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主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。 生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。 http://reverend.sessya.net/
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2016/04/26 (Tue)18:04





Fallout: New Vegas / Twin Ases
Honest Hearts - Epilogue -




 スリーメアリーズの戦いでホワイトレッグスは壊滅した。部族間の協力によって勝利を手にしたデッドホースとソローズはザイオンの地を離れることなく、その後も豊かな自然に囲まれたこの地で営みを続けた。
 戦いのあと、ジョシュア・グラハムは積み上げられたホワイトレッグスの戦士たちの屍を八つ裂きにし、火を放った。かつてリージョンに所属していた頃、そうした残虐な行動で敵味方の双方を畏怖させ、従わせることは彼の常套手段であった。
 しかし今回は様子が違っていた。屍を解体するジョシュアの表情に嬉々とした様子は見られず、火を放ったあとも、彼は悲しそうな目でそれを見つめていた。なぜなら今回のこの行為は見せしめなどではなく、友への弔いと、残虐な行為への決別を意味していたからだ。










 ダニエルが自ら命を絶ったことはジョシュアに大きな衝撃を与え、決して癒えぬ傷を心に残した。ダニエルが誰よりも神の教えに忠実であったことは他ならぬジョシュアが最もよく理解しており、そのダニエルが自ら命を絶ってまで(自殺という神の意思に背く行為を選んでまで)ジョシュアとザイオンの部族の将来を憂いていたことに気がつけなかったことを、ジョシュアは悔い続けた。
 ホワイトレッグスへのジョシュアの怒りは、家族も同然であった部族の民を殺され続けたことに端を発していたが、ダニエルもまたジョシュアにとって大切な家族であり、自らの行いによって家族を死に追いやってしまったことに対し、ジョシュアは死ぬまで自分を責め続けたという。










 戦いの勝利によってデッドホースとソローズは闘争こそ将来を切り開く手段であると確信し、勇猛になったことと引き換えに、血の気が多く争いを好むようになった。
 かつては協力してザイオンの危機を乗り越えた両部族間にやがて緊張状態が生まれ、諍いが絶えないようになった。大抵はつまらない理由に端を発する喧嘩ばかりであったが、やがて殺し合いが起きると、ジョシュアは自ら積極的に出向いて両部族間の仲裁に当たった。
 厳しい態度で両者を諌めるジョシュアに両部族は反感を覚えることもあったが、それでも彼への敬意を失うことは決してなく、一時は危機的であったザイオンの状況もやがて平穏の時を迎えた。
 命を賭して慈悲を訴えたダニエルの犠牲によりジョシュアの身を焦がし続けていた炎は消え、それに伴いバーンドマンの伝説も風化していったが、それと同時に、ときおりザイオンを訪れるキャラバンや旅人の口から、厳しくも慈愛に満ちた「ザイオンの父」の寓話がひっそりと語られるようになったという。










 宣教師ダニエルは死を厭う以上に、ホワイトレッグスとの戦いによってジョシュアがかつての残忍さを取り戻し、ザイオンの部族を第二のリージョンに変貌させてしまうことを恐れていた。言葉では決してジョシュアを説得できないことを理解していた彼は、ザイオンの平和を願う一枚の手紙にすべてを託し、自らに引き金をひいた。
 ダニエルの遺体はジョシュアの手によって丁重に葬られ、彼の墓は静謐なる場所として厳重に管理された。自ら命を絶ったダニエルが天国へ行けたかどうかは誰にもわからなかったが、少なくとも…現世で、彼が自らの行いを悔い、憂うことはもうなくなった。
 デッドホースとソローズの両部族に神の教えを説くとき、特に神の慈愛について説くときに、ジョシュアは必ずダニエルの名を口にするようになった。しかし両部族は神の教えに忠実であるがゆえ、自殺という手段を不名誉で背教的な行為としか捉えることができず、なぜジョシュアがこれほどまでにダニエルの存在を神聖視するのか、それは彼の死後もついに理解されることがなかった。










 部族間の諍いが表面化する前、フォローズ・チョークはジョシュアと自分の将来について話し合ったあと、一族の反対を押し切ってザイオンの地を旅立った。
 見慣れぬ文明とモハビの荒涼たる砂漠は度々彼を驚かせたが、フォローズ・チョークは決して自分を見失うことなく、現在はモハビ各地を巡回するキャラバンの護衛として見聞を広めることに努めている。
 しかし彼が多大な恩義を感じている相手…ザイオンを巡る戦いで活躍した、かの傭兵と再会することは二度となかった。










 傭兵…クレイブ・マクギヴァンはモハビに帰還したあと、真っ先にハッピートレイル・キャラバンとコンタクトを取った。
 ザイオンに派遣した部隊からの連絡が途絶えたとき、すでにニュー・カナーン方面の通商ルートを諦めていたキャラバンは急遽調査隊を派遣し、脅威となっていたホワイトレッグスが壊滅したこと、勝者となったデッドホースとソローズが取引の再開にあたって通商ルートの警備にあたると提言してきたことを知り、大いに驚嘆した。
 それは部隊壊滅後にクレイブが困難な任務をたった一人で成し遂げたことを意味していた。キャラバンは彼に多額の報奨金を支払い、それを補って余りある富を約束された会社は飛躍的発展を遂げた。

 クレイブがザイオンでの出来事を思い返すことは滅多になかった。
 彼にとって今回の出来事は数多くある仕事の一つでしかなく、なにより、すでに彼は新しい仕事に向けて着々と準備を進めていたのである。
 ある組織から極めて重要且つ機密性の高い任務を請け負ったクレイブは、一人の女性を伴い、前人未到の地へと旅立った。






 旧世界のブルースが響く、ビッグ・エンプティへと……





< Wait For Next Deal... >








 どうも、グレアムです。傭兵クレイブが紡いだ、ゲーム本編とはやや趣の異なるFallout: New Vegas、Honest Heartsのエンディング。如何だったでしょうか。
 本編の設定とは違う部分が多々(あえて変えた部分、無理解ゆえに間違えた部分含め)あるので、本編を理解するうえでのソースとしては不適当ですし、考察を手助けするようなものでもありませんが、まあ二次創作なので、そのへんは大目に見て頂きたいと思う所存でございます。
 洞窟の父とウェクラさん(ウェイキング・クラウド)関連のエピソードはごっそり削りました。物語展開の補佐役は一人いれば充分なので、そのへんはフォローズ・チョークに一任してもらったってのと、今回はあくまでジョシュアとダニエルのストーリーにフォーカスしたかったので、サバイバリストの話はオミット。まあ、あのエピソードはね…けっこうあちこちで持ち上げられてるので。いまさら俺が触れる必要もないかな、と。以前に書いたような理由もありますし。

 この後クレイブはビッグ・エンプティに向かうことになりますが、次に話を書くとすればOld World BluesではなくDead Moneyになると思います。OWBでの展開はブレンダが主人公であるNV小説の本編と大きく関わることになるので、そっちのほうで語るつもりです。
 最後の画像でクレイブの隣にいる女性は…フフ、誰でしょうね。オリキャラじゃないですよ?やり込んだプレイヤーであれば、装備から素性が推察できるかと思われます。つまり、時系列的には…ということです。
 本編のほうもそろそろ再開しないとな。OS再インストール前に使ってたデータっていうのが、けっこうデタラメに改造したModを使用してて、そのModのバックアップを取ってないので、たぶん現環境だと読めない気がするんですよね。もっともプリムまでしか進んでないので、やり直してもそんなに時間は取られないはずですが。














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