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2016/10/19 (Wed)14:39
どうも、グレアムです。
このところレベルデザインの研究のためにやや古めのPCゲームをちょいちょいプレイしてました。それが役立つかどうかはともかくとして…というわけで、今回はわりとマイナーなタイトル三選の紹介です。
一発目はSquad baseのFPS/TPS、「Deadly Dozen: Pacific Theater」。ただの汚ねぇアメリカ人が太平洋戦争で活躍するゲームです。
ダメージバランス設定がRealisticとArcadeで難易度が激変する本作、いちおうリアル系に類されるタイトルなのですが敵が出現(描画)と同時にこちらを認識して攻撃を仕掛けてくるクソゲーぶりをたまに発揮してくる(チートで敵の視野を視覚化すると、そのインチキくさい探知能力が露呈する)ので、修験者でもなければArcadeでライトに遊んでしまいましょう。
いちおう四人一組の分隊で行動することになるのですが、味方があまりアテになりません。いつでも他の隊員に切り替えができるので、実質予備機か荷物持ちという扱いになるのですが、ジャングルの中など入り組んだ地形でしょっちゅうスタックして行動不能になるので(ある程度プレイヤーと距離が離れるとその場で待機するうえ命令不能になるというクソ仕様)、わりとストレスフルです。
なにがストレスかっていうと、基本的に本作は脱出地点に生存者全員で向かわなければならないので、いつの間にか仲間がマップ中腹に置き去りになってたりすると、引き返すのがすげー面倒なんですよ。でもって本作はマップが割と無駄に広いので、それだけでかなり時間を消耗する破目になるのですね。
いちおう一人でもクリア自体は不可能ではないので、俺は終始単騎出動でプレイしてました。
上記の欠点を除けば、グラフィックの雰囲気は割と良いし、日本の兵隊さんの出来もそれなりで、楽しく遊べる小品に仕上がっています。現実ではほとんど実戦に供されなかった百式機関短銃を撃ちまくれるのもグッド。インベントリの管理がわりと楽しいんですよこのゲーム。
お次はコンソールライクな英国製TPS、「Made Man」。
TV脚本家デビッド・フィッシャーがストーリーを手がけ、アドバイザーにボナーノ・ファミリーの構成員だったビル・ボナーノ(ちなみに彼の父はボナーノ・ファミリーのボスであり、あのゴッドファーザーのモデルとなったジョゼフ・ボナーノ)を迎えた本作。
元ヴェトナム帰還兵がニューヨークの裏社会で活躍する物語、というのでプレイ前はGTAかMafiaのクローンかと思っていたのだが、実際はオープンワールドではなくステージクリア型のアクションMax Payneのクローンであった。
モノホンのメイドマン(マフィア幹部)をアドバイザーに据えてはいるが、史実に基づいたリアルなストーリーというわけではなく、ゲームプレイ中は終始ありきたりな銃撃戦が続く。おそらく本作におけるビル・ボナーノの関わりはストーリーそのものではなく、細部のディティール考証やネタ出しと思われる。
ギアーズ登場以前、カバーアクションが洗練されていなかった時代の産物(カバーアクション主体のTPSの原型はNamcoのKill Switchか?)なので、カバーアクション主体とはいえ使い勝手は良いとはいえない。
バレットタイムもゲージがMaxにならないと使えず、さらに発動させると途中で中断してもゲージが0になるというクソ仕様のためラストエリクサー状態になりがちだ。
ストーリー展開はかなりデタラメで、脈絡なく時系列が前後するので混乱するし、すぐにどうでもよくなる。ステージ間のロードを挟んだあと、何の説明も演出もなく場面がガラリと変わるのはどうなんだ。
たとえば…「印刷所の倉庫でFBIの襲撃を受ける」→脱出→「まったく関係ないミッションがはじまる」→クリア→「印刷所を襲撃するミッションがはじまる(FBIに襲撃を受ける前)」、といった具合。
また本作は字幕表示機能がないので、ストーリーをすべてリスニングで把握する必要がある。といっても、字幕があったからといって本作に対する印象が変わるとも思えないが…
テキトーにマフィアものTPSが遊びたいなら時間潰しにどうぞ、といった感じです。
実を言うと個人的には、まあ、そんなに嫌いでもないんですが。
最後はMonolithが放つFPS「Contract J.A.C.K.」。No One Lives Foreverシリーズのスピンオフだが、俺はNOLFシリーズは未プレイなので比較等はできないことを先に断っておく。
控えめなゴア描写、定点でスクリプト沸きし出現と同時にプレイヤーを認識して全力射撃を行ってくる敵、入手できる弾数が少ないなど中途半端にステルスゲーの名残があるシステム、ひたすら淡々と続く展開など、「Monolithどうしちゃったの?」と言いたくなる駄作である。
本作はNOLFシリーズがメディアから高い評価を得ているにも関わらず売り上げが伸びないことを勘案し、市場の反応を見るためにあえて銃撃戦主体のFPSとして製作されたものらしいが、いや、こんな片手間仕事はやっちゃいけないよ。たんに出来の悪いゲームだもんこれ。
敵AIの挙動など部分的にNOLFシリーズの名残と思われるステルスゲー要素が残っているんだけど、それらが一本道のランボーゲー的デザインと致命的に噛み合ってない。コア部分に手をつけず、レベルデザインと敵配置だけを変えて応急処置的にランボーゲーっぽく見せているだけなので、ゲームとしていろいろ破綻している。
たとえば敵は遮蔽物に隠れるなどの挙動を見せるが、それらはあくまで移動パスと遮蔽物の配置のみを考慮して行われるため、プレイヤーの行動と紐づけられておらず、プレイヤーが近づいても壁に張りついたまま遠方の敵と戦っているかのような仕草を平然と続けるのである。
そもそもマップが一本道で行動の選択肢が存在しないので、敵AIがマトモに機能していない。
おそらくMonolith自身も反省はしたのだろう、このContract J.A.C.K.をたんなる失敗作として闇に葬らず、本作における欠点を徹底的に追求し昇華したのが、あの「F.E.A.R.」シリーズなのではないか…という気がする。
本作はまったくの駄作だが、F.E.A.R.の叩き台となった実験作として資料的価値はあると思う。
…普通にゲームしてるだけだおれ。
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