主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。
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2016/05/08 (Sun)07:52
俺の名はクレイブ、傭兵だ。
これはまだ俺がネバダへ到着する前、東部から延々とバイクを走らせていた頃の話だ…
「ヘアッ!」
おん。
盛りあがった地面に乗り上げたバイクが唸り声をあげてかっ飛び、うっかりハンドルから手を離してしまった俺はそのまま宙に投げ出されて無様に転がり落ちた。
「いてえええぇぇぇぇえええ!!くおお~~~…ガッデム」
苦悶の声を上げながら俺が上体を起こしかけたとき、俺の真似をするようにバイクが地面に激突し、回転しながら転がっていく。
ガッチャン、ゴアッ、ギギギガガガン。
なにやら派手な金属音がするが、正直、俺はバイクが自分の上に落ちてこなかったことを幸運に思った。もっとも、そんな気持ちはすぐに吹き飛んでしまったのだが。
乾燥した固い地面の上をしばらく滑走したのち沈黙したバイクは黒煙を吹き、やがてエンジン音が停止した。それでなくとも、あちこちのパーツが散乱しているさまを見れば、まったく無事なようには思えない。
「あーあ。ヤバイか?」
他人事のようにそうつぶやきながら、俺は傷む脚を引きずり、バイクの様子を見る。
いかん、ダメだ。手持ちの道具では直せそうにない。それでなくともこれはもう、修理工場ではなくスクラップ工場行きの案件だ。
「だいぶ無理させちまったもんなー」
なにせワシントンからニューメキシコまでこいつ一つで爆走してきたのだ。無理もない。
いまごろはアリゾナか、それともユタか…
面倒なことは何も考えずに、ただ不毛の荒野を鉄馬で駆け続ける。
楽しいことは楽しかったが…物事の終わりってやつはいつでも呆気ないもんで。
俺はマスクを外し、煙草に火をつけ一服しながら、周囲を見回した。
自分が今いる場所の正確な位置などわからない。いまとなっては戦前の地図はあまり立たず、戦後に地図を作るような酔狂者もそう多くない。
「ハァ…で、ここどこよ…」
見渡す限りの山、山、山。
文明の残滓などどこにも見られず、荒れ果てた自然のほかに何も存在しない空間で、俺はただ一人、途方に暮れた。
たっぷり途方に暮れ、絶望し、ようやく人生の終わりがやってきたか、それにしてもこんな場所で取り残されて乾いて死ぬのはイヤだな…まぁ銃弾の手持ちはあるから、いざとなれば頭を吹っ飛ばせばいいわけだが…などと考えていたとき、バイクが破裂音を立て、火を噴きはじめた。
「おっと、グズグズできねぇな。なんにせよ…ここでボンヤリしててもしょうがねぇ」
俺はライフルを手に、周囲に野盗やクリーチャーの類がいないことを確認してから、訥々と歩きはじめた。
その後、喉が渇いて死に掛けていた俺はNCRのパトロール部隊に拾われ、モハビへと繋がる補給路を辿ってある場所に到着した。
俺がモハビでの活動に関わるきっかけとなった場所。創造と破壊の象徴。俺が作り、そして壊すことになる場所。
古きアメリカが眠る呪われた土地、ザ・ディバイドへ…
< Wait For Next Deal... >
どうも、グレアムです。今回はほぼ思いつきでヤマも何もない小エピソードを書いてみました。
今回登場した場所はModではなく、バニラのマップ外エリアです。いわゆる世界の果てというヤツです。マップ外に出る方法は幾つか存在すると思われますが、俺が試したのはモハビ前哨基地から出る方法。
ロング15へと続く南へのゲートはLonesome RoadでNCRに核を撃ち込んでいない場合、鍵が必要だと表示されます。試しにコンソールのUnlockコマンドを使ってからActivateしてみると…なんとロング15へは行かず、そのままゲートが開いちゃうんですよ。
そこからマップ外の世界へ冒険できます。
別に何があるってわけでもないんですが、これが存外に広いんですよね。マップの切れ端に到着するまでかなりかかります。また切れ端の先には海(めっちゃ浅い海域)が続いてるんですが、これ、たぶん無限に続いてるような気が…
まあそんな感じで、マップの外に行ったときにたまたま思いついた話を今回は形にしました。
バイクで一人旅、というのはHonest Hearts編の冒頭で出したネタなんですが、エピソードとして書く予定はなかったし、まあ丁度良いかなと思いまして。
ちなみに素顔が出てる画像、コンソールからチマチマ数値変えて表情作ったんですが、なんとなく喧嘩商売or稼業の表紙っぽく作れて気に入ってます。
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