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主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。 生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。 http://reverend.sessya.net/
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2020/06/19 (Fri)22:33


 
 
 
 
 

State of Decay: YOSE

【 Yankee Oscar Sierra Echo 】

Part.1

*本プレイ記には若干の創作や脚色が含まれます。
 
 
 

 
 
 
「畜生、くそったれ!いったい何が起こってやがる!?」
 トランブル郡北東部、タナー山地の湖の岸辺で青い迷彩服を来た男がヤケクソな悲鳴をあげていた。男は余暇を利用してキャンプに訪れた観光客で、湖へは釣りに来ていたが、彼の声音は釣りのトラブルにしてはあまりに大袈裟で、危機感に満ちていた。
 迷彩男は数人のキャンプ客に襲われていたが、たんなる喧嘩やトラブルにしてはあまりに異質な光景だった。警官が使うような三段式の警棒で応戦する迷彩男に、キャンプ客たちは一切の動揺や躊躇を見せることなく掴みかかり、噛みつこうと大口を開けて迫る。
 そこへ、別の迷彩男…白黒の都市迷彩柄のフードジャケットを身につけた男が巨大な棒切れを持ってキャンプ客に飛びかかり、一切の手加減なしに頭部に向かってそれを振り下ろした。
 キャンプ客の頭がはじけ飛び、一面に血と脳と頭骨の破片が飛び散る。
 その後、青迷彩男と白迷彩男は協力して他のキャンプ客たちの頭を叩き割った。その行為自体に忌避感や抵抗はないらしく、どうやら彼らはこうした行動に慣れているらしい、ということがそれとなく察せられる。
 
 
 
 
 
 
青迷彩男(クレイブ):「なんてこった、グールだ!なんだってフェラル・グールがこんなところにいやがる!?」
白迷彩男(ノーマン):「なにを言ってる、それを言うならゾンビだろう?ニューイングランドで見かけたようなブロブ由来かはわからんが」
クレイブ:「いいや、グールだ」
ノーマン:「ゾンビだ」
クレイブ:「どっちだっていいさ…ところで、俺たちはキャンプに来てたんだよな?ゾンビ狩りじゃあなく?まったく、なんて休暇だよ!アンタとはアルルコの内戦以来だが、こんなクソ田舎のキャンプに誘われたかと思ったら、とんだトラブルに巻き込まれちまった!」
ノーマン:「俺に文句を言うなよ…それにしても、一応あの内戦で知り合った面子全員を招待したはずだが、まさか参加してくれたのがたった一人、それも一番付き合いが悪そうなやつだとは」
クレイブ:「勝手なイメージで語るなよ、俺はけっこう愛想が良いほうなんだぜ…どいつも忙しいのかね、スカルヘッドのサイボーグ坊やは絶対に参加するもんだと思ってたがな」
 
 
 
 
 
 
【ノーマン・パトリック・ガルシア】……ニューイングランド出身の便利屋。故郷でゾンビ・パンデミックに巻き込まれ、軍の仮設司令部で知り合った生体兵器の女性とともに脱出。のちに結婚して二児を儲け、プレッパーとして次の終末に備える傍ら、シェルターを建設したり、アルルコの内戦に傭兵として参加するなどの活躍を見せる。
 
クレイブ:「…所帯持ちのあんたの性格設定が一匹狼ってのはどうにも釈然としないんだが。ところであんた、武器は?そのへんで拾った棒切れ以外にって意味だが」
ノーマン:「.22口径のスナッブノーズが一挺だ。キャンピングの護身用だからな」
クレイブ:「予備の弾は?」
ノーマン:「持っているはずがないだろう…お前は?」
 
 
 
 
 
 
【クレイブ・マクギヴァン】……ワシントン出身の傭兵。Vault 101と呼ばれる地下核シェルター内で育ち、行方不明になった父親を探すために出奔。以降は傭兵として各地を転戦し、ノーマンと同じくアルルコの内戦にも参加している。またイルヴァと呼ばれる異世界に分身がいるらしいが、詳細は不明。
 
クレイブ:「俺はHK416の短縮型を持ってる」
ノーマン:「…お前はお前で、どうしてキャンプにそんなものを持ち込んでるんだ?」
クレイブ:「護身用だ。ここはアメリカだぜ?何が起きるかわからない、それに市民の武装権は法律で認められてる」
ノーマン:「アサルトウェポンの所持に関する州法や携帯規則をきちんと理解したうえでの発言ならいいんだがな。すぐ近くにレンジャーステーションがある、まずはそこへ向かうべきだろう。状況を確認する必要がある」
クレイブ:「それはいいんだけどよ。あんたの嫁さんはどうするんだ?まだテントの中に残ってるだろう」
 
 そもそも今回のキャンプ旅行はノーマンと、その妻ラムダの主催だった。
 二人の娘が友達との旅行で数日のあいだ帰ってこないため、そのあいだ家で暇を持て余すよりはキャンプにでも行こう、せっかくだから知り合いも誘って、という趣旨だった。けっきょく参加したのはクレイブ一人で、いまいち盛り上がりに欠けるなかでの今回のトラブルである。
 ラムダが釣りに同行しなかったのは、たんに短気で堪え性がなく釣りに向かない性格だったからだ。
 
ノーマン:「あいつなら平気だ。たかだかゾンビごときに殺されるようなヤワな女じゃない」
 
 二人は道中でまばらに遭遇するゾンビを相手にしながら、丘を登る小道を通ってレンジャーステーションへと向かう。
 
 
 
 
 
 
 "ナキータ低湿地・焚き火厳禁"、"キー・ロー・ナウ・キャンプ地…午後10時から午前7時までは営業時間外"、"レイクキャビン・ビーチ&ピクニックエリア。営業時間午前7時から午後10時まで"といった立て看板が並ぶ丘の上に到達したとき、二人はあたり一面に広がる血の海、人骨、食い散らかされた肉の破片といった悪趣味なオブジェに顔をしかめた。この凄惨な光景がゾンビどもの仕業であることに疑いの余地はない。すでに大量のハエが周囲に群がっており、より一層酸鼻を極める状態になっている。
 すぐ近くでは柱に追突して停止した観光バスが放置されており、フロントガラスを突き破ってボンネットまで飛び出した運転手の上半身がだらしなくぶら下がっていた。
 
クレイブ:「ゲロゲロ、だな。えらい光景だ」
ノーマン:「どうやら俺たちがノンビリ釣りを楽しんでいたあいだに、とんでもないことになっていたようだ。いつからだ?とにかく、レンジャーステーションの安全を確認しなければ」
 
 数人の死体が転がる駐車場を駆け抜け、二人はコテージ風の事務所の扉に手をかける。
 ガラス窓の向こう側では生え際の後退した歳かさの男の指示のもとで数人が作業にあたっており、すくなくともゾンビではない真っ当な人間が自分たち以外に存在していることをノーマンは確認した。
 鍵のかかっていないドアを開け(ゾンビにしてはあまりに文明的な所作だ)、ノーマンとクレイブは挨拶もそこそこに事態の確認を試みる。
 
 
 
 
 
 
 どうやら二人より先にレンジャーステーションを訪れていたグループのリーダー的存在らしい、トーマス・リッターと名乗る男は深刻な表情で語り始めた。
 
トーマス:「残念だが、本来この建物や周辺の治安を管理しているはずの自然保護官はすでに引き払っている。我々は生存者の確認と物資調達のためにスペンサーズミルから来たんだが、これほどまでに状態が悪化しているとは思っていなかった…ところで、君たちは軍人か?」
ノーマン:「いや、ただのキャンプ客だ。変わった私服なのは認めるが」
 
 スペンサーズミルはタナー山地から道を南下した先にある小さな街だ。トーマスの口ぶりからすると、おそらくはここと似たような有り様になっているであろうことは想像に難くない。
 
トーマス:「すまないが、このあたりに生存者が残っていないかどうか確認してきてもらえないか?裏手の給水塔から周辺の様子を観察できるはずだ」
クレイブ:「あんたは?」
トーマス:「負傷した仲間の手当てが必要なんだ。申し訳ないが、手が離せない」
 
 ノーマンがトーマスの背後をちらりと窺うと、憔悴しきった様子の女性と、腹部から血を流している男の姿が目に入った。おそらくはトーマスとともにスペンサーズミルからやってきた人たちだろう、いずれも外に出てゾンビを相手に立ち回れるような状態には見えなかった。
 彼らのためにお遣いクエストを引き受けてやる義理はどこにもなかったが、かといって、協力関係を断って何の目的もなく周囲を徘徊することがより得策であるとも思えなかった。
 
ノーマン:「わかった。ひとまずキャンプ場と、ロッジ周辺を捜索してみよう。それから、負傷者を連れて南へ移動だ」
トーマス:「それがいい。手当てに暫く時間がかかるから、君たちが捜索を終えるより先に我々がここを出て行くようなことはないはずだ」
ノーマン:「出かける前に、なにかしておいて欲しいことはあるか?」
トーマス:「いや、大丈夫だ。心遣いに感謝する」
 
 窓際へ移動し、ノーマンは乱雑に打ち付けられた木板の隙間から外の様子を窺う。
 周囲に見えるゾンビの姿はまばらであり、いますぐに死霊の大軍団がこの建物へ押し寄せてくるような事態にはならないだろうが、それでも、いったん集団の侵略を受ければ、あまり長くは保たないだろうということは容易に想像できた。
 
クレイブ:「その捜索ってのは俺も参加しなきゃならないんだよな?たぶん」
ノーマン:「いやいや、ここで留守番していても構わないよ。首に"私は役立たずです"という看板をぶら下げてじっと正座していることに耐えられるならね」
クレイブ:「言ってくれるよ、まったく」
 
 口ほどには嫌がっていない様子でクレイブは小銃の装弾を確認し、ノーマンのあとに続いてレンジャーステーションを出た。その背中はまさしく歴戦の勇士を思わせる風格で、自らを"ただのキャンプ客"と名乗った彼らの素性について、トーマスたちは首を捻らざるを得なかった。
 
 
 
 
 
 [次回へつづく]
 
 
 

 
 
 
 どうも、グレアムです。ATOM RPGのプレイ記の途中であり、Doom 2のMODであるTotal Chaosの攻略記事でも書こうか、などと言ってから三週間近くが経過したのちになぜか唐突にState of Decayのプレイ記など書き始めるムラっ気の多さよ。しかも2ではなく今更1のほう。まあだいたいいつも通りだ。ゲームプレイにあたっては有志の日本語化を導入しており、大変に快適な環境でのプレイが可能で非常にありがたい限りです。訳が怪しい部分(機械訳?)は原文を併記するという、あまり類をみない心遣いもグッドです。
 オリジナルキャラでの二次創作をやるにあたり、とりあえずステータス変更、メッシュの差し替えやテクスチャ改造なぞをやっておったのですが、本作はマテリアルの設定がいやに面倒で、たかだかリテクスチャにものすごく時間を取られるという始末。
 主人公二人のうちノーマンはCataclysm: DDAやShelteredのリプレイに登場しており、クレイブはFallout 3&New Vegasのリプレイに登場しております。また両者ともにJagged Alliance 2のリプレイにも登場。そのうちマトモに完結しているのがJA2だけだったりしますが…それぞれ時系列や世界観が滅茶苦茶ですが、そこはスターシステムだとかパラレルワールド的なアレで。なんとなく似たような経歴を辿ってきたんじゃないかなあ、的なフンワリした解釈で読んで頂ければ幸いです。
 今回のサブタイトルである"Yankee Oscar Sierra Echo"はYOSE(本来はYear One Survival Editionの略)のNATOフォネティックコード読みですが、えぇと、特に意味はないです。
 
 
 
 
 


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