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主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。 生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。 http://reverend.sessya.net/
2024/11/24 (Sun)02:53
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2016/10/27 (Thu)01:24





 俺の名はアーケイド、アルゴニアンの商人だ。
 今回は真面目に学校へ行くぜ…もとい、魔術大学の活動に参加すべく、古代ノルドの遺跡サールザルへと向かうぜ。本来なら盗賊ギルドのヤマを先に片づけるべきなんだけど、そっちは、まあ、ちょいと置いておこうじゃないか。カーリアには悪いけど。
 なにせ話が何も進んでないもんで、そろそろ冒頭に書くべきことも枯渇してきたのよ。というか、俺なんでスカイリムに居るんだっけ?たしか帝国軍とストームクロークの戦争に巻き込まれて…ドラゴンの危機があって…そろそろ放っておくとマズイよなあ。
 オークの女戦士を伴ってのトカゲ旅、まだまだのんびり続きます。







 サールザルの前には、俺を待っていた…のかどうかは知らないが、トルフディルとブレリナ・マリオンの二人の魔術師が寒空の下で立ち話をしていた。






「遅かったですね」
「あ、よく言われます」
「よく言われたらいかんだろう」
「スイマセン…」
 控えめな叱咤を受け、俺は頭を平に下げる。いや、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
 なんせヘルゲンに出現したドラゴンの報せをホワイトランへ持っていくのに四ヶ月も要した男である。べつに遊び歩いていたわけではないのだが、寄り道癖はそろそろ何とかせにゃいかんと自分でも思う。
 今回の発掘活動における魔術師たちの纏め役らしい老トルフディルに続いて、俺たちはサールザル内部へと入った。

 どうやら大学側に確たる発掘の理由はないらしく、なんとか学術的、魔術的価値のある遺物が発見できれば良い、といったものであるらしい。
 とりあえず俺は発掘品の目録作成の手伝いをすべく、あちこち見て回っていたのだが。






『待て、魔術師よ。たぶん魔術師だと思うが、よく聞くんだ…』
「で、で、で、出たあぁぁぁーーーっ!!」
 たまたま入った部屋で幽霊と遭遇。エンカウント。
 俺はこの、幽霊とか亡霊といった類のものがあまり得意ではない。なにせ個体によって特質が全然違ったりするので、その正体を見抜くのに大変難儀するのだ。
 ていうか、死人は大人しく寝ててくださいよ。死んだんだから。死後も現世でウダウダしてるとか非常識にもほどがある。






『この避けられぬ事態は貴様が引き起こしたこと。最悪の事態を避けるため、貴様自身が危険に対処せねばならぬ』
「死ねえぇウダラアーッ!」
『話を聞け』
 遮二無二霊体に斬りかかるも、エンチャントを付与した特製のカタナが通用しない。なんてこった、こいつ、ただのゴーストじゃないぞ!これだからイヤなんだよ実体のない連中は!
「お引取りください!帰ってください!」
『ああ、もうこの世界ダメかもしれん。とにかく、サイジック会が見ているからな』
 そう言って、霊体は姿を消した。
 同行していたトルフディルが眉をひそめて俺に尋ねる。
「いったい、何が起こったのだ?」
「見てなかったのかよジーサン、ボケた?老眼?」
「いまの無礼は水に流すから、何が起きたのか話しなさい」
「いや、その、恐い顔で見ないでくださいよって。なんかあの、魔術師みたいな格好した亡霊がですね、この世の危機が迫ってるとかって、類稀なる才能を持つスーパーヒーローたる俺が最後の希望だから、美しくカッコ良く世界を救ってくれってそう言ったんですよ」
「時間の無駄だったか…」
「いやあの、すいません。余計な脚色を抜きにすればでも、そんなに間違ったことは言ってないですよ!?あと、サイジック会がどうのこうのって」
「サイジック会?その名は久しく耳にしていなかったが」
「なんですね、サイジック会てぇのは」
「知らんのか?フム…無知が適当に出せる名ではないからな。なるほど、君がデタラメを言っているわけではないのかもしれん」
 トルフディル曰く、サイジック会というのは魔術師たちで構成された秘密結社の一団らしい。会員のほとんどはアルトマーで構成されており、サマーセット群島の一つであるアルテウム島を拠点に活動していたが、百年以上前に島ごと組織が忽然と消え失せてしまったらしい。
 謎は深まるばかりだと、トルフディルは思案に暮れた。
「そもそも、この遺跡はサイジックとは無縁のはずだ。古代ノルドの墓所だからな…迫り来る危機というのも気になる。とりあえずは、深部の探索を続け…」
 そこまで言いかけ、トルフディルは壁に立てかけられた棺の蓋が動いていることに気づく。
 棺から、古代ノルド人のアンデッド…ドラウグルが姿を現した!






「チェリィヤアアァァァ!」
 俺とボルガクにとっては慣れたる相手、出現と同時に斬りかかり、その動きを封殺する。
 ボルガクの持つドーンブレイカーの力でアンデッドどもは焼き払われ、青白い炎が周囲を覆う。身体に触れても熱さを感じない、不死者のみを焼く清浄なる炎だ。
 敵対者の死を確認したのち、ボルガクが俺に尋ねる。
「そういえば相棒、すこし前から見慣れない剣を持っているな」
 翡翠晶のような発光体が埋め込まれた、濡れた氷のような輝きを見せる刀身のカタナを見つめるボルガクに、俺が説明する。
「俺が一から鍛造した、特製のカタナだよ。氷結と魂縛のエンチャントが付与されている…その刀身は二尺四寸、反り六分。凍りつき眠るように魂を奪う、その銘を名付けて『泉州時次郎拵(せんしゅうときじろうこしらえ』。お控ぇなすって」
「銀製か?」
「デイドラ製です。薄く軽く磨いてあるから、重装甲相手の打倒力にはちぃと劣るんだけどね。まあ、暗殺用ですよ」
 実を言うとこのカタナ、内部的にはダガー扱い。攻撃力はデイドラ製ダガーと同じ、それを鍛冶スキルで鍛えたものの、本気の重装戦士相手に正面から挑むにはやや心許ない代物だ。
 が、背後からの突き…隠密16倍アタックが成功すれば、ドラウグル・デス・ロードですら一撃確殺である。






 その後もドラウグルたちとの戦いは続く。
 隠密の余地もなく正面からの戦いを強いられる状況、普段は魔法を使う俺も新造のカタナの威力を確かめるため、慣れない近接戦闘に積極参加するが…
「ボルガクさん、矢が俺に当たってるよ!それとジーサン、攻撃魔法が俺に当たってるよ!」
 屋内では、仲間の射線に立ってはいけない。






 ひととおり雑魚どもを片づけたあたりで、強力なドラウグル・スカージとの交戦に移る。






 ボルガクのドーンブレイカーがドラウグル・スカージの腐った肉体を焼き、トドメに俺のカタナが一閃、トドメを刺す!
 遠方から魔法で援護しつつその光景を見ていたトルフディル、感心したようにつぶやく。
「まさか、これほど腕が立つとは…」
「いちおう、場数は踏んでるんでね」






 カタナを鞘に納めると、俺は懐に手を突っ込み、「それ」を取り出しながら見栄を切った。
「俺がこんなに強いのも、あたり前田のクラッカー!」
「相棒おまえ、いつの間にそんなもの用意した…?」
 はい、これがやりたかっただけです。研磨された月長石をベースに製作しました。ビニールっぽい質感がリアルで自分でも気に入ってます。寸法とかはかなりデタラメですが。
 前田のクラッカーはともかく、続々と再生をはじめたドラウグルたちにトルフディルが興味深い視線を投げかける。
「私はいままで数々のノルドの遺跡を見てきたが、このようなものは見たことがない…」
「えーマジ?俺ら、しょっちゅう見てるよなあ?ボルガクさん」
 しかしこの爺さん、なんか怪しいな…そもそもこの遺跡の発掘は、誰の主導で行われているんだ?
 若干の懸念を抱きながら、俺とボルガクはトルフディルとともにサールザルの深部へと向かった。






「あれはいったいなんだ?」
 サールザル最深部にて、俺たちは奇妙なものを見かける。
 シールドのようなものに覆われた魔術的な物体、そして玉座に身を沈めるドラウグルが一体。あれこそはゴールドールの息子の一人ジリク・ゴールドールソン。
「ツェアアァーッ!」
 ドラウグルの急所は寝起きである。覚醒するまで隙だらけであることを知っている俺は、物を考えるより先に眼下のアンデッド・ロードへ斬りかかる!
 が、しかし…研ぎ澄まされた刃はジリクの皮膚で止まり、ダメージを与えることができない!
「え、ちょ…っ!?」
 驚く俺を振り払い、ジリクは火炎魔法をぶつけてくる。
「あち、あち、あちちっ!なんだよもう、こいつも無敵なのかよ!さっきの亡霊といい、チートどもが!」
「あの結界だ!あれは私が引き受ける、それまで時間稼ぎを!」
 慌てて飛び出しつつ、トルフディルが謎の魔力障壁へ向けて破壊魔法を繰り出す。
 時間稼ぎといったって、俺は近接戦闘は苦手なんだって!たいてい強敵は隠密弓で葬ってきたしなあ…などと思いつつ。当然ながら相手には魔法も効かない、効かない魔法は抑止にはならない。剣を使って動きを止めるしかない。
 ただでさえ分の悪い戦い、じりじりと追い詰められた矢先、トルフディルの攻撃を受け続けていた魔力障壁が消失する!
「いまだ!」






「悪ィが、兄弟のところへ行ってくんねぇかな…おまえの弟二人は先に地獄へ里帰りしてるからよ」
『キ…キサ…マ……!』
「おまえの弟殺したのな、俺だよ。特に隠密弓の奇襲一発で死んだシグディスには、よーく言って聞かせてやるんだぜ」
 致命打を受けたジリクの身体が炎に包まれ、納刀と同時に爆発四散する。
 焼け落ちた塵の山からゴールドールのアミュレットの欠片を回収すると、そのことをトルフディルに見られていないことを確認し、俺はぼそりとつぶやいた。
「三つ集まったけど…特に何もねぇな」
「なにか?」
「いや別に?」
 トルフディルに向き直り、俺は改めて巨大な球体…おそらくはジリクに無敵の加護を与えていたであろう、謎の構造物を見つめて言った。
「しかし、いったいなんだい、これは」
「皆目検討がつかんな。こんなものは見たことがない…悪いのだが、今回の件を大学に報告へ戻ってくれないかね?」

 俺は一度サルザールから離れ、ウィンターホールド大学へと戻ることになった。
 しかしこの、なんだね、スカイリムってのはどんだけ危機が重なってるのかね。ドラゴンと内戦だけじゃ足りないらしい、そういえば吸血鬼騒ぎもあったよなあ…などと考えつつ、俺の旅はまだまだ続く。





【 →To Be Continue? 】








 どうも、グレアムです。ほんのちょっとだけ話が進みました。たぶん。
 アーケイドの使う刀「泉州時次郎拵」はWeapons of the Third Eraで追加されるDaedric Katanaの改変です。Iron Katanaの鞘を追加、発光部分を赤から水色に変更(&発光の強さを十倍)し、TextureをDaedric系からSilver系に変更しています。本当は鍔をなくしたかったんですが、本ModのMeshは本体(刀身、柄、鍔)がすべて一体になっていてパーツ別に分かれていなかったので、そうなるとBlenderの手を借りる必要があり面倒なので手をつけませんでした。
 前田のクラッカーは本文中でも触れた通り、研磨された月長石の改変です。Textureを適当に改造しただけですが。落とすと重い音がします。
 泉州時次郎拵ともども、元ネタは「てなもんや三度笠」ですね。なぜか今更ハマってしまっていたり。しかしこれ、マスターが現存してないので、視聴手段がかなり限られてるんですよね。残念です。














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