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主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。 生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。 http://reverend.sessya.net/
2024/04/19 (Fri)10:11
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2016/11/02 (Wed)00:56





 俺の名はアーケイド、アルゴニアンの商人だ。
 旅の途中でウィンドヘルムに立ち寄った俺はストームクロークへの入隊を決意し、首長ウルフリックに対して宣誓を果たす。
 帝国軍とストームクロークの内戦はいまのところ小康状態にあるが、アルドメリから派遣されてきたエルフたちの動きがキナ臭いこともあり、いつ激しい戦いがはじまるともわからない。
 当初の予定では、俺はたんに商人として関わりたかっただけだが、どうもそれだけでは済まなそうな雰囲気だ。







 ガルマルの話によれば、かつて上級王の権威の象徴であった「尖った王冠」がコルバンヤンドという遺跡に眠っていることが確認されたらしい。古竜の骨と歯から作られたその王冠には、かつての王位継承者たちの力が宿っているという。
 もしウルフリックが帝国やアルドメリに先んじてその王冠を手にすることができれば、彼の王位主張の正当性における信憑性が高まるというわけだ。ノルドは伝統を重んじる性格ゆえ、この内戦においてかなりの優位性を確保することができるだろう。
「すでに兵を派遣してあると言っていたが、なにか懸念でも?」
「ああ。帝国やエルフどもが狙っているとは思えんが、最後の戴冠者であるボルガス王はエルフどもの率いるグレートハントによって暗殺された。あのエルフどもが権力者をただ殺すなどとは考えられん。何がしかの呪いをかけているはずだ。そのための警戒だよ」
「なるほど。この地じゃあ、ご先祖様はあまり安眠できてないようだからなぁ」
 石拳のガルマルとの会話で、俺は次なる任務の概要の把握に努める。
 安眠云々は、これまでのスカイリムでの活動であまりにもアンデッドとの戦いが多かったための感想である。
 目的地であるコルバルヤンドはウィンドヘルムからそう遠くない。ウィンターホールド大学からの依頼である書籍の回収地点とも近い。順番に解決していくとしよう。

 出発の前に、王宮魔術師のウーンファースのもとへ挨拶に訪れる。






「ほう、おまえさんか。いつぞやは世話になったな」
「そう嫌味を言わんでくださいよ…」
 皮肉っぽい笑みを浮かべるウーンファースに、俺は気まずそうな表情を浮かべる。
 以前ウィンドヘルムで殺人事件の調査をしていたとき、俺はこのジーサンの誤認逮捕に加担してしまったことがあるのだ(どちらかといえば俺の調査報告を聞いたヨルレイフが先走ったせいなので、「俺が誤認逮捕した」とは言いたくない)。
 とはいえ魔法嫌いのノルドの地であるスカイリムでは貴重な魔術師仲間だ。過去のことは水に流して、できれば仲良くしたいものである。
「今日は届けるものがあって来たんだよ。市場のヒレヴィ・クルーエル・シーから、ベラドンナのエキスと言ってたが」
「おお、それはまさしく儂が頼んでおいたものだな。よし、駄賃をくれてやろう」
 そう言ってウーンファースが差し出した革袋には、なんと750枚もの金貨が入っていた。
 さんざん苦労して金貨5枚で済まされかかった直後とあって、俺はこれが何かの間違いではないかと目を疑う。
「さぁすが、宮仕えは豪儀だねぇ」
 子供の使いで金貨750枚とは。だが、仕事は楽に越したことはない。必ずしも報酬が苦労に見合ったものとは限らない、というのはどの世界でも変わらぬということか。
「力も鋼もいいだろう。だが魔法こそがこの世の真の力だ」
 別れしな、老ウーンファースがいつもの調子で捲し立てる。
 この世界では、魔法は冷遇されているんだよ…とは、さすがに言えなかった。






 王宮を出たとき、俺は石拳のガルマルから受け取ったストームクロークの標準装備を身につけていた。
「ねぇボルガクさん、この新衣装どう思う?」
「以前より貧相に見えるな」
「やっぱり?」
 俺もそう思う。
 ていうか、なんで袖出してんの?雪国で肌を露出する装備が多いのはなぜなの?ノルド人は露出性癖があるの?肌を出してないと死ぬ病気なの?
 生暖かい湿地の出身である俺にノルドの衣装はちとレベルが高すぎる。ひょっとしたらこれも、ストームクロークの一員として、ノルドの一員としての試練なのかもしれない。







 すぐにいつも通りの服装へ着替え、俺はまずウィンターホールド大学から請けた仕事をこなすためフェルグロウ砦へ向かった。サールザルで発見したオーブの謎を解明するために有用な書籍を持ち出したオーソーンという魔術師が、この砦にいるらしい。






「うおりゃたあーっ!」
 ゴガッ!
 俺はカタナを抜かずに鞘を装着したままの状態で砦の見張りを叩き伏せ、状況を確認する。
「どうやら死霊術師だけじゃなくて、ありとあらゆる種類のはぐれ魔術師が集まってるらしいな。大学という権威に頼らず、独力で研究を続けることを選んだ不良どもの集いか」
 権威に頼らず…なんて言い方をすれば、ちょいとカッコ良く思えてもくるが、要するに大学で禁止されている危険な魔術を研究するため離れていった連中だ。中には腕の立つやつもいるので、生活には困らなかったことだろう…
 幾らかは作物を育てて自給自足していたようだが、少なくとも、農業や畜産だけで研究道具や書籍、まして宝飾品まで賄えるはずもない。その大部分は旅人を襲って得たものに違いなかった。
 ちょうど、俺の姿を見かけて一も二もなく破壊魔法をぶち込んできたように。
「で、いつものように私は外で待機というわけだな」
 不服そうにつぶやくボルガク。でもやっぱ閉所は一人のほうが探索しやすいんですよ。
 俺は彼女に外の見張りを頼むと、以前攻略したはずの(そういうパターン多くなってきたな…)フェルグロウ砦へ侵入した。

 檻に囚われていたオーソーンを発見したのは、砦の地下牢にたむろしている魔術師や吸血鬼をボコボコにのして回った後のことだった。






「随分と快適な別荘住まいじゃないか」
「あんた、俺を知っているのか?たのむ、ここから出してくれ!」
 俺の皮肉に反論する余裕もなく、アルトマーの魔術師オーソーンは鉄格子越しに哀願してきた。
 彼の言う通りにレバーの仕掛けを作動させ、鉄格子を解放する。
 いままでのパターンだと「助けてくれてありがとう!お礼に殺してやる!」という結果になることがおおいに予想できたので、俺はすぐにカタナをぶっ刺せるよう警戒していたが、どうやらオーソーンに反抗の意志はないようだ。
「俺は大学の命令で、おまえさんが持ち去った本を回収するために来たんだ。おまえさんを助けるためじゃないが、まあ、大学の連中だって、おまえさんの死まで望んじゃいまいよ。いったい、どうなってるんだい?」
「ここにいる連中、俺から本だけを奪って、あとは実験体として利用するために俺を閉じ込めやがったんだ!こんなのあんまりだぜ!」
「それにしたって、ここの連中、いったい何の研究をしてるんだ?いろんな種族の死体やら、牢に生きたまま捕えられた吸血鬼やら、ちょっと普通じゃないぜ」
「俺が知るもんか…俺は蚊帳の外だったんだから」
「ま、いいや。とりあえず本を回収して、ここから脱出しますか」
「三冊の本はここにいる連中の親玉が持ってる。行こう、俺も援護するよ」
 その後はオーソーンとともに、はぐれ魔術師たちを始末していく。
 このオーソーン、炎の精霊を召喚できるのはいいが、本人自身は至って打たれ弱く(なんせレベル10だ!)、注意していないとすぐに死にそうな雰囲気だ。






「こいつは…それらしい本は持ってないな…」
「そいつは親玉じゃない。親玉はアルトマーの女だ、いい声をしてる、いい女だよ」
「ああそう」
 殺した魔術師たちの死体を逐一確認しながら、俺たちは慎重に先へ進んでいく。
「しかしあんたねえ、いちおう隠れて行動してるんだから、物音立てないよう少しは注意してちょうだいよ」
「仕方がないだろう、俺は魔術師で、薄汚い盗賊とは違うんだ」
「…置いてくよ?」
「すまなかった。悪かった」
 このオーソーンという男、こちらがスニーク状態で移動していても平気で立ったまま走ってくるので、たいてい先制攻撃を仕掛ける前に敵に気づかれてしまうのだ。
 ヤツが召喚する炎の精霊も、見た目は魅力的だし強そうだが、実際の戦闘力はそれほどでもない。すこし腕の立つ魔術師なら、ヤケド一つ負わずに倒すことができるだろう。
 ぶっちゃけ足手まといでしかないのだが、まだ敵の親玉とやらを始末していない以上、勝手に行動させるのは危険だ。それにまだ、何も企んでいないと決まったものでもない。
 やがて俺たちは砦の最上階にて待ち受ける召喚者と相対した。






「貴方ね…私の研究を台無しにして、仲間を皆殺しにしてくれたのは。いちおう名前と、目的を聞いておこうかしら」
「あっしゃあブラックマーシュはリルモスの生まれ、ビル・アーケイド。意地には強いが人情にゃあ弱い、男の中の男一匹!」
「そんなことは聞いてないわ」
「ああそう」
 追い詰められたにしては殊勝な態度を取る召喚者に、俺は思わず感心の声をあげる。
「なるほどオーソーンの言う通り、いい声をした美人さんだ。トカゲの俺でも惚れそうだぜ」
「お褒めの言葉をどうも。オーソーンを連れ出したということは、貴方、大学の関係者ね?残念だわ…アレンの腰巾着に用はないの」
「つれないねぇ。交渉の余地はないのかい?どっちかが死ぬしかないかね」
「あれだけ好き勝手に暴れておいて、よく言うわ。でも、ええ、その力に免じて…オーソーンを置いていくなら、貴方の暴虐に目を瞑って、本を渡しても構わないわ。そして、無事に帰してあげる」
 それは破格の提案だった。
 彼女の資産をぶち壊し、仲間を皆殺しにしておいて、俺は三流の魔術師を見捨てるだけで目的を達成することができるわけだ。もともと俺の目的は本の回収で、オーソーンの安否は勘定に入ってない。
「おい、まさか俺を見捨てたりしないよな!?」
 哀れっぽい声をあげ、オーソーンが立ちすくむ。
 俺はカタナを鞘に納め、オーソーンを見つめ、召喚者に目配せをすると、ゆっくり頷いた。
「本はもらっていくぜ。この青瓢箪は煮るなり焼くなり、好きにするといい」
「交渉成立ね」
 召喚者が氷のように冷たい微笑を浮かべる。
 俺は祭壇に奉げられた本を回収するため彼女の脇を通り過ぎ、その背後まで近づいたとき、ふと足を止めた。
「ああそうだ、一つ言い忘れてたことがある」














「な、なぜ…」
 祭壇に串刺しにされ、召喚者は血を吐きながら問いかける。
 俺は先刻の彼女よりもなお冷たい、爬虫類の瞳でその無残な姿を見下ろした。
「俺にゃあ、そうまでしてあんたを生かす理由がねぇ」
 さっきの、情には弱い、なんてのは嘘っぱちだ。
 いままでにいったい、打算や目先の利益のために何人殺してきただろうか。






「お、驚かしやがって…でも、あんたが俺を見捨てるわけはないと思ってたよ!」
 スラリ、音を立てて納刀する俺に、オーソーンが安堵のため息を吐く。
 べつに…オーソーンを助けたのは情からではない。そのほうが大学からの評価が上がるだろうと思っただけのことだ。もし、それを上回る好条件を召喚者が提示したのなら…そんなことが可能だったなら、の話だが…俺はあっさりそっちに乗っていただろう。
「因業かねぇ…」
 血にまみれ、驚きの表情のまま絶命した女の顔を見つめながら、俺は深いため息をついた。






 フェルグロウ砦を出た俺はボルガクと合流し、オーソーンの無事を見届けた。
「いちおう大学に話は通しておくよ。戻るならある程度の罰は覚悟だろうが、まあ、ガチでキレてる様子もなかったし、そこまで深刻に考える必要はないだろう」
「すまない…この恩は忘れないよ。いつかきっと、借りは返す」
 そう言い残し、炎の精霊を連れてダバダバと走り去っていくオーソーン。道中で野良吸血鬼や野良死霊術師にやられたり、巨人にホームランされたりしないといいが…
 回収した三冊の本のタイトルはそれぞれ「涙の夜」「アルテウムについて」「アイレイド最後の王」。いずれも貴重な品々だ、まだ内容は確認していないが、今回の件で重要なのは果たしてどの本か。
 ウィンターホールド大学へ戻る前に、ガルマル以下ストームクローク部隊が待機しているコルバンヤンドへ向かおう。ここで少し休憩を取ったとしても、明朝には着けるはずだ。










 コルバンヤンドでは懐かしい顔が俺を出迎えた。
「おまえ、正式に我々の仲間になったらしいな!一緒に帝国の手からスカイリムの地を取り戻そうぜ!」
「レェイロフぅ!もうリバーウッドで呑んだくれるのには飽きたのか?」
「そういうことを言うなよ…」
 石拳のガルマル率いる分隊には、俺がかつてヘルゲンで帝国軍に処刑されかかったとき、一緒に脱出して束の間世話を焼いてくれたノルドの戦士レイロフも加わっていた。
 旧友同士肩を抱き合い、拳を突き合せて再会を喜ぶ俺たち。思えば、このスカイリムの地に来て最初に出会った友好的な相手なんだよな、この男は。
 男同士の友情の確認もそこそこに、ガルマルが状況を説明しはじめる。
「いま遺跡の周辺に数名の帝国軍兵士を確認している。連中は尖った王冠のことを知って派遣されてきたはずだが、規模は小さく、奇襲を仕掛ければ容易く殲滅することができるだろう。こちらの動きに気づかれるまえに、やつらの腹を切り裂いてやる」
 分隊は移動をはじめ、腰を低くしたまま静かに歩を進めていく。
 その途中、俺はボルガクに向かって小さくつぶやいた。
「ヴァイキングの復讐、か」
「なに?」
「腹を切り裂く、と言ったろう?それから腸を引っぱりだして、相手が死ぬまで苦しみのたうちまわるのを眺めるのさ。死ぬまで半時間ほどかかるらしい。ネディックの伝統的な処刑法だ」
「おまえは悪趣味な本ばかり読んでいるな」
「どうも」
 やがて帝国軍兵士の守備隊に接近した俺たちは一気に襲いかかり、反撃の隙を与えぬまま全滅させる。






 コルバンヤンド内部へ侵入、ガルマルの鋭い声が響く。
「全員、無事か?」
「一人も欠けていません。負傷者もかすり傷で済んでいます」レイロフが答える。
「よし…どうやら内部にも帝国兵が潜んでいるな。おそらく表の連中がやられたことには気づいているだろう、待ち伏せする気でいるらしい。生意気な」
 周辺には山賊と思しき死体が転がり、そこいらに放置された宝箱は中身が空っぽになっている。
 どうやら、元々は山賊が住み着いていたのを帝国軍が乗っ取ったらしい。
 俺たちは内部の様子を窺いつつ、隙を見て攻撃を仕掛けた。






「スカイリムのために!」
 ガルマルの咆哮とともに、双方入り乱れての乱戦がはじまる。
 本来なら弓を使った遠距離からの狙撃でセコセコと数を減らしたいところだが、ここはストームクロークに俺の実力を見せつけるためにも、剣を使った戦闘に参加したほうがいいだろう。
 幸か不幸かいままで散々に強敵と戦ってきたこともあり、たいした訓練も受けていない下っ端の帝国軍兵士如きに後れを取る気はない。
 それに今回同行している、名も知らぬストームクロークの戦士たちも中々に勇猛かつ手練であった。どうやらガルマルは下級兵士の訓練ではなく、相当な困難を予想した布陣でここへ来たようだ。






 帝国軍兵士たちを葬り去り、ストームクローク隊とともに遺跡の深部へ向かった俺は、なにやら見覚えのある部屋へ辿り着いた。
「これは物語の間だな。ここに描かれた壁画は、かつてこの地を築いた古代人たちの歴史を表しているのだ」
「へぇ」
 ガルマルの説明に、俺は適当な相槌をつく。
 物語の間という呼称は知らなかったが、俺はかつて古代ノルド人の遺跡を探索したときに、何度も同じものを目にしている。行く手を塞ぐ壁の仕掛けも、もはや謎でもなんでもなくなっていた。
「これは竜の爪っていう鍵が必要なんだよ。さて、どれが合うかな?エメラルド?サファイア?ルビー?アイボリー?コーラル?金?鉄?」
「いや、足元に落ちているやつではないのか」
 やおらバックパックから色とりどりの、竜の爪をかたどった装飾品を取り出す俺に、ガルマルが帝国軍兵士の死体の傍らに転がっている黒檀製の爪を指差した。
 この帝国軍兵士は俺たちが殺した連中とは違う。どうやら、仕掛けを正しく理解せず竜の爪を使い、遺跡の罠にやられたらしい。
 ともあれ。
「なぁんだ、俺のコレクションの出番はナシかね。さてキーの順番は、オオサンショウウオ、ハト、イソギンチャクか」
「……え?」
 爪に嵌め込まれたレリーフ…おそらくはキツネ、蝶、竜と思われる…を見て壁の仕掛けを作動させる俺に対し、ガルマルは眉をひそめる。
 レリーフに描かれたキツネのモチーフですら「え、おれオオサンショウウオなの?」と問うてきそうな雰囲気である。
 実態はともかく、絵柄さえきちんと合っていれば問題はないわけで。
 仕掛けを作動させ、閉ざされた扉が開いた先には数々の棺が安置された部屋が広がっていた。






「あのーガルマルさん」
「どうしたアルゴニアン?」
 いつぞや習得した死者探知の魔法で周辺の気配を読み取った俺は、あまり思わしくない表情でガルマルに告げた。
「たぶん、この部屋ドラウグルだらけです。扉の鍵を開けるレバーを引いた瞬間に棺から襲いかかってくるですよ?」
「ドラウグルだと?ハッ、ボーンウォーカーごとき、なにを恐れる必要がある!」
「ですよねェー。じゃ、いきますよ」
 さらに先へ進むための道を閉ざすゲートを開くためのレバーを握り、俺はストームクロークの兵士たちが配置についたことを確認する。ドラウグルにもっとも隙ができる瞬間は目覚めた直後、ということを知っているため、棺から出てきた瞬間に叩き伏せるための配慮である。
 深呼吸し、俺は勢いよくレバーを引いた。
「レッツゴウ!」
 案の定、レバーを引いてゲートがせり上がると同時に棺の蓋がバタンと音を立てて倒れ、武器を手に潜んでいたドラウグルたちがいっせいに襲いかかってくる。
 雑魚の相手はストームクロークの兵士たちに任せ、俺とボルガクはゲートを抜けた先、ボルガス王の待つ玉座へと向かう。果たしてそこには尖った王冠を頭に乗せたまま、強力なアンデッド・ロードと化したボルガス王が佇んでいた。
「ボルガクさん!」
「おう!」
 ボルガス王がこちらを認識するのとほぼ同時に俺の放った破壊魔法「氷の谷」が炸裂し、一瞬だけ怯んだボルガス王の胴をボルガクが袈裟斬りにする。
 対アンデッド専用の宝剣であるドーンブレイカーの一撃を受け、苦しみ悶えるボルガス王に俺が最後の一撃を加えた。






「寝起きの直後で悪いけど、王冠だけ置いてまた寝ててくれないかねェ」
 そう言って、俺は「パチリ」と音を立て納刀した。
 抵抗らしい抵抗をすることもなく無様に転がるボルガス王の頭から王冠を取り、俺はそれをしげしげと眺める。
「いかにもノルドって感じだねぇ。大層な噂ほどの力は感じないが…まあ、あくまで権威の象徴だし、いいか」
「おお、尖った王冠を手に入れたのか!」
 別室での戦闘も終わったらしい、他のドラウグルたちを殲滅したガルマルが歓喜の声をあげる。
「急いでそれをウルフリックのもとへ持ち帰るのだ。我々はいましばらくこの遺跡を捜索し、なにか使えるものがないか調べるつもりだ」
「帝国軍兵士は俺たちを待ち伏せしていたんだろう?おそらく、本隊と頻繁に連絡を取り合っていたはずだ。連絡が途絶えたとなったら、おそらく増援部隊が駆けつけてくるぞ」
「なぁに、帝国軍なぞ幾ら来たところで、儂のこのコブシで砕いてやるわい!」
「あー、ノルドってそうだったよねぇ…いや、いいや。頼もしい限りです」
「心配せんでも、ちゃんと表に見張りを配置してある。怪しいものを見かけたら手を出さず、すぐに戻って報告するよう伝えてあるからな。それに儂らも戦況が厳しくなったらすぐに引き揚げる、こんな場所で無茶はせぬわ」
 どうやらこのガルマルという男、たんに猪突猛進というわけではないらしい。
 俺とボルガクはこの場をガルマルに任せ、遺跡を出る前にレイロフへ挨拶していく。
「おまえさんもここに残るのかい?帰ったらまた一緒にハチミツ酒でも飲もうや」
「今度はそっちが奢ってくれよ?随分と出世したらしいからな、えぇ、ドラゴンボーンよ?竜殺しの噂はリバーウッドまで届いていたぞ」
「だからといって、特別に待遇が良くなったわけじゃないけどね。そっちも、無茶はするなよ」
「ああ。俺の親父は、こういう場所を荒らすなと言っていたが…まあ、未来のスカイリムのためなら、ご先祖様たちも許してくれるだろう。たぶん」
 元はといえばここは古代ノルド人の墓、レイロフたちノルド人にとってはいろいろと感慨深いものがあろう。他の兵士たちも興味深い様子で壁画などを観察している。
 これといってルーツのない俺にはない、羨ましい感覚だ。
 そんなことを考えながら、俺はボルガクを連れてコルバンヤンドをあとにした。





【 →To Be Continue? 】








 どうも、グレアムです。少しづつですがクエストが進行しつつあります。
 今回は必殺!のようなセコ突き処刑シーンを再現してみました。これじゃ時次郎じゃなくて主水じゃねーか!ちなみにアーケイドが「トカゲの俺でも惚れそう」と言ったのは相手の油断を誘うためではなく割とマジな話で、だから殺した後にすこしナーバスになっています。
 また、あまり目立たないシーンですが最初のほうで鞘を装着したままで戦闘していますが、これは別装備扱いで用意した、れっきとした武器です。いちおう非殺傷を目的とした戦闘を想定して用意したもので、戦闘スタイルは両手剣、モーションは両手斧で設定してあります。ただアーケイドはこれまで両手剣と防御スキルをまったく育てていなかったので、手加減どころか大苦戦してしまいました(笑)
 鞘のみの武器もそうなんですが、NifSkopeでの流血ノードの設定がすこしだけ面倒臭かったです。

 コルバンヤンドでは戦闘シーンでの撮影でレイロフがすごい良い表情をしています。




戦闘で恍惚するイキ顔レイロフ



 なんつー顔をしとるんだこいつ…
 思わず別撮りしてしまいました。












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