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主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。 生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。 http://reverend.sessya.net/
2020/05/27 (Wed)03:02


 
 
 
 
 

 

ATOM RPG Replay

【 Twenty Years In One Gasp 】

Part.11

*本プレイ記には若干の創作や脚色が含まれます。
 
 
 

 
 
 
 我が人生に幸多からんことを。
 
 
 
 
 
 
「ついに見つかってしまったか!私は細心の注意を払っていたというのに、しかしなぜ!?ええい貴様、私の言葉が理解できているな!?一族の裏切り者が、ふたたび血の歴史に刃を振るおうというのか!その悪しき計画を遂げさせるとでも思うか、私にはすべてお見通しなのだ!」
 全身に銃弾を喰らって意識が朦朧としているところへ、アルミホイル製の帽子をかぶった狂人がわけのわからないことをわめきながらこちらへ近づいてきたとき、他にどういう単語を思い浮かべればいいというのか?
「どうした、なぜ何も言わぬ?この私を恐れているのか?いや、そんなはずはない!なぜなら貴様は大罪者、極悪人なのだから!罪悪感や恐れなど抱くはずもない、そうではないかね?この、悪魔の化身め!」
 酔ってんのか?
 少し離れた距離からでも男の口から芬々と漂うウォッカの臭いが鼻を突いたが、男の態度はたんに酔っ払っているというより、それ以前になにか、偏った思想に傾倒していると思わせる奇妙な一貫性があった。
 つまり、酔っ払った狂人というわけだ。
 そんなやつは相手にせず無視して通り過ぎればいいのだが、ナターシャがそうしなかったのは、男の手に錆びついたカラシニコフが握られていたからで、おまけにその銃口がナターシャに向けられていたからだった。
 さらに言えば、男の態度はトリガーを引く理由を探しているかのようで、それをこけおどしと侮るのは少々危険なように思えた。
「さあかかってこい、地球の裏側からやってきた爬虫類のオリオン星人め!にっくきヒュペルボレオスのアーリア軍団長めが!隕石を降らせて地球を破滅させようったって、そうは…」
 バン。
 偉大なるD.D.から授かったモーゼルの神聖なる銃弾が男の頭部を奇妙な帽子ごと貫き、狂人はぐらりと背中から地面に倒れた。名前すら尋ねる機会がなかったが、こんなやつの名前など、どうでもいい。戯言に付き合っていられるような気分ではなかった。
 どうやら男は道路脇にキャンプを設営していたようで、テントには大量の食料品(なんとコンデンスミルクの缶まで!)が保管されていた。自分で集めたのか、あついは道行く旅人から略奪していたのかはわからないが、ありがたく頂戴していこう。
 
 
 

 
 
 
 オトラドノエ村へ戻り、ナターシャは村長のコバレフへ事の次第を報告に行った。
 
 
 
 
 
 
 内側に"D.D."と彫られた高価そうな指輪…デニス・デニソビッチの遺品とともにエンジニアの生還を告げられたコバレフは、信じられないようなものを見る目つきで指輪とナターシャを交互に見つめ、やがて口を開いた。
「なんてことだ…こんな結末になるとは予想もしていなかった。君は本当にやり遂げたのだな?この地域にのさばる強盗どもを一掃した、というわけか!なんと言ったらいいか…私は口が達者なほうではないが、ただ…ただ、"ありがとう"。君の村に対する献身を、私は誇りに思う。こんな時代でも、正義の心は決して滅びてはいないのだな」
 苦言の一つでも言われるかと覚悟していたが、コバレフの口から飛び出したのは純粋な感謝の言葉だった。
 ナターシャとしては、廃工場のギャングを滅ぼしたのは正義や献身とは無縁の動機だったが、余計な反論をしてコバレフの心証を害することもないだろうと思い、口を閉ざしていた。
 誰の得にもならない余計な口はきくな、というのは、いつの時代、どこにいても変わらない鉄則だ。それにコバレフのような人間がこのような賛辞と、敬意の混じった微笑を他人に向けることは滅多にないだろうということを考えると、そのことが少し誇らしくもあった。
 合計で3503ルーブルの成功報酬を渡され(なぜ端数が余るのかと疑問が湧いたが、おそらく3ルーブルは余分な善意だろうと思うことにした)、少し欲が出たナターシャは賃上げの要求を試みる。
「犯罪組織を一つ、壊滅させたという英雄的行為に対して、その、相場からするとですね。もうすこし、報酬に色があっても…」
「いや。かつての刑事として言わせてもらえば、今回のこの報酬額はまったく正当なものだ。たとえ村の金庫にもっと多くの蓄えがあったとしても、私の意見は変わらなかったろう。理解してくれるね?」
「あ、はい」
 駄目だった。
「ところで」だしぬけにコバレフが言いかける。
「なんですか?」
「その傷は早いところ診てもらったほうがいいんじゃないのかね?」
 そうコバレフに言われ、ナターシャは自分の身体を見下ろした。
 薬の影響で何も感じなくなっていたが、ほとんど治療らしい治療もせず放ってある傷跡からは未だに出血が続いている。自分がスプラッター映画の被害者のような"なり"でいることに、ナターシャはようやく気づいたのだった。
 
 
 

 
 
 
 
 
 
「ふぅむ。君はミュータントでもなければ、背中からキノコが生えているわけでもないが、いままで私が診たなかでも、もっとも面白い患者であることは確かなのだな」
「あ、はぁ…」
 ドクター・ミコヤン、あるいはコンスタンティン、またあるいはミコやんと呼ばれる村の医師は、自らを吟遊詩人と称する風変わりな男だ。変わった人間だということは、なぜかコック帽をかぶっていることからも察せられるだろう。
 それでも医師としての腕前は確かで、手が空いている限りは無料で診察してくれる善良な男であり、村にとってなくてはならない存在なのだった。
 体内に埋まった銃弾を摘出し、止血処置を施したのち、ヒマシ脂と鯨油を主成分とする特製の混合薬を飲まされる…それらは古来より万能薬として用いられてきたとナターシャは何かの本で読んだことがあったが、はじめ、ミコヤンが塗り薬と飲み薬を取り違えているのではないかと本気で思った。あまりにもまずかった、というか、およそ人間が口に通すことを想定していない味と喉越しだったからだ。
 それでもしばらく経つと痛みがひいていき、覚醒剤の効果が切れた直後の禁断症状も現れなかったので、薬の効果は確かだったのだろうとナターシャは思った。
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 おそらくはナターシャよりも先にドク・ミコヤンに診察してもらったのだろうが、あんな環境にいたにしては後遺症を負った様子もなく給水ポンプの点検をしているエンジニアを発見し、ナターシャは彼に声をかけた。
「もう働いて大丈夫なんですか?」
「ああ」一瞬だけ怯えるように肩を震わせてから、エンジニアはナターシャの顔をまじまじと見つめた。美貌に見とれているというよりは、独房でシシャクのマカロフを向けてきたときの真性のギャングとしての佇まいと、ギャングどもを皆殺しにしたときの鬼気迫る殺人狂ぶりを見せた女が、たったいま目の当たりにしているのと同一人物だとは信じられない様子だった。「おかげさまで、助かったよ。あとは残り少ない寿命を数えるだけだと思ってたが、自分の人生を生きるうえで、あんな光景を目にする瞬間があるなどとは考えたこともなかったな」
「どうしてギャングなんかに捕まってしまったんです?」
「アルコールがそうさせた、というほかないな。恥ずかしながら!もう酒はやめることにしたよ…少なくとも、控えるようにはなるだろう。飲むたびにあの独房で過ごした日々を思い出すようじゃなぁ」
「私もお酒は好きなので、その悲しみは共有できます…」
「おう、ありがとうよ。それにしても、コバレフが君を送ったのか?独房で銃を向けられたときは、本当に撃たれるかと思ったよ。君はあの銃に弾が入ってないことに気づいてたのか?」
 その質問にナターシャは答えず、ただニッコリと笑っただけだった。
 まるで貯氷室に閉じ込められたようにエンジニアの表情が凍りついたが、すぐに控え目な愛想笑いを浮かべた。たんに性質の悪い冗談だと気づいたのだろう。
 そのお返しというわけでもないだろうが、エンジニアが次に発した言葉は、ナターシャの背筋を凍りつかせた。
「ところで、君はATOMなのか?」
「…なぜ、そう思われます?」
 口では平然と流したが、ATOMの名をエンジニアの口から聞いたとき、動揺しなかったと言えば嘘になる。
 なぜ彼がATOMを知っている?というより、彼はATOMの何を知っているのだ?そして、私をATOMのメンバーだと判断した根拠はなんだ?
 ATOMは秘密結社であり、外界での活動で自らの身分や組織については口外無用だ、とナターシャは教えられてきた。一方で、ウェイストランドにおけるATOMへの認知度、認識といったようなものは何一つ知らない。
 そういう場合、余計なことを言うまえに相手の出方を窺うべきだ、とナターシャは判断した。
 エンジニアが言った。
「数日前、村に兵隊の一団が来たことは聞いてるかい?俺は、その連中から話を聞いたんだ。なんでも自分たちはATOMのメンバーで、東にあるバンカーへ戦前のテクノロジーを回収するために向かっているんだと。そのときの彼らはひどく酔っていたが、それ以上のことは何も話してくれなかった」
 ほんの僅かな手がかりしか得られなかった、というふうにエンジニアはつぶやいたが、ナターシャとしては、調査団のなかに致命的に口が軽いやつがいたものだと判断せざるを得なかった。
 エンジニアが話を続ける。
「じつは、俺が億万長者になれるとかいうホラを吹いて回ってたのは、今回に限ってはまんざら根拠がないことでもないんだ。もし兵隊たちの後についてって、バンカーから貴重品の一つでも持ち帰れれば、金持ちになれるんじゃないかと思ってね。実際はそれ以前の問題だったけど」
「それは…災難でしたね」
 つまりは口の軽い誰かさんのせいで、この哀れなエンジニアはシシャクのようなちんぴらの暴力の捌け口として利用される運命を辿ったわけだ、とナターシャは思った。自分がやったのは、その尻拭いだ。頭の痛い話だった。
 だが、そのことをエンジニアに知らせる必要はないだろう…そんなふうに考えるナターシャの表情を読むことなく、エンジニアはたんに自分の胸の内にある言葉を吐き出した。
「君の持つ雰囲気が、あの連中に似ていたからね。ひょっとしたら、仲間なんじゃないかと」
「そう?」
「でもまあ、そんなことはどうでもいいな。所詮、ATOMなんて御伽噺の中の存在に過ぎない。たぶん、あの兵隊たちは俺をからかってたんだろう、酔った勢いで。それはそうと、命の恩人に対して何か礼をしなくっちゃあな。村の外れに廃屋があるのは知ってるかい?」
「あの、地下室がある?」
「なんだ、地下室のことまで知ってるのか。偶然見つけたのかい?そこに金庫があったろう」
「ええ。私には開けられませんでしたが」
「それは良かった。でなければ、結果として金庫の中身を手に入れるのに、泥棒のそしりを受けずに済むわけだからね…あそこには俺のちょっとした蓄えが入ってるんだ。すべて持っていっていい、ナンバーは"7891"だ。覚えやすいだろう?」
「7からの連番、ですね。でも、いいんですか?」
「生きてれば金は稼げる。もしギャングどもに殺されてたら、金庫の中身と一緒に墓に入ることすらできなかったんだ」そう言って、エンジニアは肩をすくめた。
 彼はギャングに捕まったのを自分の過失だと考えているようだが、それが間違っていないにしろ、いささか自罰的すぎやしないだろうかとナターシャは思った。彼女にしてみれば、エンジニアがあんな目に遭ったのは、巡り合わせの悪さがそうさせたように思えたからだ。
 もちろん、そんなことをわざわざ口には出さなかったが。お調子者が素直に反省しているとき、あえて図に乗らせるようなことを言う必要はない。
 
 
 

 
 
 
 ふたたび廃屋の地下室へ下りていったとき、ナターシャは電気が消しっぱなしであることに気がついた。これではダイヤル錠の数字を読むことも、金庫の中身を確かめることもままならない。
 そう思って地上の電気スイッチを操作しようと思ったとき、村のほうから銃声がした。
 いまとなっては聞きなれたPPSの連射音が響き、男たちの怒声や女の悲鳴、家畜の鳴き声が一帯を覆う。暴発事故や射撃練習などでは有り得なかった。ナターシャはいまやダンに代わって新たな主人を見つけたモーゼルを抜き、銃声がしたほうを…村の入り口に向かって駆け出した。
 
 
 
 
 
 
 しかしながら、パーティに参加するにはいささか距離が遠過ぎた。
 ナターシャが辿り着いたときには、すでに闖入者たちは弾丸を全身に浴びて血の海に沈んでいた。負傷したヤンが、心配顔を向けるナターシャに手を振る。
「村の警備なんて退屈な仕事だが、ときにはこういう役目を果たさなくっちゃあならないこともあってね」
「あなた、怪我してる…!」
「心配ない、かすり傷だ。いや手を貸してくれなくても結構、べつに痩せ我慢をしてるわけじゃない。後でちゃんとドク・ミコヤンに診てもらうさ。もっとも、俺の相棒はそうはいかないがね」
 そう言って、ヤンは傍らでぴくりとも動かなくなった番犬のほうを見た。
 襲撃者のなかには銃弾とは違う、酷い咬傷を受けている者がいた。おそらく番犬は勇気をもって、自分の役割を果たしたのだろう。死を恐れずに。
 犬には良い思い出がない…
 
「どうやらリーダーを失ったギャングの残党どもが、短絡的な復讐を企てたらしい」
 事の次第をコバレフに報告したナターシャは、老人の苦悩の表情と直面することになった。先刻まで、村にとっての全ての障害が取り除かれたようだと確信していたコバレフの肩には、いまふたたび重荷がのしかかっているようだった。
「あのとき工場にいなかったギャングの生き残りどもは、行き場を無くした獣のように無軌道な暴力に走っている。すでに戦前の文明というものを頭からすっかり消し去っている彼らは、そういう生き方しか知らんのだ。なんとも嘆かわしい」
「私のせいで…」
「いや、君が責任を感じる必要はない。どのみち、充分な武力さえあれば廃工場のギャングどもの殲滅は私自身が指揮していたことだろう。なるべくしてなったことだ、気にするな」
 コバレフはそう言ってナターシャを励ましたが、それでもナターシャの気が完全に晴れることはなかった。
 無論ナターシャとて、廃工場のギャングどもを始末すれば全ての問題が解決するなどという短絡的な楽観視をしていたわけではない。以前よりも状況が悪化したり、ダンに代わる新たな犯罪勢力が登場する可能性も視野には入っていた。たんに、それがギャングどもを滅ぼさない理由にはならなかっただけだ。あるいは、そうまでして村の未来を考えてやらなければならない理由がなかった、とも。
 しかし、そういう打算と、実際に自分の行為が生み出した結果と直面することは、まったくの別問題だった。
 
 
 

 
 
 
 そろそろ村を出てクラスノズナメニーへ向かう頃合いだろう、と思い、最後に一杯ひっかけるために酒場に立ち寄った。アレクサンダーの姿はすでになく、おそらくはバンカー317の調査のために彼なりに気張って出かけていったのだろうと思われた。
「このお店にちゃんとした名前はつけないんですか?」戦前のビールを飲みながら、ナターシャは屋根の上に飾ってあるトタンの看板を指して言う。
 バーテンは言った。
「あえてシンプルに留めてるんだ。もし西洋風の洒落た名前なんてつけたら、ここが酒場なのか、それとも美容院なのか、誰にもわからなくなってしまうだろう?もともと、ここは食堂でね。俺が酒場にするまでは、ちゃんとそれらしい名前もついてたんだが」
「なんて名前だったんです?」
「"Питание Трудящимся(労働者のための栄養)"」
「うわっ…」
「あ、いまドン引きしたね?期待通りの反応だよ、ハハッ。ところで、君はクラスノズナメニーへ向かうんだって?せっかくだから、ついでにお遣いを頼みたいんだが」
「内容にもよりますが」
「いやなに、本屋に注文した品を受け取りに行ってもらいたいだけだ。キャラバンを通して先払いで予約したんだが、取りに行く暇がなくってね。この受領証を持っていけば、無料で引き換えてくれるはずだ」
 そう言って、バーテンは一枚の紙片をナターシャに渡した。すさまじく読みにくい筆記体で、空挺学校に入ってからようやく文字の勉強をはじめたナターシャにとっては外国語に等しい難解な代物だったが(それは実技試験をトップの成績で修めた彼女の階級が兵長留まりであることと大きく関係している)、かろうじて"エイブラハム書店"、"指輪物語(ロシア語訳版)"といった単語が判別できた。
 どのみちエージェント・フィデルと接触したあとに再びここへ戻ってくるだろうし(なにせバンカー317との中継地点なのだ)、そのときに渡せば手間はないだろう。
 
 
 
 
 
 
 酒場を出て村から出発するとき、ナターシャはピーターに一声かけていくことにした。
「さっき、ギャングの生き残りが村を襲ったと聞いたけど。大丈夫だった?」
 ナターシャの質問に、なんてことはない、というふうにピーターはPPS短機関銃を肩にかけた。
「何も問題はないさ、一人か二人始末してやったよ!それよりナターシャ、君こそ怪我はないかい?」
「ええ、大丈夫よ。心配してくれてありがとう」
「それはそうと、君に渡したいものがあるんだ。いや、花じゃないよ!箱入りの9mm拳銃弾だ、たまたま手に入れたんだけど、僕の銃とは口径が合わないからね。バックアップ用の拳銃を持っているわけでもなし。だから、君に使ってほしいんだ」
「本当に?」
 純粋な親切心というよりは多分に下心があっての申し出だったのだろうが、それでもナターシャとしては、それを素直に感謝して受け取る以外の行動を取る理由がなかった。
 自分はこの若い男の純情を弄んでいるのだろうか?
 いっときの火遊びに付き合う程度の好意は持っていたが、おそらくピーターはそれ以上の関係を望んでいるだろう、というのが彼の態度からそれとなく感じられた。そういうたぐいの若さゆえの情熱は、時として非常に危険なトラブルを招く恐れがある。
 すこし慎重になったほうがいいかもしれない、とナターシャは考えた。
 
 
 

 
 
 
 最後に、元パイロットであったという羊飼いの老人と一緒に茶でも飲もうかと、村の外れにあるキャンプに立ち寄ったのだが、それはまったく余計な行動だったと言わざるを得なかった。
 そう、まったく余計な行動だった。
 
 
 
 
 
 
『村に金を取り立てにきたギャングが、クリーチャーどもに襲われる危険を犯してまで、こんな離れた場所にいる年寄り一人から余分な金を巻き上げるなどという発想を持つことは考え難い』
 たしか、そんな話をしたのだったか。
 ある一定の水準において、その考えは合理的だったのだろう。しかし、リーダーとともに分別までもを失ったギャングの残党にとっては、必ずしもその限りではなかったようだ。
 はじめはたんなる来客があったのかと思ったが、当の老人と、彼の飼っている羊が死体となって転がっていることに気づいたとき、ナターシャは犯人たちがこちらの存在に気づくのと同時にモーゼルを撃っていた。
 おそらくは自分が廃工場のギャングたちを全滅させなければ、老人と羊たちは今も生きていたのだろう。
 すでにこういうことが起きてしまった後でそんなことを考えるのは、それ自体が無駄以外の何物でもなかったが、それでも、ナターシャは自分の行動が引き起こした結果について、考えざるを得なかった。
 
 
 
 
 
 [次回へつづく]
 
 
 

 
 
 
 どうも、グレアムです。ギャングを壊滅させたあともどこか不穏な空気が漂う感じですが、ATOM RPG自体がわりと「理想的な解決手段」的なものを廃する作風で、どのような行動を取るにせよ、えーと…陳腐な言い方をするなら、「後味の悪さが残る」作りになっています。そのあたりはまさしくロシア文学的というか、ゲームのシナリオに落とし込んだ場合に賛否のある部分だとは思いますが、個人的にはけっこう気に入ってるところです。うまく説明はできませんが…
 エンジニアの身柄については、多くのプレイヤーがDanに金を払って解放するものと思いますが、じつはOtradnoyeの選挙クエストまで待てば無料で解放することができます(曰く、これ以上無駄飯食らいを置いておきたくないのと、村に返せば選挙での投票操作に役立つだろうという論拠から)。とはいえ、Roaring Forestの調査を終えるまでエンジニアを放置するプレイヤーは稀だと思いますが…
 
 
 
 
 


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