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2014/10/19 (Sun)18:55
どうも、グレアムです。Fallout3 Mercs Effect、いちおうの完結と相成りました。
正直Broken Steelはその難易度を除けばたんなる残党狩りという名の消化試合なので、わざわざ死人を起こしてまで引っ張るネタだったのかというと今になっては疑問なのですが、それでも主人公クレイブの心象の変化を描くという点では意義があったように思えます。
以前の彼は放埓な楽天家ながら凄まじいまでの破壊欲と破滅願望の持ち主で、その行動の根底にあったのはアナーキズムでした。権力者に敵愾心を抱くきっかけはVaultを追い出されたことで、そのことがBoSに対しての不信にも繋がっています。
メインクエスト終了時には「皆は自分を英雄として称えるだろうが、自分が何を思い生きてきたのかについて考えることは決してないだろう」というおセンチな言葉を残し、さらに生き返って父の功績がウェイストランドの平和にまったく寄与していないことを知ると憤慨します。
つまりクレイブの原動力は社会に対する不満であり、所謂ルサンチマン的思考です。
これまでのクレイブは社会の暗部、自分の力ではどうすることもできない世界の流れを「悪意ある権力者」のせいだと思い戦いを続けてきました。
しかし一度争いの渦中から離れて冷静な思考を取り戻したとき、エンクレイブの壊滅やThe Pittでの虐殺、さらに悪化していく事態にまったく対処できていないBoSの醜態を改めて観察したときに、世の中が平和にならないのは「悪意ある権力者がそのようにコントロールしているから」ではなく、「そもそも平和など人間が勝手に生み出した幻の概念に過ぎない」ことに気づきます。
つまりこの時点で、クレイブは怒りの端緒や戦いの動機を失ったのです。
以降、万年賢者タイムに突入したクレイブはふたたび戦いの渦中に巻き込まれることになりますが、その思考は以前とはかなり異なったものになっています。
最後にはゲームの通りBoSの派遣したベルチバードに乗ってエンクレイブの最期を見届けますが、おそらく以前までのクレイブであればベルチバードには乗らず、そのまま死を選んだでしょう。生きる目的がなく、死後の世界で最愛の人が待っているのですから。
しかし「介入者」であった以前から「傍観者」として世界を見つめる精神的超人と化したクレイブは、どうせなら寿命一杯まで世界の行く末を見届けようと考えるようになります。もちろんこれは、恋人ブレンダの「ちゃんと待っててやるから」という言葉を心の拠り所にしたものではあるのですが。
結果としてクレイブは「生きる理由のない破滅的思考の持ち主」から「すぐに死ぬ理由もない達観した超越者」として舞台に幕を引きます。
おそらく続きを書くことはないと思いますが、兼ねてより執筆中であるブレンダとの出会いを描いた短編が予想外に難航中で、ひとまずこれを中断させることなく書き終えることに注力したいと考えています。
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