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主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。 生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。 http://reverend.sessya.net/
2016/05/22 (Sun)09:03





 俺の名はクレイブ、傭兵だ。
 シエラ・マドレ…誰もが人生をやり直すチャンスを与えられる場所。伝説のカジノ。俺がそこで目にしたのは、娯楽施設の皮を被った要塞と、張り巡らされた死のワナ、そして悲しい男女の物語だった。
 さあ、幕引きのときだ。金庫室に到着したいま、俺の任務は最終段階へと移行した。俺は傭兵だ…任務は忠実に遂行する。誰からのものであっても。どんなものであっても。







 俺がコンソールから離れたそのとき、無線機からエリヤの声が聞こえてきた。
『応答しろ傭兵、やったのか?金庫室への侵入に成功したのか?』
「やったとも。それと、あの三人も始末した。ドッグはキッチンでケバブ焼きになってるし、ディーンは最後の晴れ舞台を終えて退場した。クリスティーンはあんたの言った通り、首輪爆弾にやられたらしいな。ラジオの干渉波で信管が作動したようだ」
『よくやってくれた。よし、今から私もそちらへ向かう。金庫の中の物にはまだ手をつけていないだろうな?』
「報酬は任務終了後にっていう取り決めだったからな。そうそう手癖の悪い真似はしないさ」
『よし、いいぞ。それで…私が到着するまで、金庫室から離れていてくれないかね?」
「あんたの懸念はわかるよ、どいつもこいつもヒトが宝を目の前にすれば人間性が変わるってしつこく忠告してくれたもんでな。だから俺はちょっと離れた場所で、銃を足元に置いて、煙草を吸いながら、もう片方の手はキンタマでも握ってることにするよ。そうすれば変な気を起こしたって、すぐに妙な真似はできないだろう?」
『うーむ…』
 俺の提案が気に入らなかったのか、それとも下品な物言いが気に障ったのかはわからないが、エリヤは返事をするかわりに唸ってから、通信を切断した。
 しばらくして俺が解除できなかったセキュリティ・フォースフィールドが消失し、そこからガウスライフルを手にしたエリヤが警戒した様子で歩いてくる。彼は彼で俺がシエラ・マドレを駆けずり回っているあいだ、セキュリティ・システムのコントロールを試みていたらしい。






「私が金庫室を調べているあいだ、妙な真似をするなよ?」
 そう言って睨みつけてくるエリヤに、俺は遠くからヒラヒラと手を振ってみせる。
「心配しなさんなって、俺はあんたに傷一つだってつけるつもりはないさ」
「……フン」
 目的が達されつつあるからか、エリヤの態度は以前に増して無愛想になっていたが、いますぐに俺を撃ち殺そうとしているのでなければ、そんなことはどうでも良かった。俺がいまの仕事を選んだのは他人に好かれるためではない。
 エリヤが金庫室へ向かうあいだ、俺はひたすら煙草を吸いつづけた。今は他にやることがない。それに妙な動きをしていると思われて、エリヤに撃たれたくはなかった。立ち小便をしようとズボンのファスナーを上げる動作が、遠目にはホルスターから銃を抜く動作に見えないとも限らないのだ。
 やがてエリヤが金庫室に入り、執務テーブル上のターミナルをいじりはじめ、俺が吸殻を毒霧のくすぶる奈落に放り込んだとき、通信機から興奮を隠しきれないエリヤの声が聞こえてきた。
『ようやく…ようやくだ。これで私はシエラ・マドレのすべてを手に入れることができる…ホログラムの軍隊。毒霧。ベンダーマシン。あの忌々しいゴースト・ピープルでさえ。すべてが再出発( Begin Again )の礎となるのだ…』
「そして首輪、か?」
『そう、首輪だ…君たち、君とあの三人が協力してカジノへの突破口を開けたのはまさしく首輪のおかげなのだ。それぞれが異なる目的を持ち、カジノへの侵入に成功した途端に反目し殺しあった人間たちがいっときでも協力できたのはな』
「着け心地はあまり良くないけどな。そのうち小型化すべきだろう」
『無論だとも。なに、時間はいくらでもある。この地に残された資産をもってすれば、不可能なことなど何も…ちょっと待て』
 ガチャリ。
 金庫室の隔壁が封鎖され、エリヤの声に動揺が混じる。






 俺はくわえていた煙草を捨て、無線機をすべて放り投げてから、内蔵ピップボーイの無線通信機能を使ってエリヤに語りかけた。
「ディーン・ドミノの言った通りだな…

黙ってたってシエラ・マドレが始末してくれるのに、

なんでわざわざ自分で手を下す必要がある?」

『き、貴様ッ!このターミナルに何か細工したな!?』
「シンクレアの個人アカウントにアクセスすれば、金庫を中から開けることができなくなるっていうメッセージを消しただけさ。あんた、なにも知らずにシンクレアの個人アカウントにアクセスしたろ?もとは核戦争に備えた安全措置だが、いまとなってはその中に閉じ込められる生活ってのはゾッとしないな」
『このッ…裏切りおったな!?』
「裏切っただって?馬鹿を言っちゃいけない、俺はあんたから与えられた任務を完璧に果たしたじゃないか」
『なに…?』

「あんたはシエラ・マドレが欲しかったんだろ?

手に入れたじゃないか。

それをどう使うつもりだったのか、それで何がしたかったのかなんて、聞いてないし知らないね」
『貴ッ様ぁぁあああ…!!この周波数、私が渡した無線機のものではないな!?いったいどうやって私のピップボーイに通信している!?』
「ピップボーイだよ。俺自身は持ってないなんて言った覚えはないぜ?以前、連邦の技術者に頼んで体内に埋めてもらったのさ。リフレクス・エンハンサー、ニューラル・インターフェースと一緒にな…幾つかの機能はオミットしちまったが、あんたみたいな人間に見せびらかして利用されるのは避けたかったんでね」
『ピップボーイだと?フッフ…種をばらしたのは早計だったな。ロブコ社製のOSはセキュリティに脆弱性を抱えていることを知らんな?体内に埋められているとは好都合!ニューラル・インターフェース?神経接続だと…脳に直結している?ならばピップボーイをハッキングすれば、貴様を操り人形にできるというわけだな!』
「無駄だと思うけどな…」
 その言葉にエリヤは答えなかった。俺が強がりを言ったんだと、ブラフをかましていると思ったのだろう。いまごろは必死にピップボーイを操作しているに違いない。
 俺の身体にハッキングしているエリヤは忙しいに違いなかったが、俺は暇だったので、ためしに世間話の水を向けてみた。
「それで…あんたはシエラ・マドレを手にして、何がしたかったんだ?」
『知れたこと、NCRへの復讐だ!毒霧は逃げ場のない戦場を作り上げる!そしてホログラムの兵隊…エミッター(中継器)を設置してやつらの拠点に一体でもホログラムを送り込めれば、それだけで戦闘の勝利が確定するのだ!無敵の兵士、対抗する術はない!それは貴様がいちばん良く知っているだろう』
「で?」
『…で、とは』
「そのあとは」
『そのあと?』
「毒霧撒いて、ホログラムの軍隊で制圧して、殺して、殺して、殺しまくったあとは。どうするんだ?もう人間の住める環境じゃなくなるんだぜ。ヴィラを見ろよ。このシエラ・マドレを見ろよ。死体の山を築き、自分一人生き残った土地で、そのあとどうするんだ」
『ぁあああああああぁぁぁあああああああッッ!!』
 聴覚に、脳に直接訴えてくる絶叫に、俺は顔をしかめた。
 それは人間の言葉ではなかった。人間の声ではなかった。獣の声だった。怒り狂い、理性をなくした動物の声だった。俺の言葉が気に入らなかったのか、あるいはハッキングが徒労に終わることがわかったのかもしれない。
『なんだ、このシステムは!?』
「最初に言ったろう、ザ・シンクの連中に改造されたって。そのときに、OSの構成から何からオーバーホールされたんだよ。知ってるだろ?あいつら、ロブコ製品が大嫌いなのを」
『貴様、殺してやるッ!!』
 いったい、どうやって?
 そう問いかけようとしたとき、金庫室をぐるりと取り囲むように配置されたタレット(自動銃座)がいっせいに俺に銃口を向けてきた。
 しまった!フォースフォールドが破られたときに気づくべきだった、タレット・システムもエリヤの制圧下にあるってことを!
 俺はすぐにV.A.T.S.を起動し、グリムリーパー・スプリント・プログラムを最大出力にセット、ターゲッティング・システムを使って全タレットに照準をロックする。
 地面に置いてあった拳銃を拾ったときには、タレットが最初の銃撃を開始するまでの予測時間が0.5秒を切っていた。標準的なボール弾がフル装填された弾倉を抜き、新たな弾倉を…鉄芯入りのダートチップ弾頭に、限界まで火薬を充填したマキシマム・リロード弾がセットされた弾倉を銃杷に叩き込む。残り0.3秒。
 遊底を引き、薬室から弾丸がはじき出される。残り0.2秒。遊底が前進し、特製弾丸がフィーディング・ランプを滑って薬室にセットされる。残り0.17秒。






 ドガガガガンッ!!

 発砲を開始。銃声が連続した一つの音となって響き、全タレットが破壊、爆散する!
 残り…0秒。
『お、おお…おおお……』
 宙を舞っていた多量の薬莢がほぼ同時に地面に落下し、ピップボーイから全タレットの反応が消失したことを確認したエリヤが言葉にならない声を発した。
 嫌味を言うつもりはないが、俺は状況確認のためにエリヤに事実を告げる。
「隔壁の閉鎖と同時に救難信号が発信されるらしい。そのうち救助が来るだろう、核戦争後に俺がここへ辿りついたようにね。核戦争からは二百年経ってるわけだが、次に誰かがこの金庫へ到達するまでにはいったい何百年かかるのかな?」
『外からは…開けることができるんだな?おい傭兵、いますぐこの隔壁を開放しろ!財宝が…惜しくないのか!?』
 たしかにエリヤの言う通り、シエラ・マドレの財宝は金庫室に眠ったままだ。このままでは俺が得るものは何もない。そう、エリヤから受けた任務だけを考えるなら。
 エリヤからの任務を達成したと同時に、俺は自分が帯びていた「もう一つの任務」をも達成していたことを彼に告げた。
「クリスティーンがよろしく言ってたぜ」
『クリス…まさか…貴様、まさかBoSの差し金かッ!?くそ、だからか…ビッグ・マウンテンに居たのは!傭兵風情が、私を見くびるなよ。こんな金庫、内側からだって開けてみせる!私を誰だと思っているんだ?元BoSエルダーだぞ!』
「待ってるよ。俺は過去に受けた依頼にも寛容でな、もしあんたがモハビに戻るようなことがあれば…契約継続だ。そのときは俺の手できっちりあんたを殺してやる」
 そう言って、俺はエリヤからの通信を遮断し、踵を返した。

 かつて…
 ワシントンからネバダへやってきた俺はまずモハビBoSと連絡を取り、彼らのもとで活動していた。そして、元エルダーのファザー・エリヤ抹殺指令が下った…奴がビッグ・エンプティへ向かったという情報を掴んだBoSは、俺とクリスティーンを暗殺部隊として送り込んだのだ。
 もっともビッグ・エンプティではエリヤを逃し、俺とクリスティーンはシエラ・マドレに向かったエリヤを改めて追うことになった。ただし俺は諸事情で一度モハビBoSが姿を隠しているヒドゥン・バレーに戻らねばならず、俺の復帰を待てなかったクリスティーンは先行し、結果としてエリヤに捕えられてしまうわけだが。
 クリスティーンはかつての師であるエリヤに個人的な恨みがあり、またそのことはエリヤも承知していた。彼女が自分の前に姿を見せたという事実だけで、エリヤはBoSが殺し屋を送り込んできたことを理解していたのだ。
 しかし俺のことは知らなかった。エリヤはビッグ・エンプティで俺とクリスティーンが一緒に行動しているのを見ていなかった。そうでなければ、エリヤの部下として雇われるという今回の計画は実行できなかっただろう。
 俺は傭兵として、エリヤを始末するというBoSの任務と、シエラ・マドレを手に入れるというエリヤの任務を同時にこなしたのだ。






「あばよ…シエラ・マドレ」
 俺はエレベータに乗り込み、クリスティーンのもとへ戻った。










「終わったのね…」
「ああ。これでもう首輪生活ともオサラバだ」
 無造作にブン投げた首輪が噴水に散らばり、ガチャリという硬質な音を立ててバウンドする。
 モハビ・ウェイストランドへと続くゲートの正面で、俺とクリスティーンは爆殺首輪のロック解除に成功していた。本来エリヤにしか外すことのできないものだが、ビッグ・エンプティでエリヤの残したメモ書きを回収していたクリスティーンは首輪の内部構造をある程度把握していたのだ。
 もっとも自分の首に嵌まっているものをいじるのは無理だったようだが、クリスティーンが俺の首輪を外したあと、解除方法の説明を受けた俺が改めて彼女の首輪を外したのである。
 シエラ・マドレを見上げながら、クリスティーンはやや釈然としない様子で口を開く。
「あの男がまだ生きているっていうのは、あまり気分の良いものではないわね」
「個人的な恨みがあったんだろ?老い先短い年寄りを狭い空間にたった一人閉じ込めておくっていうのは、殺すよりも有効な復讐方法だと思うけどな」
「まさか、わざと殺さなかったの?そのために?」
「いやいや。エリヤは狂気に取り憑かれていたかもしれないが、その妄執こそが最大の武器でもあった。正面から銃口を向けていたら、逆にやられていたかもしれない。どんな隠し手を持っていたかわからないからな。だから、抜け出せない罠にかかる最後の瞬間まで敵意を見せないこと、それこそがやつを確実に始末するもっとも有効な方法だったんだ」
 いまとなってはもう、どうでもいいことだが。
 俺はホログラムの消えた噴水に背を向け、ゲートに向けて歩きはじめた。こんな陰気な場所、仕事でもなければ一秒だって長居したくはない。
 しかしクリスティーンは俺とは違う感想を持っているようだった。
 その場から動こうとしないクリスティーンに俺は言った。
「行こうぜ」
「…私はここに残るわ」
「なんだってぇ!?」
 素っ頓狂な声を出したせいか、俺よりもクリスティーンのほうが驚いてしまったようだ。
 目を丸くするクリスティーンに、俺は「いやいや」と首を振りながら問い詰める。
「なんでだ?エリヤが生きてるからか?なんでそうなるんだよ?俺はそんなことのために…どういう理屈だよ、おい」
「いや、あの…そんなに驚くとは思わなかった。あなたってもっとドライな人間かと思ってたわ」
「悪かったねぇ」
「エリヤの企みは潰えたかもしれないけど、シエラ・マドレの脅威は依然残ったままだわ。毒霧、ゴースト・ピープル…それらがモハビに影響を及ぼさないよう、私はここで監視を続けるつもりよ。それに、そう…まだエリヤも死んでないしね。無謀な冒険者に警告もしなくちゃならないし」
「こんな場所じゃ食料だってロクに手に入らないぜ」
「その点は心配いらないわ、ビッグ・エンプティ製のベンダーマシンがあるし。専用の貨幣があればほぼ無限に物を作り出せるらしいわ。戦前の技術って凄いわよね」
「俺はほとんど使わなかったけどな。買い物に必要なシエラ・マドレ・チップは有限だぜ?」
「あら、気づかなかった?あれ、携帯型の小型核燃料と廃材があれば幾らでも偽造できるわよ」
「そーいうのはもっと早く言って欲しかったなァ!?」
 そうとわかっていれば、もうちょっとラクに任務を運べたのに…などとブツブツ愚痴をこぼす俺を、クリスティーンが苦笑しながら見つめてくる。
 まあ自販機はもういいとして、彼女にはまだ聞きたい、いや、言いたいことがある。
「で、いつまでここに居るつもりよ」
「さあ」
「なんで。義務感か?それを自分の使命にしちまうってのか?それでいいのかよ?」
「…… …… ……」
 最後の言葉にクリスティーンは答えなかった。ただ、素敵な声でため息をつき、俺をじっと見つめた。「あまり私を困らせないで」と言外に語る瞳で。
 決意は固そうだった。一時の気の迷いではないようだった。それでもやはり、俺には彼女の行動が理解できなかったが。
 だが自分が理解できないのと、止めるべきかどうかっていうのはまるで別問題だ。本人が納得していないなら問題だ。大問題だ。ただ本人が納得づくなら、他人がとやかく言う筋合いはなかった。
 今度は俺がため息をつき、小柄な彼女の肩に手をかけて言う。
「その美貌をこんな僻地に残していくのは人類にとっての損失だな」
「馬鹿を言わないで、このツギハギだらけの顔を見て言ってるの?それとも、こうなる前の私を覚えているから?あるいは、この可愛らしい声に免じて…かしら?」
 口を尖らせ、幾分自嘲気味にクリスティーンは反論する。
 俺はすぐにそれには答えず、マスクを外し、彼女の前に素顔を晒した。その瞬間、クリスティーンが「はっ」と息を呑む音が聞こえる。






「顔に道路地図が彫ってあるのは、そう珍しい個性でもないんじゃないかな」
「あなた、その顔…!!」
 暗く落ち窪んだ瞳、頭部を切開された手術痕を見て、クリスティーンが言葉を失う。
 ビッグ・エンプティでザ・シンクの科学者にロボトミー手術を受けた結果だ。あのときはクリスティーンと引き離されて単独で行動していたし、彼女の前ではずっとマスクをかぶっていたから、クリスティーンは俺が改造されたのを知らなかったのだろう。
「言ってなかったっけ?」
「そんな…そんなの、私、聞いてないわよ!?そんなの一言も…!」
「いや、そんな深刻にさせるつもりで見せたわけじゃないんだけどね?」
 思っていた以上にクリスティーンがショックを受けたことに俺は若干戸惑い、少々気まずい思いをしながら頬を掻く。
 ほんのすこし悩んでから、俺はもとから彼女に言おうとしていたこと、俺の本心を伝えた。
「人間の傷っていうのは勲章だ。傷を見れば、その人がどんな人生を歩んできたかがだいたいわかる。誇らしいことさ。たとえ、それが…女の子の顔についたものだとしても」
「喉も?」
「そう、喉も。だから…俺の目には、いまの君のほうが前よりずっと輝いて見えるぜ」
 そう言って、彼女を抱き締めようとする。が、軽くかわされてしまった。
 おや?という、都合通りの展開にならなかった人間が見せるまぬけ顔を晒す俺を押しのけ、クリスティーンは苦笑しながら、ほんの少し俺を咎めるような目つきで見つめてきた。

『余計なお世話よ』

 彼女の視線はそう告げていた。
 だから、俺は言った。

「つれないねぇ」







 ゲートへと向かう俺の背中に、クリスティーンが声を投げかける。
「行くのね?」
「ああ。俺は、傭兵だからな…次の仕事がある」

 それで終わりだった。それが最後の言葉、最後のやりとりだった。
 俺はゲートを開き、モハビ・ウェイストランドへと続く道をたった一人で歩きはじめる。振り返らずに。ただの一度も振り返らずに。





< Wait For The Next Deal... >








 どうも、グレアムです。Fallout: New Vegas、Dead Money七回目です。
 まだ最終回ではありません、あと一回だけ続きます。













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