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2020/10/15 (Thu)21:49


 
 
 
The Elder Scrolls IV: Oblivion
Fan Fiction "Crossing Over" #XX-B

- エルダースクロールズ4:オブリビオン -

Side Story【クロッシングオーバー】第XX-B話

 
 
 

 
 
 
 どうも、グレアムです。前回に引き続き、今回はオブリビオンの二次創作「クロッシングオーバー」の九話~十二話までの構想を書き連ねていきたいと思います。
 なお例によって掲載する画像はイメージ的なもの(というか過去に試行錯誤していた最中にテスト的に撮影したスクリーンショット)であり、文中の情景を忠実に再現したものではない点を留意願います。
 
 
 

 
 
 
  第九話「ブルーマ防衛」
 
 ブルーマ軍と民兵、マーティン率いるブレイズたちに街の防衛を任せ、アリシア&エロール&ドレイクはオブリビオン界へ突入します。そこには化け物の軍勢と、攻城兵器クロウラーが控えていました。
 クロウラーの動力である印石を外すことで侵攻を止め、同時にオブリビオン界からの脱出が可能であると考えたエロールは、アリシアとともにキャットウォークから飛び降りて直接クロウラーの背に着地します。その間、ドレイクは雑魚の相手を引き受けます。
 はじめは凄まじいエネルギーを放出する印石に触れることすらできませんが、エロールは聖戦士のメイスの力を使って印石のエネルギーを吸収することに成功、あとは印石を外しさえすればクロウラーの侵攻を止めオブリビオン界から戻れるところまで段取りを進めます。
 しかしドレモラの大軍に囲まれたドレイクは身動きが取れず、二人と合流できません。かつてクヴァッチの門からドレイクのみが帰還したこと…先に突入したクヴァッチの兵士たちが死体すら戻らずオブリビオン界に取り残されたことから、印石を使ってタムリエルへ戻るにはある程度近い距離にいなければならないことを三人は前もって推測していました。
 このままではクロウラーが門を越えてブルーマに到着してしまいます。ドレイクはオブリビオン界に取り残された恋人を探すためシロディールに来たことを思い出し…「ここでなら彼女を探せるかもしれない」そう思い、二人に自分を置いて行くよう伝えます。
 ドレイクを助けようと無謀な加勢を試みるアリシアを引きとめ、エロールは強引に印石を外します。その瞬間、すでにブルーマへと姿を現しはじめていたクロウラーの一部とともに二人は帰還に成功します。しかし、その心情は決して晴れやかなものではありませんでした。
 
 
 
 
 二人はドレイクという犠牲を伴いましたが、地上でブルーマの防衛にあたっていた軍勢もおびただしい数の犠牲者を出していました。大量の返り血を浴びたマーティンは、楽園へ向かうための最後のアイテムが判明したこと、それはまさにいまエロールたちが手にしている印石…「偉大なる印石」であることを伝えます。
「我々はようやくマンカー・キャモランに追いついた」
 
 
 

 
 
 
  第十話「楽園」
 
 数々の強力なマジックアイテムを用い、マンカー・キャモランと深遠の暁信者たちが潜む楽園への転移門を開けたマーティン。そこへアリシアとエロールが挑みます。
 楽園では不死の存在となった信者たちがドレモラから永遠の責め苦を受ける地獄のような光景が広がっていました。同情するエロールに対し、当然の報いだと一蹴するアリシア。エロールはアリシアの様子がおかしいことに気づきます。
 途中、エルダミルという信者がマンカー・キャモラン打倒のための強力を申し出てきます。クヴァッチで命を落とした彼はエロールのかつての同僚であり、エロールはエルダミルを素直に信用しますが、アリシアは決して心を許そうとしません。
 楽園の最深部へと到着した三人。マンカー・キャモランの姿を目にした途端、アリシアは殺意を剥き出しに襲い掛かります。これまでの戦いで大勢の人々の死に直面し、さらには盟友であったドレイクを見捨てざるを得なかったことが、マンカー・キャモランや深遠の暁信者への殺意となって彼女を駆り立てていたのです。
 これまで使命感や優しさから戦っていたアリシアが、憎悪や破壊欲といった悪意から戦う姿にエロールは動揺を隠せません。なんとかアリシアのサポートを試みるエロールですが、彼とエルダミルの前にマンカー・キャモランの魔力で蘇ったレイヴン・キャモランとルマ・キャモランが立ち塞がります。
 数々の魔法攻撃を巧みに避けつつ接近するアリシアに、マンカー・キャモランが強力無比な一撃を叩き込みます。しかしアリシアは決して怯むことなく、ついにマンカー・キャモランの頭に手をかけたのでした。彼女の精霊座の加護が、魔法攻撃を吸収していたのです。
「その可能性を忘れていた…!」驚嘆するマンカー・キャモランの頭を破壊し、胴体を真っ二つに引きちぎるアリシア。その瞬間、楽園にいたすべての深遠の暁信者たちが炎に包まれ絶命していきます。マンカー・キャモランの魔力によって与えられていた仮初めの不死が失われた結果でした。
「助けてくれ、死にたくない!」不可能な助命を懇願するレイヴン・キャモランとルマ・キャモラン。そしてエロールに協力していたエルダミルもまた、その命を終えようとしていました。「ありがとう。これでようやく死ねる」そう言って、エルダミルは静かに燃え尽きていきました。
 楽園が炎に包まれるなか、エロールはアリシアに駆け寄ります。自らが解体したマンカー・キャモランの血で汚れたアリシアは、宿敵を倒しても失われた命が戻ることはないと嘆き、その理不尽に悲しみと怒りを顕わにします。しかし、その怒りをぶるける相手も、もう存在しません。
「行こう。俺たちにはまだ、やるべきことが残っている」そう言ってエロールはアリシアを抱きしめ、マーティンの待つ曇王の神殿へと戻ります。
 
 
 

 
 
 
  第十一話「魔神降誕」
 
 ドラゴンファイアを灯すため、マーティンとジョフリーはブレイズたちとアリシア&エロールを伴って帝都へ凱旋します。王宮で総書記官オカートと話をしている最中、帝都の至る所でオブリビオンの門が発現をはじめたとの報告が入ります。メエルーンズ・デイゴンはマーティンを確実に仕留めるため、彼が帝都へ戻ってくるタイミングを計っていたのです。
 デイゴンがオブリビオンからタムリエルへやってくる前に、最高神の神殿へ向かいドラゴンファイアを灯さねばなりません。一行は急いで最高神の神殿へ向かいますが、アリシアは帝都を防衛する戦力が不足していること、このままでは王宮を守備する衛兵たちが魔物の軍勢に殺されることを予期し、この場に残ることを決意します。
 エロールたちと別れ、アリシアは衛兵隊とともに王宮へ攻め入るデイドラと果敢に渡り合います。しかしオブリビオンの門から絶え間なく溢れてくるデイドラたちを前に衛兵は一人、また一人と倒れ、ついにはアリシアもデイドロスの強力な爪の一撃を受けて倒されてしまいます。
 深手を負ったアリシアは身動きが取れず、助けを求めますが、誰も彼女に救いの手を差し伸べようとはしません。自分はいつもこうだ、どれだけ他人のために戦っても、自分のために何かをしてくれる人は誰もいない…そう悲嘆しますが、すぐにアリシアは思い直します。「自分が戦っているのは、誰かに助けてもらうためじゃない。誰かを助けるためだ…!」
 最後の力を振り絞ってアリシアは立ち上がろうとします。…しかし、アリシアが立ち上がることは二度とありませんでした。彼女はデイドロスの攻撃で胴体が真っ二つに切り離されていたのです。
 
 
 

 
 
 一方、最高神の神殿へと向かったエロールたちは目の前に顕現したデイゴンの姿を目の当たりにして絶望します。「間に合わなかった…!」ドラゴンファイアはデイドラがオブリビオンからタムリエルへ来るのを防ぐためのもの。すでにタムリエルへ現れてしまった者に対しては、何の効果もありません。
 こうなったら、もう自分たちの力でデイゴンを倒すより他に方法はありません。エロールたちはいっせいにデイゴンへ挑みかかりますが、デイゴンの一喝により吹き飛ばされ、戦闘不能に陥ります。現世へと姿を現したデイドラロードを前に、人間は無力です…
 
 
 

 
 
 
  第十二話「エピローグ」
 
 デイゴンが勝ち誇ったような哄笑をあげるなかで、マーティンは何かを思いついたように王者のアミュレットを握り締めます。「すべては神の思し召しだったのだ。私がなぜこの場にいるのか、その意味がようやく理解できた」そうつぶやいたマーティンの真意を察し、エロールは決死の思いで声をかけます。「やめろ、殿下」
 しかしエロールの声など聞こえなかったかのように、マーティンは王者のアミュレットを破壊すると、秘められていたアカトシュの力を解放して自らを犠牲にデイゴンを倒します。「よせ、マーティン!」仲間や主従関係ではなく、一人の友人として…その行為を制止しようとしたエロールの声が、虚しく響きます。
 
 
 
 
 一週間後、復興の兆しを見せながらも未だに暗い空気の漂う帝都にて、マーティンはオカートから呼び出しを受けていました。「このたびにおける君の献身には感謝しているが、君はかつて深遠の暁信者だった男だ。我々がそのことを公表することはないが、いずれは誰かの口から噂が広まることだろう。身の安全を考えて、君はこの国を出るべきだ」その台詞を予期していたかのように、エロールは特にショックを受けた様子もなくこたえます。「俺も同じことを考えてた。スカイリムにでも行こうかと思ってる」「ノルドの土地へ?なぜ」「ちょっとした思いつきさ」
 オカートと分かれたエロールは、花束を持って緑皇通りを訪れます。やがて彼は、ある墓石の前で足を止めました。墓石の碑文にはこうあります。『アリシア・ストーンウェル、帝都を守るため魔物の軍勢に果敢に立ち向かい命を落とす。常に勇敢だった』
「出て行け、とさ。まったく、俺は英雄になったんじゃなかったのか?ひでぇ仕打ちだ、なぁ?」墓石の前に花束を供え、エロールはまるで本人が目の前にいるかのように話しかけます。「スカイリムへ行こうかと思ってる。君がどんな風景を見て育ち、どんな文化とともに生きてきたのか、ちょっと興味が湧いてね」
 立ち去り際、エロールは別れを惜しむようにつぶやきます。「おまえは良いヤツだったなぁ。本当に…良いヤツだった」
 
 そして、百七十年後…オブリビオン界にて恋人のシレーヌと再会し、産まれたばかりの赤子を抱くドレイクの姿がありました。彼は魔界の瘴気によってすでに人ならざる者へと変わりつつあり、このままでは不死性を得た肉体のみならず、心までも魔物に成り果ててしまうのは時間の問題です。
 ドレイクは僅かに残された力を振り絞り、赤子をタムリエルへ送ることを決意します。「俺はこいつを、こんな死しか存在しない世界しか知らないやつに育って欲しくはない。送った先で誰かに拾われるか、あるいは野垂れ死ぬか…いずれにせよ、容易なことではない。こいつは俺たちを恨むだろう、だが、それでも強く逞しく生きていくはずだ。なんたって、俺とお前の息子なんだからな」
 出産と同時に命を落としたシレーヌの亡骸に向かって語りかけ、ドレイクは転送術を用いて赤子をタムリエルに送ります。ブラックマーシュ南部の都市リルモスへと送られた赤子はビルという名の老婆に拾われ、やがてアーケイドと名乗る商人としてスカイリムの動乱に巻き込まれることとなりますが…それはまた、別の話。
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 …というわけで、以上がオブリビオン二次創作「クロッシングオーバー」の全容となります。最後の最後でスカイリム・プレイ記の主人公アーケイドがドレイクの息子であったことが明かされるというサプライズを用意していたのですが、それも今となっては…です。
 エロールがスカイリムへ向かったのは、彼の子孫となるサイラス・ヴェスイウスがなぜシロディールではなくスカイリムで活動しているのかという理由付けが欲しかったからです。なおサイラスの依頼でメエルーンズのカミソリのパーツを回収したさい、アーケイドはサイラスを守るためにドレモラではなく、デイゴンの傀儡と化した父ドレイクと戦うことになります。最終的には自我を取り戻したドレイクがアーケイドの一撃をわざと受けて倒れるのですが、アーケイドは父が正々堂々と戦わなかったことに怒ります。「ふざけんな、アンタ、今手ェ抜いただろ!?それで俺を勝たせたつもりかよ!」「それがわかったのなら…お前もまんざら、ただのボンクラじゃあねぇってことだ。本当は俺自身の手で稽古をつけてやりたかったが、それも叶わぬこと…あばよ。達者で生きろ、息子よ」そう言ってドレイクは成仏します。
 エロール自身はスカイリムで結婚し、妻子をもうけるのですが、その後ニベン湾に出現した扉の調査のために総書記官オカートの召喚を受け、単身シロディールへ帰還。シヴァリングアイルズへ向かい、そのまま行方を絶つ(シェオゴラスとなる)…という顛末です。
 アーケイドがドレイクを倒したあと、激昂したデイゴンがさらなる手勢を差し向けようとするのですが、そこへシェオゴラスとなったエロールが待ったをかける、という構想もありました。「かつての盟友の息子のピンチを黙って見てはいられんなぁ」「いつぞや俺の鼻息一つでやられて手も足も出なかった定命の者が、シェオゴラスの名を拝命したくらいで随分とでかい口を叩くじゃないか」といったやり取りの末に、渋々デイゴンが引き下がるといった具合で。
 その後、サイラスの運営する博物館にエロールの残した手記を発見し、オブリビオンの動乱に関する真実(というには相当に脚色の加わった日記)をアーケイドが知ることになる、というところまで考えていたんですが、まあ何かと手間がかかるので実現には至らず。
 あとはまあ、アリシアがノルドということで、ブルーマの英雄の一人としてソブンガルデの末席にいる、というような設定もボンヤリと考えてはいました。
 
 
 
 
 


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2020/10/10 (Sat)10:18


 
 
 
The Elder Scrolls IV: Oblivion
Fan Fiction "Crossing Over" #XX-A

- エルダースクロールズ4:オブリビオン -

Side Story【クロッシングオーバー】第XX-A話

 
 
 

 
 
 
 
 どうも、グレアムです。今回はオブリビオンの二次創作である「クロッシングオーバー」の構想を紹介していきます。とりあえず現時点では全十二話中の第四話、クヴァッチ城での戦いまで終了したということで、それ以降の展開をつらつらと書き連ねていくことになります。
 いやーコレも本当は完成させたかったんですけどね…ただ、やっぱり納得のいくSSを撮影するのに非常に手間がかかるっていうのがネックで。たしか馬車を作ったり、馬車内での会話を再現するためのポーズを作ってるあたりで力尽きたような記憶があります。
 今回は五話~八話までの四話分を掲載し、次回に九話~十二話までの構想を掲載します。なお掲載する画像についてはあくまでイメージ的なもので、実際に文中の情景を再現したものではありませんので悪しからず。
 
 
 

 
 
 
  第五話「セプティムの血統」
 
 単身クヴァッチのオブリビオン界に乗り込んだドレイクが帰還し、アリシア&エロール&マーティンの三人と合流。それぞれの旅の目的を明かし、利害の一致により行動を共にすることになります。ドレイクはマーティンが皇帝の隠し子であることに半信半疑ですが、マーティン自身もそのことが信じられない様子で戸惑っています。
 馬車に乗ってウェイノン修道院へと帰還する一行、到着直後に強力な魔法攻撃を受けます。修道院は深遠の暁信者による襲撃を受けており、指揮しているのは宿敵マンカー・キャモランの息子レイヴン・キャモランでした。
 かつての上司であり、自らを追放し家を焼いた張本人を前にエロールが奮闘します。
「ぶっ殺してやる、このソフトクリーム頭!」
「私はソフトクリーム頭ではない!」
「……本当だ!」
 
 
 

父とは違ってソフトクリーム頭ではない
 
 エロールに髪型を馬鹿にされ、思わず頭部を守る魔法兜を解除してしまうレイヴン。その瞬間にジョフリーのアカヴィリ刀が一閃し、レイヴンは首を刎ねられて命を落とすのでした。
 全員の奮戦も虚しく、ジョフリーが修道院に隠していた王者のアミュレットが持ち去られてしまいます。一行は次の戦いに備えるため、ブルーマよりさらに北にあるブレイズの本拠地「曇王の神殿」へと向かいます。
 
 
 

 
 
 
  第六話「メサイア・パーティ」
 
 曇王の神殿へ到着した一行は改めて互いに自己紹介をします。スクゥーマの闇取引で牢に囚われていた傭兵アリシア、元深遠の暁信者エロール、帝国の未来にはまったく関心がない異国の剣士ドレイクと、問題のある人物ばかりで頭を抱えるジョフリーを、いまは頼る味方を選んでいられる状況ではないとマーティンが諌めます。
 深遠の暁の活動拠点を探るため各地に密偵を送っているが成果がない、と嘆くジョフリーに、エロールが名乗りをあげます。かつて深遠の暁信者であった彼は、信者たちがアリアス湖の洞窟に潜んでいることを知っていたのでした。
 王者のアミュレット奪還とマンカー・キャモラン暗殺のため、アリシア&エロール&ドレイクの三人がシェイディンハル北西のアリアス湖へ向かいます。
 一人が囮の入信希望者となって他の二人の侵入を手助けする、という計画を立てる三人。囮役に選ばれたアリシアは抗議の声をあげますが、入信のさいに武装解除されることを知っているエロールは徒手格闘に長けているアリシアこそが適任であると言います。またエロールは他の信者に面が割れており、ドレイクは愛刀を手放すことに強い抵抗を示したことから、アリシアは仕方なしに囮役を引き受けます。
 洞窟に侵入したアリシアは門番のハロウの指示により、その場で服をすべて脱ぎ信者のローブに着替えることを強制されます。影ながら様子を伺っていたエロールとドレイクは、裸身となったアリシアの顔半分が火傷で醜く爛れていること、両腕に深刻な傷を負っている姿を見て驚きます。
 
 
 
 
 
 

 
 
 
  第七話「デイゴンの祠」
 
 入信希望者を装い侵入に成功したアリシアは、祭壇に生け贄として捧げられているアルゴニアンを助けるため無謀にも攻撃をはじめてしまいます。影ながら様子を伺っていたエロールとドレイクも黙って見ているわけにはいかず戦闘に参加、マンカー・キャモランの娘ルマ・キャモラン率いる暁の信者たちを相手に大立ち回りを演じます。
 生け贄を助け信者たちを倒したはいいものの、肝心のマンカー・キャモランがザルクセスの神秘の書の中に逃げ込むことを許してしまいます。三人は神秘の書を回収し、曇王の神殿へ戻ります。
 帰還したあと、ドレイクは道中でこっそり購入してあったスクゥーマをアリシアに渡します。彼はアリシアの傷が厳しい鍛錬と過去の戦闘の結果によるものであること、麻薬の常用が傷の痛みを和らげるためのものであることを一目で見抜いていたのでした。その心遣いにアリシアは感謝し、涙を流します。
 一方、エロールは父を殺した一味の仲間であった自分に不信はないのかとマーティンに問います。マーティンはかつて放蕩を重ね、サングインの信者であったときに不手際から友人を死なせてしまった過去を話し、いっときの心の迷いで道を踏み外す若者の気持ちに理解があるという心情を吐露。「俺はあんたを友達と思っていいのかな?」と問うエロールに、「ジョフリーが見ていないところでは、殿下ではなくマーティンと呼んでくれて構わない」と微笑みかけるのでした。
 
 
 

 
 
 
  第八話「神々の血」
 
 マーティンとエロールは互いのデイドラの知識を駆使して神秘の書の解読に挑みます。やがて二人はマンカー・キャモランが逃げ込んだ「楽園」へと向かうために、「デイドラの秘宝」「タイバー・セプティムの鎧」「大ウェルキンド石」が必要であることを突き止めます。
 デイドラの秘宝…エロールがモラグ・バルのメイスを所有していることを知っているマーティンはそれを譲渡するよう説得しますが、エロールは難色を示します。現在ブレイズ達が各地に散らばって強力なアイテムの捜索を行っており、そのうちにモラグ・バルのメイスに代わるものを見つけるという条件でエロールは渋々納得するのでした。
 大ウェルキンド石はブレイズたちが探しているということで、アリシアとドレイクはタイバー・セプティムの鎧を回収するためサンクレ・トールの遺跡へ向かいます。
 悪霊と化したブレイズの霊と対峙することになりますが、ここでアリシアが大の幽霊嫌いであることが発覚し、ドレイクは苦戦を強いられつつもどうにか鎧の回収に成功します。
 曇王の神殿へと戻ろうとした二人はブルーマにオブリビオンの門が開いているのを目撃します。ブルーマ軍と民兵による決死の防衛が行われているなか、マーティンは二人が持ち帰ったタイバー・セプティムの鎧を着用し、ブレイズを指揮して加勢に入ります。
 また大ウェルキンド石の回収へ向かっていたボーラスとレノルト指揮官が帰還し、エロールにモラグ・バルのメイスに代わる武器を進呈します。なんと、それはかつてペリナル・ホワイトストレークが所持していた聖遺物「聖戦士のメイス」でした。
 
 
 

 
 
 
 というわけで、ここまでが中盤戦となります。以降はブルーマ防衛、楽園、帝都での最終決戦へとノンストップで続く怒涛の展開となりますが、それは次回に。
 
 
 
 
 
 


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2020/10/07 (Wed)00:49


 
 
 
 
 
The Elder Scrolls IV: Shivering Isles
"Ghost in Madness" #XX

- エルダースクロールズ4:シヴァリングアイルズ -

【狂気の島と死霊娘】第XX回

 
 
 

 
 
 
 
 さてブログ更新終了決定記念(イヤな記念だな!)ってわけで、最初に構想を語るのは死霊娘ジアンが活躍したりしなかったりする、オブリビオンのシヴァリング・アイルズ編だ。とはいうものの、基本的にはゲーム本編の筋書きのまま、たまに横道に逸れるというだけの、二次創作要素の薄いプレイ記なので、これといって多く語れるようなこともないのだが…
 実際、残すところフリンジ奪還してゲートキーパー復活させたあと色々すっ飛ばしてジャガラグ倒して終了にする予定だったので、そんなに先は長くならないはずだったんですけども、そのための小道具の用意やら何やら色々やってるうちに力尽きてしまったという。あと丁度ノートPCからデスクトップに環境を切り替えたこともあって、データ移行が面倒臭かったというのもある。
 
 フリンジ奪還ではバイクで爆走しながらガトリングガンをぶっ放す暴虐ぶりを発揮する、ということで、トレーサーを曳きながら飛ぶ弾丸、薬莢、バラバラに吹っ飛ぶオーダーの騎士や着弾で抉れる地面など色々作ってたんですが、何をどこまで作ってたのかちょっと俺ももう思い出せない。
 ゲートキーパー復活ではジアンが色々と余計なモノを混ぜたせいで、エンジンを背負いパイルバンカーを装備した超兵器が誕生する予定でした。これはいちおうテスト的に撮ってあったスクリーンショットがHDDに残っていたのでここに掲載する。
 
 
 

 
 
 見た限り、肌の色とか傷跡?紋様?をグロウマップで光らせようとしてあんまり上手くいかなかったりとか、試行錯誤の途中だったような気もする。
 
 でまあ、シェオゴラスの杖を入手せずにジャガラグとの最終決戦に突入するわけですが、ここでジアンが少しづつ修理を続けていた宇宙船(という話を挟む予定だった。そのため修理中の壊れた宇宙船と完治し飛行するモデルの二つが必要に…)がついに修理完了し、搭載火器の一斉掃射でオーダー軍とジャガラグをもろとも破壊したのち宇宙の彼方へ消えていく…
 廃墟と化した宮殿で、グレイマーチを止めることには成功したもののシェオゴラスの崩御はならず、嘆息するハスキルに再びシェオゴラスとして君臨したジャガラグが「まあいい、また二千年待つさ」と言って終了となる予定でした。
 ちなみにこれは平行して進めていたオブリビオンの二次創作「クロッシングオーバー」の二千年前という設定で(だいたい第一紀1500年あたり?このあたりは年表でもかなり長い期間何も観測されていなかったりする)、クロッシングオーバーの終了後に生き延びた元深遠の暁信者の青年エロールが帝都からの要請でシヴァリングアイルズに向かい、最終的には彼がシェオゴラスとなる、といった構想もあったのですが、それについてはまた別の機会に。
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 


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2019/02/27 (Wed)18:38







The Elder Scrolls IV: Shivering Isles
"Ghost in Madness" #10

- エルダースクロールズ4:シヴァリングアイルズ -

【狂気の島と死霊娘】第十回









ジアン:「緑に囲まれていると気が落ち着くのである」

 ついに侵攻を開始したオーダーの軍勢を退けるため、フリンジへ向かうジアン。道中、ダイア・ウォレンと呼ばれる洞窟にて休息の一幕である。




 洞窟の最奥には男が一人で暮らしており、話しかけたところ、いきなり襲われたので正当防衛を行使した。死体が燃えているのは斬り捨てた拍子に偶然、焚き火に向かって吹っ飛んでいったからで、他意はない。
 トレイリウスというらしい、この魔術師風の男の日記には、かつてともに暮らしていた恋人への想いが綴られていた。この手記を見る限り、悪人ではなさそうだが…あるいは、ジアンが迂闊にこの場へ足を踏み入れさえしなければ、彼はまだ孤独なその生を永らえさせていたのかもしれない。









 続いて、ノットボーン・チェンバーと呼ばれる洞窟を調査する。
 ここではグラマイト(エラっパリ)とエリトラ(昆虫型)がナワバリ争いを繰り広げていた。グラマイトのトーテムがあるところを見ると、もとはグラマイトの生活圏だと思われる。
 クリーチャー同士が争う場面はなかなか見られないので、しばらく観察したのち両成敗した。




ジアン:「フーム…興味深い。彼らはこれを何に使う気であろうか?」

 地下の遺跡部分にて、狂気の鉱脈を発見する。採掘している途中らしく、周囲にはハンマーや鎌といった道具が置かれていた。人間の手によるもの…ではないだろう。おそらくはグラマイトがこれを掘っていたに違いない。
 少なくとも彼らは道具を扱える知能を持っている。棍棒を振り回すだけでなく、刃物に毒を塗ったり、弓矢の扱いを知っている。ひょっとしたら、彼らの扱っている武具は狂気の鉱石を材料としているのかもしれない。クルーシブルのカッターが鍛えたものと比べれば、その出来に雲泥の差はあるが。




 また、彼らは光り物を収集する癖があるようだ。あるいは、特定の個体が好んでいるだけかもしれないが。
 グラマイトのキャンプ、寝床に置いてある宝箱の中に、アクアマリンやトパーズといった宝石や金貨などを確認できた。グラマイトに貨幣制度の概念はないだろうし、彼らが身につける服飾品には金や宝石をあしらった華美なものは見られないので、たんに、物珍しさゆえに収集しているに過ぎないと推察できる。

ジアン:「いずれ、この半漁人どもが人間並の高度文明を持ったりするのであろうかのう」








 ザセルムと呼ばれる砦の入り口で、ゴールデン・セイントがクリーチャーと戦っている場面に遭遇、助太刀に向かう。

ジアン:「しかし、ここはすでにディメンシャの領域だと思っていたが。境界近くでは持ち場でない領域へ足を踏み入れることもあるんだのう」

 通常、ゴールデン・セイントはマニアの領域を、ダーク・セデューサーはディメンシャの領域を巡回している。いずれもこの地の治安を維持する存在ではあるが、両者は互いに憎しみあっており、殺し合いに発展することも珍しくない。




ジアン:「これは…えぐいのー」

 ザセルムは魔術師の実験施設と思しき施設で、さまざまなフロアで人体実験を行った形跡が残っていた。あるいは、クリーチャーの生態を研究するために人間を実験材料に使っているケースが多いか。
 たとえば現在ジアンがいる場所では、壁に張りつけられた人間に向かって無数の毒針を撃ち出すトラップが作動するよう設計されていた。そのすぐ下には、まだ新鮮な人間の死体が転がっている。
 なんの実験だろうか?罠の実用性についてか?人間の耐久力についてか?あるいは、ゾンビの耐久力を試していたのかもしれないが…




 また別の場所では、多数の死体が宙吊りにされている光景を目撃する。床にこぼれた大量の血液、雑に置かれた陶器の皿を一瞥。

ジアン:「血抜き、であるか。食肉の確保、というより、血を集めることが目的のように見えるな。魔術的な実験の材料か…新鮮な生き血であれば私も欲するのだが、腐っているものはさすがにのー」

 カルトが科学力を結集して蘇生させたサイバーゾンビであるジアンは、肉体の維持に定期的な血液の交換を必要としている。血液の確保が困難な地域での活動を想定し、常に一定数の血液パックを保有してもいる…緊急時は人間から生き血を抜き取ることも辞さないが、そもそも、新鮮な人間が存在しない土地というのも存在するのだ。




 さらに奥へ進むと、研究室と思しき部屋で多数の虚空のエキスを発見する。たしか、肉体の精霊の核として使われている物質だ。
 肉体の精霊はどこか、人造物を思わせる外観をしている。すくなくとも他のクリーチャーとは由来の異なる存在であることは確かだ。そういえば、この塔の入り口にいたのも肉体の精霊だった。ひょっとしたら、この塔の主は肉体の精霊を造るための実験をここでしていたのかもしれない。
 この塔で実験を行っている何者か、魔術師か、あるいはシェオゴラス本人なのか?この悪趣味ぶりは以前関わったゼディリアンに近いものがある。
 実験施設そのものは最近まで使われていた痕跡がある。しかし、塔のさらに奥へ続く扉は専用の鍵で施錠されており、開けることができなかった。爆薬でふっ飛ばしてもいいのだが、塔ごと崩れても面倒だ。いずれ、ふたたび立ち寄ることもあるだろう。








 シヴァリング・アイルズの幻想的な夜景に、遠い火星の地へ想いを馳せる。
 ジアンが元の宇宙へ戻れる日は来るのか…



 [次回へつづく]


















2019/02/24 (Sun)00:19







The Elder Scrolls IV: Shivering Isles
"Ghost in Madness" #9

- エルダースクロールズ4:シヴァリングアイルズ -

【狂気の島と死霊娘】第九回









 ついにシル女公爵と対面したジアン。三対一の戦闘はジアンの優勢で進み、先に護衛のダーク・セデューサー二人を始末したまでは良かったが、ただの臆病な陰気ババアと高を括っていたシルが意外にも強かった。普段の執政姿とは異なる、年甲斐もなく露出度の高い戦闘装備からも自信のほどが窺える。

シル:「どうした、そんなものか!小娘!」

 ガギンッ、大きく振りかぶったシルの一撃でジアンの右手からサブマシンガンが弾かれる。
 だがしかし、勝ち誇ったたった今の一撃で生じた隙をジアンは見逃さない!




 シルが勝利を確信した刹那、ジアンはカタナを一閃させ彼女の首を刈り取る!
 どうと音を立て為政者が血の海に沈む、悲鳴をあげる間もなく、ディメンシャ女公爵は息絶えた。




 ジアンはその場にひざまづき、儀式用のナイフでシルの心臓をえぐり取る。

ジアン:「これにて一件落着、であるか。随分と血生臭い結果になってしまったが、致し方あるまい」

 あとはこの心臓をサセラム・アルデン=スルへ持ち帰るだけである。








 ジレサルドのさらに地下にはズィーロットの隠れ家があり、布団も敷いてあったのでひとまず今夜はここで休息を取ることに。
 しかしシルを仕留めたことで気が緩んでしまったのか、ジアンは暗殺者の接近を許すことになってしまう。




ルシエン:「どこだここ」

ジアン:「あんた誰なのん…?」

 ジアンの前に突如として現れた黒衣の男、名をルシエン・ラシャンス。闇の一党と呼ばれる暗殺者集団の幹部ブラックハンドの殺し屋である。シロディールという大陸からやってきたらしい、あれやこれやと話を持ちかけてくるが、そもそもワームホールの事故で太陽系から直接シヴァリング・アイルズへ不時着したジアンにとってはチンプンカンプンだ。
 とりあえず、彼のことはジアンの中で「売れない短剣をくれるおっちゃん」として記憶されることになった。




ルシエン:「さらばだ、成果を期待しているぞ」

ジアン:「ところで、このスイッチはなんであるか?」




 ガコッ。

ジアン:「あっ。」

ルシエン:「アーーーーーーーーッ!!」

 言いたいことを言うだけ言って立ち去ろうとするルシエンを、落とし穴の恐怖が襲う。
 なお彼は高空から落下したにも関わらず、無事、その健脚でシェイディンハルまで戻ったという。
 それはともかく。








 ジレサルドを脱出したジアンは、外で待ち構えていたダーク・セデューサーたちを撃破。

ジアン:「これで全部であるか?」

 岩の上から狙撃してきていた弓兵を始末し、遠目に見える、朝靄に包まれた王宮を一望する。すでに夜は開け、朝日が東に昇っていた。




 サセラム・アルデン=スルへ戻ったジアンは祭壇にシルの心臓を捧げ、正式にディメンシャ女公爵の階位に拝命された。…いままで建物内に死体などぶら下がっていただろうか?
 シェオ爺のありがたいお言葉の途中、マニア公爵セイドンが血相を変えて乱入してくる。




 どうやら彼は今回の交代劇にあまり良い感情を抱いていないようだ。

セイドン:「シルが死んだ?そして、この余所者が新たなるディメンシャの公爵だって?正気なのですかマッドゴッド?いや、正気ではないからこそのマッドゴッドの名であり、今回のこの気違い沙汰を喜んで眺めているというわけか!」

ジアン:「私では駄目であるか…?」

セイドン:「色目を使うんじゃない、この生き腐れめ、私にネクロフィリアの趣味はない!もういい、たくさんだ、シェオゴラス!もうあんたにはついていけない、私はジャガラグにつく!すでに彼の軍勢はフリンジを制圧した、私はそこへ合流し、オーダーの司祭となってあなたに牙を剥くことになろう!」

ジアン:「オーダーの司祭?まさか、あなたもザビエルハゲだというの!?」

セイドン:「違う!」

ジアン:「ならば何故!?」

セイドン:「君の話の要点がわからん!」

 シェオゴラスの制止(というか煽り)も虚しく、セイドンはかつての主人に背を向け建物を出て行く。それを阻止せんと、その場にいたゴールデン・セイントとダーク・セデューサーたちが剣を抜いたが、シェオゴラスはセイドンへの攻撃を許可しなかった。
 どうやらシェオ爺はセイドンの裏切りをも今回の騒動を盛り上げる演出の一環と捉えているらしい。

シェオゴラス:「狂気の門を抜け、いまふたたびフリンジへと戻るがよい、ザ・ニュー女公爵よ!現地の抵抗勢力と協力してジャガラグの手勢を打ち破るのだ!」

ジアン:「ところで、あのおっちゃんが裏切ったということは、現在はマニア公爵の地位も空席ということであるか?せっかくなので私がダブル公爵ということにはならないだろうか?」

シェオゴラス:「それはいかん、権力者の地位というものはきちんとした作法に則って継承されねばな。とはいえ、ヤツが敵として立ちはだかるのなら、おぬしはそれを打ち破るであろう。そうなれば、あのオッペケ画家気取りを伝統に従って毒殺することは不可能になるというわけだ。となるとマニア公爵の地位は永遠に受け継がれないままということになり、うーむ?まあ、そうならそうで何か代案を考えるとしようか、なにせほら、私はこの国の支配者であるからしてな」

ジアン:「いまのところは?」

シェオゴラス:「そう、いまのところはな」



 [次回へつづく]


















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