主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。
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2013/01/22 (Tue)12:50
「Metro2033」
雰囲気ゲー、という言葉がこれほど似合うゲームもそうそうないと思う。
個人的には本作を「FPS-RPG」と呼ぶのには抵抗がある。本作におけるRPG要素といえばアイテムの売買システムくらいで、それもさほど必然性を感じないものだからだ(もちろん、ゲームプレイのアクセントくらいにはなっている)。
ゲーム進行はまったくのリニアで、幾つかシナリオの分岐点のようなものが用意されてはいるが、それ自体はFPSというカテゴリの範疇を越えるものではなく、RPGと定義するには少々弱い(たとえば「Spec Ops : The Line」を「FPS-RPG」だと紹介する人はいないだろう)。
本作が優れているのは、本来主人公の持っているはずのパーソナリティを徹底的に排除し(ステージ開始時に主人公のモノローグが語られはするが)、「プレイヤー=主人公」として感情移入させることに注力した点にある。なぜその点に注目したかというと、このゲームには原作小説が先に存在し、そしてゲームの開発に原作者が大きく関わっているからだ。
ちなみに原作のアルチョムは人生に対する青臭い悩みを持つ、極めて歳相応の青年であり、ゲームと違ってやたらと敵対者を殺して回ったりなどしない。というか戦闘が発生すること自体が極めて稀だ。
原作の内容だけを見れば、むしろADVとして製作したほうがしっくり来たはずだが、それを戦闘がメインのFPSとして製作し、そしてFPSに適合する形で原作をコンバートできたのは、原作者ドミトリー・グルコフスキー自身が「ゲーマー」であり、ゲーム製作における自身の役割をきちんと理解していたからに他ならない。
実際、原作の持つ文学的な要素が蔑ろにされているのかといえば決してそうではなく、原作既読者であればニヤリとできる演出が至るところに散りばめられており、「原作つきのゲーム」として、原作ファンが合格点を上げるに足る出来に達している。
要するに、メトロ2033というのは言ってしまえば「原作つきのキャラゲー」なのだ。もし自分が主人公アルチョムだったら、という視点で、原作者ドミトリー・グルコフスキーが構築した退廃的メトロ世界を舞台に、原作に登場した個性的な面々とともに冒険をするキャラゲーだ。
グレさんは本作を「キャラゲーの一つの完成形」として認識している。つまりMetro2033とは原作の持つ雰囲気を完璧なまでに再現し、原作の世界を、物語を、「プレイヤー=自分自身」として追体験できるゲームなのである。そういう視点で見れば、本作がいかに出来の良い、優れたゲームであるかが理解できるはずだ。もちろんその場合、「ファンアイテムとして」という余計な但し書きがついてしまうのだが…
そういう観点から見れば、たとえば「RPG要素が少ない」「オープンフィールドじゃないの!?」「S.T.A.L.K.E.R.と全然違うじゃないか!」という評価がいかに的外れであるかがわかる。もちろん、これはパブリッシャー側の事前の宣伝ミスによるところが大きい。最初から原作ありきの、原作をプレイヤー自身が追体験する「アドベンチャーゲーム」として宣伝していれば、もっと正当な評価が得られたはずである。
とはいえ、FOVの狭さだけはちょっと容認し難いのだが…コンシューマ版は性能的に仕方がないとはいえ。
** ** **
とりあえず、今回のレビュー企画はここで打ち止めにしたい。
本当はKingpinなども書こうと思ったのだが、プレイ当時の記憶を思い起こすに「あまり書くこともない」と思い直したりもして。あとS.T.A.L.K.E.R.が入るならCodename:outbreakも入るだろうと思われるかもしれないが、実はプレイできていないのだ…いやソフト(日本語版)は持っているのだが、どうにもマトモに動作しなかったり、現在使っているマシンでは起動すらできなかったりして(パッチを当てても変わらず)、棚の肥やしになっている。
あと以前デモ版のプレイ記事を書いたNecroconだが、これ、タイトル間違えてた…正しくは「Neocron」。そりゃあ情報も出ないはずだよな…どうやら2も出ていたらしく、現在2はフリーで公開されている模様。興味のある方は調べてみては。もっとも当該タイトルはマルチ専用なので、グレさんはスルーしたけれども。
そして最初に「理想のFPS-RPG像を模索したい」と書いたのだが、これが書き出してみるととても膨大な分量になり、おまけにどうでもいいことばかり細かく書いてしまったりして、ちょっと纏めきれなくなってしまったので、とりあえず今回は「保留」ということにしておきたい。尻すぼまりな企画ですまない…
雰囲気ゲー、という言葉がこれほど似合うゲームもそうそうないと思う。
個人的には本作を「FPS-RPG」と呼ぶのには抵抗がある。本作におけるRPG要素といえばアイテムの売買システムくらいで、それもさほど必然性を感じないものだからだ(もちろん、ゲームプレイのアクセントくらいにはなっている)。
ゲーム進行はまったくのリニアで、幾つかシナリオの分岐点のようなものが用意されてはいるが、それ自体はFPSというカテゴリの範疇を越えるものではなく、RPGと定義するには少々弱い(たとえば「Spec Ops : The Line」を「FPS-RPG」だと紹介する人はいないだろう)。
本作が優れているのは、本来主人公の持っているはずのパーソナリティを徹底的に排除し(ステージ開始時に主人公のモノローグが語られはするが)、「プレイヤー=主人公」として感情移入させることに注力した点にある。なぜその点に注目したかというと、このゲームには原作小説が先に存在し、そしてゲームの開発に原作者が大きく関わっているからだ。
ちなみに原作のアルチョムは人生に対する青臭い悩みを持つ、極めて歳相応の青年であり、ゲームと違ってやたらと敵対者を殺して回ったりなどしない。というか戦闘が発生すること自体が極めて稀だ。
原作の内容だけを見れば、むしろADVとして製作したほうがしっくり来たはずだが、それを戦闘がメインのFPSとして製作し、そしてFPSに適合する形で原作をコンバートできたのは、原作者ドミトリー・グルコフスキー自身が「ゲーマー」であり、ゲーム製作における自身の役割をきちんと理解していたからに他ならない。
実際、原作の持つ文学的な要素が蔑ろにされているのかといえば決してそうではなく、原作既読者であればニヤリとできる演出が至るところに散りばめられており、「原作つきのゲーム」として、原作ファンが合格点を上げるに足る出来に達している。
要するに、メトロ2033というのは言ってしまえば「原作つきのキャラゲー」なのだ。もし自分が主人公アルチョムだったら、という視点で、原作者ドミトリー・グルコフスキーが構築した退廃的メトロ世界を舞台に、原作に登場した個性的な面々とともに冒険をするキャラゲーだ。
グレさんは本作を「キャラゲーの一つの完成形」として認識している。つまりMetro2033とは原作の持つ雰囲気を完璧なまでに再現し、原作の世界を、物語を、「プレイヤー=自分自身」として追体験できるゲームなのである。そういう視点で見れば、本作がいかに出来の良い、優れたゲームであるかが理解できるはずだ。もちろんその場合、「ファンアイテムとして」という余計な但し書きがついてしまうのだが…
そういう観点から見れば、たとえば「RPG要素が少ない」「オープンフィールドじゃないの!?」「S.T.A.L.K.E.R.と全然違うじゃないか!」という評価がいかに的外れであるかがわかる。もちろん、これはパブリッシャー側の事前の宣伝ミスによるところが大きい。最初から原作ありきの、原作をプレイヤー自身が追体験する「アドベンチャーゲーム」として宣伝していれば、もっと正当な評価が得られたはずである。
とはいえ、FOVの狭さだけはちょっと容認し難いのだが…コンシューマ版は性能的に仕方がないとはいえ。
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とりあえず、今回のレビュー企画はここで打ち止めにしたい。
本当はKingpinなども書こうと思ったのだが、プレイ当時の記憶を思い起こすに「あまり書くこともない」と思い直したりもして。あとS.T.A.L.K.E.R.が入るならCodename:outbreakも入るだろうと思われるかもしれないが、実はプレイできていないのだ…いやソフト(日本語版)は持っているのだが、どうにもマトモに動作しなかったり、現在使っているマシンでは起動すらできなかったりして(パッチを当てても変わらず)、棚の肥やしになっている。
あと以前デモ版のプレイ記事を書いたNecroconだが、これ、タイトル間違えてた…正しくは「Neocron」。そりゃあ情報も出ないはずだよな…どうやら2も出ていたらしく、現在2はフリーで公開されている模様。興味のある方は調べてみては。もっとも当該タイトルはマルチ専用なので、グレさんはスルーしたけれども。
そして最初に「理想のFPS-RPG像を模索したい」と書いたのだが、これが書き出してみるととても膨大な分量になり、おまけにどうでもいいことばかり細かく書いてしまったりして、ちょっと纏めきれなくなってしまったので、とりあえず今回は「保留」ということにしておきたい。尻すぼまりな企画ですまない…
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