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主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。 生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。 http://reverend.sessya.net/
2024/11/23 (Sat)23:54
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2020/07/10 (Fri)00:35


 
 
 
 
 

State of Decay: YOSE

【 Yankee Oscar Sierra Echo 】

Part.8

*本プレイ記には若干の創作や脚色が含まれます。
 
 
 

 
 
 
ノーマン:「どうだい、先生?」
ドク・ハンソン:「フム…傷の状態は良好で、このぶんなら熱もすぐに下がるだろう。ボーイ、君の友人は助かるよ、間違いなく」
 
 
 
 
 
 
 ウィルカーソン兄弟のもとを離れ、教会を訪れたドク・ハンソンは明らかに多忙であったにも関わらず、車中でとった僅かな睡眠のあと、熱心にクレイブの診察にあたっていた。
 その結果、アルルコの内戦で肩を並べて戦った戦友はゾンビ如きを相手に命を落とすことはなかったということが証明されたのだった。彼自身もゾンビになってしまうことがないのは言うに及ばず。
 ウィルカーソンの家で経験したこともあり、場合によってはクレイブもエリのように"処理"しなければならないことをノーマンは半ば覚悟していたが、その心配がなくなったいま、若干の肩の荷が下りたような気分だった。
 
ドク・ハンソン:「噛まれてからかなり時間が経っていたにも関わらず、ほとんど症状に進行がないまま完治する例はそう多くない。彼自身の精神力の賜物か、あるいは免疫系等が発達しているのかもしれないな」
クレイブ:「たぶん、FEVのおかげだろうな…へへっ。やあドク、お会いできて光栄だよ。診察後の御褒美はくれないのかい?例の、棒つきのアンパンマンキャンディさ」
ウィリアム牧師:「鎮痛剤が効いているのかな?」
ノーマン:「こいつはいつもこんな感じだよ。ありがとうドク、感謝してもしきれないよ」
ドク・ハンソン:「いいってことさ。こうやって、患者の笑顔を見れるのは何よりも喜ばしいことだからな」
 
(クレイブ…もとい、原作のエドはメインクエストの進行が遅いと本当に死亡してしまう。それがどのタイミングで行われるかははっきりとわかっておらず、プレイスルー次第ではかなり早い段階で死んでしまうため、プレイ記を書いているあいだにクレイブが死ぬのではないかと割と気が気でなかった。ていうかリアルの時間経過をゲーム進行に反映するのやめてくれよマジで…)
 
 
 

 
 
 
 かくして…
 
クレイブ:「ハッハァ、地獄の底から黄泉がえってきたぜ、ベイビー!伝説の傭兵、クレイブ・マクギヴァン様の復活だァーッ!」
 
 
 
 
 
 
ノーマン:「で…」
 
 容態が完全に回復したあと、物資の調達に出かけていたクレイブは教会へ戻ったあとで正座したまま説教を受ける破目になったのであった。
 
ノーマン:「あの車はトーマスが使っていたものだ。つまり、リッター家のものだ。リリーやジェイコブにとっては親の残した遺産のようなものだ。そのことはわかるな?」
クレイブ:「悪かったよ…」
ノーマン:「物資を回収中に襲ってきたゾンビの軍団を一掃するためにガスタンクを撃ち抜いたら、近くに停めてあったトラックごと吹っ飛んだだと?」
クレイブ:「本当にすまなかった」
 
 思えば、それは不幸な事故であった。
 
 
 

 
 
 
 また別の日、スペンサーズミルに駐留していた軍隊…おそらく、以前ラムダが接触したエリック軍曹の部隊と思われる…が生存者のグループと衝突を起こしたという情報をリリーが無線でキャッチし、クレイブが様子を見に行くことになった。
 現場に到着すると、立て篭もっていた家の前で武装解除され、両手を頭の上に組んだまま跪かされている生存者の姿がそこにあった。周囲を武装した軍人たちが厳めしい表情で睨みをきかせている。
 さて…
 
 
 
 
 
 
女(カレン):「私たちはただ、この最悪な状況のなかで必死に生き延びようとしただけよ!それなのに、生きるのに必要なことをしただけで殺そうとするわけ!?」
エリック軍曹:「どうやら我々の間には意見の不一致があるようだな。私の任務は厳戒態勢下で不法行為を行う者を取り締まることで、抵抗する場合は射殺も止む無しという命令を受けている。そして、君たちは抵抗をしたわけだ。つまり、どうなるかはわかるな?一度も警告を受けなかった、などという言い訳をしてくれるなよ」
クレイブ:「あのー…」
男(ブライソン):「頼む、俺たちには子供がいるんだ!俺たちがいなけりゃあ、子供が飢え死にしちまう!それを黙って見過ごせっていうのか!?」
エリック軍曹:「そのためなら不法行為も正当化されるというわけだ。素晴らしい育児方針だな」
クレイブ:「えーとですね…」
 
 どうにも爪弾きにされた状況のなかで、クレイブは戸惑いを覚えざるを得なかった。
 軍人が本来守るべき民間人を銃で脅している、という光景に対して…ではない。
 投降した民間人たちが、跪いた姿勢のまま宙に浮いているからだった。膝だけであんな跳躍を!
 オートセーブ専用でやり直しがきかないゲームなのに、シリアスなプレイ記を書いてるときに限ってこういう面白いバグを避け難いタイミングで起こすのはやめてくれねぇかな!?
 
エリック軍曹:「ハァ…まったく。いいだろう、今回だけは命を助けてやる。30秒数えるから、そのあいだに我々の前から消え失せろ」
ブライソン:「えっ!?でも…」
エリック軍曹:「29、28、27、26…」
 
 ゾンビだらけの町に水や食料も持たせず、丸腰のまま放り出そうというのか!?
 抗議の声をあげかける民間人に、エリック軍曹は一切の感情を排した表情でカウントダウンを開始する。途端、二人の民間人は脱兎の如く彼方へと走り去っていった。
 
エリック軍曹:「なんてこった。今度の件は、今までで一番の笑い話になるだろうな」
クレイブ:「まったくだよ」
エリック軍曹:「うん?おまえは…アセンション教会の連中か?お前たちはいつも余計なことに首を突っ込みたがるようだな。あの無法者たちを追いたいなら、好きにすればいい。せっかく生かしてやったんだ、ゾンビになられても困る。それでは弾の節約にならない」
 
 それだけ言って、面倒臭そうに手振りで追い払う仕草をするエリック軍曹を尻目に、クレイブは現場から立ち去った。いまのところ、わざわざ軍人を相手に諍いを起こすメリットはない。
 
クレイブ:「とまあ、そんな状況なんだが…どうするかね?」
リリー:「逃げた人たちを仲間に引き入れましょう。教会をゾンビの脅威から守るためにはもう少し人手が必要だし、それに、軍人が実際に何をやっているのか…話も聞きたいし」
クレイブ:「あの連中を仲間に?ハァ、またアランのおやじが癇癪を起こすぜ。あの御仁は頭数が増えることについてはネガティヴな思考を持っているようだからな」
 
 しばらく周辺の建物をチェックして回り、何人かのゾンビを撃ったり叩き殺したりしながら、クレイブは先の民間人が隠れている部屋へと足を踏み入れた。
 
カレン:「お願い、撃たないで!」
クレイブ:「おやおや、俺は君たちを撃たなけりゃならないのか?どんな理由があって?」
ブライソン:「君は…迷彩服を着ているが、さっきの軍人どもとは所属が違うようだな。何者なんだ?」
クレイブ:「あんたらと同じだよ、不法居住と略奪の常習犯ってところかな。アセンション教会に人が集まってるのは知ってるかい?俺は君たちに招待状を届けにきたんだぜ、もちろん、対価として幾らかの労働力を提供してもらう必要はあるが」
ブライソン:「そうか、いや、助かった!てっきり、俺たちはここで誰の助けも得られないまま野垂れ死ぬんだってことを本気で覚悟しはじめていたところだったんだ!」
 
 ブライソンは地元の葬儀屋、カレンは学生で、見たところエリック軍曹に話したような子供がいるようには見えなかったが、そもそも二人は夫婦ですらなかった。そのことについてクレイブは特に詮索するような質問はしなかった。咄嗟に嘘をつくというのは、誰でもやってしまうことだ。特に、自分の命がかかっている場合は。
 
 
 
 
 
 
クレイブ:「んで、あのお偉い軍人様がたは実際に何をやってるんだ?」
ブライソン:「詳しいことは俺たちにもわからない。連中は俺たちを表に引きずり出してから、防護服を身につけた連中を中に招いていた。なんだか、サンプルのようなものを収集しているみたいだったな。それから、俺には到底理解できないような専門的な話をベラベラとはじめた」
クレイブ:「なるほどね、そうやって一軒一軒、丁寧にチェックして回ってるわけだ。状況に即した行動とは言い難いがね…ともかく、教会は君らを歓迎するよ。たぶんな。歓迎されなかったら…まあ、生きてるだけ儲け物だと思ってくれ」
 
 建物から出て二人組を教会へ送ろうとしたとき、リリーから連絡が入った。
 
リリー:「クレイブ?緊急事態よ、ドク・ハンソンがゾンビに襲われてるっていう目撃情報があったの!」
クレイブ:「なんだって?場所は?」
リリー:「郊外にある共同墓地よ。教会の裏手にある…悪いけど、他のメンバーはみんな物資の収集やらで出払ってて、あなた以外に頼める人がいないの」
 
 ブライソンとカレンを教会に送り届け、そのまま共同墓地へ車で乗りつけるクレイブ。
 
 
 
 
 
 
クレイブ:「ジジイ、大丈夫かジジイ!?」
ドク・ハンソン:「おう、若いの!今なら特別にワシを助ける許可をくれてやってもいいぞ!」
クレイブ:「ちょっと待ってろジジイ、すぐに行くからなジジイ!」
 
 
 
 
 
 
 墓地のど真ん中でゾンビの集団に襲われるというホラー体験にも屈することなく、クレイブとドク・ハンソンは果敢に立ち向かい、これを撃破する。
 
クレイブ:「まったくジジイ、勘弁してくれよジジイ!車もなしにそう年中走り回ってたんじゃあ、いくらアンタが健脚だからって、そのうちゾンビに齧られてお陀仏だぜジジイ!いい加減、どっかに落ち着く気はないのかい?」
ドク・ハンソン:「すまんなボーイ、前にも言ったように、ワシゃあ特定の誰かのために働く気はないんだ。ただし、助けてくれた礼と言っちゃあ難だが、ワシが持ってる無線の周波数を教えてやろう。困ったことがあったら連絡してくるといい、ただし、便所の詰まりを直すなんぞという頼みは慎んでお断りするがな」
クレイブ:「それはいいがよ…だいたい、なんでこんな場所でゾンビに襲われてたんだ?どっちかで言やあ、医者よりも葬儀屋に縁のある場所だろうに」
 
 
 
 
 
 
ドク・ハンソン:「妻の墓参りだよ。だいぶ昔の話だがね、結果論で言やあ、こんな世の有り様を見ずに済んだんだから、余計な長生きをしなくて幸運だったと言うべきだろうな。あいつの心臓には刺激が強過ぎる」
クレイブ:「そうだな…」
ドク・ハンソン:「最近じゃあ、いよいよもってワシにお迎えが来るのもそう遠い先のことじゃあないという予感があるんだ。そんなとき、ここで妻に話しかけると気分が落ち着くんだよ」
クレイブ:「よせやい、ガラでもねぇ!いまアンタに死なれちゃあ、困る人間が山といるんだよ!もうちょい気を強く保って、長生きしてくれなくっちゃあ人類が滅びちまうぜ?」
ドク・ハンソン:「ハッハッ、年寄りは労るもんだぞ、ボーイ!そんなわけだから、ワシが死にそうだからといって、そのたびに態々助けてくれなくってもいいぞ。ただ、できれば…野垂れ死んだワシのみっともない亡骸をどっかで見つけたら、ここに…妻の隣に葬ってはくれんか?もちろん、"死に損なわない"よう、処理をしたうえでな」
クレイブ:「…ハァ。わかったよ、アンタは俺の恩人だ。そいつは治療費のかわりに俺が背負い込むべき義務だと思っておくぜ」
 
 せめて車で送ろう、というクレイブの提案を断り、ドク・ハンソンは墓地を立ち去った。
 並の若者では追いつけないような健脚ぶりを目で追いながら、クレイブはぽつりとつぶやいた。
 
クレイブ:「…ぶっ叩いても死にそうには見えないがな」
 
 
 
 
 
 [次回へつづく]
 
 
 
 
 


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