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主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。 生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。 http://reverend.sessya.net/
2016/05/12 (Thu)18:15








「ウワ、引き篭もりのスーパーミュータントとか初めて見るわ。西部の神秘だなあ」

 俺の名はクレイブ、傭兵だ。
 ラジオ放送を介して戦前の巨大カジノ「シエラ・マドレ」の強奪計画に必要な人手を集めていた元BoSエルダー・エリヤと接触した俺は、彼に協力して毒霧と亡霊が漂う観光街ヴィラへと潜入した。
 目下の目的はエリヤがヴィラへ招いた(というか、誘拐した)協力者を集め、シエラ・マドレへ侵入するための手段を確保することだ。
 ひとまず俺は「ドッグ」という名の協力者を探すため、ヴィラ警察署へと向かったのだが…

 東部、というかワシントンにおいてスーパーミュータントは知能の低い殺戮マシンという認識しかなかったため(極々一部に例外はあったものの)、俺には未だに人間並みの知能と自我を持つスーパーミュータントの存在は慣れないのだが、こうまで人間臭いとジョークにすら思えてくる。ナイトキン?マスターズアーミー?なんですかそれ。
「あの~、もし…聞いておられるなら返事をですねェ、して頂きたいのですがァ」
「ドッグおなかすいた…ドッグここから出たい…出してマスター。ますたあぁぁぁぁ」
「聞けって」
 前言撤回、こいつ知能ねぇわ。
 ていうかなんで警察署の玄関のド真ん中に檻があるんだよ。見せしめか。見せしめなのか。これが戦前的パフォーマンス精神ってやつなのか。多分違うと思うけど。
「どうすんだよこれ…」
 エリヤのジジイはこいつを仲間に使えっていうのか?マジで?本気でか?
 鉄格子の前で俺が逡巡していると、ドッグの首輪の盗聴装置にチャンネルを合わせていたラジオから理性的な男の声が聞こえてきた。
『ドッグを檻から出したいか…それならば、警察署の地下に行け。ホロテープを見つけろ…それをドッグに聞こえるように再生するんだ。話をしてやろう』
 はじめはエリヤかとも思ったが、声のトーンの違いからすぐに別人だとわかった。
 しかし首輪に仕掛けられた盗聴装置は、声帯から音声を直接拾う仕組みになっていたはずだ。いったい誰が、どうやって干渉したのか…?
 もっとも腹ペコ青巨人が俺に注意を向けるのを待つよりはマシだろうと思い、俺は謎の声に従って地下へと向かった。
 ホロテープを回収しグラウンド・フロアへ戻った俺は、携帯用の再生装置を使ってホロテープの音声をドッグに聞かせる。ピップボーイを細分割化して体内に埋め込んだとき、ホロテープの再生デバイスは取り除いてしまったのだ。俺には家電製品のように人前でホロテープを体内にセットする趣味はない。なによりあれは、体内に埋め込むにはデカすぎる。まあ、ちょっとした代償の一つというわけだ。
『檻に戻れ、ドッグ』
 ホロテープ再生機のスピーカから例の理性的な男の声が聞こえ、膝を抱えてうずくまっていたドッグがゆっくりと立ち上がる。
 鉄格子の近くまで歩き、口を開いたドッグの声は…さっきの、理性的な男のものになっていた。






「ほう…あの老人が来るものと思っていたがな。見知らぬ者よ、なぜここに来た」
「その老人の代理だよ。あんた、ドッグじゃないな?」
「我が名はゴッド、この肉体の理性を司る者だ。なるほど小賢しい真似をしてくれる…あの老人に伝えることだ、人に物を頼むときは自分で直接来い、とな」
「二重人格ってやつかい?悪いが、俺もここで引き下がるわけにはいかないんでね。さもないと首輪の爆弾が…おい、あんた首輪はどうした」
 命令に背くことを許さぬ爆殺首輪という必殺の殺し文句を出そうとしたとき、俺は目前のスーパーミュータントが身体のどこにも首輪を身につけていないことに気がついた。
 そういやあ盗聴装置から聞こえる音声も妙なノイズが乗っていたが、こいつは…
「首輪?フン、あのちっぽけな玩具か。飢えたドッグが飲み込んでしまったよ。あの老人は私よりもドッグを利用したがるようでな、おかげでそんなトラブルが起きる。ドッグの飢えは底なしで、満たされることはないのだ」
「喰ったぁ!?腹減ってるにしても、もうちょっと分別ってもんがあるだろうによぉ…いや、あんたに言ってもしょうがないのか、これは」
 どうやらドッグ/ゴッド、いや今はゴッド/ドッグと呼ぶべきか、こいつは以前から工作員としてエリヤに使役されていたらしく、エリヤが確保した「協力者」をこのヴィラまで連れてくるのも彼の役目らしい。
 ドッグはもう一つの人格としてのゴッドを認識しておらず、またゴッドはドッグの人格が表に出ているときの記憶がない。
「お前もあの老人の計略に嵌まったようだが…私にはお前を連れてきた記憶がないな。もしドッグに運ばせたというなら、お前が喰われなかったのが不思議でならない」
「運が良かったんだろう。あるいは俺が首輪よりマズそうに見えたのかもな」
 俺は平然とそう返したが、実際は俺は自分の足でここまで来たのだ。そう、俺は他の「協力者」たちとは違う…最初からエリヤに雇われているという点で。
 どうやらゴッドはエリヤの声を聞くことでドッグの人格に入れ替わり、ドッグはエリヤの指示ならなんでも聞くらしい。つまり俺がラジオからエリヤの声を再生すれば、ふたたびドッグの人格を呼び戻せるということであるが…
「あのジーサマに頼んで、ラジオからドッグへ命令させることもできるんだが…ドッグは檻から出たがってるようだしな」
「やめろ!この身体を見るがいい、胸に彫られた名前、全身に巻かれた鎖、傷跡…これはすべてドッグが自分でやったものだ。精神の不安定さゆえに…あの老人はドッグのそんな部分を利用しているのだ。私がこの檻に自ら望んで入ったのは自衛のためなのだよ。私はこれ以上あの老人を喜ばせるつもりはない。もし首輪が爆発して私のはらわたが撒き散らかされるというのなら…そうすればいい」
「死こそ救済、か?死ぬ覚悟があるなら、むしろ檻から出たらどうなんだ。ジーサマに復讐するにしろ、俺を叩き殺すにしろ、内なる相棒をどうにかするにしろ、そこにいたら何も変わらんぞ。それとも、

檻から出るのが怖いのか?」

 俺がそう言ったとき、ゴッドは心底驚いたような顔をし、いまにも俺をぶっ殺しかねない目つきで俺を睨みつける。
 だが、すぐに…ゴッドは天を仰ぎ、大声で笑いはじめた。
「アッハハハハハハハハハ!!破滅と隣り合わせの安全を

手放せ、

と言うのだな?フム、ほほう、小憎たらしい小癪なヒューマンめ!捻り殺してやろうか!ハハハ、なるほど…面白い!よかろう、檻から出てやる」
 挑発とも取れる俺の言葉を、どうやら彼はジョークと捉えたらしかった。
 ゴッドは鍵のかかった鉄格子を掴むと、それを飴細工か何かのように「メシャアッ」と音を立ててひん曲げ、力任せに扉を外して檻の隅に投げ捨てた。
「ああ~…いつでも出られたのね。鍵いらずで」
「当たり前だ。軟弱なヒューマンと一緒にしてもらっては困る」
「ですよねー」
 そんなわけで俺はゴッド/ドッグ…一人目の「協力者」を確保したのであった。







 傭兵の存在は、ヴィラの住宅地区に身を潜めていたディーン・ドミノにとって既に知るところになっていた。
 ミスター・エンターティナー…かつての銀幕のスターだったディーンは二百年もの間このヴィラに潜伏しており、彼もまた、エリヤと同じくシエラ・マドレの強奪計画を企てていた。目的は同じでも、その動機はまったく一致していなかったが。
 徐々に近づいてくる銃声と、つい最近我が身に嵌められたものらしい首輪の感触をなぞりながら、ディーンはとうとう計画を実行に移すときがきたのかと予言めいた確信を抱いた。
 これまでもシエラ・マドレに挑んだ冒険者は大勢いる。
 彼らはみな、シエラ・マドレの、あるいはヴィラの悪辣な罠にかかって死んだか、さもなくば自らの欲に首を絞められて自滅した。まだ、忌々しい自爆用の首輪など存在していなかった頃の話だ。
 どうやら今回裏で糸を引いている人物…エリヤなる老人は、過去の冒険者の失敗に学んだらしい。手駒をコントロールし、仲間割れで自滅しない方法を考えたというわけだ。
 まあいい、最後に笑うのは俺だ…ディーンが内心でほくそ笑んだとき、彼の目の前に傭兵が現れた。






「チェイサァーーーッ!!」
 ズダッ!!
 いきなり建物の屋根の上に飛び乗ってきたクレイブの姿を見たときには、さすがのディーンもビビッた。
「…随分と個性的な登場の仕方だな。てっきり階段から来るものだと思っていたが」
「どうせ罠が仕掛けてあるんでしょ」
「まぁ、な」
 ここヴィラ住宅街には、ディーンが身を守るために仕掛けたブービートラップの山が張り巡らされている。
 それらはゴースト・ピープルと呼ばれるヴィラの住民と、そして良からぬことを企む冒険者の侵入を防ぐために講じられた対策だ。結果としてクレイブの足止めをもすることになってしまったが、クレイブ自身はそのことをあまり気にしていないようだった。

 毒霧や、ゴースト・ピープルなるヴィラの亡霊もさることながら、目前にいるグールが仕掛けたらしいトラップの山にも随分と手こずらされたが、それでも周到な罠を用意できる相手が「協力者」だという事実そのものは歓迎すべきだろうと俺は思っていた。
 まして俺個人を狙ったものでなければ、これらはやって然るべき対策でもある。
「そっちこそ、えらく独創的なトラップの数々で出迎えてくれたじゃないか。いきなりその首輪が爆発しなくてよかったな、旦那」
「爆発?首輪が?」
「そいつは連動式になっているのさ。つまり、今回のカジノ強奪計画に関わる人間、あーっと、首謀者のジーサマは別だが、俺たちの首に引っかかってるこのファンシーアイテムはだな、一人が死ねば、残りの首輪も全部爆発する仕組みになっているのさ」
「脅しじゃあないよな?」
「ならいいがね。こいつは戦前の技術を改良した、見た目より大層なシロモノなのさ。ちょっと疲れたんで、座らせてもらうぜ」
 俺はそう言うと、ディーンの隣に用意されていた椅子に腰掛けた。






 俺が椅子に腰掛けた瞬間、グールがなにやらニヤニヤ笑いを浮かべて口を開く。
「一度座ったら、話が終わるまで立たないほうがいい。そいつには指向性爆薬が仕掛けてある、迂闊に腰を上げると月まで吹っ飛ぶぞ」
「あー、もう!用心深いこったな!?アンタ何者だい、キザなタキシードなんか着ちゃってさ。戦前はジェームズ・ボンドか何かだったんじゃないの?」
「スターだった、という意味でなら、似たようなものだな。俺はディーン・ドミノ、戦前じゃあちょいと名の知れたシンガーだったが、さすがに二百年も経った今じゃあ、誰も知りはしないだろう」
「エ…マジ?あんたディーン・ドミノ?あの大スターの?マジで!?」
「おや、知っているのかな?」
「知ってるもなにも!あんたのポスターは、モハビじゃいまだに人気があるんだぜ!あんたの代表曲、『Saw Her Yesterday』だって、ラジオじゃ定番なんだ!まさかグールになって、こんな場所で生き永らえてたなんて…感動だなあ!サインください!」
 ケツの爆薬の存在など頭から吹き飛び、子供のようにはしゃぐ俺の様子を見てグール…ディーン・ドミノはいささか複雑な表情を浮かべた。
 ディーンは核戦争から今日に至るまでずっとこのヴィラで過ごしていたらしく、外の世界…モハビの事情を知らない。まさか、自分の存在が未だに人気を保ち続けているなどとは考えたこともなかったのだろう。
 未練か…渋い表情を浮かべるディーンに、俺は話しかけた。
「ともかく、いま俺たちが置かれている状況はだいたい把握していると思う。俺たちを集めたジーサマは、俺たちを駒のように使ってシエラ・マドレの強奪計画を企んでる、俺たちは身の自由のために…癪ではあるが、ヤツの言うことを聞かなきゃならないってわけだ」
「それはわかったが…なぜ、君なんだ?」
「ン?」
「集められたのは全部で四人なんだろう?スカウト役はべつに他の人間でも、たとえば俺でも良かったわけだ。そうじゃないか?ところが俺には事前にオファーもなく、同じ立場であるはずの君が契約書類を持ってやって来たというわけか?これは筋が通らないだろう」
「…こういう状況で、首に輪っかを嵌めてるだけじゃ信用できないか?」
「かもしれん。たとえばその首輪は偽者で、君だけが安全圏にいるのではないとどうしてわかる?もっとも、実演してみせるわけにもいかないだろうが」
「できるなら俺だってケツで椅子を温めていたかったさ。このくそったれな街中を駆けずり回るんじゃなくてな。それじゃあ説明にならないか?イカレたジーサンの狙いなんか、どうしてわかるもんかね」
 どうやらディーンは俺の正体を正確に疑っているようだ。
 もっとも俺としては口を割るわけにはいかないし、このままダダをこねても首の輪っかが外れるわけじゃないとディーンが諦めるまで嘘をつき通して粘るしかない。
 そうした顛末を予測したのか、ディーンは不服そうにため息をつくと、口を開いた。
「仕方がない。協力しよう、だが…

相棒、そう呼んでいいよな?

相棒が言ったように、あのジジイはイカレている。狂人の言いなりのままってのは幾らなんでもあんまりだ、そうじゃないか?ああいう手合いが、ちゃんと褒美の飴を投げてくれるかは疑わしい。違うかね?」
「それについちゃあ、異論の余地はないね」
「理解しているならいいのさ。それじゃあ、行こうか」
 どうもディーンは俺を懐柔したがっているらしい。もし俺がエリヤの「忠実な」手駒だったとしても、あの老人が裏切る可能性は考えておけと…もちろん、俺だってそんなことは織り込み済だ。
 もっともディーンは、俺たちの会話がエリヤに盗聴されていることまでは知らないだろうが。今の会話を聞いて、あくまで俺が説得のために納得したフリをしたのだと理解してくれればいいが…ヒステリーを起こした女学生のように爆弾の起爆スイッチを押す可能性もなくはない、ということに思い当たり、俺はわずかにゾッとする。
 立ち上がると、椅子から「ニ゛ャー」という奇妙な鳴き声がした。クッションを剥がし、中に戦前のティラノサウルスの玩具が入っていることを確認した俺は、たいして驚いた様子も見せずに言った。
「こんなこったろうと思ったよ」
「気を悪くするなよ、相棒。大人同士の話をするためのお作法ってやつだからな」
「ああ。あんたがこいつを縦に置かなかったことに感謝するよ、

相棒」

 こうして二人目の「協力者」も確保し、俺は最後のメンバーが待つ医療地区へと向かった。







 ヴィラ医療地区の診療所でオートドクターから発せられる異音を聞きつけた俺は、モニターが異常な数値を検出していることを確認すると、すぐさまプログラムをオーバーライドして動作を停止させた。
 そもそも三人目の「協力者」についてはおかしい部分が多かった。
 首輪の盗聴装置からはくぐもった苦悶の声や機械音しか聞こえず、その様子の異常さは首輪を飲み込んだドッグに引けを取らない。ていうか、まともなのディーンだけだったじゃねーか。
 ハァ…
 緊急停止したオートドクターの扉が開き、中から出てきたのは…






「ギャーッ般若!?」
 デデーン。
 肩を上下させ、物凄い剣幕で睨みつけてくるスキンヘッドの女性を目前に俺は思わず失禁しそうになった。だって、すげーおっかない顔してるんだもん!
 どうやら何者かがオートドクターの設定を故意に変更したらしい、痛々しい顔面の切開跡もさることながら、俺が到着するまで異常な施術による激痛に耐えてきた女性はいまにも倒れそうだったが、それでも意思の力でどうにか踏ん張っていた。
「あの…それ、俺がやったんじゃないからね?むしろ助けた人だからね?だから怖い顔すんのやめてくんないかなァ…」
 腰のあたりを手で探る女性…明らかに銃を抜くときの手つきだ…に、俺は弱々しく頼みこむ。
 やがて諦めたのか、女性は自分が置かれた状況を理解しようとし、武装解除されたこと、そして…声を出せないことに気がつくと、愕然とした表情を見せた。
 おそらくオートドクターによるヤブ手術の影響だろう。どうりで盗聴装置から人間の言葉が聞こえてこないはずだ…俺は胸ポケットからメモと鉛筆を差し出し、それを使うよう女性に言ってから(耳は聞こえるようだ)、質問をした。
「ところで、あなたの名前なんてーの?」
 この質問に女性はひどく驚いた様子を見せ、信じられない、という目つきで俺を見返す。
 俺はこめかみを掻いたあと、さっき渡したばかりのメモをひったくり、素早く文字を書き加えて彼女に返した。
『盗聴されてる』
 その短い文章を見たあと、ふたたび俺のほうを向いた女性に、俺は首輪をトン、トンと叩いてみせた。それから肩をすくめ、マスクの下で片眉を吊り上げる。
 女性はなんとも深い絶望のため息をついてから、力なくメモに名前を書いて寄越した。
『クリスティーン』
「なるほど、クリスティーンね。良い名前だ、惚れるぜ」
 軽口を叩く俺を、女性…クリスティーンはただ黙って睨みつけた。
 だからその顔で睨むの本当にやめてほしいんだけどね、マジで怖いから…
 ある意味で彼女が声を失ったのは都合が良いのかもしれない、などと罰当たりなことを考えながら、俺はなるべく彼女の顔を見ないようにして言った。
「俺たちはシエラ・マドレのカジノ強奪のために集められたんだ。ここに居るってことは、何も事情を知らないはずはないと思うが…ともかく、あんたには協力してもらわなくちゃならない。この首輪には爆薬が仕込まれてて、俺たちを嵌めた老人に逆らったり、あるいは誰か一人でも仲間が死ねば連鎖爆発を起こして全員死ぬ」
 唐突に告げられたこの衝撃的な事実を、しかしクリスティーンはすぐに呑みこんだようだ。
 いまの彼女には事態の進展よりも、むしろ目下の肉体的な疲労のほうがこたえているに違いない。
「少し休んだほうがいいんじゃないか?あのジーサマも、すぐに連れて来いとは言わなかったしな。三十分くらい、そこの寝台で横になりなよ。俺が見張ってるからさ」
 わりと真面目に気遣う俺を、しかしクリスティーンは

余計なお世話だ

と言わんばかりにはねのけ、俺の脇を通り過ぎた。

「…つれないねぇ」

 ところで武器は持っているのか、と尋ねようとしたとき、クリスティーンは寝台の上に乗っていた黒いプラスチック製のケースを取り出し、目の前に掲げる。
 中に小型の銃でも入っているのか…そう思った瞬間、彼女はケースの表面に出っ張っていたレバーを引き、瞬く間に箱型のケースをストックつきのマシンピストルへと変形させた。






 ガチャン!
「おおお…たいしたオモチャだねえ」
 原型はグロックかな?
 根っからのガンマニアゆえ、俺は彼女が扱う珍しい銃にしばし目を奪われたが、彼女の咎めるような目つきに気づき、そんな場合ではないことを悟る。
 先頭に立ちたがるクリスティーンを制しながら、俺はどうにかポイントマンの役を譲らぬよう彼女を背中で押しやり、クリスティーンの不服そうな表情を無視して歩きはじめた。







 エリヤのホログラムが配置された、ヴィラ中央の噴水の前に集結した俺たちは互いに面通しをしたあと、決意も新たに次なる指令を待ち受ける。
 それぞれの思惑を抱えながら…






「おめーら、いくぜあっ!」
『(…こいつらで大丈夫かなあ……)』
 一抹の不安を拭えないエリヤの心情など知る由もなく、俺たちはどっかの誰かに向けて意味もなくポーズをとった。





< Wait For The Next Deal... >








 どうも、グレアムです。Fallout: New Vegas、Dead Money第二回です。キャラ紹介の回とあって画像の枚数に比べ文章量がやや多めになってしまいました。これでもかなり削ったんですが…こいつらけっこう初回のやり取りが長いので、そこを糞真面目にやってしまうと文字数ばかりやたら増えてしまうんですよね。
 他の方はどうしてるんだろうと思って参考までに色々な二次創作を見てみると、けっこうあっさり流してる場合が多い(笑)ここらへんはどこに比重を置くかによるんでしょうねー。









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