に話術スキル上げたほうが良かったかもしれんなー」
ここで一度、俺はボルガグと別れることにした。
盗賊の仕事は隠密性が求められる。彼女の重装鎧はその妨げになる恐れがあるし、なにより彼女をあまり汚れ仕事に関わらせたくはなかった。彼女を雇ったのは、なにも犯罪の片棒を担がせるためではない。
盗賊ギルドの仕事にかかる前に、俺はルイス・レットラッシュという男から請け負った仕事を先に片付けることにした。
彼はブラック・ブライア家の一員であるシビ・ブラック・ブライアからフロストという馬を借金してまで買ったのだが、その譲渡書を得る前にシビが投獄されてしまい、話がご破算になる寸前らしい。
手の振り一つで人の人生を破滅させることも可能なブラック・ブライア家の人間が投獄された理由については、どうも家庭内不和らしいのだが…
マルカルスのシルバーブラッド家はたんなる成金だったが、ブラック・ブライア家はれっきとした裏社会の人間だ。盗賊ギルドとも深い繋がりがあり、俺としても敵に回したい相手ではない。しかし、だからといって盗みを働かない理由にはならない。
「これから付き合う連中の懐具合を確かめてやるとしようか」
かなり危険な仕事なのは確かだったが、この難題をこなすことで今後ブラック・ブライアに対して精神的優位に立てるというのは悪いもんじゃない。
俺は真夜中にブラック・ブライアの別荘に侵入し、留守を任されているらしい傭兵たちの警備を掻い潜りながら馬の血統書とフロストそのものを奪い、見事に逃走してみせた。
「いやしかし、馬の乗り心地ってのも案外悪くないもんだね。購入を考えてもいいかもしれんな」
リフテン郊外で待機していたルイスにフロストを引き渡し、俺は川岸に腰かけ物思いに耽った。
「…街は腐りきってるが、風景は綺麗な場所だよな」
その後、リフテンへの帰路でルイスが何者かに殺害される現場を目撃。どうやらブラック・ブライアが放った刺客らしい、そりゃああんな二頭といない名馬を乗り回してれば誰にでも気付かれるよな。
近くにいたらしい山賊との交戦に入ったブラック・ブライアの刺客をもろとも闇討ちし、俺はリフテンへと帰還した。
「ヘラジカが埋まってる!」
…リフテンへ帰る途中にて。
「盗賊だ殺せーッ!」
リフテンへ戻ると、衛兵と盗賊が大立ち回りを演じていた。服装を見るにギルドのメンバーらしいが、地下の拠点で見た顔ではない。余計なことをして怪しまれたくなかった俺は、便乗して衛兵とともに盗賊をボコボコにする。
これぞ同業のよしみというヤツだ、衛兵に追われるようなマヌケを同業者として生かしておくわけにはいかない。
夕刻過ぎ、俺はいよいよ水路からゴールデングロウ農場へ侵入を図る。
「基本的に盗賊ギルドは殺生はご法度だが、今回はその限りじゃないようだな。脅しが目的っていうなら、それらしい見せしめが必要だよな?」
闇に紛れつつ、俺は周囲を徘徊する傭兵を弓で排除していく。
「これまで盗賊ギルドの侵入を寄せつけなかった自慢の傭兵たちが皆殺しになったと聞けば、アリンゴスも少しは後悔するだろうさ」
農場に侵入した俺は金目の物をすべて奪い、傭兵たちを残さず始末したあと、養蜂施設に火を放った。
「これが盗賊ギルド再興のための狼煙となるわけか…」
かつてスカイリム全土に影響力を持ち、あらゆる富が集まったとされる盗賊ギルド。今では見る影もないが、その再興を待ち望むギルドメンバーも多いようだ。
なら、俺がそのきっかけを作ってやろうじゃないか。
任務達成後、俺はブリニョルフから「メイビン・ブラック・ブライアがお前を呼んでる」と聞かされる。メイビンはブラック・ブライア家の頭目で、ここリフテンでもっとも怖れられている女だ。
「女主人直々にお褒めの言葉でもくれるのかい?ついでに喉をかっ切られるんじゃないだろうな」
「ハッハッハッ、彼女は殺意があれば回りくどい真似をせず殺し屋を送ってくるよ。心配するな、これは純粋にビジネスの話だよ。お前やギルドにとって有益な会合というわけだ」
実際、速攻で殺し屋に始末されたルイスの姿を目の当たりにしている俺はブリニョルフの言葉がウソや冗談ではないとわかっている。本人は笑っているが。
その後、俺はリフテンの宿屋「ビー&バルブ」にてメイビン・ブラック・ブライアと接触。
「ブリニョルフはまた頼り甲斐のない痩せこけた貧民を寄越したというわけね」
「スイマセンねぇ。マジすいませんねぇ」
リフテンが誇る女帝の辛辣な批評に俺はひたすら頭を低く下げつつ、新たな仕事のためホワイトランへ向かえという指示を受ける。
「ホワイトラン…そういえば俺、もともとホワイトランに大事な用があった気が…」
俺はビー&バルブに待機させていたボルガグを連れ出し、リフテンを出立することに決めた。
「そろそろタダ酒にも飽きてきたところだ」
「悪かったよ。その代わりってわけじゃないが、こいつで機嫌直してくれないかなー」
どことなく不機嫌そうなボルガグに、俺は黒檀の兜と鎧、そして小手を渡した。本当はブーツと揃えて一式プレゼントしたかったのだが、ブーツだけどうしても手に入らなかったのだ。
漆黒の装い新たに凛々しくなったボルガグに見とれつつ、俺はリフテンを出る。
「ホワイトランか。馬車を使うんだろうな?」
「いや徒歩で行くよ。ちょいと、あちこち寄り道する必要があってね」
またこいつは、と呆れたような表情を見せるボルガグに、俺は悪気もなく答える。
道中で怪しい帝国兵に遭遇、通行料として100G取られる。
「なぁ、どう思う?あいつら本物の帝国兵だと思うか?」
「偽者だな。すぐ近くに裸の死体がなくともそれくらいわかる」
つい先刻殺され鎧を脱がされたと思しき死体を見つめながら、俺たちは悠然と立ち去る偽帝国兵たちに向かって容赦なく矢を放った。
またあるとき。
「おい、怪我ぁしたくなかったら金目のモン出しな!」
「俺がそんな裕福に見えるっていうのか?(説得)」
「ム…それもそうだな。それじゃあ、とっとと失せろ」
俺の商人流話術にすっかり騙された同郷の盗賊、背を向けた瞬間に魔法の矢を浴びたことは言うまでもない。
「碧水晶の鎧にブーツ、こいつめっちゃ良い装備してんじゃねーか!ていうか帝国兵に化けた強盗をシバいたのついさっきだぜ、リフテン周辺にはこんな連中しかいねーのか」
さらに先へ進んだところで、焼け落ちた農場を発見。
火事か、事故か?あるいはトラブルか…
痕跡を探っていた俺は焼けた死体から火の精霊を呼び出すためのスクロールを、そして地面に描かれた即席の(そして、幾分でたらめな)魔方陣を発見する。
「こりゃあ…自業自得ってやつだな」
「フーッ、魂石を仕掛けに使う魔法罠を解除するには魂石を矢で落とせばよかったのか。我ながらナイスグッドアイデアだよな相棒?」
「そのナイスアイデアを思いつくまでに何回死んだか知れんがな、相棒」
「そんなことを言っちゃイカン…」
リフテン近郊の祭壇にて。
「洞窟があるな。運が良ければクマが、悪ければトロールが出てくる」
「気の利いたことを言ってくれるねぇ…」
ボルガグに脅されつつ、クリスタルドリフト洞窟へ侵入。クマだのクモだのを排除しつつ、中で息絶えていたガンドノールという男の死体の近くから一風変わった魔法の杖を発見する。
「なかなか珍しいデザインだな。けっこうカッコいい」
「強力なモノなのか?」
「う~んとだな、レベル4までの生物を激昂させる効果がある、と」
「…相棒、いまレベル幾つだった?」
「43。ゴミだなこれ」
「ああ。ゴミだな」
ダークライト・タワーにて、イリアという魔女と出会う。
「私は母に生贄を連れて来いと言われたんです。でも、そんなことできなくて…母も、母に従属する仲間たちも、私にとってはもう耐えることができません。これ以上の非道を行なう前に、彼女たちを止めたいんです!たとえ、その命を奪うことになったとしても…!」
一見フォースウォーンの集落に見えたこの塔は、どうやら魔女たちの棲家だったらしい。
俺はイリアに協力することを決め、塔の上階に棲む魔女の親玉…イリアの母を追った。
「おい相棒、あの女一人でどんどん先に進んでいくぞ!大丈夫なのか?」
「大丈夫じゃ…っていうかあの女めっちゃくちゃ強ぇじゃねーか!?俺たち必要なくね!?」
強力な魔法を操りかつての仲間たちを一瞬のうちに打ち滅ぼしていくイリアの背中を眺めながら、俺とボルガグは「もうあいつ一人でいいんじゃないかな…」などと考えつつも先へ進む。
やがて母シルヴィアと対峙したイリアは、俺にある提案を持ち出す。
「母を油断させるために、私が生贄としたあなたを連れ出したと思わせるのよ。そして母が油断した隙に、いっせいに攻撃を仕掛けましょう」
その言葉を聞き、反対はできんだろうと考えながら、俺は「ああこれ悪いパターンだ」と直感的に悟っていた。
これアレだ、じつはイリアとシリヴィアはグルで、マジで俺を生贄に捧げる気なんだろう。
万一の事態を想定し、俺はボルガグに「もしイリアが怪しい動きをしたら二人もろとも斬り捨てろ」と指示。
生贄役を買って出た俺にシルヴィアがのこのこと近づいたところ、イリアは計画通りシルヴィアを攻撃。さらにボルガグと俺がよってたかってボコボコにし、おそらく魔女としてはかなりの実力者であったろうシルヴィアはあっという間に息の根を止められることになった。
「これで良かったんです。これで…」
正義のためとはいえ、実の親を手にかけたせいだろう目に涙を浮かべるイリア。
一方で俺は奇妙な罪悪感に囚われていた。
「取り越し苦労だったな、相棒」
「…俺、心が汚れてんのかな……」
ポンと俺の肩に手をかけるボルガグ、俺はただ自分の不純さに言い様のない疲労を覚えるばかりだった。
なんだかんだで戦利品が溜まってしまったため、一度リフテンへ引き返すことに。
朝のリフテンにて、空気イスで酒を呷る衛兵を目撃する。
「その手を近づけるな!」
「あ、スイマセン…」
声をかけようとした俺を一括する衛兵、なにかイヤなことでもあったんだろうか…
→To Be Continue?
どうも、グレアムです。盗賊ギルドのヤクザっぷりに驚いております。
いや義賊を期待してたわけじゃありませんが、にしてもこれは盗賊じゃねーだろと思うことしきり。なんで俺ゴッドファーザー(withゲーム版)みたいなことしてんだ?などと思いながらプレイしておりました。これなんてファンタジー版GTA。
あと窃盗スキルをレジェンダリー化しました。ちょっと余分にポイント振り過ぎてたんで。
しかし今作はホント密度高いなー。クエストジャーナルがあっという間に増えていく。このへんの管理がもうちょっとしやすいと良かったんですが。
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