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2016/04/28 (Thu)13:36
どうも、グレアムです。
前回終了したFalout New Vegas: Honest Heartsの小説ですが、じつは没ネタが幾つかあったんですよ。本来ならそのまま記憶の闇の奥へ葬り去られる予定だったんですが、ちょっとだけ勿体無いと思ったので、サルベージして再利用することにしました。
あくまで没ネタなのであまりちゃんと書いてないですが、ほんのちょっぴりでも楽しんでいただければ幸いです。
それじゃあ、いってみよう。
物資調達を終えた俺とフォローズ・チョークは、かつてレンジャーが利用していた見張り塔の上で休息を取っていた。
他愛もない雑談のあとで、俺はフォローズ・チョークがぶら下げている拳銃を見せてくれるように頼む。ジョシュアが作ったという銃のボディはずっしりと重く、同時にひどく懐かしい感覚がした。
「思い出すぜ…俺も初めてヴォールトを出たときは、この.45口径を持ち歩いてたんだよなあ」
「そうなんですか。ところで、ヴォールトってなんです?」
「核戦争前に建造された避難用のシェルターで…つっても、わかんねぇか。まあロクなもんじゃねーから、名前を聞いたり実際に見かけたとしても、回れ右して無視すんのが懸命だぜ」
【解説】
ただでさえフォローズ・チョーク関連のエピソードは盛り過ぎたうえ、ここでクレイブに過去話をさせるとややこし面倒臭いことになるので没。
ちなみに「ジョシュアが作った」というのは設計者云々の話ではなく、デッドホース達が使っているM1911はジョシュアの手製なのでは、という推測をもとに。さすがに戦前のを整備して使い回してるってこたぁねーだろと思うので。
ウェイキング・クラウドから夫の安否に関する疑念を聞いた俺は、真相を知るためにダニエルに話を聞くことにした。
「彼女の夫と三人の子供は、すでに別の地へ避難しているんだ。そのことは聞いているだろうが、ただ、夫のほうが…ホワイトレッグスの襲撃を受けたとき、子供たちを庇ってな…」
「ちょっと待て。黙ってた、じゃ済まされないぞ…あんた、彼女に『夫は生きてる』って言ったそうだな!?今回の戦いの行方がどう転ぶにせよ、いずればれる嘘をついてどうすんだよ!」
「これからザイオンを撤退するのに、彼女が戦意を失っては困るのだ!それは部族全体の存続に関わる!」
「戦えなくなったら困るだと…あんた、彼女のことなんかこれっぽっちも心配してねえんだな!?知らない間に夫を亡くした女の気持ちなんか、知ったこっちゃねえってわけか?彼女を戦いに利用するためだけに嘘をついたのか、なんて野郎だテメエ!」
「大声を…出さないでくれ」
「ああ。聞かれたら困るもんな?」
俺はマスクの下で皮肉いっぱいの笑みを浮かべる。
ダニエルはしばらく俺と目を合わせようとはせず、その表情は怒っているようにも、また疲れているようにも見えた。
やがて彼は顔を上げると、努めて平静を保ち、一単語ごとにはっきり区切るような言いかたで言った。
「…すまなかった。率直に言って、私にはそこまで気が回らなかったんだ。多忙に紛れて…いや、こんな言い訳は無意味だな。だが誓って、私は彼女を傷つけるつもりはなかった」
「それを俺に言ってどうするよ」
「そうだな。本来ならば私の口から彼女に言うべきだろう。だが…情けない男と言ってくれて構わない。私には彼女に真実を告げる勇気がない」
傷つくのが怖い…彼女が?それとも、自分が?
寸でのところでそんな言葉が出かかったが、俺はどうにか自制し、かわりに大きく息を吐いた。
これ以上ダニエルを責めたところで、どうなるものでもない。
だから俺は、彼を徹底的にこき下ろすのはやめて、ウェイキング・クラウドに真実を伝える役目を請け負った。過ちを犯した者を見下して悦に入るようなのは、嘘をつく以上に最低な行為だ。
俺の口から真実を伝え聞いたウェイキング・クラウドの怒気は凄まじいものだった。
ダニエルは彼女の難しいお産を助けたことがあり、それ以来、ウェイキング・クラウドはダニエルのことを非常に信頼していた。だからこそ、裏切られた失望が大きかったのだろう。
彼のもとへ向かおうとするウェイキング・クラウドを、俺はどうにか止めようとした。
「まあ、待て…彼はいま、難しい状況にあるザイオンのために、必死に活動しているんだ。今回は、それゆえの過ち…決して悪気があったり、君を裏切るためにやったことじゃない」
「貴方までそんなことを…!」
「裁くなら、すべてが終わったあとだ。それでも遅くはない、だろ?」
彼女はどうにも納得できないという表情をしていたが、それでも、俺の真剣な眼差しを見て、渋々ながら引き下がった。
【解説】
何度か書いたように、フォローズ・チョークに続けてウェクラさんの出番まで作ると収拾がつかなくなるので没。
あとダニエルが割と重要な役割を果たすようになったので、ここで株を下げておきたくなかった。
ホワイトレッグスとの戦いが終わったあと、ウェイキング・クラウドは疎開先から戻ってきた子供たちの口から夫の訃報を聞き、愕然とした。
信頼していたダニエルが嘘をつき続けていたことに彼女は憤慨したが、それでも彼女はダニエルがジョシュアとザイオンの未来のため自ら命を絶ったことを思い、彼なりに思いやった上での行動だったのだろうと自分に言い聞かせようとした。
大切な者を失った失意はそう簡単に忘れることはできなかったが、それでもウェイキング・クラウドは愛する子供たちに囲まれながら、長い時間をかけて心の傷を癒していった。
【解説】
これは事前に夫の死を知らされず、そのままダニエルが死んだ場合のエンディング。
じつは最後まで入れようかどうか悩んだんですが、それまで出番がなかったのにエンディングで急に出張るのもなんかおかしいよなっていうのと、ウェクラさんは他のソローズ民と比べて特別に理解力があるようには思えなかったので(優しい人なんですけどね)、没。
【没ネタ4:感染ラッドギミックニューベガス・オネストハーツ】
度重なるお使いクエストを経て、若干フラストレーションが溜まっていた俺はついにジョシュアに文句を言うことにした。
「金がないならないでいいんだけどさ…せめて弾代くらい負担してくんねーかな?」
「む、すまなかったな…侘びというわけではないが、君に銃と弾薬を供与しよう」
「マジ?らっきぃ」
かくして俺は、ジョシュア謹製の武器弾薬を賜ることになったのだが…
「おいコラ包帯男!これはいったいなんなんだよオメー!」
「なに…?」
俺はジョシュアから渡されたトミーガンをかまえ、めっちゃくちゃに怒りながら銃を振り回した。
「なんでコッキングピースが横についてんだよ!俺がトミーガンつったらM1928以前だっつーの!なんでベースがM1なんだよワケわかんねーよ!しかもオプション全部装備してもフォアグリップつかねーだと!?なめてんの?ねぇなめてんのダークマン?」
「貴様、せっかく私が用意した武器に文句があるのか?」
「ああ、あるとも!おおいにあるとも!つーかメインビジュアルでボルトボーイが持ってるトミーガンはちゃんとコッキングピース上についててフォアグリップも装備してんだろーが!なんでわざわざ変えてくるんだよオブシディアン!」
あまりに勝手な俺の言い草に、ついにジョシュアがキレた!
「そこまで言われて黙っているわけにはいかん!小僧、麻雀で勝負だ!」
【解説】
俺は麻雀探偵物語よりもジャンファイターズのほうが好きです。さすがに世界観を壊し過ぎるネタなので自重しました。というかトミーガンに関してはコンシューマ版のレビューの時点でも散々言ったので今更感がすごい。
こんな感じで、以上没ネタ四連発でした。
うち三つは没るべくして没ったネタです。まああの、映画のDVDに特典でついてる、未公開シーン集みたいなノリですね。必要ないから削除されたんだな、というのが見るだにわかるという。
最後のは…うーん…まあ。対戦ホットギミックは素晴らしいゲームですよ(何のフォローだ)。一時期ゲーセンに行っては、脱衣モードには目もくれずにジャンファイターズばっかやってた時期がありました。
ネタ的にはいろいろ応用できるんですが(シルバーラッシュ爆破とか)、なにせ画像を作るのが面倒臭いので、たぶんもうやらないと思います。ジャンファイターズのキレッキレなポーズ(&顔芸)をNVで再現するのが難しいってのもありますし。
そうそう、話数が貯まったのでHPにまとめページを作りました。
<< Fallout New Vegas : Twin Aces >>
副題は「Twin Aces(双子のエース)」に決定。その言葉が意味するのはなにか。その意味が判明するまで俺は書き続けることができるのか(笑)でもまあ、極力サブクエストは無視する方向性で行くつもりなので、たぶん…最後まで…うーん。
たぶんエースが二枚出て嬉しいゲームって存在しないですよね。二枚だけじゃあね。
元はずっと前に考えてた、女運び屋が兄の形見の銃を追って旅をする「Four Aces(四人のエース)」っていう話の構想があって、それがポシャッたんで副題だけ流用したってのがあるんですけど。
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